• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

香川博人香川博人  - ,,,,,  12:00 PM

エアレース・パイロット室屋義秀さんが考える、世界チャンピオンになるためのチーム力とは

エアレース・パイロット室屋義秀さんが考える、世界チャンピオンになるためのチーム力とは

lh_160602_airrace_top.JPG

最高時速370km、最大重力加速度10G。極限の環境で空を舞う究極の三次元モータースポーツ「レッドブル・エアレース」マスタークラスにアジア人唯一のエアレース・パイロットとして参戦している室屋義秀(むろや・よしひで)さん。2016年シーズンはすべてのレースで表彰台を狙うために多くのスペシャリストをチームに招聘。「戦うためのチーム体制が整った」と意気込みを語っています。

そこで今回は、「レッドブル・エアレース千葉2016」を目前に、エアレース・パイロットではなく、「チーム FALKEN」のリーダーとして室屋さんが世界のトップに立つために実践しているチームマネジメントについて聞いてみました。


室屋義秀(MUROYA YOSHIHIDE)/エアレース・パイロット
lh_160602_airrace_prof.JPG1973年生まれ、福島市在住。アニメ『ガンダム』に憧れ20歳で渡米して飛行機のライセンスを取得。24歳のときに本格的なエアロバティックス(曲技飛行)を学ぶために再び渡米し訓練を積む。その後、曲技飛行世界選手権では日本代表に選ばれ、日本のエアショーでも活躍。2009年、36歳で「レッドブル・エアレース」に初参戦。2015年シリーズの第5戦アスコット(イギリス)、第7戦フォートワース(アメリカ)で3位となり、年間総合6位を獲得。現在、全日本曲技飛行競技会のサポートなどスカイスポーツの振興や地元福島の復興支援活動にも積極的に参画している。


年間総合優勝から目標を軌道修正。今年は年間総合での表彰台を狙う


lh_160602_airrace_01.jpg▲レッドブル・エアレース2016アブダビ(UAE)大会で飛行する室屋さん Predrag Vuckovic/Red Bull Content Pool


レッドブル・エアレース2016
全8戦を世界11カ国14名のパイロットで年間チャンピオンを争う、国際航空連盟が公認するモータースポーツの世界選手権。高さ約25mのパイロンが設置された全長約10km(5km×2周)のスラロームコースを決められた順序と、機体を急旋回させたり瞬時に90度に傾けるなど規定の飛行ルールで次々と通過して最速タイムを競います。

レースは1対1のトーナメント方式で行われ、パイロット14名全員で争う「ラウンド・オブ・14」、勝者7名と敗者の中で最速タイムを出した1名が争う「ラウンド・オブ・8」、勝者4名が順番に飛行し表彰台を争う「ファイナル4」で優勝者が決まります。

── 2015年シーズンは「勝てるチームづくり」をテーマに掲げ、3位表彰台を2回、総合6位を獲得しましたが、2016年シーズンのチームとしてのテーマは?

室屋氏:年間総合優勝を目指すための「戦うためのチーム体制」が整ったので、チームの総合力が試されると思っています。その意味ではまず、全8戦の総合順位で3位以内の表彰台に立つことがチームのテーマであり目標です。

── そうした目標はどのタイミングで立案し、室屋さんが描くロードマップで、現状はどのあたりにいるのでしょうか?

室屋氏:2013年に大目標として2017年に年間総合優勝することを設定しました。そのための中目標として年間プランを立て、どのようにステップアップさせていくか、中期的なスケジュールを組んでいます。たとえば、2015年シーズンは、レースの優勝決定戦となるファイナル4へ進むことを目指して、性能を高めた新型機を導入。2016年シーズンは、常にファイナル4で戦い表彰台を狙えるチームにするために体制を強化しました。

でも実は、昨年9月にロードマップを1年前倒しにして、2016年シーズンに年間総合優勝するための年間プランに変更。オフシーズンに研究開発した新しい機体のテストを繰り返すなど急ピッチで作業をしていました。しかし、2016年シーズンから機体を含めたレースのレギュレーションに変更があり、妥協ではない実現可能な目標が必要だと考えたときに、年間総合で表彰台という答えに戻ったわけです。


目先の1勝ではなく、目標のために何をすべきか、最善の策を考える


lh_160602_airrace_02.jpg▲レース当日まで最終調整に余念がない室屋さん率いる「チーム FALKEN」 Balazs Gardi/Red Bull Content Pool


── 世界を転戦しながら、チームとしてどのような作業を行っていますか?

