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ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,,  10:00 PM

『スマートニュース』松浦茂樹さんが実践する「情報の浴び方」:クリエイティブ塾Vol.2

『スマートニュース』松浦茂樹さんが実践する「情報の浴び方」:クリエイティブ塾Vol.2

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ウェブ上で発信されたコンテンツはSNSでシェアされたり、キーワード検索にひっかかったり、ニュースポータルに配信されてユーザーに伝わります。注目されるコンテンツを作るためにはどんなことが求められるのでしょうか?

ライフハッカー[日本版]編集長の米田智彦が開催する「クリエイティブ塾」は、編集者としてのクリエイティブマインドを育成するワークショップです。第2回のゲストは、スマートニュース メディアコミュニケーション ディレクターの松浦茂樹(まつうら・しげき)さん。「コンテンツの伝え方」の専門家としての視点から「現代の編集者に求められるもの」について語っていただきました。今回はその中から松浦さんも実践する「情報摂取の仕方」をご紹介します。

松浦茂樹(まつうら・しげき)
東京理科大学工学部経営工学卒業後、ライブドアでポータルサイトの統括、コンデナスト・ジャパンで『WIRED日本版』のウェブエディター、グリーで「GREE ニュース」などを担当。2013年3月より『ハフィントンポスト日本版』編集長。2014年9月に退任。現在、スマートニュース メディアコミュニケーション ディレクター。

今必要とされるのは「自分事発信」


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米田:『ハフィントンポスト日本版』の編集長を務めるなど、ウェブコンテンツの専門家である松浦さんへの質問を参加者から募ってあるので、うかがってみたいと思います。まず最初に「これからのウェブメディアの編集者にはどのような力が求められますか?」

松浦:「自分事」を発信してもらえるなとうれしいなと。当事者の意見が一番伝わると思うんですね。今は編集者さんの人となりも含めて発信したことが伝わっていくように感じています。

米田:自分事化しないと同じような記事になってしまいますよね。新聞の記事を例にすると、リードがあって本記があり雑感がきて、同じような内容になってしまう。

自分事化して、ストーリー・オピニオン・エビデンス・ファクトが4つそろっていることがヒットする記事の条件なんじゃないかなと思っています。

松浦:私もそうだと思いますよ。自分事化するには「切り取って見せられる自分」をたくさん持っているといいでしょう。いろんなことに興味があるのも大事だと思うんですが、ひとつひとつの興味がどれくらい自分事になっているのかを語れるかどうかを大切にしてほしい。興味には浅い・深いがありますが、どっちであっても自分事としてトークできるかどうか。

たとえば、私はスマートフォンにおけるニュースアプリのディレクターなので、アプリ内で動画が流れるメッセンジャーアプリ『Snapchat』は使っておかないと、スマートフォンにおける動画についてほかの人と話ができません。Snapchatはこういうアプリで、ここは良くないですよね、とトークできるのは自分事としてSnapchatを体験しているから。別にSnapchatの専門家でもなんでもなくて、ちょっとしたことを話しているだけなんですが、それが大事なのかなと思います。


ネットの情報もフィジカルな情報も摂取する


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米田:次の質問です。「松浦さんはどんなソーシャル・メディア・ライフを送っていらっしゃいますか? SNS・ニュースサイトのチェックなど日々動向をチェックするのは大変では?」

松浦:これは、大変って言っちゃダメだと思いますっていう感じですかね。大変だったら僕はやらないです。面倒くさいと思いながらやっているのは私の場合、経理作業くらいですかね。

米田:1日に記事をどのくらい読んでいるんですか?

松浦:わからないですね。息吸って吐くぐらいの勢いで読んでいるんじゃないかな。

朝起きてベッドで寝転がりながらスマホで記事を読みますし、最近は風呂に入りながら読んでいることが多いですね。

あと、書店には必ず週に3〜4回は行きます。買わずに立ち読みをするだけですけども、書店員さんのキュレーションが見たくて、今どんな本が棚に置かれているのかをざっと見て回ったりしています。

米田:どんな本を出版社が売り出そうとしているのか、その本がどんな風に書店でレイアウトされているのかを見ることで、今の世の中が見えてきますよね。

松浦:書店員さんが考えたレイアウトを見て、こういうふうになっているんだ、なるほどとなります。だって売れない本をわざわざ一番いいところに置かないじゃないですか。渋谷のブックファーストのように大きくて売り上げのある書店では特にそうです。

当たり前ですが、その店頭にディスプレイされている本は、売らんがために置かれているわけです。そうした本は情報としても大事だなと考えています。

米田:その価値はネットの情報鮮度とはまた違ったものですよね。だから気付きがあるんでしょう。

松浦:話を私のルーチンに戻しますね。朝8時ぐらいになったらワイドショーでどんなネタを取り扱っているのかをぼんやり眺めたりしています。

米田:新聞は取っていないんですか?

