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堀込泰三堀込泰三  - ,,,  09:00 PM

まるでブードゥー教の魔術?外国人ライターが日本で体験した温泉の驚くべき効能

まるでブードゥー教の魔術?外国人ライターが日本で体験した温泉の驚くべき効能

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日本では、天然温泉に入ることが古くからの娯楽として大切にされています。筆者も、日本への滞在中にいくつかの温泉に訪れました。その気持ちよさに目(と毛穴)が開いた私は、温泉の持つ効能について興味を持つようになりました。そこで調べてみたところ、その効能の多くが研究によって裏付けられていることを知りました。

実は私、日本に行くまでお風呂につかるという習慣がありませんでした。シャワーを浴びていたからです。一方、ある日本人の友人は、子どものころから毎日、リラックスと思案の時間としてお風呂や温泉に入ることが義務だと思って育ったそうです。確かに、感覚的にはお風呂や温泉に入ることが心と体にいいのは理解できますが、実際どの程度の効果があるのでしょうか?


医学的効能はまだ研究途上である


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日本では、温泉は単なる「お風呂」ではありません。リラックス、健康、それ以上のものをもたらす存在として大切にされています。もちろん、日本だけではありません。ホットスプリングス、温泉、ミネラルバス、スパセラピーなど、呼び名は様々ですが、世界中の多くの場所で愛されてきた歴史があります。

温泉には数々の治療効果があると言われているのはそのためです。民間伝承では、温泉につかることで血流、血行、代謝、必須ミネラルの吸収が促進されると言われています。それだけでもスゴいのに、まだまだ効能があるのだとか。私が訪れた北海道の登別温泉には、効能を示すポスターが掲示されていました。友人に訳してもらったところ、「消化器系の慢性疾患、便秘、糖尿病、通風、肝臓病の治療」にも効果があると言うのです。

そこまで行くと、まるでブードゥー教の魔術のようです。でも、日本、欧州、中東など、さまざまな地域の科学者が、温泉学(温泉療養学)について研究を重ねてきました。医学的な分野としてはまだあまり知られておらず、理解も進んでいませんが、それでも温泉を愛する人たちにとって、刺激的な研究分野であることは間違いないようです。とりわけ日本と欧州では、古くから自然医学および予防療法として利用されています。

よく知られているのが死海治療です。死海のミネラルを含んだ水を浴び、日の光を浴びるこの治療法と関節炎および皮膚の状態の改善には正の相関があることが、研究によってわかっています(ただし、因果関係は証明されていません)。温泉によるその他の効能としては、関節炎、線維筋痛、乾癬や湿疹などの皮膚病、高血圧の緩和効果などが報告されています。

一方で、医師から「温泉に入りなさい」という指示が出される例はあまり聞きません。『The Journal of Epidemiology』に掲載された論文には「温泉療法による病気治療や健康改善の効果は、まだ明確ではない」という記述があり、多くの研究論文に引用されています。

だからと言って、何千年も続く温泉浴の伝統が止められるわけではありません。


ミネラルの役割は?


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多くの温泉に含まれているのが硫黄です。温泉に行くと、風が吹くたびに硫化硫黄の匂いが漂います。腐った卵の臭いとよく言われますが、きっと慣れると思うので安心してください。その他のミネラル成分としてはカルシウム、硫酸塩、マグネシウム、鉄、塩化物、カリウム、亜鉛などが挙げられますが、これらはほんの一例です。

お湯に溶けたこれらのミネラルは、健康への効能を持つと考えられています。現時点では、入浴するだけでこれらのミネラルが体に取り込まれるのか、取り込まれるとしたらどのような原理なのかは、あまりわかっていません。皮膚からの吸収に影響を及ぼす要素はたくさんあります。通常の状態、特に水の中では、皮膚の最も外側の層(ほぼ死んだ皮膚でできている)は、異物を取り込まないようにできています。そうでなければ、海で泳ぐたびに大変なことになってしまうでしょう。

汗をかいて毛穴を開くことで、温泉からの吸収がよくなるという説もあります。確かに、皮膚の表面で何かが起こることは考えられそうです。実際に皮膚の状態がよくなったという経験をしている人がたくさんいます。ドイツのある研究ではマグネシウムの効果であるとされていますが、死海の場合は、非常に濃い塩分とミネラルによるものだと言われています。

