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印南敦史印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

お金持ちになるために知っておくべき「お金」に対する考え方

お金持ちになるために知っておくべき「お金」に対する考え方

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できる人のお金の増やし方』(リチャード・テンプラー著、桜田直美訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の著者は、広範な分野において30年以上のマネジャー経験を持っているという人物。さらに2003年には「White Ladder Press」という出版社を創設し、わずか4年で「イギリスでもっとも成功した出版社」に育て上げたのだそうです。

そんな実績を軸として本書で展開しているのは、お金についての独特の持論。誰もがお金を欲しがり、必死で守ろうとするのは「お金が好きだから」ではなく、"お金で手に入ること"のためだという考え方には納得できるものがあります。では、人がお金で手に入れたいものとはなんなのか? それは、おおよそ次の10項目に整理できるといいます。

【人がお金で手に入れたいこと】

1. 安心と安全
毎日の暮らしに困らないこと。加えて"万が一"のときのための余裕と、老後のためにも十分な蓄えがあること。持ち家があるなら、さらに安心だ。
2. 快適な暮らし
十分な広さの家と自家用車があること。健康面で不安があれば、ためらわずに医者にかかること。必要があれば、家事や掃除、子どもの世話をプロに頼めること。
3. 贅沢を楽しむ
海外旅行やレストランでの食事を楽しめること。スポーツ観戦やコンサートに出かけること。洋服やアクセサリーでおしゃれを楽しめること。
4. 快適な移動
列車や飛行機をためらわずに使えること。ときには、一等船室での船旅や運転手付きの車での移動もできること。
5. ステータス
有名人や重要人物と知り合うこと。会員限定の招待など特別待遇を受けること。
6. 影響力・権力
自分の意見や希望が重要視されること。価値観の合う活動や団体を応援できること。
7. 自由
人生を自分の意思で決められること。権力(雇用主・上司・債権者・クライアント...)に振り回されないこと。〆切や予定を押し付けられることがないこと。
8. 時間の余裕
行きたいときに行きたいところへ行き、会いたいときに会いたい人に会うこと。好きなときに好きなことができること。
9. 人気・評判
人からほめられること。評価され、頼りにされること。
10. 自分がよいと信じる社会活動、慈善団体を応援できること。
(「はじめに」より)

いくつか私たち日本人の感覚とは違うものがあるとはいえ、おおむね共感できるのではないでしょうか? そして本書ではこれらを軸としながら、より多くのお金を手に入れるためのルールを紹介しているわけです。1章「お金持ちの心の持ち方を手に入れる19のルール」から、いくつかを抜き出してみましょう。



「私はお金持ちにはなれない」という思いを捨てる


お金がすばらしいのは、差別をしないことだと著者。人種も、肌の色も、社会階層も、両親の職業も、お金にとっては無関係。自分で自分のことをどう評価していようとも、お金にとってはどうでもいいこと。つまり、きょうの自分がお金を手に入れられなかったら、それはお金に理由があるのではなく、自分自身にあるということ。

お金には人を識別する機能がない。だから、あなたにお金に見合った価値や資格があるかどうか判断することはできない。(18ページより)

著者がこれまでに見てきたさまざまなタイプのお金持ちには、ひとつの共通点があるのだそうです。それは、全員が「私はお金が欲しい」と考え、その思いを行動に移していること。当たり前すぎることのようにも思えますが、このセンテンスのポイントは、後半の「その思いを行動に移している」という部分に集約されているのではないでしょうか?

その証拠に、お金に縁がない人はみな、「お金はいりません」「お金持ちになるなんて私には無理です」「私にはお金持ちになる才能などありません」などと考えているもの。いわばお金がない人は、その理由を周囲の状況のせいだと思っているわけです。

しかし、屋根のある家で暮らしているなら、お金持ちになれる条件は誰にでもあると著者は主張します。たしかに簡単ではなく、険しい道のりになるかもしれないけれど、可能であることに間違いはないと。(18ページより)


