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ライフハッカー編集部  - ,,,,  10:00 PM

ペンタゴンに日本人として初勤務。防衛省に15年間勤務した女性が見た「世界トップリーダーのコミュニケーション術」

ペンタゴンに日本人として初勤務。防衛省に15年間勤務した女性が見た「世界トップリーダーのコミュニケーション術」

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ペンタゴン(米国国防総省の俗称)と言えばアメリカの国防・軍事を司る世界最大規模の国防組織です。米陸軍・海軍・空軍・海兵隊といった4軍の運用・指揮・統括から安全保障政策の立案まで、米国の国益を追求するのがその仕事。また、CIA(米国中央情報局)以上の規模の、つまり世界最大の諜報機関であるDIA(米国国防情報局)を擁する機関でもあります。衛星画像の解析・通信傍受・世界各国での工作活動なども行っていることは有名です。しかし、実際はどんなところなのかは日本ではあまり知られていません。

そんなペンタゴンに勤務した経験のある日本人がいます。現在、英会話スクール「ダイアモンドランゲージスクール」を経営している中野敬子さんは防衛省に15年間勤務。その間、日本人としては初めてペンタゴンに出向する機会を得ました。

そこで今回は厳しい守秘義務がある中、中野さんにペンタゴンとはどういった職場だったのかを可能な限りうかがいました。また、キャリアの中で出会った要人に学んだコミュニケーション術とグローバルに活躍するリーダーのあるべき姿を教えていただきました。

160419dls_prof.jpg中野敬子(なかの・けいこ)
1998年防衛省に入省。防衛大臣及び多数高官の国際会議における通訳を務め、多数の各国要人来日時のプログラムを、各国の在日大使館と連携しつつ成功に導いた。国際広報、国際情勢分析の分野を含め、国際関係業務に15年間従事し、2011年には米国国防総省に勤務。2013年に防衛省を退職し、2014年神奈川県川崎市にダイアモンドランゲージスクールを開校。2016年4月現在、同スクール校長。

自分の仕事が世界に影響を及ぼす職場、ペンタゴン


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中野さんは人事院派遣(日本政府職員を外国政府機関に派遣するプログラム)で日本人としては初めてペンタゴンに勤務


── 日本人で初めてペンタゴンに勤務されたそうですが、どういったお仕事をされていたのですか?

中野:主にペンタゴン(米国防総省)の国防長官府広報部(OSD PA)というところで働いていました。米国の安全保障政策や対テロ政策、さまざまな国際活動などについて発信し、ペンタゴンの活動をよりよく理解してもらうのが仕事でした。

── 日本政府や省庁の広報とは何か違いはあるのでしょうか?

中野:日本の広報は国内向けの発表内容を英語に翻訳しないと外国には伝わりませんよね。アメリカの場合は正反対で、最初から英語での発表ですから、国内向けに出した瞬間にそれが外国向けの発表にもなってしまいます。米国の国防政策は常に世界の関心を集めているので、自分の仕事の影響が及ぶ範囲がまるで違うのです。

── とてもシビアなお仕事だったと思うのですが、職場の雰囲気はいかがでしたか?

中野:ペンタゴンの中にはサブウェイやスターバックスがあり、休み時間に同僚とそこでよくお茶を飲んだりしていました。そのときに思ったのはみんなとにかく明るくて前向きだなということでした。

「仕事が大変で...」といった話が出ることはなく、「誰を巻きこんだらこの仕事をやり遂げられるだろうか?」といった風に、具体化して実現していこうという話ばかりでした。

── 国防を司るペンタゴンには、やはり愛国心が強い人が多いのでしょうか?

中野:私が防衛省に15年勤められたのは、普通の日本人よりは愛国心が強かったからだと思うのですが、ペンタゴン職員の愛国心はそんな私から見てもレベルが違っていました。彼らの仕事が影響するのは米国だけではありません。米国は世界の平和に責任があると考えています。だから、その安全保障政策も他国を巻きこみ、世界規模で展開していますよね。

当然仕事の量も膨大ですが、ペンタゴン職員ひとりひとりが自国だけでなく世界の平和に対する責任を強く自覚していたからこそ、米国の安全保障というミッションを果たすために真剣に働くことができるのだと思いました。


私はペンタゴンに勤めて朝型になりました


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ペンタゴンの警備は非常に厳しく、職員でも規則違反の行動を取れば警備員から詰問されるなど、厳しい対応を受けるそう。本部施設周辺にも常に緊張感があり、勤めている中野さんがプライベート用に写真を撮るのも難しいくらいだったと言う。


── 中野さんは防衛省に長く勤務されていますが、職場として見たときにペンタゴンと防衛省で違っているところはありましたか?

