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印南敦史印南敦史  - ,,,,,  06:30 AM

上司として、幸せな職場をつくるためにやるべきこと

上司として、幸せな職場をつくるためにやるべきこと

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職場を幸せにするメガネ ~アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント~』(小林嘉男著、まる出版)の著者は、東証一部上場の半導体製造装置メーカーである株式会社ディスコの経理部長。同社は「働きがいのある会社」ランキングで、グーグルや日本マイクロソフトと並び、ここ数年トップ10にランクインし続けているのだそうです。

ところが、私が就任した頃の経理部は、経営陣からの評価も厳しく、社内的にも影響力が発揮できていませんでした。(中略)しかも、毎年のように部員が退職しては中途採用で補充するという不安定な状態でした。昔からいるスタッフと中途入社したスタッフの間に壁のようなものがあって、どこかギスギスした雰囲気が漂っていました。(22ページより)

にもかかわらず改善を成功させることができたのは、著者が「アドラー心理学」を通じて「メガネをかけ替える」という概念を知ったから。いうまでもなくアドラー心理学とは、オーストリア生まれの心理学者であるアルフレッド・アドラーの提唱した心理学。

そして、世の中にあるのは主観的な解釈だけだということをいい表した「誰もが自分のメガネを通してモノを見ているのだ」という考え方(認知論)に衝撃を受け、"メガネをかけ替えた"というわけです。すると、その影響が伝わり、結果として職場の雰囲気が大きく改善されることに。その方法論の詳細については本書を確認していただきたいと思いますが、まず気になるのは、「それほど簡単なことなのか」ということです。そこで第3章「職場で生じる3つの疑問」を見てみましょう。

著者はアドラー心理学と出会ったことで、そこにいるすべての人が幸せだと感じられる職場をつくれるようになったという手応えを感じているそうですが、そんななか、必ずといっていいほど受ける3つの質問があるというのです。



疑問1. 結果や効率はアップするのか?


企業である以上、結果や効率が求められるのは当然の話。だからこそ、「結果や効率がアップするのか」については気になるところです。この点について著者は、部下が幸せな状態、アドラーがいう共同体感覚が持てている状態であれば、成果は間違いなく上がると記しています。それは「組織の成功循環サイクル」として、マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授の研究でも証明されているのだとか。

キム教授は、「より大きな成果を上げたければ、一見遠回りに思えるかもしれないが、職場の関係の質を向上させることに力を入れることが先決である」と提唱しているそうです。お互いの信頼関係が増すことで、構成員の思考の質がアップし、それが行動の質、結果の質につながるということ。そして結果が出るとさらに関係の質が向上し、好循環になるというわけです。「グッドサイクル」と呼ばれるこの状態こそ、共同体感覚が持てている状態。

一緒に働く職場の仲間が信頼できて(他者信頼)、職場に貢献しようと考えて行動し(他者貢献)、結果的に成果が上がり、職場全員でそれを分かち合う。そんな職場で働けることが喜び(自己受容)になるということ。

一方、結果を求めるあまり否定的になり、部下に指示、命令、ダメ出ししてしまうとどうなるでしょうか? 当然のことながら職場はギスギスしはじめ、部下は「ダメ出しされないように、失敗をしないように」と考え行動するようになり、なかなか結果が出ないでしょう。キム教授はこの状態を、「バッドサイクル」と名づけたといいます。

著者もバッドサイクルに陥っていた時期があるそうですが、部下一人ひとりと対話を続け、自分がなにをしたいのかというメッセージも発信し続け、時間をかけて信頼関係を構築していったのだといいます。(119ページより)


疑問2. ダメ出しが必要な場合もあるのでは?


この疑問に対して著者は、ダメ出ししてはいけないということではないと主張しています。ただ、ほとんどの場合、部下にダメ出しをすることにはリスクが伴うもの。具体的にいえば「共同体感覚」が下がり、部下のやる気もダウンし、パフォーマンスも下がっていくということ。つまり部下にダメ出しをする場合は、そうならないような配慮が必要になってくるわけです。そしてそのためには、次の3ステップが重要。

ステップ1 本当にダメ出しが必要なのか?

