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堀込泰三  - ,,,  11:00 PM

アーティストや科学者にとって大事なことは、「どこで働くか」ではなく「誰と働くか」

アーティストや科学者にとって大事なことは、「どこで働くか」ではなく「誰と働くか」

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Crew Blog:北大西洋に吹く風がアメリカ本土に届く最初の場所は、マサチューセッツ州プロヴィンスタウンです。

上陸地点には強風が吹き荒れ、舞い上がった砂が、ビーチに建てられた掘っ立て小屋の窓ガラスや屋根に打ち付けます。

掘っ立て小屋が1シーズンで埋もれてしまい、翌年に掘り起こさなければならないことも珍しくありません。

このように原始的な状態にもかかわらず、プロヴィンスタウンはたくさんの有名アーティストを輩出してきました。ノーマン・メイラージャクソン・ポロックE・E・カミングスウィレム・デ・クーニングなどはその一例です。

1950年代、ジャック・ケルアックは代表作『オン・ザ・ロード』の一部を、プロヴィンスタウン滞在中に書きました。また、23歳のマーロン・ブランドは、プロヴィンスタウンにあるテネシー・ウィリアムズの別荘「clapboard house」(下見板張りの家)にヒッチハイクで押しかけ、人生初の大役(『欲望という名の電車』のスタンリー)を演じることになりました。

水道や電気はありません。水は井戸からくみ、夜には屋根裏をネズミが走り回り、耳栓をしなければ眠ることもできません。

それほどまでに快適さとは無縁のこの地が、米国史に名を残す芸術を生み出し続けているのはなぜでしょう?


快適でない場所を求めて


リチャード・ハミングはアーティストではありません。とても優秀な数学者でした。

彼はロスアラモスで1年間マンハッタン計画に参加。その後ベル研究所に移籍し、ファインマン、フェルミ、テラー、オッペンハイマー、シャノン、ベーテなどの科学者とともに、画期的なコンピュータ研究を行いました。

科学における彼の功績は多岐にわたります。ハミング符号、ハミング限界、ハミング窓、ハミング数、ハミング距離などは、すべて彼の名前が付けられています。

ハミングは数学界に大きな衝撃をもたらしましが、彼の最大の傑作は方程式を伴うものではありませんでした。それは、1986年に彼が行ったスピーチ「You and Your Research」です。内容は、以下の質問に答えるためのものでした。


世界クラスのクリエイターは世界クラスの作品をどのように生み出しているか?


自身の40年間の経験(たくさんのノーベル賞受賞者とも働きました)と数々の科学者の伝記を引き合いに、平均的な科学者と優秀な科学者の違いについて語りました。それは、44分間に及ぶ素晴らしいスピーチでした。

私はどのようにして素晴らしい成果を残す機会を得たのか? 幸運の重要性とは? あるアイデアを追求する価値があるかどうか、どのように判断しているか? 悪いアイデアを捨てて次に進む時期をどう判断しているか? 多くの賢い人々が有意義な成果を残せないのはなぜか? 誰とランチをするべきなのか?

若いうちに始めろとか、一生懸命働けといった格言を越えて、ハミングは「ノーベル賞製造工場」であるベル研究所の姿を紹介し、科学的な進歩がどのようにもたらされたのかを説明しました。それは輝かしい講演であり、そこで紹介された教訓は、科学者としてのキャリアを大きく超えるものでした。その中でも、群を抜いて奇妙だった提案があります。それは、働く場所についての提案でした。

ケンブリッジ物理学研究所が今よりもよかった時代の1つは、事実上の掘っ立て小屋を持っていた時期です。そのころの彼らは、過去最高の物理学のいくつかを成し遂げました。

最近の景気のよい企業(特にテクノロジー部門)のオフィスには冗談のようなものがあふれていて、ボールプールやヨガスタジオ、滑り台、卓球台のほか、ヘリコプター会議室なんてものまで存在します。

職場の遊び心を強化したいのはわかりますが、それで本当にクリエイティビティが高まるでしょうか?

ハミングなら「No」と言うでしょう。

実際ハミングは、快適な職場はクリエイティビティを妨げると主張しています。

薄汚いスイス特許庁よりも革新的な科学論文が少なかったのは、ノーベル賞受賞者(アインシュタインやゲーデルなど)向けで、すべての経費が無料の豪華リゾート、プリンストン高等研究所(IAS)が原因だと述べました。

アインシュタインがベルリンからプリンストンに移籍したとき、「これから自然科学の中心となる米国に物理学の最高権威を」もたらしたとして称賛されましたが、アインシュタインはIASでの20年間の任期中に、影響力のある論文を1本も発表できませんでした。

彼のために用意された、ニュージャージーの心地よい重役室は、何の役にも立たなかったのです。


自ら掘っ立て小屋を建てる


自分の最高傑作を書きたかったら、掘っ立て小屋の効果を無視してはいけません。プロヴィンスタウンの砂丘のアーティスト、ケンブリッジ研究所の物理学者のほか、ディラン・トマスロアルド・ダールマーク・トウェインヘンリー・デイヴィッド・ソローヴァージニア・ウルフジョージ・バーナード・ショーなどの作家たちも、掘っ立て小屋を使っていました。

それらの掘っ立て小屋はお世辞にもセクシーとは言えないものばかりですが、彼らの経歴を見れば、そんなことはどうでもいいことがわかります。

庭の掘っ立て小屋、自転車置き場、ほこりっぽいガレージなどを問わず、完全にみすぼらしい場所でも、世界クラスの作品を生み出すことができるのです。逆に、理想の建築物で働いても、誰かの真似のような駄作しかできないこともあるでしょう。

