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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

「1日1食」を実践する作曲家の食生活

「1日1食」を実践する作曲家の食生活

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無敵の「1日1食」 疲れ知らずで頭が冴える!』(三枝成彰著、SB新書)の著者は、いうまでもなく日本の音楽界を代表する作曲家。来月で74歳になるそうですが、精力的な仕事ぶりでも知られた人物です。いまなお1年365日ほとんど休みなく働いているというだけでも注目に値しますが、その裏づけになっていることがあるのだといいます。

それは、40代のころから30年にわたって1日1食を続けているという事実。その習慣があるからこそ、ハードワークが可能だというのです。

私が1日1食にしたのは、痩せるためでも、健康になるためでも、悟りを開くためでもありません。全力で仕事に取り組むためです。
1日1食だと当然痩せますし、食べ過ぎが招く生活習慣病のリスクも減るでしょう。でも、それは私にとっては副次的な効果にすぎません。
私はあくまで元気に仕事を続けたいから、1日1食にしているのです。(「はじめに」より)

では、なぜ1日1食だとハードワークがこなせるのでしょうか? その答えを、第1章「1日1食で仕事を極める!」に確認してみましょう。



食べなければお腹は空かない


著者は朝10時頃から作曲を開始し、土日も地方出張などが入らない限り、ずっと作曲しているのだそうです。その間、夕方まではなにも食べず、コーヒーもお茶も飲まず、水の代わりに飲んでいるのは漢方ドリンク。マイボトル2本分で、1本が約500cc、もう1本が300ccなので、合わせて800ccを毎日飲んでいる計算になるといいます。朝から漢方ドリンクしか飲んでいないとなると、いかにもお腹が空きそうですが、まったく苦にならないのだとか。

お腹が空くのは食べるから。
朝食を食べるからお腹が空いて昼食を食べたくなるのです。
(16ページより)

つまり、こういうシンプルで明快な考え方。

一般的な日本人の食事は、カロリーの半分以上が糖質(ご飯、パン、麺類、ジャガイモなど)で占められているので、食事をすると糖質が体内に吸収されて血糖値が上がることになります。ちなみに血液中の糖質(ブドウ糖)が「血糖」であり、その濃度が血糖値。そしてお腹が空くのは、いったん上がった血糖値が下がるとき。

しかし朝食も昼食も食べなければ、血糖値はずっと安定しているのでお腹が空かないというのです。そしてその間は、寝ている間と同じように肝臓が血糖値を保ってくれているということ。

それでも血糖値が下がったとしたら、黒砂糖やキャラメルなどで糖質を少しだけ補えば大丈夫なのだといいます。それ以上糖質を摂ると血糖値が急上昇し、その反動で血糖値がストンと下がり、お腹が空いてしまうというのです。

よく「腹八分目がいい」という話を聞きますが、現実的には満腹になる前に箸を止めることは至難の技。著者も、「自分のような誘惑に弱い食いしん坊には無理」だと認めていますが、だったら、食べる回数を減らせばいいという考え方なのです。そして、1日1食だけ制限を設けずに満喫すればいいということ。(16ページより)


好きなものを食べても太らない


そんな著者の場合、1日1食となる夕食はほぼ毎日、ゲストを招くか、あるいは招かれるかの会食だといいます。なぜならそれは、著者のオペラを支援してくれる企業を見つけたり、関係者との打ち合わせをしたりするために必要な"仕事"だから。ただ道楽で飲み食いしているわけではないのです。

しかし制限は設けず、会食では好きなものを自由に食べているのだといいます。もしもそれがダイエットなら、カロリー制限や糖質制限など、なにかしらの制限がついて回ることになるでしょう。でも著者のやり方なら、1日1食に慣れてしまえば「あれは控えよう」「これは食べてはいけない」というような制限がなく、だからストレスとも無縁だというのです。

通常、外食した場合には1食で軽く1000kcalを超えてしまうもの。標準的な定食は1000kcal前後なので、それにお酒と甘いものを食べると1日3食なら4000kcal近くも摂ることになるわけです。

標準的な体型の日本人男性の場合、摂取すべきカロリー(推定エネルギー必要量)は1日2300〜2600kcal、成人女性では1日1800〜2000kcalとされているため、普通の人が1日4000kcalも食べると太るうえに不健康。しかし1日1食にすれば、我慢せず自由に食べて飲んだとしても2000kcal前後でおさまる計算。だから太らずに済むということです。(18ページより)


