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印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

ITの技術は必要不可欠? これからの「戦争と経済」について

ITの技術は必要不可欠? これからの「戦争と経済」について

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多くの日本人にとって、戦争は現実的ではないもの。しかし、だからといって日々の生活と戦争は無関係だと考えるべきではない。そう主張するのは、『「教養」として身につけておきたい 戦争と経済の本質』(加谷珪一著、総合法令出版)の著者。いうまでもなく、お金に関する多くの著作を持つ経済評論家です。

戦争の多くは経済的な対立の延長線上で発生しており、勝敗のカギを握るのも経済力。また圧倒的な経済体力の差があれば、戦争そのものを回避することも可能。いってみれば戦争とお金の間には、切っても切り離せないつながりがあるということ。つまり、そんな考え方を軸に、本書では戦争とお金の関係性を論じているわけです。

平時の経済活動が活発で、人の往来が多く、新しい技術やサービスがたくさん登場する国ほど、実は高い戦争遂行能力があります。
また、高度な金融市場を持ち、世界各国からお金を集めることができる国は、圧倒的に有利な立場で戦費を調達することが可能です。
一方、内向きで経済が活発でない国は、戦争でも大きな成果を上げることはできません。つまり、強い国家になるためには、日常的なビジネスを活発にすることが何よりも重要となるのです。(中略)
こうした日常的な力の差が、戦争の勝敗を決定づけることになり、最終的には戦争そのものを回避する有力な手段となるというのが現実なのです。(「はじめに」より)

戦争を肯定するという意味ではなく、戦争とお金の関係は切り離せないからこそ、この問題についてもっと尊敬に向き合うべきだという考え方。その点を踏まえたうえで、きょうは「今後の戦争」に焦点を当てた第7章「これからの戦争の勝敗はITで決まる」を見てみたいと思います。



ITは戦争の現場に深く浸透している


米国史上、最大級の軍縮を行い、中東に配備する米軍の規模を縮小させただけに、オバマ大統領は平和志向の大統領だといえるでしょう。先ごろの広島訪問にも、大きな意味がありました。しかしそれでも、オバマ政権が単純に平和志向なのかといえば、必ずしもそうとはいい切れないと著者はいいます。

理由は、オバマ政権の誕生以降、ドローン(無人機)による攻撃が急激な勢いで増えているから。ブッシュ政権時代には40回程度といわれていた無人機による攻撃は、オバマ政権になると400回を超えるようになったというのです。

無人機は低コストで製造でき、兵士を命の危険にさらすこともありません。先進国にとって、兵士の死は政治的にきわめて重大であるだけに、兵士の安全が確保されるだけでも無人機を用いることにはメリットがあるわけです。

無人機の飛行性能は有人のものより劣っているといいますが、航続距離の長さや、乗員の育成コストがかからないなど、経済的なメリットも大きいのだとか。米海軍では最終的に、すべての空母に無人機を搭載することを検討しているのだそうです。

第二次世界大戦後、世界は大規模な戦争をあまり行わなくなりましたが、そこには理由があります。まず最初は、民主主義が発達し、以前の社会にくらべて人命が重視されるようになったこと。しかし、それだけではなく、もうひとつの大きな要因があるのだと著者はいいます。

テクノロジーと戦争、あるいは経済力と戦争との関係がより密接になり、実際に戦う前から勝敗が決まってしまう。そうした現実が、戦争を少なくする理由のひとつになっているというのです。テクノロジーの進歩によって戦争はさらに見えにくくなっているため、戦わずして勝ち負けが決まる傾向は、今後さらに堅調になってくるだろうとも。

ITを利用した情報収集や分析手法を駆使することにより、中央集権的なオペレーションよりも、現場判断を重視したオペレーションのほうが戦果を上げやすくなっている。それが著者の考え方。そしてそのような変化は、人工知能の技術が発達することで、今後ますます加速していくだろうと予測しているわけです。(243ページより)


