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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

ハードワークの中でも、時には心に「静寂」をつくろう

ハードワークの中でも、時には心に「静寂」をつくろう

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心に静寂をつくる練習』(吉田典生著、WAVE出版)の序章は、次の5文字からはじまります。

「SPACE」(スペース)
(「序章 結果を出しつづけるための静寂」より)

これは、シリコンバレーで活躍する経営者や人材開発リーダーたちが、口をそろえて唱えている言葉だそうです。このSPACEは、24時間オンラインの忙しい世界において、物理的にも心理的にもしっかり立ち止まる空間を意味するのだとか。

そして著者はここ3年来、グーグルやリンクトインなどの代表的IT企業の人々と交流を重ねるなかで、「世界でもっとも忙しい人たちの集まっているビジネスエリアが、世界でもっとも"立ち止まる時間"を大切にしている場所である」ということを強く実感したのだといいます。

重要なのは、慌しい日常のなかで、「心に静寂をつくる」ことによって、集中力や思考の柔軟性などを鍛えること。グローバルに活躍するビジネスリーダーこそ、どんなに忙しくても心身のSPACE(立ち止まる空間)を確保し、静寂をつくるスキルを備えているということです。なぜなら人は、立ち止まることによって初めて「立ち止まれていない状況」に気づくものだから。

ここでいう「立ち止まる」とは、起きていることを「ただ眺める」ということ。そんな、じっと眺めている状態が本書のテーマである「静寂」で、それこそが現代のビジネスパーソンに求められるべきことだという考え方です。

では、静寂を仕事に生かすためにはどうしたらいいのでしょうか? ヒントを探すべく、第5章「ハードワークの渦中でも静寂とともにいる練習」を見てみたいと思います。



いつも静寂をポケットに入れておく


この章の冒頭で著者はまず、米国の有名な精神世界の指導者、ガンガジの言葉を引き合いに出しています。

あなたの知性、肉体、そして仕事を発達させるのは有益なことですが、意識(consciousness)を発達させようとするのは大きな間違いです。どんな発達も、意識がすでにここにあるからこそ起こります。もしあなたが意識を「発達させる」ことに懸命になり、意識はすでにそこにあることに気づかなかったら、あなたは自分の尻尾を追いかけてグルグルと円を描き、もうすでにここにあるものを追い求め続けるでしょう。(『ポケットの中のダイヤモンド』)(194ページより)

そして、これを確認したうえで、著者は静寂についての考え方を述べていきます。静寂を「つくる」とは、意図的にわかりやすくするための表現。生まれることも消えていくこともない、「もともと、ここにあるもの」が静寂だというのです。

ポケットに手を伸ばせば、静寂はいつでも出てくるもの。「いま、この瞬間」にちゃんと気づける自分が、いつもポケットのなかにいるという状態。そのことを理解していたら、ハードワークでイライラしたり、不安に駆られたりしているのは「自分」ではなく、常に変化する「自分の状況」なのだとわかるそうです。

だから大切なのは、ポケットを思い浮かべること。そこに手をやると、朝の満員電車のようになっている思考の混雑が、潮が引くように消えていくと考える。そして、頭を飛び交っていたものがなにもなくなり、その感覚だけが「ある」という感覚を想像するべきだというのです。

ただし、その感覚をいますぐ完全に理解することは不要。もとより理解しようとしなくても、「いつもあるのが静寂」だから。それに、たとえ理解できなくても、「静寂とともにいる練習」という実践を通し、見えないところで大きな変化は起きているものだといいます。(194ページより)


「私はわかっていない」という前提で生きる


現代社会について、「なにが起きるかわからない時代」といういい方をすることがあります。しかし著者は、この表現には重大な落とし穴があるというのです。「時代」について考えている瞬間、「いまここで自分に起きていること」に意識が向けられていないような気がするから。そして、こうもいいます。本当は「なにが起きるかわからない」のではなく、「いまここでなにが起きているのかを知らない」のではないかと。

そんな著者は多くの経営者と接してきたなかで、「世界を知ること」について大きく2タイプに分けられると思うようになったそうです。ひとつは組織内部やビジネス環境の課題について、課題を自分とつなげて内省するタイプ。もうひとつは、自分のことはさておき、他者(部下や組織の仕組みなど)、社会のルールやさまざまな外的状況だけを評論家的に論じるタイプ。

