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吉沢康弘

 - ,,,,,  10:00 PM

「現代の野球中継」となったポケモンGOの圧倒的功績を讃えたい

「現代の野球中継」となったポケモンGOの圧倒的功績を讃えたい

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P&G、コンサルを経てライフネット生命保険の立ち上げ期に参画、現在はベンチャキャピタリストとして、ビジネス領域での仕事に奔走する著者だが、この数週間はとにかく、「ポケモンGO」に魅了され、多くの空き時間を割いてきた。

160808pokemon_go_icj_prof.jpg吉沢康弘(よしざわ・やすひろ)
1976年生まれ。東京大学工学系研究科機械工学修了。P&G、人材開発系コンサルティング・ファーム、ベンチャー企業の企画・運営を同社にて担当後、ライフネット生命(当時、ネットライフ企画)の立ち上げに参画し、主にマーケティング・新規事業立ち上げに従事。同社上場後、インクルージョン・ジャパン株式会社を設立し、ベンチャー企業への立ち上げ段階からマーケティング・事業開発で支援することに従事し、ベンチャー投資に特化した「ICJ1号ファンド」を運営。同時に、大企業へのベンチャー企業との協業をメインとしたコンサルティングを行っている。MUFGフィンテックアクセラレーター、NRIハッカソン、凸版印刷社内新規事業創出他に従事。

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2016年8月7日時点(プレイ開始から16日目)の著者のレベルと保持モンスター


ポケモンGOの存在を初めて知ったのは、日本でリリースされる数日前。海外在住の友人のスレッドに「初めてポケモンGOで集団が何千人と集まる姿を目にした。本当にすごい〜」といった投稿が目につくようになり、「なんだなんだ...」とただならぬ予感。半年前からUPされているYoutubeの宣伝動画で、ニューヨークのタイムズスクエアにて数万人がモンスター捕獲に熱くなる様子を見て、

「これは、兎にも角にも、日本上陸したらやり抜くしかない!」

と興奮してしまった。

そして迎えた日本公開初日の7月22日(金)。たまたま郊外へと電車で移動中だったときにダウンロードに成功すると、車内で出現するポケモンをひたすら捕獲。

Facebook上では、同じくプレイし始めた友人・知人のレベルアップ具合、ポケモンの捕獲状況が目につくようになり、「これは負けてられない」とヒートアップ。

毎朝早朝4:30頃に起きては、7時前まで散歩してレベルアップ。

日中の移動時には、とにかく起動してポケストップでアイテム集めとポケモンおびき寄せ。

とまあ、そんな感じで日々の進捗をUPしつついると、会う人会う人から「吉沢さん、ポケモンGOどうですか?」と声を掛けられる次第。

だが、多くのビジネスの立ち上げ・成長のお手伝いをさせてもらっている自分からすると、この感覚こそ、とても重要だといつも思っている。

人を熱中させ、魅了させることができる仕事をするためには、まずなにより、自分自身がその熱中のど真ん中にどっぷりと浸かる。その上で、なぜ自分がすっかり魅了されてしまったかを引いた目で解釈し、仕組み化し、世の中に役立つように展開していく。

今回もようやく、そのタイミングが来たようだ。改めて振り返りたい、「ポケモンGO」がどのように人々を魅了し、何をやってのけていて、そして今後の日本に向けて、世界に向けて、どんな可能性を僕らに提起してくれたかを。

「歩きスマホで危険が助長される。あれは嫌いだ」
「一過性のブームに過ぎないし、そろそろ冷めていくだろう」

そんなふうに言いながら、早く沈静化して、自分の心のざわめきを落ち着かせたいと思ってたりはしていないだろうか。

あなたは、ポケモンGOの大ブレイクから、何を感じ、何を学び、そしてどんな可能性を見出しただろうか?

