• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,  10:00 PM

「シンプル」の心理学:シンプルを知り、活かし、生み出す方法

「シンプル」の心理学:シンプルを知り、活かし、生み出す方法

160216psychology_of_simple.jpg


Crew Blog:「シンプル」は誰もが理解している概念ですが、その正体を突き止めるのは、一見、難しそうに思えます。

シンプルかどうかは「見ればわかる」かもしれませんが、商品やウェブサイトを「シンプルだ」と感じるのには、単なる直感以上の理由があります。

スティーブ・ジョブズは次のように言っています:

シンプルにするのは、複雑にするよりも難しい。ものごとをシンプルにするためには、必死で思考を鮮明にしないといけない。けれど、結局のところ、それは価値のあることだ。なぜなら、ひとたびその域にたどり着けば、山をも動かせるからだ。

シンプルなものをつくることにそれほどの威力があるとして、多くの人がそれを実践できないのは、いったいどういうわけなのでしょうか?

なぜ「シンプル」は、これほど──そう、「複雑」なのでしょうか?

人生ではたいていのものがそうですが、シンプルさには表面的な魅力以上のものがあります。この記事では、脳が新しい情報を理解する仕組みと、シンプルに感じるものとそうでないものがある理由に注目し、その仕組みをあなたの次のプロジェクトに活かす方法を説明していきます。


認知的流暢性とプロトタイプを好む傾向


ハーバード大学のGeorge Whitesides教授は、TEDトーク「Towards a science of simplicity(シンプルさの科学を語る)」の中で、「シンプル」という概念を次の3つの特性に分解しています:

  • 予測可能であること
  • 理解しやすいこと
  • 構成要素として機能すること

まず、一番簡単な「予測可能であること」から説明しましょう。人がシンプルなものを好むのは、それが脳にやさしいからです。つまり、必死で脳を働かせなくても理解できる、ということです。

それが「好ましいこと」とされるのは、私たちの脳がおそろしく速いペースで動いているからです。

Googleとバーゼル大学が実施した2012年の研究では、ユーザーがウェブサイトの見た目の美しさと機能性の印象を判断するのにかかる時間は、0.02~0.05秒であることがわかっています。指をぱちんと鳴らすよりも短い時間で、ウェブサイトのような複雑なものに判断を下しているのです。

判断のスピードがあまりに速いので、それが心理作用ではなく、本能や感情のように感じられることもめずらしくありません。

ですが、そうした判断は脳が下しています。ただ、私たちがあまり意識しない形で処理されているだけなのです。

人間は遺伝的に、すばやい判断を下すようにできています。「闘争・逃走反応」(野生の捕食者から身を守るために進化した反応)の一部として発達したものが、新たな刺激に対して私たちが抱く第一印象に今でも大きな影響を与えているのです。そうしたすばやい判断を下しやすくするために、私たちの脳は予測、すなわちプロトタイプ的な要素をもとに「近道」をつくります。

例を挙げて説明しましょう。男の子と聞いて連想する色を訊ねると、たいていの人は即座に青を思い浮かべるでしょう(女の子の場合はピンク)。意識的に答えを考えるまでもありません。ぱっと思い浮かぶのです。それは、あなたの脳が過去に何度もその連想をしたおかげで、「近道」ができあがっているからです。「男の子=青」がひとつのプロトタイプになっている、というわけです。

心理学の世界では、このようなプロトタイプを好む脳の傾向を「認知的流暢性」と呼んでいます。この傾向が、ものごとを「シンプル」と感じるうえで、大きな役割を担っているのです。

認知的流暢性とは、私たちが新しい情報を取り入れる際に、どのように感じるかということです。つまり、精神的なタスクを簡単(あるいは難しい)ととらえる主観的な体験といえます。

何かを簡単だと感じれば(男の子といえば青、というように)、私たちはそれをシンプルだと考えます。1980年代のApple製品を象徴するデザインの制作に関わったドイツ人デザイナー、Harmut Esslingen氏が、「フォルムは感情に従う」という基本原則に従った理由は、そこにあります。

