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印南敦史印南敦史  - ,,,,,  06:30 AM

「時間=努力」の錯覚から抜け出そう。努力を効率化するためのマインドセット

「時間=努力」の錯覚から抜け出そう。努力を効率化するためのマインドセット

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一般に、「努力することはいいことだ」と思われている。
もちろん、努力をしないよりはしたほうがいい。仕事でも学びでもトレーニングでも、一定の努力は必要不可欠だ。それでも、「努力をすればいい」と思った瞬間、大事な点を見失ってしまう。問題は、労力やかけた時間ではなく、努力の質にある。
(「Introduction その努力は『いい努力』か『悪い努力』か」より)

マッキンゼーで25年にわたって膨大な仕事をしてわかった いい努力』(山梨広一著、ダイヤモンド社)の著者は、このように主張します。同じ時間をかけるなら、すべて「いい努力」に転換したほうがいいという考え方。しかし、そもそも「いい努力」とはなんなのでしょうか? このことについて著者は、次の7つのポイントを挙げています。

1. 「成果」につながるもの
2. 「目的」が明確なもの
3. 「時間軸」を的確に意識しているもの
4. 「生産性」が高いもの
5. 「充実感」を伴うもの
6. 「成功パターン」が得られるもの
7. 「成長」を伴うもの
(「Introduction その努力は『いい努力』か『悪い努力』か」より)

これらを踏まえたうえで、第1章「努力の質を変える 仕事に『いい流れ』をつくるルール」から要点を引き出してみましょう。



つねに現場からの「変化」を目指す


どんな場所にも、否定から入る人はいるもの。著者自身もかつてはそういうタイプだったのだと明かしていますが、そんな過去を認めたうえで、そうなってしまう原因は3つあると分析しています。

まずひとつは、「上から目線」。人は提案を受けて判断する立場に立つと、悪気はなくても知らず知らずのうちに傲慢になってしまうというのです。もうひとつは、「耳年増」になっていること。前例や過去のデータに精通し、多くのトライアンドエラーの結果を知っていると、いつしか頭でっかちになってしまうということ。そして最後のひとつは「減点主義」で、これがもっとも深刻なのだとか。しかも業種や個人を問わず、中堅やベテランになるにつれて「否定病」にかかる確率は高くなっていくといいます。

では、どうすればいいのでしょうか? 「否定病」の予防策について著者は、「努力とは成果を出すためにある」と肝に銘じることだとしています。大切なのは、マイナスを出す可能性があろうと、怖がらずに挑戦すること。最終的にはプラスになるように努力するのが、ビジネスというゲームのルールだという考え方です。そして、「成果はゼロでも赤字じゃない」という発想は、このゲームには適さないと断言しています。(22ページより)


「環境×意思×性格」を最大化する


あらゆる物事にはセットアップ(周囲の状況や段取りなどの設定)が重要で、いい努力もそれは同じ。そして、「いい努力のセットアップ=環境×意思×性格」となるのだそうです。

そして、まずすべきは環境を整えること。「いい努力」、つまり質の高い努力をしていこうという意識を共有できているのが理想的な環境だといいます。とはいえ、オーナー経営者やワンマンリーダーでもない限り、「いい努力」を組織全体で共有することは困難。「何事にも時間をかけるほどいい」と信じ込んで成功した経験を持つ上司は、どの会社にもいます。しかし部下の立場からは、「こういうやり方だと時間ばかりかかるのでは」といったことは正論でもいいにくいもの。

そこで、セットアップには自分自身の意志が重要になるのだと著者はいうのです。仮に環境のよさが「1」しかなくても、「成果につながるいい努力をしたい」という意志が「1」しかないのか、それとも「5」あるのかで、いい努力をどこまで実現できるのかがずいぶん違ってくるということ。また、意思は強くても、人に合わせるタイプの性格なのか、反対されても自分の意思を貫く強い性格なのかでも変わってくるでしょう。

たとえば「環境1×意思2×性格5」という数式だと、セットアップは「10」。しかし環境が5と恵まれていたとしても、「環境5×意思1×性格1」というケースもあるはずです。