本記事では、この点について、他のビジネスモデルを分析・解釈したときと同じスタンスにて、徹底的に深掘りしていきたい。


ポケモンGO最大の功績は「昭和のテレビ中継」が持っていた「同時性」を復活させた点にある


数年前、あるテレビ関係者と話をしていたときに、印象に残った一言がある。

「テレビマンの最大の夢は、昭和時代にあったような近所のみんながテレビのある家に集まって、野球中継を夢中で見てるようなことなんです」

この言葉の裏にあるのが「同時性」というキーワード。世代を超え、所属している会社や組織を超え、多くの人が1つのテーマに、同時タイミングで盛り上がり、分け隔てなく楽しめることを指す。

今では信じられないことだが、昔は野球の日本シリーズの季節になると、小学生も、若い社員もおじさんも、その話題でひとしきり盛り上がり、野球中継に同じTVの近くに集まり、ワーワー言いながら楽しんでいた。

普段は世代が違い、興味・関心が違う人同士でも、テレビというきっかけが存在し、一緒に、同時に没頭することで熱気が生まれ、楽しめた。これこそが「同時性」というものだ。

ところが、この十数年、こうした「世代を超えていつでも楽しめる」ものが急速に減ってきてしまい、「同時性」を日常的に経験する場面が少なくなってきてしまった。

職場でも、近所同士でも、普段何かのきっかけで顔を会わせる同士でも、世代が離れてしまうと、それを超えて「同時に」楽しめるテーマがなくなってきてしまったのが、冒頭のテレビマンが課題と感じている「同時性」の喪失なのだ。

その背景にあるメカニズムを、もう少し詳しく見てみよう。


「閉じこもるインターネット」の世界


数年前に話題になった書籍に「閉じこもるインターネット」(現在は改題され『フィルターバブル』(イーライ・パリサー)として出版されている)というものがある。

その著者が指摘するのは、「FacebookやLINE、Twitterなど、様々なSNSが浸透するにつれ、誰かが掲げた興味・関心の旗印に、地域・年代を超えて、お互いに好きな人が集まってくるという現象を引き起こしてきた」という点。


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結果、それまでは自分の職場や住んでいる近所など、お互いにいつも顔を会わせている同士でコミュニケーションをとる機会が少なくなり、「ランニングをする仲間を見つけて集まる」「金融について勉強する同士で集まる」といった、本当に好きなことをベースに集まることが激増した。

SNSの普及は、かくしてお互いに趣味・嗜好が合う同士で、より多くの時間が過ごせるという素晴らしい状況をもたらした一方で、近くで普段見かける同士、物理的に近くにいる同士でのコミュニケーションと交流の機会を減退させた。

更には、こうしたコミュニティの多くは、使っているメディアやツールによって左右されるため、世代間でのギャップを促進したのも事実だ。30代であればFacebookを、20代であればLINEを、それより下だとTwitterをというように、ただでさえコミュニティ同士が閉じこもることに加えて、世代間のギャップが助長されてきたのが、ここ数年の日本だった。

言い換えれば、「世代を超えて一緒に楽しむ経験」が、社会から急速に減ってきてしまっている。


ポケモンGOが社会現象として世代を超えたメカニズム


そんな世代間ギャップを見事に乗り越え、多くの人に「同時性」の楽しみをもたらしたのが、今回のポケモンGOである。どうやってこのポケモンGOが、社会現象化し、世代の壁を超えてブームとなったのか。そのメカニズムについて、3段階で順を追って説明しよう。

  1. 「ポケモン世代」による圧倒的な支持
  2. プレイする「ポケモン世代」を街に引っ張りだして可視化したAR
  3. 「非ポケモン世代」のアクティブ層の追従による「同時性」の誕生


1. 「ポケモン世代」による圧倒的な支持

以下に掲載したのはウェブで行った簡易調査の結果である。これによると、ポケモンGO以前にポケモンにどれだけ慣れ親しんでいるかという数値には、20代までと30代以降で大きな開きがある。


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ウェブアンケートサイト「マクロミル」を使った簡易調査(インクルージョン・ジャパン社 企画・実施 2016/8.2-3 回答数=250)


ポケモンGOを遊んでいる20代のユーザーに「ポケモンGOは好きですか?」と問うと、当然のようにこんな反応が返ってくる。

あの頃ゲームボーイの中にいたポケモンが現実にいるように見えるのって素敵で、はじめて捕まえたときの感動は忘れられません。
初期ポケモン世代で出てくるポケモンもすべて知っているのでとても懐かしくプレイしています。

