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鈴木統子  - ,  09:00 PM

「完全なオリジナル」なんて存在しない?創造性にまつわる7つの誤解

「完全なオリジナル」なんて存在しない?創造性にまつわる7つの誤解

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誰もが経験したことがあるはずです。インスピレーションが湧いてきた時の、あのうっとりするような、神秘的な瞬間を。クリエイティビティ(創造性)は、人をやみつきにさせるものです。そして、無神経な言い方かもしれませんが、利益をもたらしてくれるもの。同時に、残念ながら、気まぐれなものでもあります。こちらが手に入れようと追いかければ追いかけるほど、手からすり抜けていくものなのです。

「クリエイティブのプロ」という看板を背負っている人ほど、この感覚を強く実感しているでしょう。デザイナー、ライター、ミュージシャン、プログラム開発者。携わっているのがいずれの分野であれ、直面する問題は同じです。「クリエイティブの源が干上がってしまったら、どうしよう?」 より端的に言ってしまうと、「自分のエネルギーが、時間が、生活の回転の動きが鈍くなったら、どうしたらいい?」

クリエイティビティのこととなると、陥ってしまう根本的な問題は、多くの人が間違ったところへと答えを探しに行ってしまうということです。でも、どうか気分を害さないでください。方向間違いをしてしまうのは、必ずしもあなたのせいではありません。そういうわけで、誰もがやってしまいがちな、クリエイティビティにまつわる7つのありがちな誤解と、その対処方法についてまとめてみました。


誤解1:「オリジナルであるべし」


ああ、オリジナルであるということ。「自分がいちばん最初」であるという感覚は、自由な感じがするものです。

とはいえ、世界人口が70億人を超えている現在、「史上初」であるなんて思うことすら、現実的には難しいでしょう。でも、絶望しないでください。というのも、クリエイティビティの世界では、オリジナリティはあまりにも過大評価されているのです。元米lifehacker編集長Adam Pashも同じことを言っています。

完全にオリジナルなアイデアが浮かばないと思ったとしても、それで世界が終わるということはありません。

おそらく、あなたは自分に誠実であろうとしているだけです。

自分がわかっていることを大切にして、ほかのものから、盗んでみてください。そして、それ以外の優れたアイデアなどとひとまとめにして、何かをつくりだしてみましょう。必ずしもオリジナルとは言えなくても、きっと新しく、面白いものになっているはずです。

つまり、クリエイティビティは、完全に新しいとか、未知であるといったものから生まれるわけではないのです。それよりもむしろ、あなたがすでによく知っているものからスタートして、新たなアイデア源と新しいアングルで混ざり合ったり、組み合わさったりして、つくられるものなのです。

この「組み合わせる」というワードは、ここではきわめて重要なものです。クリエイティブの天才、ピカソと、デザイナーのアイコン的存在、ポーラ・シェアの言葉を借りて、Brain PickingsのMaria Popovaは以下のように説明しています。

この2人の話(ピカソは、5分のスケッチに自分の全人生がつまっていると言い、シェアは、さまざまな知識やアイデアを元に作品をつくりだしていると言った)は、誰もが、心の奥深く、直感レベルで理解できる一方で、クリエイティブのエゴ的には、ある種受け入れがたいことをとらえています。それはつまり、クリエイティビティとは、組み合わせによって成り立つものであり、完全にオリジナルなものなどないということ。すべてのものは、過去にあったものをもとにつくられており、私たちは自分の人生を通して蓄積された既存のインスピレーション、知識、スキルそして、見識を、組み合わせ直すことによって、信じられないほど新しいものをつくることができるのです。

ここでのポイントは、印のない地図でクリエイティブの旅を始めるべきではないということ。あなたにインスピレーションを与えてくれる人、場所、アイデアから、まずは始めてみるということ。そして、「盗む」のを決して恐れないということです。


誤解2:「孤高であるべし」


「孤独」であるということは、また別の落とし穴です。つまり、多くの人が直感的にやってしまいがちな誤りです。クリエイティブとは、孤独なもので、1人で追求するものだと考えられがちです。私たちは、自分を1965年のボブ・ディランに重ね合わせてしまうのです。世界から注目されることを疎み、ニューヨークのWoodstockの小さな小屋にこもったのち、完璧すぎる「ライク・ア・ローリング・ストーン」とともに再び姿を現したという、彼の姿に。

