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鈴木統子  - ,,,  09:00 PM

素朴 vs. 洗練。 Appleのデザインが万能ではない理由

素朴 vs. 洗練。 Appleのデザインが万能ではない理由

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Crew blog:Appleは、デザインの美しさが単なる1つの特長ではないということを証明しました。美しさは、ビジネスになるのです。

デザインとテクノロジーのマリアージュによって、Appleは、好事家向けのニッチなブランドから、もっとも高く評価される企業の1つに成長しました。

Appleの成功ののち、多くの企業が右へならえと、デザインのレベルアップを図りました。長いものには巻かれろ、と言わんばかりに、多くの企業がAppleのようなデザインの製品をつくるようになったのです。

わたしたちが普段使っている電話、ノートPC、そして、それらに搭載されているソフトウェアの多くに、いちばんはじめにデザインの概念を取り入れたのは、Appleでしたし、他社商品にしても、Appleのデザインからインスパイアされているはずです。そして、数知れないほどのソフトウェア企業がその生き残りをかけて、Appleが生み出し、運営しているApp ストアで、Apple公認のデザインとなることを目指しているというのが現状なのです。

デザインと外観の美しさについて、消費者はかつてないほどに高いレベルのものを期待するようになりました。そして今後は、考え抜かれた、満足度の高いデザインに対する消費者の関心をめぐって、商品が競い合うという傾向がますます強まっていくことでしょう。

デザイナーとして、わたしはデザインへの関心が高まっている現状は、歓迎すべきものだと思っています。

わたしのラップトップのモニター上のアイコンは、まるでキャンディのように色鮮やかです。アプリを使えば、流れるように圧縮作業を行うことができ、作業が終わるのを待つ間も、上手にデザインされた、その進行過程を楽しんで見ていることができます。テクノロジーの外見的な美しさは、10年前と比較して大きな変貌を遂げました。

かつて、コンピュータを使うということは、トウモロコシ畑を刈り込んでつくった迷路を探索するようなものでした。常に半信半疑で曲がり角を曲がっては、ようやく一仕事終える筋道を見つけるといった具合だったのです。

とはいえ、このデザイン重視の現状は、わたしたちにとって有益であるとはいえ、それ相応の代償があることも否めません。

Appleのような企業のデザインとマーケティングを礼賛するあまり、わたしたちクリエイターは、自分自身のアイデアを世界に届けるために、Appleを上回るような方法を見つけられなくなってしまったのです。

なぜなら、プロダクトデザインにおいて、美しいビジュアルが生み出す成功の数々をすでに目にしてきたので、自分たちのブランドメッセージにおいても、ビジュアルの美しさを同じレベルで重視すれば、同様の結果を得られるはずだと考えるようになってしまったからです。

ウェブサイト、Eメール、広告のビジュアルデザインをパーフェクトなものにするためには、何万、何十万ドルという巨額な費用を投じる一方で、そのデザインを包括するための「言葉」を考えるのには、せいぜい制作時間の残り数時間程度しか割かない、という企業を、わたしは複数知っています。

わたしたちは、ビジュアルデザインに熱心にこだわるあまり、商品のメッセージにおいて、もっとも重要な「ある部分」が見えなくなってしまったのです。それは何か。

そう、ストーリーです。


スタイルよりも中身を選ぶ


わたしたちには、それぞれ好みというものがあります。

1年前、わたしの会社では、Eメールキャンペーンのために、2つのバージョンのEメールを用意しました。

1つめは、かっこいいデザインのEメールをつくるための、次の原則に厳密に従いました。

  1. 文章を長くし過ぎない

  2. 大きくて、かっこいい画像を使う

  3. Eメール受信者にやってほしいアクションに対する明確な呼びかけ

もう1つのバージョンは、これとは異なるディレクションを行いました。あたかも友だちに語りかけているようなスタイルの文章にしたのです。

これは、次のように、かっこいいデザインのEメールのための、すべてのルールを破ることになります。

  1. Eメールが長い

  2. 喚起したい目的のアクションまでに、11もリンクがある

  3. 主要目的である、アクションへの呼びかけがEメールの終わりの部分に埋没している

キャンペーンの結果は、デザインの常識を裏切るものとなりました。数多くのルールを破っているにもかかわらず、「あまりかっこよくない」、長いほうのEメールが、短いものに対して、およそ3倍ものクリック率を獲得したのです。