この話をすると、30代後半ともなれば全くピンとこないのだが、別の調査では、「なぜポケモンGOをプレイしているんですか?」と聞くと、20代ではダントツ「だって、ポケモンだから」という答えが返ってくる。

実際、「ポケモン」の人気と認知度の高さはこの十数年で群を抜いており、下図のGoogleでの検索ボリュームを見ても、2年前の「妖怪ウォッチ」大ブームと比較しても、安定した人気を誇り続けている。


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ある単語がGoogleでどれだけ検索されているかをグラフで見ることができるツール「Google トレンド」で「ポケモン」「妖怪ウォッチ」の2つの単語の検索回数を比較したところ


おそらく今のお父さん・お母さん世代でいう「ドラえもん」などと同じ水準、あるいはそれ以上に、「ポケモン」は、今の20代の人たちに幼少時より深く根付いた存在となっているのだ。

その「ポケモン」がスマートフォンで大々的に楽しめるようになった。それだけで、20代の面々には十分過ぎるほど、楽しむための理由になっている。


2. プレイする「ポケモン世代」を街に引っ張りだして可視化したAR

次に、この「可視化される」という話にミソがある。ちょっと古い方なら覚えていらっしゃるだろうが、2000年前後、街のあちこちに、日本中に、急速に「スターバックス」が拡がったのは、実に印象的だった。以前の同僚で、この時代のスターバックスの拡大に従事していたあるマーケターは、その拡大の秘密を教えてくれたことがある。

急速な拡散の裏にあったのは、今では当たり前になった、スターバックスの独特なカップの飲み口。


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この飲み口があることで、写真にあるように、独特の飲み方を街中でする人が目につくようになった。

「あの人もスタバを飲んでる!」といったように、スターバックスユーザーの存在が誰にでも一目でわかるわけだ。

通常は流行というものは、特定のセグメントでおこるものだが、このような「可視化」が行われると、そこを飛び越えてお互いに「あれはなんだろう?」「面白そう」「みんなやってる」というふうに、伝播が発生する。

言わずもがな、今回のポケモンGOでは強烈にこの可視化が行われた。実際に、街中、特にジムと呼ばれるポケモンを戦わせる場所や、ポケストップというアイテムが獲得できたり、モンスターが集まったりする場所の周辺には、多くの人が集い、独特なスマホの操作を行うから、一目瞭然。

先ほどの「何はともあれ、ポケモンGOはプレイするぜ!」という「ポケモン世代」という初期の母集団を抱えたこのゲームのこと、スターバックス以上に、遥かに多くの「可視化してくれる」人が街に溢れることとなった。


3. 「非ポケモン世代」のアクティブ層の追従による「同時性」の誕生

これに反応したのが、「ポケモンには思い入れがない」が「流行には飛びつく、とりあえず何かをやってみよう」という30代以上の面々だった。

先ほどの調査にて、ポケモンに思い入れは無いが、ポケモンGOが好きという30代以上の人には、こんな感想が連なる。

正直ポケモン自体は名前くらいしか知りませんが、試しにやってみたら歩くのが楽しいです。
今までにないアプリだと思います。ダウンロードしてから散歩する機会が増えました。外で楽しめるこんなアプリが増えたら良いと思います。

さらに特記しておきたいのは、会社経営者や著名なビジネスパーソンの大半は、実は30代以上でもポケモンGOを熱心にプレイしているという事実。個人的な感想だが、「腕が立つ」「イケている」経営者・ビジネスパーソン程、没頭してポケモンGOを楽しんでいる感がある。私の周囲でいえば、たとえば「ひふみ投信」などで2,000億円近くを運用する藤野英人氏や、VOYAGE GROUP宇佐美進典氏が、多忙な中でもしっかりとプレイされていた。

こうした面々は、ノーベル賞を受賞したダニエル・カーネマンが『ファスト&スロー』(早川書房)などで指摘する、「人間の行動の大部分は、左脳で理論的に考えた内容ではなく、右脳の直感・衝動で行われる。左脳は、後付解釈にすぎない」ということを判っている。