中野:アメリカの政府機関は働き始めるのがすごく早いんです。ペンタゴンでは、みんな朝7時半くらいには出てきていました。だから長時間働いても帰る時間は防衛省より早かったですね。

── どうして朝型なんですか?

中野:米国には国会待機(※)がなく、議会への答弁の作成などの仕事を前倒しで進めることができました。日本の場合は、国会の前夜まで国会からの質問内容がわからないことが多く、どうしても夜に動かなければいけません。

※翌日の国会で大臣が受ける質問に対する回答を作成するために待機する、日本の省庁の制度。質問内容を確認して答弁を作成するが、国会側に確認が取れるまで職員は待機していなければならない。国会当日の朝には答弁について大臣とブリーフィングも行うが、質問内容の確認が遅くまでかかることもあり、そのとき職員は徹夜で働くことになる。

仕事はもちろん大事ですが、夜は家族と充実した時間を過ごしたいと思っている人も多かったと思います。そのため、仕事を前倒しで朝7時半に始めるという感じだったと思います。

── 中野さんは夜型の防衛省から朝型のペンタゴンに行って、影響を受けましたか?

中野:ペンタゴンにいたときは朝型になりました。朝静かなうちに自分のなすべきことを考えたり、1人で集中して仕事ができる時間があるのはいいなと思います。防衛省を退職して起業した今も自然と朝型に落ち着いていますね。

── では、夜の時間はどんな風に活用していましたか?

中野:料理をしていました。夜遅いとご飯を自分で作るのって難しいと思うんですよね。

── 料理はお得意なんですか?

中野:食べるのは好きですが、作るのは苦手です(笑)。でも海外に一人暮らしをしていて、日本の味を好きなときに楽しむには、自分で作るしかなかったんです。あとは米国ですごく太っちゃって。外食だとどうしても油っぽいものが多くて、何とかヘルシーなものを食べたいという思いもありました。

あとは人事院への調査研究報告書の作成も夜にやっていました。米国の広報戦略などを研究するという目的で人事院から派遣されていたので、専門家にしたインタビューの内容をまとめたりしていました。


「自分と同じフィールドの同僚」に信頼されるコミュニケーション術


── ペンタゴン勤務を含めた長い国際関係のキャリアの中で、印象的だったことを教えてください。

中野:日本と世界でリーダーのあり方が本当に違うなと思いました。

ペンタゴンでも防衛省でも、世界の要人同士が会議をする場に同席する機会がありました。そのたびに、世界のトップリーダーの肝の据わり方や大胆さに驚かされました。たとえば、印象深いのはリチャード・アーミテージ元米国務副長官でしょうか。


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リチャード・アーミテージ元米国務副長官。シルベスター・スタローンが演じた映画『ランボー』のモデルとも言われている。


中野:アーミテージさんは胸板も厚くて強面で有名ですよね。実際にお会いしたときは、迫ってくるようなその大きさに圧倒されたことを覚えています。だからと言って、凄んだりはしませんけどね。会議のどこかで国益に関わる重要事項に触れるときは絶対に怯まず堂々と発言されるので、その瞬間には緊張が走りますが、基本的にとても穏やかな方でした。迫力ある容姿からくる存在感だけでなく、愛情深くチャーミングなお人柄も印象的でしたね。

米国のセレブリティは実子のほかに、養子を引き取ることがありますが、ベトナム戦争に従軍したアーミテージさんもベトナム人の孤児を引き取っていらっしゃいます。実子と分け隔てなく育てていらっしゃるそうです。

ビジネスでも変わらないと思いますが、大臣級同士の協議などでは自分のカウンターパート(自分の立場に対応する相手方の人)と仲良くなることも重要です。アーミテージさんを見ていて、「同じ国防というフィールドで働いている"同僚"なんだ」という意識があるんだと思いました。各国の要人同士がオフィシャルな関係だからと仕事の話だけするのではなく家族や趣味の話などをするのは、共通の話題を通してお互いを理解しあうためなのではないでしょうか。


