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印南敦史印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

組織を「バス」にたとえた場合、もっとも大切にすべき人材とは?

組織を「バス」にたとえた場合、もっとも大切にすべき人材とは?

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私は学校を運営し、しかもフルタイムで教鞭をとっている。私たちの学校は今や世界中の教育関係者、企業関係者から手本と見なされていて、毎年数千人が見学にやって来る。(中略)さらにその合間を縫って世界中に出掛けて行き、講演までしている。(中略)正直なところ本を書くどころではなかった。それでもどうにか書き上げたのは、ここで私たちがやっていることは、私にとってもはや願望の問題ではなく、義務だった。(「はじめに バスを走らせるということ」より)

こう記しているのは、『ムーブ ユア バス』(ロン・クラーク著、橘 明美訳、SBクリエイティブ)の著者。あるとき講演の最中に、組織活性化の話で「バスのたとえ」を使ったことがあるのだそうです。そして結果的にはそれが、スタッフひとりひとりから最大の可能性を引き出すためのメソッドへと成長していったのだとか。

端的にいえば"バス"とは事業や、「グループでしようとするなにか」のこと。あるいは、ある組織ないしグループが達成しようとする目標、上げようとする成果。バスが目標に向かって走るかどうかは、バスに乗る人にかかっているため、「各人がバスのためにどれくらい活力を注いでいるか(組織のためにどれほど貢献しているか)によって4つのカテゴリーに分類したのだそうです。

それがランナー、ジョガー、ウォーカー、ライダー。貢献度を速度に置き換えているので、彼らの性質を把握できれば、バス(組織)をより効果的に動かすことができるというわけです。そこできょうは、その4つのカテゴリーに焦点を当ててみたいと思います。



ランナー


ランナーはチームの最強メンバーであり、組織を成功に導く立役者。なにごとにも全力投球するタイプで、風を切って走る感覚や、他のバスを追い抜くスリルがたまらないと感じているのが特徴。どんな組織においても、それを動かしているのはランナー。すなわち、バスを支えているのは基本的に彼らだということ。

仕事熱心で、時間を顧みずに働き、不平不満をいわず、いつも前向きでいることが可能。勤労意欲が高く、細部への目配りも怠りなし。卓越した職業人を目指していて、一流の組織ないし活動に貢献することを誇りに思っているとか。仕事に邁進するのも自分が秀でたいからではなく、組織全体のため。個人としての称賛、表彰、昇進よりも、組織全体の成功を望んでいるわけです。

だからランナーは、鼻を高くして仕事を選り好みしたりはしないもの。つまらない仕事や嫌な仕事でも、「これはやらなきゃいけないことだから、やっつけよう」と考えてすぐに動くのだといいます。

そんなランナーには、会議の席においても共通する行動パターンがあるのだそうです。たとえば出席者とアイコンタクトをとる、人の発言を遮らないなど。人の意見をこねくり回すだけの出席者も多いなか、ランナーは議論を前に進めるコツを心得ているということ。会議の流れを止めず、しかもチャンスを見逃さない。議論を停滞させず、脱線させず、誰かがいいアイデアを出したらそれをきちんと拾い上げるというのです。

ランナーの欠点は、仕事に没頭するあまり私生活をおろそかにするところ。また、ランナーがどれほどしっかりしていても、周囲の人間はサポートが必要だということを忘れてはならないと著者は主張しています。(32ページより)


ジョガー


ジョガーはまじめで、頼りになる存在。自分の仕事をきちんとこなすし、それなりの成果を上げるし、根っからのがんばり屋。そんなジョガーは、基本的に組織の害になることはないといいます。ただし残念なのは、一時的に全力疾走することはあっても、長くは続かないということ。バスのスピードを下げることはないけれど、上げることもないわけです。

とはいっても、バスを走らせる原動力であることは事実。そういう意味においては、ランナーほどではないにしても、組織の役に立っている存在だということ。いいかえればジョガーは、職場の基本的な要求(時間を守る、締め切りを守る、場所柄をわきまえた服装をするなど)にはなんなく応えることが可能。それだけでなく、プロジェクトの調整役を務めるなど、もっと高い要求に応えることもあるそうです。しかしそれは"時折"のことで、常に高い要求をクリアすることはできないのだとか。

どこの組織にも、特別に指名されたり大仕事を任されたりするとギアがトップに入るものの、普段はそこまでの力を発揮できないメンバーがいるもの。著者によれば、それこそがジョガーの特徴。そして多くの場合、彼ら自身もそれでいいと思っているのだといいます。

ちなみにビジネスの世界には、ジョガーに向いた仕事も多数。彼らは短時間なら加速できるので、大きな取引の詰めの作業、資金集めの催しの調整役、四半期報告書をまとめて期限までに印刷するといった仕事をこなせるのだそうです。そんなジョガーは、「自分は誰よりもいい結果を出している」と心から信じているのだとか。実際、与えられた職務には徹底的にこだわっていい仕事をしようとするもの。しかしそれは基本的に自信がないということで、得意だとわかっている仕事、自信がある仕事だけにエネルギーの大半を注ぐからだというのが著者の分析です。