室屋氏:メインの作業は1年後、2年後に強くなるための調査・研究・開発を最重要視しています。もちろん先日の第2戦シュピールベルク(オーストリア)大会では、レース中に規定の重力加速度を超えるオーバーGで失格となったので、第3戦千葉(日本)大会までに課題を解決する必要があります。しかし、こうした目先の緊急対応ばかりに追われてしまうとチーム力は伸びなくなり、結果として負けてしまいます。

短期的な課題の克服と長期的な戦略をバランス良く進めることが難しいのは確かです。しかし、1戦の勝利を求めてその場凌ぎで解決したつもりでも、新たな課題やシステムエラーが出てしまい、今度はその解決に時間を奪われてしまう。だとしたら、目前のレースには間に合わないけど、最終的に年間の表彰台を目指すために、しっかりと課題を修正してつくりこむことがもっとも重要になるわけです。

もちろん、第3戦千葉(日本)大会はチームとしてのホームレースとなるので、万全の体制でレースに臨みますのでご心配なく(笑)。


チームとしてレースにどれだけ情熱を注げるか。課題を克服して進むと強くなれる


lh_160602_airrace_03.jpgレッドブル・エアレース2015アスコット(イギリス)大会で3位表彰台を獲得。目前の千葉(日本)大会ではさらなる飛躍に期待 Joerg Mitter / Red Bull Content Pool


── チームをマネジメントする上で、重要視していることはありますか?

室屋氏:根本にあるのはチームとして何をするか「目標」です。そして、単純に勝利を目指すのではなく、そこにはチームとしての「情熱」が必要です。というのも、14チームのすべてが勝利を掴み取ろうと最善を尽くしてレースに挑んでいます。そうしたなかで表彰台に立てるのは、昼夜を惜しんで、どれだけレースに向けてギリギリまで情熱を注いだかが大きく関わってきます。

表彰台に立てばトロフィーとメダルをもらえます。でもそれが欲しいわけではありません。結果としての表彰台や優勝は、1番努力したチームの証です。その意味で、情熱を持って一緒に戦えるのがチームとしての魅力だし、楽しみでもあるわけです。

── チームとしてプロジェクトを進めていくなかで、問題や課題が出てきたときは、リーダーとしてどのように対処して解決へ導いていますか?

室屋氏:年間プランをつくり、予算組みをして、できないことはカットして、プロジェクトをスタートしていますが、トラブルや開発中の機体の善し悪しなど、設定したタスクの半分ぐらいしか達成できないのが現状です。

また、レースは生き物なので、各チームの成長度や開発速度も影響して、自分たちがすべき作業に修正が必要な場合もあります。

ただそのときに、エンジニアがもっと速く飛ばしたいと研究に突き進んだり、それぞれの専門分野でやりたいこと、挑戦したいことに没頭してしまうと、見た目は大目標・中目標のために最善を尽くしているようにも思えますが、全体を俯瞰してみると、チームとしては混乱して行き先を見失ってしまう場合があります。

レースを転戦する疲れや結果が出ないとストレスが溜まり、個々人が混乱しやすい状態になるので、そうしたときはチームリーダーである私が全体を整理するようにしています。

勝利に向かってチーム一丸となって進んでいても、いろいろな問題が起こります。それがレースです。でも逆に言えば、それをチームのみんなで克服することで達成感が生まれ、チームを強くすることにもつながるので楽しみでもあります。

── では最後に、目前に迫った「レッドブル・エアレース千葉2016」に向けてライフハッカーの読者へメッセージをお願いします。




「レッドブル・エアレース千葉2016」で新体制となった「チーム FALKEN」がどのようなレースを展開するのか、目標である表彰台に立つことができるのか、期待が高まります。

さて、室屋さんが実践するチームマネジメント術についての話は次回も続きます。テーマは「チーム力の継続的向上とリーダーのあり方」についてです。お楽しみに。

レッドブル・エアレース2016
室屋義秀オフィシャルウェブサイト

(文/香川博人 写真/神山拓生)

MORE FROM LIFEHACKER

powered by
    
    
    
  

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.