3Dプリンタが戦争の光景を変える


IT化がもたらすもうひとつの影響は、戦争における兵站(ロジスティクス)の変化。戦争は補給や整備、衛生といった兵站業務があって初めて成立するものですが、IT化によってそのような概念が大きく変化しようとしているというのです。そしてカギになるのは、3Dプリンタ。

いまさら説明の必要はないでしょうが、3Dプリンタとは、三次元設計データに基づき、プラスチックや金属などで立体を製造するための装置。最近では、低価格のものも多く、急速に発展しています。

しかし安価で小型のものは別としても、本格的な工業用3Dプリンタを用意すれば、もっと大きな金属部品なども自由自在につくることが可能。いわば理論的には、3Dプリンタを活用し、各兵器のパーツを"現場で"生産することも可能だということになります。それが実現すれば、従来の戦争の概念が大きく変わるわけです。

たとえば3Dプリンタを設置するところさえあれば、そこは車両の整備工場にもなり、医療器具などをつくり出す衛生拠点にもなるということ。しかも戦争の主体は、人から、無人機やロボット兵士など機械の比重が高くなってくるだろうといいます。

もちろんIT化や3Dプリンタの導入が進んだからといって、インフラが脆弱な地域ですぐに部隊の展開ができるというわけではないでしょう。しかし軍隊のオペレーションの概念は確実に変化し、物資の調達やお金の流れも変化していくことになるといいます。それほど、IT化が戦争にもたらす影響は大きいということです。(250ページより)


ITがわからない兵士は無用


そしてこのような環境の変化は、兵員の確保にも大きな影響を与えているのだそうです。事実、米国では若者の約7割が「兵士としては不適格」と診断される状況になっており、兵員の確保が年々難しくなっているのだとか。その背景にあるのは、「兵器のIT化」だというわけです。

米国では、軍隊に志願するためには身長、体重などの基礎的な要件に加え、高卒もしくは同程度の学力があること、軍が実施する学力テストに合格することなど、いくつかの条件をパスすることが必要。ところが米国防衛省によると、米国の17歳から24歳の若者のうち、約7割がなんらかの条件に抵触し、たとえ本人が入隊を志願したとしても、軍に入れない状態となっているそうなのです。理由としてもっとも多いのが身体的、学力的な問題で、28%がこれにあたるといいます。

肥満などの身体的な問題については、痩せればなんとかなるでしょう。が、特に問題化しているのは数学力と読解力。兵器のIT化が急速に進むなか、最前線を行く兵員も、高度なコンピュータ・ネットワークで結ばれる状況になっており、IT機器を駆使しつつ、リアルタイムで状況判断や意思決定を行う必要があるわけです。

このため、一定以上の数学力や読解力がないと、兵器をうまく使いこなせないということ。別な側面から見れば、米国が人工知能の開発を急いでいる背景には、人員確保が年々難しくなっているという切実な事情もあるわけです。

ちなみに著者は、高度に発達したIT社会とオープンでグローバルな資本市場は、非常に相性がいいと記しています。国際的に開かれた資本市場を持つ国には、多くのグローバルな資金が集まり、そこには新しいIT技術や優秀な人材が集まってくる。そして結果的に、そのような国の軍事的な優位性は高くなっていくということ。だからこそ最終的には、新しいテクノロジーと金融システムの両者を制覇できた国が、次世代の覇権国家となるだろうと予測しているのです。(255ページより)




冒頭で、「戦争を賛美するということではなく、むしろそれを回避するために、戦争とお金の関係を知っておくことはたしかに必要」だという著者の考え方を紹介しました。このことについては、「おわりに」の部分にも重要なことが書かれています。

変化に対応して、新しいテクノロジーを使いこなし、ビジネスや金融の分野で重要な地位を占めていくことこそが、本当の意味での安全保障であり、その延長線上に強い軍隊が存在することになります。(268ページより)

当然のことながら、さまざまな考え方があるでしょう。しかし、安保法制の成立など、私たちがかつてないほど大きな局面に立たされいるいまだからこそ、読んでおくべき内容であるとはいえそうです。


(印南敦史)

  • ,,,,, - By

    香川博人

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