なおランナーにくらべると、ジョガーは仕事と私生活のバランスをとることも大事だと考えていて、仕事のために私生活を犠牲にしたりはしないといいます。(40ページより)


ウォーカー


ウォーカーは、やる気に欠ける悲観主義者。足こそ動かしているものの、バスを動かす力にはなっていないのがこのタイプ。足取りが重く、ジョガーについていくことも不可能。つまずいたり足が絡まったりして、事実上バスに引っぱられている状態だということ。しかも始終「なんで急ぐんだ? なんでわざわざ仕事を増やすんだ?」とぼやいているのだそうです。

そして、なにかに気づくと、それを指摘せずにはいられないのがウォーカー。とはいえそれは問題を解決したいからではなく、自分が責められないように先手を打つため。またランナーをやり玉にあげ、「彼らががんばるのは目立ちたいからだ」と批判することも。ときには物事をランナーのせいにして上司に苦情をいったりもすることもあり、また管理職への不満も。つまりウォーカーは負のエネルギーをまき散らす存在であり、そういう意味においては職場にとって有害な存在だといわざるを得ないと著者はいいます。

またウォーカーには、自分のことばかり考える傾向があるといいます。「なぜ自分は昇進できなかったのか」「なぜ自分は会議に呼ばれなかったのか」といった疑問をよく口にするのがその証拠。さらに「自分はいじめられている」と思い込んだり、「職場があまりにも不平等だ」と文句をいったりすることも。特に多いのは、ランナーがえこひいきされているという文句だそうです。

ただし、ウォーカーにももちろん可能性があるもの。ジョガーがそうであるように、ウォーカーも成果主義のなかでステップアップすることがあるというのです。(49ページより)


ライダー


どんな組織も、著者がライダーと呼ぶ人々をどう扱うかという難問と無縁ではいられないもの。つまり、ひとことでいえばライダーはチームのお荷物だということ。足を投げ出すか、あるいはあぐらをかいていて、バスを動かそうとしないのが彼ら。それでいて「車内が臭い」とか、「座席が硬い」などと文句をいうというのです。

しかも、なにが起きても動かない。たとえばガソリンがなくなっても、誰かが給油するのを見ているだけ。タイヤがパンクしても、誰かが交換するのを見ているだけだというわけです。つまり彼らはバスのためにほとんどなにもせず、ただ乗っているだけ。それでいて、自分には100%バスに乗る資格があると思っているというのですから厄介です。

当然のことながらライダーはチームの業績に興味がなく、自分自身の成功や成長もどうでもいいと思っているもの。賞をとろうとも思わないし、認められようと思わない。ただそこにいるだけで満足しているということです。いわば組織内のブラックホールであり、成功、向上、希望といったものをすべてのみ込んで無にしてしまうのだといいます。

だからライダーの存在は、ランナーやジョガーの精神的負担になることも。あるいはドライバーがライダーの問題に時間をとられすぎてしまい、チーム全体に支障をきたすこともあるとか。にもかかわらず解雇されないのは、まず、ライダーが目立たないように細心の注意を払っているから。

そしてもうひとつは、業務のなかには企業の実績と関係ないように見えるものもあるから(電話オペレーターなど)。いわば彼らはそれらを隠れ蓑にして、解雇されないギリギリのところでうまくやることを目標にしているというのです。(58ページより)


ドライバー


いうまでもなくドライバーは、全体のかじ取り役。まずランナーを支えることに注力し、ランナーが順調かつ高速で走りはじめたら、ジョガー、ウォーカー、ライダーにも目を向け、彼らのステップアップを助けたり、場合によってはバスから降ろしたりするわけです。だからこそ、ドライバーが力を注ぐ対象を間違えると、その努力は組織の活性には結びつかないことになります。

ちなみに自身も組織のなかでドライバーを務めているという著者は、世のドライバーたちはこれまで、間違ったところに力を注ぎがちだったと指摘しています。ライダーを歩かせるために時間と労力を注ぎ込むのはやめて、そのぶんをすべてランナーに向けたほうがいいというのです。バスを動かしているのは彼らなのだから、ひとりのライダーを歩かせようとするよりも、ランナーの足を止めないことのほうがはるかに大切だということ。そして、こうも主張します。

私たちはランナーの集団にならなければいけない。私たちが乗るバス、すなわち私たちが掲げる目標はとても大事なものなので、"ただ乗り"は許されない。(73ページより)

もし走りたくないのなら、それもひとつの選択。しかしバスに乗るからには、走ってほしいという考え方です。(63ページより)




こうして各人のキャラクターを見極めた上で、以後は「バスを加速させるためのルール」が紹介されます。著者がいうようにどのような組織にも当てはまることばかりなので、なんらかのかたちで組織を動かす必要にある立場の人にとっては、きっと役立つはずです。


(印南敦史)

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