このEメールキャンペーンは、ストーリー重視のアプローチを好む傾向にある、わたしたちのコミュニティに属す人々(わたしたちは通常こういったスタイルのものをつくるので)に向けたものでした。そのため、この例は限定的な話ともいえます。しかし、ビジュアルの美しさはいつでも万能だとはいえないのではないかという、わたしの考えをサポートしてくれるものでした。

さらに言ってしまうと、ありのままであること(すなわち、友だちに話すように、ストーリーを語ること)は、わたしたちが想像する以上に大きなインパクトを与えることができるのです。


ピクサーからの教訓(※アニメーションではなく、ストーリーについて)


どのようなクリエイティブの分野であっても、語り口の優れたストーリーは、一様に重視されるものだということを示すエピソードがあります。

1995年に、ピクサーは、CGアニメーションによる初の長編映画『トイ・ストーリー』を発表しました。しかし、『トイ・ストーリー』がスマッシュ・ヒットを飾った一方で、ピクサーのスタートは困難の多いものでした。

『スター・ウォーズ』の監督・George Lucasが、『トイ・ストーリー』がつくられる以前に、自分のピクサーの株式を売却したため、ピクサーは、ほとんど倒産寸前だったのです。(皮肉にも、Appleの創業者であるSteve Jobsが投資に踏み出していなければ、倒産していたことでしょう)。

映画業界は、メインストリームの観客が長編アニメーション映画をあまり好んで見ないのだと判断しました。

ここで彼らが見落としているのは、ストーリーの力です。

アニメーションが核であるとはいえ、ピクサー・チームは、自分たちの成功は、1つのシンプルなものにかかっているであろうことを知っていました。それは、優れたストーリーを語る力です。

ピクサーの共同創設者の1人であるEd Catmullは、彼のベストセラー本『ピクサー流 創造するちから―小さな可能性から、大きな価値を生み出す方法』の中で、ピクサーにおけるクリエイティブのプロセスについて、以下のように述べています。

ストーリーについてきちんと考えていなければ、どんなに芸術性の追求や、ビジュアルの完成に注力しても、意味がない。

ピクサーは、その16作品の映画のうち、8作品で、アカデミー長編アニメ映画賞を受賞しています。そして、すべてのピクサー作品は、その公開年の興行収益作品トップリストのベスト10内に名を連ねています。

このヒット率に匹敵できているスタジオは、今のところありません。

優れたストーリーを語ることは、Eメールであれ、映画であれ、どんな媒体であれ、「つながり」を生み出します。そして、そのつながりこそが人々の関心、さらには信用、そして、売り上げを導き出すことができるのです。

ピクサーが初期から気づいていたように、ストーリーが素晴らしければ、ビジュアル効果が多少優れないものであっても、何とかなることがあるかもしれません。しかし、その逆はいつも成立するとは限りません

代表的な例を見てみましょう。製作費用の高い映画歴代ベスト10の作品の平均的な製作費は、1作品あたり2億7400万ドルです。

さらに、米映画批評サイトRotten Tomatoesによれば、これらの映画のレビュースコアは、平均59%です(ちなみにもっともスコアの高い映画は、ディズニー/ピクサー製作の『塔の上のラプンツェル』です)。

一方、ピクサーの製作費の平均は、1億4500万ドルで、批評家と観客のレビュースコアは、平均89%です。

さらに、製作費用トップ10の映画のうち、低評価の作品について、その評価理由のコンセンサスを調べてみると、アニメーションや特殊効果のクオリティが低評価の理由になっている例は、ほとんど見当たらないことがわかります。

一方、ストーリーについては、次のように問題点が挙げられています。

「今作は、ばらばらなプロットと、やかましいアクションシーンの連続により、暗礁に乗り上げている」
── 『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』のレビュー

「キャラクターの数も、意味不明な伏線も多すぎる」
── 『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』のレビュー

「『ジョン・カーター』は、ビジュアルは悪くないし、三文小説っぽいスリルはあるが、ペースにムラがあり、理解不能なプロットや描写がしばしば見られる」
── 『ジョン・カーター』のレビュー

暗澹たる、特殊効果アクションの嵐
── 『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のレビュー

これらの作品のプロデューサーたちは、ピクサーと肩を並べるレベルの圧倒的なビジュアルをつくるために費用は投じても、ストーリーをレベルアップすることには予算をかけなかったのでしょう。