ウェブサイトを例にとってみましょう。最初にサイトを訪れるとき、ユーザーはプロトタイプ的な要素があるものと予測します。たとえば、画面のトップやサイドにある、サイト内を移動するためのナビゲーターバーや、通販サイトの右上にある「購入手続き」ボタンなどがそれにあたります。オンライン雑誌からファッションブログにいたるまで、あらゆる「タイプ」のサイトには、そうしたプロトタイプ的な要素があります。

サイトがそうした予測に沿っていない場合、私たちの脳は情報解読に苦労します。そうすると、ほとんど自動的に、そのサイトについて「複雑すぎる」あるいは「デザインがひどい」という判断を下してしまうのです。


シンプルさを伝える「言語」を知る


シンプルなデザインを魅力的に感じる理由については、プロトタイプ的な要素を好む傾向だけでなく、そのほかの要因も関わっています。

1960年代から、心理学者たちは単純接触効果という心理現象を研究してきました。これは、ある特定の刺激に接した回数が多いほど、その刺激に対する好意が増すというものです。この効果は、広告業者がよく利用する概念のひとつです(映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の大がかりなプロダクトプレイスメント(劇中に実在の商品を登場させる手法)もその一例です)。というのも、前にもその刺激に接したという事実を意識的に思い出さなくても、この効果は発動されるからです。

2013年に、イタリアの心理学者Stefano Ruggieri氏とStefano Boca氏がある研究を行いました。この研究では、高校生78人を2つのグループに分け、人気映画の一部分を見てもらいました。片方のグループには製品名が見えている映像を見せ、もう片方には、製品を識別できる要素をすべて隠した映像を見せました。その後、2つのグループに、先ほど見た映画と特定のブランドの好感度に関する質問に答えてもらいました。

すると、製品名を見せられたグループのほうが、製品名を見せられなかったグループよりも、そのブランドに対する好感度が高くなったのです。この結果は、映画を観ている際に製品名を特に意識していなかった場合でも同じでした。

とはいえ、私たちの感じ方が影響を受けるのは、単にひとつひとつの要素に接したときだけではありません。「平均的な美の効果」と呼ばれる別の現象は、見慣れた要素を多く含む刺激ほど魅力的に感じるという人間の傾向を表しています。これまでの数多くの研究により、複数の顔を足し合わせて(変形させて)作った顔や、平均的になるように加工した顔のほうが、だいたいにおいて魅力的だと見なされることがわかっています。

私たちの脳にとっては、なじみのあるプロトタイプ的な要素を組み合わせたもののほうが、まったく独特なものよりも魅力的で、理解しやすいのです。


シンプル──美と機能性の融合


シンプルなものを作ろうとするときには、認知的流暢性が入口になることが多い一方で、最終的には使いやすさとアクセス性に落ち着きます。

新しいウェブサイトを見たり新しい製品の使い方を覚えたりして、積極的に情報を処理するとき、私たちは脳の「ワーキングメモリ(作業記憶)」と呼ばれる領域を使います。ワーキングメモリの唯一の問題は、それを使うのに注意力が必要だという点です。集中力をなくしやすい人ならおわかりのように、大量の情報について同時に考えをめぐらせている状態を維持するのは難しいものです。実際、心理学の研究では、ワーキングメモリで処理できる情報は、だいたい7つまでが限度だということがわかっています。