映像作家のKirby Fergusonは、現実は、これとはまったく異なるものだと言っています。現実では、私たちはどんなことにおいても、お互い完全に依存し合っているというのです。Fergusonに言わせれば、「クリエイティビティは内からではなく、外からやってくる」ということ。これは、クリエイティブ・プロセスを構築していくためには、コラボレーションすることが必然であるということを意味します。

意外にも、コラボレーションは史上もっとも有名な孤高の人にとっても、必要不可欠なことでした。評論家のJoshua Wolf Shenkは、アメリカのラジオ局NPRのインタビューに次のように答えています

私が一番心をつかまれた作家の1人がエミリー・ディキンソンです。ディキンソンと言えば、生家である父親の家から出ることを拒み、完全に外の世界から孤立して1人、自分の部屋で過ごしたと、思われているでしょうし、それは事実です。

しかし、実は彼女は大いに他者と交流していたのです。ただ、それは、私たちがコラボレーションという言葉から、思い浮かべるようなタイプの交流、つまりは、2人の人間が1つの部屋にいて、ギブアンドテイクをするといったような形のものではありませんでした。でも、彼女は手紙を書いて、実際に自分の詩をある特定の人たちに送っていたのです。

彼女は無数の詩を、自分の大切な人たちに送っていました。そしてその詩は、その関係性から生まれた情熱をまとい、生命を持つようになりました。電気が生じたようにね。

ディキンソンは、独りぼっちではありませんでした。本当のクリエイティブの才能は、「私」から生まれることはまれで、大抵は「私たち」から生まれてくるものなのです。Walter Isaacsonは、著書「The Innovators: How a Group of Hackers, Geniuses, and Geeks Created the Digital Revolution」で、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックなどの有名なコンビの名前を挙げて、このことについての核心に触れています。

デジタル時代における、大半のイノベーションは、コラボレーションによってつくられている。たくさんの魅力にあふれた人間が渦中におり、そこには、凡人もいたし、天才も何人かはいた。これは、......彼らがどのようにコラボレーションし、そして、彼らがチームとして働くことで、なぜ一層クリエイティブになったのか、についての物語だ。

どのメソッドを使うのであれ、今度あなたのクリエイティブの泉が枯渇した場合は、手を伸ばし、アドバイスを求め、違った意見に耳を傾けましょう。周りとの関係を信頼し、仕事に取りかかりましょう。


誤解3:「四方に関心を払うべし」


TEDxTalkで、Nick Skillicornは、クリエイティブにおける根本的な段階を「準備」「孵化」2つに分け、双方の段階において、脳が「インスピレーション」を得ることが必要だと述べています。Skillicornによれば、1つめの段階「準備」とは、「知識、経験、見識、文脈を吸収し、アイデアを必要とする、そのチャレンジについて理解すること」であるといいます。気が散ることのメリットについても、あとで説明しますが、クリエイティブはまず、集中することから始めなければなりません。

集中できないという問題を解決するには、次の研究結果が役立つかもしれません。オランダのLeiden大学の研究によれば、ダイバージェント・シンキング(1つの問いに対して、枝分かれ的に複数の関連性や答えを見出して考える思考法)」を通して、1つの問題についてじっくり考えると、クリエイティビティを刺激することができるといいます。熟考することは、ストレスレベルを引き下げるだけでなく、注意深くあることで、認識力の萎縮、つまりは、新しい刺激や問題、タスクへの不適合性を改善することができるというのです。この熟考することと注意深くあることによるゴールは、スポーツでいう極限の集中状態「スーパーフロー」や「ゾーン」へとあなたを導く、認識力の柔軟性を生み出すことです。

素晴らしいアイデアが思いつきで生まれてくるものだと思ってはなりません。クリエイティビティは、労力を伴うもの。時として、自分の壁が何であるかを、時間をかけて、じっくりと眺めることがクリエイティブになるためのもっとも有効な方法でもあります。

アイデアが魔法のように現れるのを待つのではなく、訓練してみましょう。自分のスケジュールに「準備」の時間を組み込んで、リサーチに没頭し、大変なことにも取り組んで、自分の考えを紙に書き表してみましょう。脳の準備がきちんと整って初めて、新しいアイデアは、湧いてくるものなのです。


