• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,,,,,  11:00 PM

「クリエイティヴに普通の人はいらない」クリエイティブ塾 Vol. 3:編集者・菅付雅信さん

「クリエイティヴに普通の人はいらない」クリエイティブ塾 Vol. 3:編集者・菅付雅信さん

160616sugatsuke_1.jpg


ライフハッカー[日本版]編集長の米田智彦が開催する「クリエイティブ塾」は、編集者としてのクリエイティヴマインドを育成するワークショップです。今回は編集者の菅付雅信さんに「現代のメディア人・クリエイターに必要なこと」をお話していただきました。今回はその中から、「メディア業界に求められる、"特別な人"になるために必要なマインド」をご紹介します。

菅付雅信(すがつけ・まさのぶ)
編集者/株式会社グーテンベルクオーケストラ代表取締役。1964年宮崎県生まれ。法政大学経済学部中退。『コンポジット』『インビテーション』『エココロ』の編集長を務め、出版からウェブ、広告、展覧会までを編集し、コンサルティングやストラテジー立案を行う。書籍では朝日出版社「アイデアインク」シリーズ、「電通デザイントーク」シリーズ、平凡社のアート文庫「ヴァガボンズ・スタンダート」シリーズを手掛ける。2014年にアートブック出版社「ユナイテッドヴァガボンズ」を設立。2015年に株式会社グーテンベルクオーケストラを設立。下北沢B&Bにて「編集スパルタ塾」を開講中。多摩美術大学非常勤講師。著書に『はじめての編集』『物欲なき世界』等。NYADC賞銀賞受賞


1. ノーと言われてからがクリエイティヴ


160616sugatsuke_2.jpg


菅付:『メトロミニッツ』という雑誌のクリエイティヴ・ディレクターをやっていたときに、羽田空港の新国際ターミナルができるので何かPRをやってほしいという話が来たんです。僕は「滅多にない出来事なので、新国際ターミナルでJALとANAのキャビン・アテンダントを一緒に撮影したい」と提案したんです。そうしたら、空港の広報担当者に「バカなことを言わないでくださいよ。絶対ありえない」と言われてしまったんです。

ご存知のようにJALとANAはバリバリのライバル同士。もちろん、合同撮影なんて今までにやったことがなかった。僕はそこで「それならトライしよう」と思った。

米田:どうやって実現したんですか? 担当者からダメだって言われた状況の中で。

菅付:まず、写真家の篠山紀信さんを口説きました。「先方からダメだと言われているけど、篠山さんの名前を使ったら今までに誰もやったことがない、JALとANAの合同撮影ができるんじゃないかと思って」と伝えたら、「お前、またバカなこと考えるもんだな」と言われたけれどOKしてくれて。JALでは以前、篠山さんがキャビン・アテンダンドをモデルにしたカレンダーの撮影を依頼していたので、「篠山さんが撮るならいい」となり、ANAも「篠山さんでJALもやるというなら出る」となったんです。

米田:撮影はうまくいったんですか?

菅付:JALとANA、両方の広報部長さんらが来ていて、永遠のライバル同士なので、独特の緊張感がありました。篠山さんが撮影しているときは和やかなんですけど、それぞれのカットが終わった瞬間にそれぞれの陣地にパーッと離れていってしまう。すごい緊張感でしたよ。

160623kishin_shinoyama.jpg

このとき篠山紀信さんによって撮影された写真 Photo by Kishin Shinoyama.


米田:僕はこのクリエイティブ塾を始めるときに、「無理と言われてからが編集。ノーと言われてからがクリエイティヴだ」と塾生に伝えたんです。菅付さんがやってることはまさにそれですよね。あの手この手を使って成立させるために、ありとあらゆる手段を自分で考えて行動する。その粘りが編集者にとってやっぱり重要なんじゃないかと思っています。

菅付:その通りです。よく若い人が「メールを送ったら断られました」なんて言うでしょう。それで僕がよく言うのは、「じゃあ会いにいってちゃんと話をしてくれば」と。

米田:そこでくじけちゃダメですよね。飲食店に取材を申し込むと、だいたい忙しいからと断られる。でもそこで、一度食べにいって、店長に「すごくおいしいですね、一度取材させてもらえませんか?」と言えば、ほぼOKしてもらえますからね。

デジタルネイティブ世代に多いのが、メールやチャットで断られるとしょげちゃう。違うアプローチがいっぱいあるよっていうのは伝えたいことの1つです。メールの前にまず現場に行けと。

菅付:僕は海外のクリエイターと仕事をすることが多いのだけど、以前あるニューヨークの有名写真家に撮影を依頼して、やりたいがギャラが合わないと言われ続けたので、「とにかくチケットは買ったから、3日後にニューヨークで会おうよ」と言って無事撮影を成功させたことがありますよ。それくらい直接会うことは大切だと思うんですね。


