• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,  10:00 PM

なぜ、東大から次々と有望な起業家が生まれるのか?世界に羽ばたく東大発ベンチャーたち

なぜ、東大から次々と有望な起業家が生まれるのか?世界に羽ばたく東大発ベンチャーたち

160518mugendai.jpg


近年めざましい、東京大学発ベンチャーの活躍。それを強力に推し進めているのが、産学連携本部イノベーション推進部長の各務茂夫教授です。

ミドリムシの青汁やバイオ燃料の「(株)ユーグレナ」や、ペプチドから医薬品を創る「ペプチドリーム(株)」は東証1部に上場しています。グーグルに買収されたロボットベンチャー「SCHAFT((株)シャフト)」は、米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)が主催するロボティクスチャレンジで優勝。マサチューセッツ工科大学(MIT)や、米航空宇宙局(NASA)など世界の15チームを抑えて断トツの1位でした。

東大が変身するきっかけになったのは2004年の国立大学法人化です。運営交付金を減らされる代わりに、特許や発明を生かしてビジネス収入を得ることが自由になりました。すかさずベンチャーへの投資ファンドを設立し、民間企業への技術移転を進め、学生向けに「アントレプレナー道場」を開くなどした努力が今、花開きつつあります。

産業の新陳代謝を進めるために、政府はベンチャー育成を成長戦略の柱にしていますが、経営環境はまだまだ厳しいのが実際のところです。そんな中で、なぜ東大は1歩も2歩も先を行くことができるのでしょうか? 今回は東大発ベンチャーの育成システムの仕組みや成功の秘訣を各務教授にお聞きしました。

ウェブメディア「Mugendai(無限大)」の記事より抜粋してご紹介します。

各務茂夫(かがみ・しげお)
東京大学教授 / 産学連携本部 イノベーション推進部長

一橋大学商学部を卒業、ボストン・コンサルティング・グループ コンサルタント就任。1997年退職まで取締役主幹、米国ロサンゼルス事務所長等を歴任。1989年に経営学修士(MBA)を、2000年にケース・ウェスタン・リザーブ大学経営学博士を取得。世界最大のエグゼクティブ・サーチ会社の1つHeidrick & Struggles社にパートナーとして入社。

2002年東京大学大学院薬学系研究科助教授に就任、2004年東京大学教授 産学連携本部 事業化推進部長。2004年(株)東京大学エッジキャピタル監査役に就任(~13年)、2013年4月東京大学教授 産学連携本部 イノベーション推進部長(現職)。

産学連携、大学発ベンチャー支援、インキュベーション、アントレプレナーシップ教育等に取り組み、日本ベンチャー学会理事・副会長等も務める。日本ベンチャー学会第1回松田修一賞受賞(2015年)。NPO法人アイセック・ジャパン代表理事(会長)も務める。


多彩な東大発ベンチャー。海外の大企業に買収され世界に飛躍するものも


── 昨年3月の経済産業省の発表(*)によると、東京大学発ベンチャー創出数は196にも上り、2番手につける京都大学の倍以上を誇っています。具体的にはどういったベンチャーが生まれているのでしょうか?

各務:ミドリムシの健康食品や燃料オイルで有名となった「ユーグレナ」は、東大農学部出身の出雲充さん(代表取締役社長)が、鈴木健吾さん(取締役 研究開発担当)と設立しました。ミドリムシは、光合成をする植物でありながら動物のように動き回り、59もの栄養素を持つ大変栄養価が高い藻の1種です。東大以外でも広く研究されていましたが、大量培養する技術の開発に成功し、それがブレークスルーとなりました。

「ペプチドリーム」は、アミノ酸が結合した特殊なペプチドから医薬品の候補物質を創薬する会社です。ニューヨーク州立大学で研究していた菅裕明教授が東大に戻って来られ、両大学の知的財産を組み合わせて創業しました。

この2社は東証1部に上場しており、「ユーグレナ」は昨年の第1回日本ベンチャー大賞の内閣総理大臣賞を受賞し、「ペプチドリーム」も今年同じ賞を受賞しました。東大発ベンチャーが2年連続で受賞したことは私たちの大きな励みになっています。

ただ、東大発ベンチャーとはいえ、多くの場合、他大学や企業との連携や協力のもとに成り立っています。

IT系の「popIn(株)」は、中国人留学生である程涛さんが情報理工学研究科修士課程の時に発明した技術を基に起業した会社で、昨年、中国の検索大手の百度(バイドゥ)に買収されいわゆるイグジット(Exit:ベンチャービジネスにおいて、創業者やベンチャー・キャピタルなどが株式公開やM&A等により、投下した資金を回収すること)を果たしました。

アプリ開発の「(株)フィジオス」は、物理シミュレーション技術をエンターテインメントに応用して様々なコンテンツを提供する会社で、グーグルに買収されイグジットに達しました。

同じくグーグルに買収されイグジットを果たした「SHAFT」は、買収の1カ月後に米国の災害対応ロボットの競技会で優勝しました。米国防総省国防高等研究計画局(DARPA:Defense Advanced Research Projects Agency)が主催するロボティクスチャレンジに参加。車の運転、階段登り、消防用ホースの接続、ブロックなどのがれきが散乱する不整地歩行、がれき除去など8つのテストで驚異的なコントロール能力を見せ、マサチューセッツ工科大学(MIT)や米航空宇宙局(NASA)など世界の15チームを抑えて断トツの1位になりました。創業者の1人の鈴木稔人氏は東大アントレプレナー道場の出身者です。