なんでもおいしく感じる


著者は肉好きなので、夕食で食べるのも肉が中心。しかも牛肉か豚肉ばかりで、鶏肉にもジビエにも関心なし。それどころか野菜にも興味がなく、せいぜい会食で出されたサラダを食べる程度。糖質は大好きなので、コース料理なら最後のデザートまで食べるそうです。またお酒にも強く、夕食で好きなだけ楽しんでいるとか。飲むのはもっぱら焼酎か日本酒かウィスキーで、アルコール度数の低いワインはあまり飲まないほう。

寝るのは早くて午前1時ですが、大半は午前2時か3時。オペラの創作意欲をかき立てる刺激的な舞台は夜に開催されるため、観劇して食事してお酒を飲むと、自然と夜更かしになってしまうというのです。それどころか、眠る前にはとらやの小倉羊羹「夜の梅」を厚めに切り、それを肴にブランデーを飲み、リラックスして眠りにつくというのですから驚き。

全体的にはお世辞にもバランスがいいとはいえない気がするのですが、1日1食にすると夕方にはお腹が空いているので、なにを食べてもおいしく感じられるといいます。だからこそ、そんなときに思い出すのは、古代ギリシアの哲学者プラトンの「空腹は最良のスパイスである」という言葉。会食がない場合は卵かけご飯とお新香とお味噌汁があれば十分で、それでも最高においしく感じるといいます。(19ページより)


痩せるには食べる回数を減らすしかない


毎晩お酒を飲んで、羊羹など甘いものも大好き。それで1日2、3食なら、間違いなく太ることになるでしょう。ところが著者は1日1食にしてから体重が70㎏前後で安定し、仕事にも全力で打ち込めるようになったのだそうです。

なお、ご存知の方も多いでしょうが、肥満の判定基準となるBMI(体格指数)は、体重(㎏)をメートル(m)換算した身長で2回割った数字。日本肥満学会では25以上を肥満としています。著者は身長171㎝で体重70㎏なので、BMIは23.9。基準は問題なくクリアしているわけです。

悔しいほど非のつけどころがありませんが、しかし過去には長年かけてありとあらゆるダイエットを試してきたのだとか。そしてその結果、結局人は食べる回数を減らすことでしか痩せられないという結論に達したというのです。

食と栄養の専門家は「1日3食規則正しく食べなさい」と判で押したように諭しますが、現代人のように慢性的な運動不足で、夜はつき合いで誰かとお酒を飲むという生活を送っていたら、1日3食だと太ってしまうのは火を見るより明らかです。(22ページより)

とはいえ、毎食控えめに食べるのも難しいこと。だとすれば、2食抜いて1食は好きなように飲み食いするほうが長続きする。著者は実体験から、そう確信したということです。(21ページより)


食べると疲れる、疲れると眠くなる


著者には過去、"一週間の"睡眠時間が合計7時間という極限状態で商業音楽に没頭していた時期があり、そのころ体験的に「食べると疲れる」と学んだのだといいます。つまりはその考えに基づいて1日1食を続けているからこそ、70代になっても疲れることなくオペラに精力を傾けていられるということ。そして調べてみた結果、食事と疲労の間には生理的な裏づけがあることがわかったのだそうです。

口から入った食べものは、食道から小腸に至る長い消化管を通る間、必要な栄養素が消化吸収されます。この「消化吸収」というプロセスは、生物にとっては一種の運動。食事で摂取したカロリーの10%は、消化吸収のために消費されるといわれるそうなのです。

なお、食べてカロリーになるのは「糖質」「脂質」「タンパク質」の3大栄養素ですが、このうち肉や魚に多いタンパク質は、摂ったカロリーの30%が消化吸収によって消費されるそう。これだけのカロリーを消費するのだから、食べると疲れるというわけです。

そして、体に蓄積した疲労を抜くベストの方法は眠ること。食べて疲れると、それだけ「長い時間眠りたい」と体が要求してくるというのです。著者の感覚では、疲労を抜くためには1食あたり3時間の睡眠が必要だとか。1日3食なら9時間、2食なら6時間、1食なら3時間というわけです。もちろん食事以外の活動でも疲労は溜まるので、この計算どおりにはならないかもしれません。しかしそれでも、短い睡眠で疲労回復できるのなら、そのぶん仕事をバリバリこなせ、仕事以外で教養を磨く時間も増やせるということです。(24ページより)




主張はダイナミックですが、経験的な裏づけがあるからこそ、それが強い説得力となっています。しかも納得させられるのは、「(自分のライフスタイルには合っているものの)、誰もが同じようなスタイルで1日1食が実践できるとは限りません」と断りを入れたうえで、1日1食の提唱者である医師、実践者であるジャーナリストの協力を得て簡単な実践術も紹介している点。

食事法に関する書籍は数あれど、かなり突出した内容。いろんな意味で痛快で、なかなか楽しみがいのある一冊でもあります。


(印南敦史)

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