そして、高く評価されているリーダーの大半は、明らかに前者。冷静に内省できるリーダーは、オープンマインドで、自分の短所や弱みを見せることができるもの。それは、部下や外部から学ぶ姿勢を持っているということでもあるといいます。

「自分は全知全能ではない」という当たり前のことを心の底から理解しているから、いつも「いまここで起きていること」に耳を傾け、感じ取ろうとするということ。

誰にも先が見通せないような世界で生きているからこそ、「いまここにある混沌」に気づくことからはじめなければならないと著者。気づくことこそが、いま、そしてこれからのリーダーシップの鍵。「私はわかっていない」という前提で「いま」を観察する習慣が、心の静寂を呼び起こすといいます。

・ビギナーズマインド(初心の心)
・オープンマインド(開かれた心)
・ヴァルネラビリティ(傷つく心)
(199ページより)

著者が「とても大事」だというのはこの3つ。どんなに経験を積んでも初心の心で、起きてくることに自分を開いていく。すると自分の弱さや痛みにも出会うことになるけれども、その傷つきやすさを力に変えて前に進むべきだということ。(197ページより)


最初の手応えを味わうまで立ち止まり続ける


無知な自分をさらけ出すには勇気が必要ですが、だからこそ「立ち止まる習慣」が役に立つのだそうです。特に忙しさに追われるビジネスシーンにおいては、立ち止まることは敗北、できない人の象徴のように受け取られている面があるもの。

しかし著者はあえて、まず低いところに目標を置くことを勧めているのです。そして、どこからはじめるにせよ、ポイントは「コツコツ続ける」ことと、「手ごたえを味わう」ことだといいます。その理由は明快。ただ立ち止まるだけでよい変化が起きることを一度でも経験したら、持続性が高まってくる可能性が高いから。なぜなら、ただ「立ち止まる」だけでいいからです。(200ページより)


小さな変化を楽しむ


立ち止まる習慣は、さまざまな場面における心の落ち着きに反映されていくもの。そして、たとえそれが大きな利益につながるような変化ではなかったとしても、「変わったな」と実感できることは、よい習慣を続ける動機になるだろうということ。そしてこのことについては、次のようなエピソードが紹介されています。

東京のように混雑したところで生活していると、歩道や駅の構内などを歩いている際、人とぶつかりそうになることはよくあるもの。反射的に左右どちらかに避けようとしたら、相手も同じ側に避けて、気まずい空気になってしまったり...。著者も同じだといいますが、しかしあるとき、その気まずい経験をほとんどしなくなったというのです。

あいかわらず、ぶつかりそうになることはあるそうです。でもその瞬間、反射的に動きそうになる自分に気づき、いったんそのまま停止して相手の様子を見ることができるようになったのだとか。

もちろん、それが仕事の生産性や創造性につながっているなど、因果関係を示しながら説明することは不可能。しかしそう認めたうえで、感覚的にはどこかで影響しているような気もすると記しています。そして、このようなわかりやすい変化は、自信と意欲をキープする原動力になるというのです。(301ページより)


小さな芽から大きな果実へ


心に静寂をつくることによって、比較的早く生まれてくる変化について、著者がクライアントから聞いた話がここで登場します。

・いまなにが大切か、物事の本質に気づくようになった。
・イラッときてもカッとなってすぐに反論せず、一拍おけるようになった。
・失敗して落ち込んでも立ちなおりが早くなった。
・ダラダラと非効率な仕事をせず、メリハリがつけられるようになった。
(203ページより)

どれも"小さくない変化"のように思えますが、ポイントは「〜な気がする」という感触であること。だから「成果」ではなく、小さな「変化」だというわけです。しかし、それが大きな成果の前にある芽だということは明らか。

ちゃんと立ち止まれると、ふたたびアクセルを踏んだときの集中力は確実に上がります。大事な意思決定や複雑な思考が求められる仕事は、アクセルとブレーキの絶妙な組み合わせによって進むということです。(203ページより)




他にも「どんなに忙しくても立ち止まる」「眠っている身体の知性を磨く」「いつもザワザワしている心を照らす」「仕事の質を高める」など、さまざまな状況や環境で静寂をつくるための方法が具体的に紹介されています。ゆったりとした気分で目を通してみれば、心のありように変化が訪れるかもしれません。


(印南敦史)

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