松浦:新聞はiPadのアプリでSANKEI EXPRESSを読んでいます。"EXPRESS"なだけあって、文章もぎゅっと縮まっていて非常に読みやすいんですよね。残念ながら終わっちゃうそうなので、これからどうしようかなと思っているところですが。(編注:2016年3月中旬時点。その後、3月31日にSANKEI EXPRESSは休刊しました)

あとは英語の記事をBBCのアプリでも読んでいたりしますね。

米田:BBCはアプリがすごくいいですよね。私としてもおすすめです。

松浦:私はこんな風に普段から情報に触れていて、日中も仕事をしながら記事も読みます。情報を浴びられるだけ浴びているという感じですかね。


ディテールではなく本質をとらえる


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松浦:若い人たちと話してて思うのは、インプットが弱いということです。本やテレビ、雑誌など、さまざまなメディアに触れてますか? グリーにいたときには新卒面接などもやっていたんですが、若い人はみんな情報源がネットだけなんですよね。ネットメディアをやっている私の身からしても、「それはダメじゃないか」なんて思ってしまいますね。

米田:ネットをやっている人間がネットしか見ていなかったら、一番つまらない気がしますね。赤潮の中で真っ赤な魚を釣ろうとしているようなもの。違うところから持ってくるから新鮮なのではないでしょうか。自分から自分のポジションを離れるようにすること、たとえば現場に行くとか、違うメディアに触れてみるのは必要なことですよね。

松浦:「具体的にどうするのか?」という質問を受けるんですが、私は答えの1つは「映画を観ること」。

シナリオ・映像技術・音響・俳優の演技、コンテンツに必要な要素がほとんどすべて、2時間の映画に凝縮されている。しかも、世界で一番お金をかけて作っているコンテンツですから、それを観るのが一番手っ取り早く参考になると思います。本当は総合芸術と言ったらオペラですが、日本だとなかなか観にいけませんからね。

もちろん、ただ映画を観にいくだけではダメです。ストーリーをとらえるのがポイントです。ところが映画を観て、観終わったあとにストーリーがしゃべれるかというと、結構みんなしゃべれない。

米田:みんな断片的に観ちゃいますね。

松浦:漫画を例にしますが、「『ONE PIECE』ってどんな漫画ですか?」と聞くと、「主人公のルフィがいて、悪魔の実を食べて、腕が伸びるようになって、いろんな仲間が登場してきて...」みたいに説明してしまう。何時間説明したら終わるんだよというくらいストーリーをとらえられていない。『ONE PIECE』は「仲間を集めて海賊王を目指す」という簡単なストーリーを長い時間をかけてやっているだけじゃないですか。

映画に話を戻すと、『タイタニック』がどんな映画かという話をするなら、「タイタニックという船があり、これが氷河に沈む。その中で恋人たちが引き裂かれる」、これだけです。ところが若い人に聞いても意外と出てきません。

米田:その船の中で四重楽奏があるとか、どういう料理が振る舞われたといったディテールも大事ではあるんですけどね。

松浦:大事ではあるんですけど、ここ4〜5年で若い人たちがテクニックやディテールに目がいってしまってストーリーの骨子──本質にたどり着けなくなったように感じます。今の若い人のウイークポイントはここかなと個人的に思うんですよ。

米田:ネットで断片的な情報を集めていくことを身体的に覚えてしまったために、起承転結があるコンテンツに耐えられなくなってきているような気がします。映画がいいのは、映画館という中に閉じ込められて、一貫したストーリーを体感できるところですね。若い人は小説ももう最初から最後まで通して読めなくなっている人が多いんじゃないかなという気がします。

松浦:小説を読むのも大変だと思うし、音楽を3分聴くのすら大変かもしれない。でも映画を2時間観れば、シナリオもテキストも音楽も全部まとめて学べます。仮に断片的にしかとらえられないとしても、ある程度吸収して自分事としてアウトプットできているかを意識してみてください。




日本最大規模のニュースアプリとして日々膨大なアクセスを集めるスマートニュースのディレクターとして、今のウェブメディアを俯瞰する立場にある松浦さんならではの鋭い指摘は、情報が飛び交う現代をとらえる上で大いに役立つのではないでしょうか。ライフハッカー[日本版]では、今後も月に1〜2回ほどで更新される、クリエイティブ塾の内容をまとめて発信していく予定です。


(文/神山拓生、撮影/大嶋拓人)

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