ここで大切なのは、「ベター・ザン・ナッシング」の精神だと著者は主張します。いい努力をするセットアップは、ゼロよりも1、1よりも2のほうがいいはず。環境的には最悪で、協調的な性格を自覚しているのであれば、せめて意思だけは強く持つべきだということ。「1も2も変わらない」と考えるのではなく、「1より2のほうが断然いい」と発想を切り替える。それもまた、セットアップの重要な要素であるといえるそうです。(26ページより)


「時間=努力」の錯覚から抜け出す


いい努力をする準備として、時間の使い方を変えることも大切。やり方はいろいろあるものの、まずは「時間=努力」と錯覚していないか、いま一度意識しなおすべきだといいます。

著者も過去には長時間労働が常習化した環境にいたといいますが、そのおもな要因は2つあったのだそうです。ひとつは、「日本企業は、どうやってやるか(How)まで詰めないと意思決定しないため、詰め切るべき事項が多く、必然的にクライアントもコンサルタントも長時間労働にならざるを得ない」というもの。

2つ目は、「時間によるコミットメント」。クライアントメンバーが休む間を削ってがんばっている以上、著者のようなコンサルタントも、「夜中までやる」「徹底的に時間をかける」というかたちでコミットメントを示さないと、クライアントの信頼を得られないケースもあったということです。

前者は経営スタイルの違いでもあり、一概に悪いこととはいえないかもしれません。しかし後者の「長時間働くことが重要」という意識は、日本企業に根強く染み込んだ「悪しきマインドセット(心構え)」だと著者は指摘します。

そして、それは過去に限ったことではないともいいます。「残業することには意味がない」という考え方が浸透しているように見えて、いまなお日本の企業人には「時間=努力」の錯覚が根強く残っているというのです。だからこそ、徹夜で資料を仕上げたあとや残業したあとに、「ああ、がんばった」と感じる人は、いま一度、「時間=努力」と錯覚していないか考えてみてほしいと著者はいいます。(28ページより)


仕事がはみ出しても時間を切る


いい努力を妨げる「壁」は、簡単に壊せるものではないもの。とはいえ、自分で悪い努力を捨てる方法がたくさんあるのも事実。そこで、いい努力をする準備として、できることから着手すべき。いちばん手っ取り早いのは、時間を切ること。著者もマッキンゼー時代に先輩から学び、後輩に伝えたアドバイスは、とにかく「お尻を決める」ことだったそうです。

「どんなに仕事が残っていても、20時になったら帰る」
「やるべきことが山積みでも、土日は仕事をしない」

このように先に終了時間を決めてしまい、それに合わせて動くということ。仕事内容に関わらず、まず時間を切ると、当然ながら最初のうちは仕事がはみ出すことになります。仕事が終わらないまま、中途半端な状態で残ってしまうわけです。そうなると必然的に、不安な気持ちが残るもの。しかし、ぐっと我慢して、断固として時間を切ることが大切だというのです。なぜなら、ここから先が肝心だから。そうすることにより、「限られた時間で、どうやったら仕事を終えられるようになるだろう?」と真剣に考えるようになるというのです。

人は効率化したいと頭では理解していても、なかなかやり方を変えられないもの。「工夫して早く帰りましょう」というのはスローガンとしては美しいけれども、そういわれても簡単には実現できないからです。理由は簡単で、働き方を変えるよりも、何時間か多く働くほうがある意味では楽だから。

しかし、現実に制約をつくってしまえば、工夫はスローガンではなく「必然」になるわけです。「とにかく帰宅」を目的にするのではなく、「あと何時間で家に帰る」を目的にすれば、抜け道の組み合わせを考え出さざるを得なくなるもの。つまりそのような制約があって初めて、いい努力をする姿勢が生まれるということです。(30ページより)




マッキンゼー出身を謳う人物は少なくありませんが、著者の強みは、25年ものコンサルティング実績を持っていること。そのぶん、机上の空論とは異なる説得力が備わっているわけです。だからこそ本書は、努力が空回りしていると感じている方に役立つことでしょう。


(印南敦史)

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