2. 長打を狙って3割打者でいい


160616sugatsuke_4.jpg


菅付:今回みなさんに言いたいのは、プロが立てた企画でもその多くは失敗しているということです。

僕はクライアントに「僕、3割打者ですから」と言っています。もちろん一生懸命バットを振りますが、3割しか当たらない。その代わり、「当たったときは絶対飛ばしますから」と。新しいアイデアは実験の先にしか生まれないので、実験を何回か繰り返して、失敗を恐れずにやってほしいと思います。

米田:打率ばかりを追求すると、バント思考になっていきますが、バントした人のことなんて誰も覚えていないんですよね。

菅付:そう、みんなが覚えているのってホームランや大ヒットなんですね。だから、長打を狙った、3割打者をやっていくのがクリエイターとして生き残る最良の道だったと思うんです。建築家の安藤忠雄ですら、「いつもスランプだと思って頭を抱えています」と言っているわけで、僕らのような凡人なんてスランプで当たり前ですよ。


3. 自分を賢くしないものを断つ


160616sugatsuke_5.jpg

菅付さんが下北沢B&Bにて開講している「編集スパルタ塾」では多くの人が脱落していくといったお話から、「私たちの消費意欲がなくなっていっている今、社会はどうなるのか?」という菅付さんの関心に基づいて書かれた近刊『物欲なき世界』(平凡社刊、写真スクリーンに表示されている書籍、具体的な内容についてはこちらの書評をご覧ください)まで、多岐にわたるトークが展開された。


菅付:最後になりますが、プロのクリエイターやメディア人になるために必要なこととして、僕はいつもシンプルに「Be extraordinary.(特別な人になれ)」と言っています。クリエイティヴの世界には普通の人は要らないんです。普通の人が思いつきそうなこと、普通の人が着想しそうなことをやってもしょうがない。そうじゃないと誰もお金を払ってくれないから。

特別に生きるための方法もとてもシンプルです。とにかく時間を無駄にしないこと。誰にでも1日は24時間で、目と耳が2つ、口が1つ。そこに入れるものをとにかくよくすること。無駄なものは入れない。

英語の常套句で「You are what you eat」という言葉がありますが、「You are what you see, listen, and read」でもあるんですよ。見聞きしたものがその人をつくっていくのだから、「自分が見たり、聞いたり、読んだりしているものが果たして自分を賢くしているだろうか?」と常に自問して、摂取するものを選んでいくのが、特別に生きるための一番の方法です。もし自分を賢くしてくれないものなら、それらをすっぱりとやめてほしい。そういう強い決意を持たないと、どんどんダメになっていきます。

米田:僕もよくどうやったらいい文章を書けるようになるのかと聞かれるのですが、ウェブメディアの編集者だとしてもインプットとしてウェブだけ読んでいたらダメですよ。いい読み手がいい書き手になると思っているので、たくさんの本、それも良い本を読んでほしい。

菅付:アウトプットの質を上げるには、インプットの質を上げるしかないんですよ。「これぐらいでいいや」と思ってやっていると、そこそこ以下のものになってくるので、とにかく「すごいもの」を知った方がいい。そこそこいい本を10冊読むのではなくて、本当にすごい本を1冊読む。本だけでなくて映画でも音楽でもアートでもお店でもすごいものを知っていることが大事です。相当すごいものを知っていないと、すごいものは作れないんです。「いい」と「すごい」の違いに敏感になることです。


4. 覚悟を日常化する


160616sugatsuke_3.jpg


質問者:菅付さんの編集スパルタ塾では脱落していく人や辞めてもらう人と、生き残る人がいるとおっしゃってました。たぶん菅付さんも競争相手みたいな方々がいて、サバイブした側の人間だと思うんですけど、生き残った人と生き残れなかった人との違いってなんだとお思いになられますか?

菅付:それは覚悟ですね。やっぱクリエイティヴやメディアの世界は、イス取りゲームなんですよ。終わりなきイス取りゲームなんです。ここで残酷な話をしますが、たぶん今ここにいる人たちは、20年後、半分ぐらいしかこの業界残ってないと思うんです。そして、それは他のクリエイティヴの業界も起きることなんですよね。だから、このイス取りゲームの中で生き抜くんだという覚悟をちゃんと持って、それが維持できているかどうかだと思うんです。50歳になろうが、60歳になろうが永遠にイス取りゲームが続くんです。それは会社員だろうがフリーランスだろうが。

ただ誰でも「自分は覚悟があります」と言うんですね。でもその覚悟を日常の行動に落とし込める人は極めて少ないんです。イチローが毎日2時間黙々とストレッチを続けているように。つまり「覚悟の日常化」が出来ているかどうか、それが生き残れるかどうかの違いになると思います。




ライフハッカー[日本版]では、今後も月に1〜2回ほどで更新される、クリエイティブ塾の内容をまとめて発信していく予定です。


(構成・撮影/神山拓生)


MORE FROM LIFEHACKER

powered by
    
    
    
  

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.