お金の目標を決める


なにを目指すにしても、まずは"自分にとっての「お金持ち」とは、どんな状態のことを指すのか?"についての定義を決めることが重要。そして次にすべきは、「具体的な目標」と「期限」を決めること。それを決めておかないと、人生を無駄に過ごしてしまうというのです。たとえばどこかに出かける予定がある場合、「目的地でなにをしたいか」「何時に着く予定か」「何時に家を出るか」「どういう経路で行くか」などを決めておかないと、1日を無駄にすることになりまねません。お金持ちになる道筋も、要領は同じだというのです。

・「お金持ち」になったらなにをしたいか?
・いつ「お金持ち」になるか?
・いつ、始めるか?
・どういう手順で「お金持ち」になるか?
(22ページより)

こうしたことを決めておかないと、人生を無駄に過ごしてしまうことになるわけです。なるべく具体的であることが重要で、たとえば、「私は40歳の誕生日までに資産を一億円貯める。そのために不動産開発会社を起業し、その利益で目標を達成する」など。そして、もしも目標が決まっているのであれば、確認すべきは、それが「現実的」で「正直」で「達成可能」かどうかということ。たとえば「世界一の大富豪」という目標は不可能とはいい切れないものの、「現実的」ではないわけです。

「正直」とは、自分に正直であること。自分に嘘をつくと必ず失敗につながるだけに、自分の価値観と合う目標であることが大切だという考え方です。さらにはもうひとつの「達成可能」という条件も必要。一例を挙げてみましょう。不動産に興味もなく、資金もなくローンすら組めないのなら、「不動産で儲ける」という目標は達成不可能であるわけです。(22ページより)


お金の目標は秘密にしておく


「お金持ちになる」という目標に向かって動き出したとしても、"旅の目的地"は秘密にしておいたほうがいいと著者は記しています。いずれはメンターに相談する必要も出てくるでしょうが、いまのところは他人に教えるべきではないというのです。理由はいくつか。

・ほとんどの他人の意見は、否定的でやる気をそぐ。
・周囲の人を"上から目線"で見ているように思われる。
・まねされたら、あなたの取り分が少なくなるかもしれない。
・うわさの的になっていいことはない。
・秘密は楽しい。
(24ページより)

いちばんの理由は、必ず周囲の誰かが足を引っぱるから。当然ですが、新しい目標を目指すのは、これまでの自分のままでは満足できないからであるはず。しかしそれが、近しい人にとってはおもしろくないことである場合もあるということです。だから秘密にしておくのが得策だし、ただ黙っているだけなのだから、失うものはなにもないわけです。(24ページより)


現実的に考えて行動する


「お金がない」と嘆く多くの人は、目の前の現実に目を向けていないと著者は指摘します。山のように愚痴をいいながら、なにも行動せず、問題が消えてなくなるのをただ願っているだけだというのです。

ところが問題が消えてなくなることはなく、それどころかどんどん大きくなるもの。もしもお金が足りず、もっと増やしたいのなら、積極的に行動しなければならないといいます。なにもしなければ事態は変わらず、むしろ悪くなるだけだから。

私が最初におすすめしたいのは、宝くじを買うのをやめることだ。そして、その分のお金を貯めることから始めてみてはどうだろう。
今まで宝くじにいくら使っただろうか。そして、当選金額は? これまでの収支を計算してみよう。収支は、おそらくこの先も変わらない。宝くじを買うのは、確実に損をする方法だ。断言しよう。あなたが一等を当てることはない。(28ページより)

つまり大切なのは、現実的になること。建設的にじっくりと考え、答えが出たら実行する。お金の問題から抜け出す方法は、それしかないのだといいます。

そして「現実的になる」という原則は、貯金にも当てはまるそうです。5年後までに300万円貯めたいなら、1カ月に1万円程度の貯金ではとても追いつきません。目標金額から逆算し、1カ月の貯金額を割り出す必要があるということ。

「問題から目を背けたくなる気持ちはわかる」とも著者はいうのです。しかしそれでは、お金持ちになることは不可能。もし本気なら、自分の問題と正面から向き合い、計画を練らなくてはならないということです。(28ページより)




ユニークな視点を持った著者は、基本的に生真面目であるように思えます。しかし、ウィットに富んだ表現も多く、そのせいか思わず笑みが浮かんでくるような(ツッコミを入れたくなるような)箇所も少なくありません。だからこそ結果的には、肩肘を張る必要なく読み進められるわけです。


(印南敦史)

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