そもそも本当にダメ出しが必要なのか、再考してみるべきだということ。ダメ出しされて気持ちのいい人はいませんから、しなくて済むのであれば、可能な限りしないようにするということ。もし「リーダーとしての力を示したい」という気持ちが少しでもあるなら、それは避けるべき。ダメ出しという行為を、上司の特権にしてはならないという考え方です。

ステップ2 部下は自己成長にどれだけ意欲的か?

部下が自己成長のためにどれだけ意欲的であるかによって、ダメ出しをどう受け止めるか、受け手側の捉え方が変わってくるそうです。自己成長に意欲的、貪欲な部下は、上司からのダメ出しを成長の機会として受け止められるもの。

しかし、自己成長の意欲があまり無い部下の場合は、「なんで自分がそこまでいわれなくてはならないのか」と、自尊心を傷つけられたように感じてしまったり、存在を否定されたかのように受け取ってしまうことも。また、上司からのダメ出しが原因で、メンタル不全など体調を崩す部下もいるのだとか。だからこそ、部下の姿勢やタイプを見極めることが大切になってくるわけです。

ステップ3 部下との信頼関係は構築されているか?

成長意欲が高い部下であっても、ダメ出しされるのは気持ちのいいものではありません。そこで重要になるのが、上司と部下の信頼関係。「この上司がいうことなら間違いない」と部下が思えるような関係性を築くことが大切だということです。また、関係性にあぐらをかいて、配慮のないダメ出しを続けていると、信頼関係が崩れることも。そこで、ダメ出しの伝え方も重要になってくるということ。

ただし、部下の成長意欲や信頼関係の有無にかかわらず、業務上指摘しなければならないこともあるもの。そういう場合は、上述の3ステップに加え、次のような配慮が必要だといいます。

1. 成果物の優れているところから伝える。
2. この仕事の目的、目指すべきところを再確認する。ここで上司と部下の認識にズレがあるようなら、ゴールを再共有する。
3. その上で、2.の状態に到達するためにさらにできることはないか一緒に考える。
4. 3.において部下から意見が出てこないようなら、上司の意見として提案する。
(130ページより)

ダメ出しではなく、よりよいものを一緒にアイデアを出しながらつくっていくイメージで、これをアドラーは「横の関係」と表現しているそうです。(126ページより)


それで上司は幸せになれるのか?


「気持ちや感情に配慮すれば部下は幸せになれるかもしれないが、上司はそれで幸せになれるのだろうか?」と思う方がいたとしても、それは当然の話。しかし、部下が共同体感覚を感じられる「幸せ職場」がつくれれば、上司も間違いなく幸せになれると著者は断定します。

部下が生き生きと楽しそうに、笑顔で仲間と協力しながら働ける職場をつくることができれば、そこにいる上司は、部下からも信頼される存在であるはず。だからおのずと自分に自信を持つことができ、一緒に働く仲間を信頼でき、そんな職場をつくった貢献感を十分に味わえるということ。たしかに上司は大変な役割ですが、それだけに喜びも人一倍大きいというわけです。

鬼上司といわれるようなリーダーは、自分のなかの矢印が自分に向いているもの。しかし、幸せな職場をつくるリーダーは、矢印が外に向いているといいます。一緒に働く仲間がいかに幸せに働けるか、仕事にやりがいを感じられるか、自分らしさを発揮できるか、一緒に働く人たちの喜びが自分自身の喜びでもあるということ。自分に矢印が向いているときの喜びを1とすると、仮に30人の部下と働き、それぞれの喜びを自分のことのように感じられたら、30倍の喜びを得られることになるわけです。(133ページより)




"鬼上司"から"好かれる上司"へと変遷していった実体験に基づいて書かれているからこそ、著者の主張には無理なく受け入れられる魅力が備わっています。また、アドラー心理学の基本を知るためにも、格好の1冊だといえるかもしれません。


(印南敦史)

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