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だから、自分のビジネスに活かそう、何かを捉えようというときは、まずは「左脳でやる価値があるかどうか判断する」みたいなことはせずに、とりあえず自分の右脳に任せて、好きなだけ魅了され、楽しんでみるのだ

それによって初めて、他の多くの人がどのように楽しみ、行動しているかを把握することができ、自分の仕事にも応用できるようになる。


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というわけで、こうした右脳を入り口とした非ポケモン世代の中では、このポケモン世代のプレイが可視化され、そこに同調してポケモンGOを開始し、あるいは継続プレイする層が、全く異なるモチベーションで生まれるに至った。


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かくして、冒頭のテレビマンが語っていた「昭和時代のように、世代を超えて目に見える人たちが1つのことで同時にワイワイとその場で盛り上がる」という状況、「同時性」というものが復活したという次第だ。

実際に著者も、ある朝に代々木公園にあるジムを陥落させ、そこにラプラスという強力なポケモンを配置したところ、隣にいたカップルが「うわ、このラプラス、えげつねえ〜」と騒ぐのを目撃し、ひとしきり同じ場所で盛り上がった。


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「ラプラス」は特に強力なポケモンの1つ。この時期にこの水準のラプラスはあまり保持しているプレイヤーがおらず、打倒するのにかなりの労力が相手方にかかってしまう


ポケモンGOが教えてくれた「世代間のギャップのメカニズム」


熱中する集団が拡大し、街中でもそれが可視化されるようになってくると、その集団に入っておらず、右脳的・感情的にその感覚が解らない人たちには、隔離感や反発といったものが生まれ始める。


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今回の調査でも、30代以降のポケモンに愛着がなく、ポケモンGOそのものもほとんどプレイしていない人からは、以下のような否定的なコメントが多く見られた。

全く興味がないです。今だけの流行りだろうから勝手にどうぞという感じです。
嫌いです。やってる人がゾンビに見えます
いろんな所で問題が起きている。ユーザーは常識的な楽しみ方をすべきだと思う。
やってないのでわからない。一過性のブームだと思っている。

同じ40代としてこうした反応をみていると、個人的にも

「やっていないのに、楽しさなんてわかるわけない」
「そもそも、これだけ多くの人がプレイしているから問題がある程度の数発生するのは当たり前。否定は的を得ていない」

などという気持ちになる。が、これこそがいつも起きる、世代間ギャップ、そして感覚のズレの正体なんだなと、深く気付かされることともなった。

普段は、他のおっさん世代(非ポケモン世代)と同じように、自分と違うことに盛り上がっている、右脳で他の世代が楽しんでいることを肌で感じられなかった世代。

今回に限っては、ポケモンGOによってそれを目で見て、実際に一緒にやってみて、ポケモン世代と同じ楽しみ方を感じた面々が、自分の世代を離れて世代ギャップを反対側で感じられたことに、大きな価値があった。

きっと、昭和時代は、テレビを一緒に見ながら、おじさんたちは古い選手のことを、少年たちは若い選手のことを、それぞれ憧れるというコンテキストの違いはあれども、同じ場で、同じテーマで、大いに右脳でつながりあっていたのだろう。


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スマートフォンにタブレット、Facebook、LINE、Twitter...それぞれの生きている世代によって、そのコンテクスト(生まれ育ってきた過去の経験)が大きく異なってくるこれからの時代だからこそ、そこを超える経験を提供してくれたポケモンGOには、今後を含めて計り知れないポテンシャルがある。

昭和時代の昔、近所のテレビを囲んで、思っていることや捉え方は違えども、子供もおじさんもおじいさんも、みんながつながっていた時代が、改めて訪れるかもしれない。

そんな可能性を提供し、感じさせてくれたポケモンGOに、いくら賛辞を送っても、送りすぎなことはないだろう。


(吉沢康弘)
Photo by Danny Choo/Flickr (CC BY-NC-SA 2.0), Shutterstock

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    香川博人

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