誤解4:「一心に集中すべし」


皮肉にも、最高のアイデアは、妙なタイミングで降りてくるものです。午前3時に目を覚ました時とか、ワークアウトの真っ最中とか、シャワーを浴びている時とか。

一体なぜなんでしょう? 実は、脳は準備が整うと、私たちの知らないうちにこっそりと、問題と解決との間のギャップを埋めるべく、働きだすのです。

Skillicornは、この現象を前項で説明した「準備」に続く2つめの「孵化」の段階、つまり、「精神が新しい関係性を築くために必要な時間」だと説明しています。「集中しすぎている」ということは、クリエイティビティを無理に発動させようとしてしまうというワナに引っかかっているということ。代わりに、集中力を敢えて散漫にするという「孵化」の期間を受け入れてみましょう。

Northwestern大学の研究者たちは、最近の研究で、クリエイティビティは、注意を散漫にすることによって引き出すことができる、と結論づけています。彼らは、「実生活でのクリエイティビティと、『無関係』な感覚情報をフィルターにかける能力には関連性がある可能性がある。この実験結果は、そのことについての初めての生理学的エビデンスである」と述べています。研究リーダーのDarya Zabelina氏によれば、「人によっては、毎日感覚情報にさらされることで強い影響を受ける人がおり、それは、通常よりも、より「目の粗い」感覚情報のフィルターを持っているということだ」と述べています。

「目の粗い」感覚情報のフィルターとは、自分とは「無関係」な感覚情報を選別し、除外するという性質があるということ。このフィルターは、脳の情報処理過程において、早い段階で無意識的に機能し、自分の集中外にある複数のアイデアを統合する役目を果たしているかもしれません。そして、実生活でのクリエイティブな活動へと導いているかもしれないのです。

これは、自分の集中していること以外のものへと定期的に注意の先を移すということは、クリエイティブのプロセスにとって、必須であるということを意味します。今や気が散ること、退屈すること、ぐずぐずすることの有益性を否定するのは難しいのです。そして、あまりにも長い時間集中しきっている時は、休憩のしどき、ということなのかもしれません。


誤解5:「自分のアイデアを盲目的に愛すべし」


ひとたび、クリエイティブなアイデアを思いついたのなら、そのアイデアに恋をしてしまうのは自然の流れ。自分のクリエイティビティの産物の価値を信じることは、制作の初期段階では非常に重要なことであるとはいえ、この恋愛関係は、のちに災難をもたらすことになります。 文学者のアーサー・キラークーチは、ケンブリッジで行った有名講義「書くことにおいて」の中で、乱暴な義務について、次のように説明しています。

めったにないほどいいものが書けてしまいそうな衝動を感じたなら、その衝動に従いなさい。心から従うことです。そして、編集者に原稿を送る前に、原稿を消してしまうのです。自分の愛するものを殺すのです

ここで学ぶべきことは明らかです。自分のアイデアに恋に落ち、保護し、そのままにしておいても、クリエイティビティを高めることにはなりません。むしろ、クリエイティビティを抑制してしまいます

ニック・ケイヴは、「ザ・ロード」の音楽をつくっていた時に、楽曲の編集についての貴重なアイデアをThe LA Times紙に語っています。

5から6バース分の長さの歌をつくる時は、20ほどのバースを書き、それから、カットしてカットしてカットしまくる。これがいつものやり方です。やり尽くすまで、手放せない性分だから、編集しなくてはならないんです。いつも編集してます。編集は、すごくエキサイティングなことなんです。

何かを削るということで、すごい可能性が生まれるんです。音楽であれ、文章であれ、映画用の作品であれ。映画用の作品で、編集が果たす役割は桁外れですよ。

もちろんいつだって、美しいパズルの1ピースを、本当は合わないところに無理やりはめ込むことだってできないことではないですし、そうすることで、一時的にはあなたの気が済むかもしれません。でも、そうすると最終的には、一層の苦労と悲しみを味わうことになります。代わりに、そのピース、つまりはあなたが心から愛するアイデアを脇に置いてしかるべきタイミングを待つか、徹底的につくり込んで仕上げてみましょう。

大学時代、一番好きだったクリエイティブ・ライティングの教授は、私にこう言いました。「本当に良くなったとわかるのは、カットし始めてから。心の痛むことだけどね。」と。


誤解6:「完璧主義であるべし」


私の妻は、何年間もクロスワード・パズルをやっていました。実際、「やっていた」なんていうのは、言葉として軽すぎるくらいです。彼女はむさぼるように、パズルを解いていました。彼女が地方紙をとっていた理由は、The New York Timesによるクロスワード・パズルが毎日掲載されていたから。こんなことを書いたら、彼女は気分を害するかもしれませんが、妻は初めて手に入れた日曜版のパズルを完成させるのに、実際2年もの年月を捧げたのでした。

何でそんなに時間がかかったかって?