見た目がかっこいいものをつくることは、可能です。でも、どんなにかっこよくても、ストーリーが優れていなければ、意味がないのです。


なぜ、「美しさ」が万能ではないのか(現在はとくに)


製品のデザインにおいて、外観が美しいものさえつくればいいということがないように、ストーリーを語るときにも、美しさのみを重視すればいいということはありません。

よくデザインされたメッセージとは、まず第一に、よい物語を語るメッセージでなければなりません。

わたしたちのEメールキャンペーンの例からもわかるように、ストーリーとは、常識的なルールを破るようなデザイン的欠陥をものともしないほどに、強力なものなのです。

あなたは、Appleほどのマーケティング予算(今年度は、120億ドル)や、デザインスキルを持ち合わせていないかもしれません。でも、大丈夫です。Appleレベルの外観の美しさは、あなたのストーリーをプレゼンするためのベストな方法ではないこともあるからです。それどころか、事態を悪化させることすらあるかもしれないのです。

最近BBCが発表した記事で、North Carolina大学Charlotteの研究者が、「美しすぎる」ことに欠陥があるかどうかを調べた調査の数々について、再検討を行いました。

人は通り道で美しい女性に会うと、距離を置くようにする傾向がある、という1975年の研究を含め、研究者は、複数の研究を明らかにしました。これと似たような行動は、出会い系サイト「OKCupid」のプロフィール写真のレビューにも、見られます。「平均的な」顔立ちのプロフィール写真の持ち主である男性は、「もっとも魅力的な」プロフィール写真の男性よりも、多くのメッセージを受け取るというのです。

研究者は、このような行動が起こるのは、人目を引きつけるということが、パワーを伝えることだからではないかと述べています。結果として、人々は魅力的な人間に敬意を払わなければならないため、その分距離を置こうと思うようなのです。

これらの例から、美しいことが裏目に出る可能性があるということがわかります。もし、何かが美しすぎるとしたら、それは、近寄りがたいものだと映る可能性があり、それを届けたいと思っている人を遠ざける原因になっているかもしれないのです。

似たようなケースとして、American Eagleのようなアパレルブランドが、モデルをフォトショップで修正するのをやめるようになって、売り上げが増加したという結果が出たということもわかっています。

過剰に美しいことは、セールスの手段と見られてしまう可能性があるのです。わたしたちは、見た目の美しいものには心惹かれやすいにもかかわらず、セールスに対しては、無意識に強い反感をおぼえるものなのです。

そして、この反感は、年々強くなっています。

インターネットと、Facebookのようなオンラインネットワークによって、わたしたちは今までよりも多くの情報にアクセスするようになりました。そして、それだけ悪い事例も今までよりも多く目にするようになりました。

たとえば、Rotten Tomatoesのオールタイム・ドキュメンタリー映画トップリストの、トップ10作品のうちの4作品は、不正や違法行為についての物語で、いずれも2005年以降につくられたものです。

すべての電話がメディア・デバイスとなった今、物語が広がるのはあっという間です。そして、世界ではよい出来事もたくさん起きているにもかかわらず、不正や不信の物語のほうが、人々の気持ちをとらえるゆえに、よい出来事よりも目立ちやすいのです。

信用性は、これまでにないほどに失われてしまいました。2013年のUSA Todayの世論調査によれば、アメリカ人の3分の2が他人を信用していないと答えています。これは、1972年に初めて調査が行われた数字の2倍にのぼります。

わたしたちは、「ペテン」に対して過敏になりました。すべてに対しての不信感が募り、それは美しいことに対しても例外ではありません。

美しいことは、人々を何かを売りつけられているという気持ちにさせる、「ペテン」の1つのレイヤーと認識される可能性があるのです。

前述の調査の研究リーダーの1人は、こう述べています。「もし、絶えず「何か」に惹きつけられてやまないのなら、その「何か」は、その人の体験や触れ合いのあり方を変えてしまうかもしれない」と。

つまりはこういうことです。もし、わたしたちが自分たちの送りたいメッセージの外観的な美しさにこだわりすぎれば、そのストーリーを受け取る人々の体験が、その分の被害を被るかもしれないのです。


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  • ,,,, - By

    友清哲

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