この他にも、多くの次世代ベンチャーが東大の産学連携本部のインキュベーション施設で研究開発やビジネスの立ち上げに挑んでいます。分野はライフサイエンス、環境、材料、ビッグデータ処理など多彩です。

アントレプレナー道場は今年の4月から12期目。毎年200~250人ぐらいが参加してベンチャーの基礎を学び、そのうち上級コースに進む学生約30名がビジネス・プランを競い合います。先輩たちの体験談を聴く機会も用意されています。

(*):大学発ベンチャー調査 分析結果(2015年3月 経済産業省 産業技術環境局 大学連携推進室)


2004年の国立大学法人化以降生まれたベンチャーは全国ですでに2000社にのぼる


── 東大に新しいベンチャーの潮流が生まれる契機になったのは2004年の国立大学法人化だと言われますが、これによって何がどう変わったのでしょうか?

各務:国立大学法人化は、古い歴史のある国立大学がこれからは独自性を持ち、企業で言えば差別化して、学長のリーダーシップの下に各々が独自性をもって経営に取り組もうという改革です。国の財政は苦しいので運営交付金を毎年1%ずつ減らすため、大学にも自分で外部資金や競争的資金を獲得する努力が求められるようになったのです。

以前は東大の予算全体の5割近い1000億円を運営交付金でまかなっていましたが、現在では800億円にまで減りました。一方で、企業との共同研究は年間1600件にまで数が増え、約70億円の収入になっています。

もう1つの重要な変化は知的財産のルールが変わったことです。以前は特許や発明の所有権は教員にありましたが、法人化後は大学に移りました。特許法35条で企業の特許の所有権が社員ではなく企業にあるのと同じになったのです。

特許や発明が大学に帰属するので、それを企業にライセンス供与する仕事は大学がやらねばなりません。東京大学の場合、(株)東京大学TLO(Technology Licensing Organization)がそうした業務を担当しています。

かつて日本には「大学発ベンチャー1000社構想」というのがありましたが、こうした変革によって現在すでに2000社に達しています。ちなみに私は2002年に薬学部でビジネス化を支援する講座の教員として東大に入り、04年の法人化に合わせて産学連携本部に転じました。


米国の大学に世界から優秀な学生が集中する一因は「授業料免除のスカラシップ」


── 大学発ベンチャーのモデルとして、よく米スタンフォード大学が取り上げられますが、各務先生は、なぜスタンフォード大が凄いのか、どこに学ぶべきとお考えですか?

各務:スタンフォード大以外にも、米東海岸の大学やドイツの大学など、先進的な例は世界各地にあります。スタンフォード大の予算は東大の2倍近い約4000億円です。過去にグーグル、ヤフーをはじめとする有力ベンチャーを生み出していて、そうした成功者からの寄付金が年間で1000億円を超えることもあります。

その蓄積である大学基金は2兆円ほどあり、運用収入が年間800~1000億円。主な運用先は米国債などもありますが、ベンチャー・キャピタル・ファンドなどのプライベート・エクイティ・ファンド(PEF:Private Equity Fund)も運用先として入っています。米国にはクライナー・パーキンスやセコイア・キャピタルなど有名なベンチャー・キャピタル・ファンドがありますが、その原資は大学基金と年金基金から来るものが7~8割を占めています。

博士課程以上の学生たちに支給するスカラシップ(奨学金)も寄付金から出ています。私は別の米国の大学で経営学博士号を取りましたが、そのおかげで授業料を払う必要はなく、大変助かりました。

もし東大で博士課程の学生全員に同じスカラシップを出そうとすれば約50億円かかりますが、今はその状況にはありません。この違いが、世界の優秀な学生が米国の大学に集中する一因になっています。

── グーグルの創業者であるラリー・ペイジやセルゲイ・ブリンも、スタンフォード大の博士課程の時に創業しましたね。

各務:そうです。グーグルの検索エンジンの基となるものは「ページランク(PageRank)」という技術で、創業者が大学院在学中に開発したものです。大学のルールによりこの特許は大学のものとなりました。グーグル社は大学に払うライセンス料の1部に、グーグルの現物株を用いましたが、これが上場時に400億円の価値になり、大学の収入になりました。

グーグルに限らず、成功した起業家は大学に多額の寄付をします。こういう好循環が米国の大学発ベンチャーのエコシステムの本質なのです。

東大がイノベーション・エコシステムの世界拠点の1つになるまでにはまだ時間がかかりそうですが、東大の取り組み自体は着実に成果を上げているようです。以下のリンク先で各務教授は、大学発ベンチャー・エコシステムに好循環をもたらす起業家の寄付文化が日本にも根付きつつあると述べ、今後の東大の展望や日本の企業家に必要なマインドについても語ってくれています。今後の日本のイノベーションを考える上でとても参考になるはずなので、ぜひご覧ください。


世界に羽ばたく東大発ベンチャーたち ――なぜ、東大から次々と有望な起業家が生まれるのか | Mugendai(無限大)

(ライフハッカー[日本版]編集部)

MORE FROM LIFEHACKER

powered by
    
    
    
  

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.