完璧主義だからです。彼女いわく「パズルの4分の3は解けるだろうけど、自分に腹が立つわ。一度に全部ズバリと解けないんだから。本来ならできるはずなのに。ひとつひとつに、クリエイティビティを総動員して取り組んだんだけどね。ミスとか、ブランクになってる四角いマスとかが、いちいち非難の眼差しで私を見つめるの。自分ならできるはずとか、きちんとやろうとか、パーフェクトにやろうとかいうふうに考えるのをやめたら、ようやく壁を乗り越えられたの」。そうした途端、クロスワードに当てはめるべきワードが頭の中にあふれ出したと言うのです。

彼女に起こったことは、あなたにも同様に起こることです。ただ座って、新たなるスティーブ・ジョブズや、クロード・モネ、ウィル・ショーツ(米国のパズル作者。The New York Timesのクロスワード・パズルの編集を行っている)になろうとは思わないでください。私たちのほとんどが自分のクリエイティビティを育て、強みを生かし、弱点を抱えながらも、何とかやっていく方法を学んでいるのです。

完璧主義なんてやめて、ダメであってもいいという権限を自身に与えてください。ピクサー社の代表取締役・エド・キャットムルはこのように述べています。

初期段階では、私たちの映画は全部駄作です。

乱暴な評価かもしれませんが、あえてこう言うのは、柔らかい言い方では、初期バージョンが実際どれほどひどいものなのかを伝えることができないからです。謙虚や控えめであるわけではありません。

ピクサーの映画は、初めは良い出来と言えるようなものではありません。私たちの仕事は、そういったものを、いわば「駄作から駄作でないもの」へと変えることにあるのです。

古いことわざ「やる価値のあることは、正しくやる価値がある」は忘れてください。ナンセンスです。やる価値のあることは、ダメにやる価値がある。あなたがクリエイティブになりたいのなら、とくにそうあるべきです。


誤解7:「目的など持たぬべし」


クリエイティビティは、時間と財産のある人々に特権的に長い間受け継がれてきたものです。私たちは、クリエイティブと言うと、歴史上のクリエイティブの偉人たちを、思い浮かべがちです。特にアーティスティックな意志のもと、空気のように軽く、仙人のように目的なく人生を漂い、ふつうの人が直面しなければならないような、現実的な必要性や制限といったものから、自由である人たちのことを考えてしまいます。

結果として、私たちはクリエイティブ自体が目的なくさまようことによって得られるものだとイメージしてしまうのです。つまり、精神と生活を宇宙の自由な流れにまかせ、とかそういった感じですね。

ナンセンスです。スティーブ・ジョブズがうまいことを言いました。「本物のアーティストは、船乗りである」と。

自分に「孵化」する猶予を与えることは、クリエイティブの過程において、きわめて重要なことですが、具体的なゴールは、生命線となります。「Yes Progressive - Acceleration in Creativity」の著者・ハセガワ・マサアキは、ゴールの大切さを簡潔に述べています。

ゴールを設定すると、あなたがすでに持っているもの、そして必要であるものを、理解することができます。そして、あなたの内面、外面問わず、そこに存在するすべての要素をつなぎ合わせることで、ゴールの達成を目指すことができるのです。

もし、これといった目的やゴール、自分のクリエイティビティを生かす方向性が決まっていないのであれば、クリエイティブである意味などありません。ビジネスの分野であれ、アートであれ、政治であれ、スポーツであれ、明確なゴールがあれば、あなたは、クリエイティブになれるものなのです。

目的など必要ないという誤解を取り払ったあと、私たちが直面する問題は、ハセガワが強調するように、「明確な」ゴールをどのように定めるかということ。

できる限り実用的にゴールを決めたい人のために、Harvard Business Reviewのインタラクティブ・4ステップツールを紹介して、この文章を終わりにします。さあ、前に進み、今こそ学んだことを正しく生かしてみてください。もしかしたら、クリエイティビティの泉が再び湧き出し、スランプを抜け出せるかもしれませんよ。


Aaron Orendorff(原文/訳:鈴木統子)
Art by Sam Wooley.

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