プロヴィンスタウンの砂丘の掘っ立て小屋が特別な理由は、小屋そのものではなく、米国最高のアーティストたちと夕飯を食べながら、小説、演劇、絵画についてのアイデアを交換できることにあります。

同じことは科学者にも言えます。リチャード・ハミングは、ベル研究所を離れて高給かつ支援スタッフの多い立派なオフィスに移籍するオファーを断りました。移籍先にはベル研究所ほどの優れたコミュニティがないというのがその理由でした。

何のトラブルもなく西海岸に行って航空機会社で仕事を得ることができでしょう。でも、エキサイティングな人々はベル研究所にいて、航空機会社の人たちはそうではなかったのです。

成功者の人生について調査すると、決まったパターンがあることに気づきます。彼らはいつだって、優秀な人と一緒に働いているのです。

作品そのものは一人で作ったものかもしれませんが、インスピレーションは必ず、ランチ、ディナー、お酒の席で仲間から得られたものなのです。

パフス・ビア・セラーに集った詩人たち、あるいはStudio 54のミュージシャンを思い出すといいでしょう。

ヘミングウェイ、フィッツジェラルド、ピカソは、スタインのサロンで厳しい意見を交換し合いました。演劇関係者はアルゴンキン・ラウンド・テーブルに、ラッパーはマジックシティに集まりました。印書派の画家は、ジヴェルニーで一緒に暮らしました。科学者や数学者は、ベル研究所でランチをともにしました。

「人里離れた」場所に住むアーティストは、実は他者との交流に多くの時間を費やしているのです。

集まる機会があれば、優れたアイデアがぶつかり合います。そこでの議論は、目覚ましい結果につながることが多いのです。


コラボレーションの科学


私たちは、文化的に重要なものを生み出す人を、すぐに「クリエイティブの天才」と認めがちです。芸術や科学の世界で、パラダイムをひっくり返す、慣習に勝る、長年の定説を覆すような才能を持つ優秀な人を、褒めたたえるのです。それなのに、彼らの成果をもたらしたコラボレーション環境に注目しようとしません。

クリエイティビティ研究で有名なミハイ・チクセントミハイは、画期的なクリエイティブの功績は、常に同じパターンに従うことを発見しました。

  • 共通の興味(詩や核物理学など)を持つ個人のグループが集結し始める
  • グループの存在によって、メンバーは自分たちに共通の目標が壮大であることを再確認する
  • 「オリジナリティ」と「良さ」のベンチマークがグループ内で共有される
  • グループに強い印象を与えたいという欲求が、イノベーション(と他者の取り組みへの批判)を促す
  • グループ内で重要かつ模範的な作品が判断され、それが一般に広がる

そのため、チクセントミハイはこう述べています。

クリエイティビティは個人の産物ではありません。むしろ、個々の作品を判断するための社会的システムの産物なのです。

クリエイティブの天才は、それを育むコミュニティと切っても切り離せません。そのようなコミュニティは同様の関心を持つ仲間で構成され、互いに切磋琢磨しています。

高名な詩人アレン・ギンズバーグが、これをうまく表現しています。

アーティストにとってもっとも誠実な社会組織とは、少年ギャングである。

オフィス、教室、サークルを見回してみて、あなたと同じモチベーションを持つ仲間がいなかったらどうしますか? それでもあなたは、優れた作品を生み出すことができるでしょうか。チクセントミハイは、それは非常に難しいと述べています。

歴史上のある期間が停滞しているなら、それはきっと潜在的にクリエイティブな個人がいなかったからではなく、関連する分野が不適合だったからだろう。

クリエイティブの「天才」でさえ、仲間のサポートが必要です。とはいえ、そのような仲間が身の周りにいなくても、見つけることは可能です。

ポール・エルデシュを考えるといいでしょう。彼は、一貫して多くの業績を残した数学者です。生涯に書いた論文は1000本で、共同研究者は500人を超えています。

大学の数学科なんて、せいぜい10人程度の数学者しかいません。そんな中、何百人もの共同研究者を持つことは、彼が通常の生活を捨てて"数学のノマド"にならなかったら不可能だったでしょう。

エルデシュは、キャリアの大半をスーツケース1個で生きていました。キャンパスからキャンパスへと飛び回り、ほかの数学者の家をカウチサーフィンしながら、一緒に夜更かしして証明や定理を書いたのです(それは明らかに功を奏しました。なぜなら、彼の論文は死後30年たった今でも定期的に発表されているからです)。

同様のノマド的な行動は、多くの優れたアーティストにも見られます。たとえばダ・ビンチは、クリエイティブなチャンスを求めて、フィレンツェ、ミラノ、ローマ、フランスを飛び回っていました。

優れたアーティストや科学者は、働く場所にはこだわりません。それよりも彼らは、強力なクリエイティブコミュニティに身を置いて仕事をすることを好みます。それがネズミだらけの掘っ立て小屋や窮屈なニューヨークのアパート、あるいは使い古しのスーツケースを意味するのであれば、彼らはそれを厭わないのです。




どこで働くにせよ、特権ではなく人を基準に選択すべきです。ロケーションではなく、レガシーを探してください。

優れたマインドが集結すると、いっそう優れたものになるのです。


It doesn't matter where you work|Crew Blog

Joe Macneil(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.

  • ,,,,, - By

    香川博人

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