こうした知識をデザインに採り入れれば、できるだけシンプルで使いやすいものを作りたいときに役立つはずです。

ここで例を挙げてみましょう。

Appleが初代「iPod」の製作に取り組んでいたとき、スティーブ・ジョブズ氏はある厳しい試練を課しました。その試練とは、楽曲を探したり何かの機能を使ったりしようとする際には、3クリック以内で目的を果たせなければならない、というものです。さらに、直観的にクリックできなければならないとも注文をつけました。

iPodの内部はとても複雑ですが、消費者がすぐに親しみを感じるためには、デバイスをおそろしくシンプルにしなければならないことを、ジョブズ氏は知っていたのです。それはつまり、(たとえ初めて見るデバイスだとしても)見た目と使い心地の両方が親しみやすいものでなければならない、ということです。こうして、クリックホイールの操作がプロトタイプ的なおかげでシンプルに感じられるというだけでなく、使用時にワーキングメモリにまったく負荷がかからないiPodのインターフェースが実現したのです。

つまり、シンプルなものは、心理学的な敷居が低いというわけです。特にトレーニングをしなくても、使い始めることができます。


シンプルの威力を活用するには


脳が特定のものをシンプルと見なす仕組みを理解するのは、大きな最初の一歩です。でも、私たちが何かをする際に、それがシンプルだという印象を与えるためには、ほかにどんな方法があるのでしょうか?


1. 過去のものから拝借する

もうおわかりかと思いますが、シンプルさの基礎となっているのは、プロトタイプ的な要素です。それはつまり、ユーザーが予測しているものについて、深く理解することを意味します。

競合相手の製品やウェブサイトをよく見てみましょう。どんな要素が共通していますか? あなたの製品やサイトを利用するとき、ユーザーはどんなものが見える(あるいは読める、聞こえる)と予測しているのでしょうか? そうした要素を特定して活用すれば、親しみやすくて使いやすい製品だとすぐに感じてもらえるはずです。


2. 独自のプロダクトプレイスメントを展開する

ウェブサイトやロゴからTwitterの背景に至るまで、あなたが手がけるあらゆるものは、あなた自身やそのブランドに関するメッセージを伝えるはたらきをします。そうした要素のひとつひとつは、あなたの会社を視覚的に親しみやすいものにするためのまたとないチャンスでもあります(単純接触効果を思い出してください)。

Moodboard」を使って、デザインのスタイルガイドを作ってみてください。すべての記事とウェブサイトで、同じストックフォト・サービスから入手した写真を使うようにしましょう。また、すべてのメディアで使うカラーストーリーも作りましょう。

何をするにしても、覚えておかなければならないのは、オーディエンスに親しみを持ってもらえばもらうほど、シンプルで魅力的だと感じてもらえるということです。


3. 「同じだけれど違う」をめざす

「同じだけれど違う」というフレーズは、インドネシアでブレスレットやキックスケーターを売ろうとしている子どもたちが使っていた素敵な売り口上です。

「同じだけれど違う」という言葉は、基本的には、欲しいもの(または慣れているもの)によく似ているけれど、ほかにはないセールスポイントも備えている(そのせいでさらに欲しくなる)ものを意味します。シンプルさという観点からいえば、シンプルさにとって重要となるプロトタイプ的な要素を利用しながら、それに目新しさや独自性を付け加えて、あなたの製品を記憶に残りやすいものにするということです。ちょっとした変化が効果を発揮することもあるのです。

1977年のApple初のマーケティング用カタログの見出しでは、「シンプルさは究極の洗練」と謳われていました。

ですが、そこには少し誤解があるのではないかと思います。

シンプルさは、かならずしも洗練ではありません。むしろ、心地良さでしょう。ディナーパーティーに同席している唯一の友人、あるいはオードブルのテーブルに並んだおなじみのソーセージのパイ包み焼きのようなものです。あなたを瞬時にくつろがせる、そんなちょっとしたものなのです。

シンプルさをうまく活用し、ユーザーやオーディエンスにすぐに心地良さを感じてもらえる方法を探しましょう。ユーザーが何を期待しているのか、どうすればその心理的な「近道」を利用できるのかを考え、シンプルで美しい、「同じだけれど違う」ものを生み出してみてください。


The psychology of simple | Crew Blog

Jory Mackay(訳:梅田智世/ガリレオ)
Photo by Shutterstock.

MORE FROM LIFEHACKER

powered by

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.