── そういうお話しを聞くと、印象がずいぶん変わりますね。

中野:こちらはイメージ通りだと思いますが、ご趣味はウェイトリフティングで、ベンチプレスで440ポンド(約200kg)を持ち上げた記録をお持ちだったはずです(笑)。


つたない英語になったとしても必ずタイムリーに発言する


── 来日した他国の要人と日本のカウンターパートがどんな話題で関係を深めようとしたかはニュースにもなりますが、実際に当事者の方たちはどんな意識で会議に臨まれているのでしょうか?

中野:そうですね、静かながらも強い気迫と言えばよいでしょうか。そういった点で、インドの国防大臣ジョージ・フェルナンデスさんは印象深い方でした。アジアの方なので、英語の面でも大いに日本人に参考になるところがあると思っています。


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通訳を務める中野さん(中央左)とフェルナンデス印国防大臣。握手をしているのは瓦力防衛庁長官(在職:1999年〜2000年)


中野:フェルナンデスさんは普段は物静かな方でした。英語でお話しされるのですが、ネイティブほど流暢ではなく、少し口ごもりながらお話しされていました。でも、言わなければならないことがあるときには、必ず切り込んでくるんです。その姿に強い気迫が感じられました。

──そういった英語で誤解が生じたりはしないのでしょうか?

中野:もし間違っていたら、確認が入ると思いますよ。相手国のトップの発言ですから。それに、英語の表現として多少間違っていたり、ネイティブのように流暢でないことはグローバルな会議では重要ではありません。

リーダーが出向くということは、非常に重要な検討事項があり、相手から何らかの利益を引き出さなければならないということです。時には相手の利益と干渉するような議題もあるでしょう。それを持ち出すことで今まで築いてきた関係が壊れてしまうかもしれない。それでもリーダーは自分の責任でそれについて発言しなければならないものだと思います。

── 発言できなかった、では自国民に申し訳が立ちませんしね。

中野:そうですね。しかし、外国人を相手にすると日本人は英語のボキャブラリーや文法の誤りが怖くて「ここは自分が発言すべきタイミングだ」と思っても発言できないことがあるのではないでしょうか?

私もずっと日本の英語教育を受けて育ったので、誤った英語を使うのが怖いという感覚はありました。しかし、言葉の誤りを気にして成果を持ち帰れないなんてリーダーとしては絶対に許されないわけです。

フェルナンデスさんの英語は必ずしも流暢ではなかったかもしれませんが、自国への責任感と自分の使命をやり遂げるという覚悟のほうがずっと重かったはずです。そしてリーダーの気迫がこもったタイムリーな言葉なら、仮に間違っていたとしても絶対に伝わるのだと感じました。


仕事相手を「自分のファンに変える」感謝のテクニック


── ほかにも印象に残っている方はいらっしゃいますか?

中野:2002年にジョージ・H・W・ブッシュ元米国大統領(父ブッシュ)が来日されたとき、歓迎式典の通訳を担当していたのですが、そのときのことが今でも忘れられません。


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第二次世界大戦中、ブッシュ氏は爆撃機での任務中に父島沖で日本軍に撃墜されている。同乗していたパイロットは死亡し、ブッシュ氏だけが生還した。2002年の来日は、その慰霊も兼ねてのものだった。右手に写っている女性が中野さん。


中野:スピーチを終えたあと、ブッシュさんが歩き始めました。大物オーラがばりばり出ていて、モーセが杖を振り上げたかのように人が割れていきました。予定ではそのまま飛行機に乗って硫黄島へ向かうはずだったので、どこに行くんだろうと思ったのですが...。

ブッシュさんは私のところにやってきたんです。それから手を差し出して「Thank you for your help!」と言ってくれて、一番に私に握手してくれたんです。それからすぐに飛行機のタラップを登って去って行きました。ブッシュさんのような大物がわざわざ自分のところにやってきて、向こうから手を出してくれたんです。

── お礼を言いに行く順番は決まっているんでしょうか? 最初に通訳の人に声をかける、とか。

中野:行きたい順でしょうか(笑)。

── なら真っ先に来てくれたっていうのは本当にうれしいですね。

中野:正直に言うと、感激して泣きそうになりました(笑)。

仕事相手への感謝の気持ちを伝えるタイミングにもタイムリーさが必要だと思うんです。よく「次に会ったときにしよう」と後回しにして、結局伝えられなくなってしまいがちですけれど。

それに対して、ブッシュさんのような方々はすぐにやってきてくれるんです。トップだけでなく、私のような相手国政府の職員にも気さくに言葉をかけ、握手をしてくれます。自分の国のリーダーではありませんが、一瞬でファンになっちゃいますよね。彼らは同席している人たちを魅了できるタイミングを絶対に逃さないんです。

きっと「自分のファン」が多いほうが仕事をしやすいんでしょうね。無意識レベルでやっていらっしゃるようで、ごく自然に一連の行動の中に組み込まれているように見えました。

ブッシュさんのようなカリスマ性をどうやったら身につけられるのかはわかりませんが、感謝の気持ちは後回しにせず、その場で伝えるのが良いのではないかと思います。


リーダーの仕事とは必ず"獲物"を持ち帰ること


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米ソ冷戦が終わり世界は平和になっていくだろうという期待を高校時代に抱き、自分も平和に貢献したいと思ったのが国防の道に進むきっかけだったと言う中野さん。しかし、今はもう国家間で戦争をする時代ではなくなり...。


── ペンタゴンからブッシュさんまで、いろんなお話をしていただきましたが、出会った方々から学んだことをまとめるとどうなりますか?

中野:リーダーは自分の国や組織、国民や部下のために国益、利益を自分の力で持ち帰ってこなければならないのです。私の言葉で言うなら「リーダーの仕事とは、養うべき者たちに必ず"獲物"を持ち帰ること」。私が出会った方々はみんな、そのリーダーの仕事への責務に不退転の覚悟を持っていました。そして、それを彼らの行動から強く感じました。

── 日本人もグローバルな環境で働く機会が増えてきていると思いますが、そうした場でやっていこうという人たちにメッセージをいただけますか?

中野:いろんな国の方々と英語でやりとりすることになると思いますが、文法的な正確さやネイティブのようなボキャブラリーにこだわらずに、どんどん自分の思ったことを伝えていってほしいです。

アジアやアフリカの国々の要人や大使のいる場によく同席していましたが、みなさん使っている英語は中1・中2レベルのシンプルなものばかり。それを最大限に活用して、自分のメッセージを雄弁に伝えていました。ブッシュさんの「Thank you for your help!」だってまさにそうですよね。もちろん、会議のときには専門用語は使いますよ。でもそれは名詞ぐらいのもので、ほかの単語は簡単なものばかりです。しかし、それで各自ミッションを達成できている。

むしろ、シンプルに話すからこそ相手との距離が近づくのではないでしょうか。大仰な言葉を使っていると、日本語でも仲良くなれませんよね。

── 最後になりますが、中野さんは防衛省をどうして退職されたのでしょうか?

中野: 防衛省を退職し、川崎市に英会話スクール「ダイアモンドランゲージスクール」(DLS)を開いたのは、ペンタゴンや防衛省での経験を生かして、日本人が世界とのコミュニケーションに必要な英語を自由に使いこなせるようになるお手伝いをしたい──「英語も日本人のもう1つの言葉にしたい」と思ったからです。もしそうなれば、日本人が世界でより存在感を発揮し、世界をより良くしていくことができるでしょう。

今は軍事力ではなく世界各国が密なコミュニケーションを取りながら関係を構築することで、より良い世界を目指していく時代だと思うんです。

DLSでは、私が出会った世界トップリーダーが実践するコミュニケーション術をベースにして「ほぼ中学レベルのシンプルな英語を徹底的に使いこなす方法」(「English Core ®」)を開発し、お教えしています。みなさんが最速・最短で世界標準レベルの英語コミュニケーション力を手に入れるお手伝いができればと思っておりますので、よろしければ一度スクールにいらしてみてください。


ダイアモンドランゲージスクール

(聞き手・構成・写真/神山拓生)
Photo by David B. Gleason/Flickr (CC BY-SA 2.0).

  • ,,,, - By

    友清哲

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