私が行った日本の温泉の1つは、すでにこれらの効果が解明されているかのようでした。それぞれミネラル濃度が異なる7つの湯船があり、症状によって使い分けられるようになっていたのです。たとえば、ナトリウム・カルシウム・塩化物の湯船では皮膚の若返り、カルシウム・マグネシウムの湯船ではアレルギーと炎症の緩和、硫黄・鉄の湯船では「あらゆる症状の治療」などに効くと書かれていました(噴出する温泉を飲むことも勧められていましたが、これは避けておいたほうがよさそうです)。

でも、私にとっては温泉の種類はどうでもいいことでした。どのみち日本語の解説は読めないので、ただ好奇心の赴くままに入ってみて、「サイコー!」と思える湯船につかっていました。それこそが大事なことだと個人的には思っています。


「魔法」はお湯にあり


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理屈はどうあれ、温泉に入るのは気持ちがいいものです。温泉の効力の大部分は、お湯そのものにあるようです。

温泉は一般的に、非常に熱いものです。摂氏37度を超えることがほとんど。私が入った湯船は37度から42度でしたが、ぬるめのお湯から少しずつ熱いお湯に移動していくという考え方です。

この熱が、痛みの緩和に効果を発揮します(ときに熱すぎることもありますが)。『North American Jornal of American Sciences』に掲載されたメタ分析によると、お湯が持つ熱と圧力の影響で痛みを感じる受容体が塞がれ、痛みの感覚が鈍るそうです。さらに、ミネラルの濃度と温かいお湯によって「浮いている」感覚が生じ、関節や筋肉にポジティブな影響をもたらします。これらの効果が同時に起こることで、気持ちいいという感覚と、リラクゼーション効果が得られるのです。

このことは、多くの人が経験的に知っていることでもあります。激しい筋トレや単なる日常生活による関節痛や筋肉痛があるときに温かいお風呂につかると、関節や筋肉が生き返る感覚がします。『Rheumatology』に掲載のレビューによると、スパセラピーおよび温泉療法は、特に高温の場合に、腰痛の緩和にも効果を持つ可能性があるそうです。「PainScience.com」のPaul Ingraham氏によると、入浴の効果を最大限に高めるために、少しのセルフマッサージと軽いストレッチを組み合わせることで最高の気分になれるとのことでした。

とはいえ、用心しておいたほうがいいのは、お湯につかることによる発熱と、発汗による水分損失です(すでに濡れているので自分が汗をかいていることに気づかない)。しばらくお湯に入っていると、軽いめまいや脱水症状を感じるかもしれませんので、入浴中も入浴後も、普段以上の水分補給を忘れないでください。私の場合、連続して入浴していられる時間はせいぜい15分でした。


ストレス軽減も


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温泉の効能は、痛みの緩和にとどまりません。日本で行われたある研究では、慢性心疾患のある患者が温泉に入ることで、実際に血圧低下と症状改善につながったそうです。これはかなり極端(で小規模)な研究ですが、そのほかにも温泉による効能を示す例は多く存在しています。

『International Journal of Aquatic Research and Education』に掲載の論文によると、認知される効能の多くは、主にリラクゼーションによるポジティブな効果だと言われています。言い換えると、落ち着くことは身体にいいのです。

温泉につかると、血圧が下がり、循環がよくなり、代謝も改善されます。最初はちょっと変な感じがするかもしれませんが、次第に温度に慣れて気持ちよくなってくるでしょう。

さらに、リラックス効果で不安やストレスが軽減し、生理的な効果も生まれます。ストレスが長期的な生活によくないことは誰もが知っています。『Advances in Preventive Medicine』に掲載の論文によると、温泉はストレス軽減効果があるばかりか、睡眠の質や食欲の改善にもつながるそうです。

温泉に入るのにわざわざ理由は必要ないかもしれませんが、ストレス軽減に効果があることを知っておいても損はないでしょう。


健康習慣としての温泉


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1回の筋トレで、急に力が強くなったり体型が改善したりすることはありません。1個の果物で、長年のひどい食生活で積み重ねてきた不健康が急に改善することはありません。温泉の効能もそれと同じ。健康への包括的なアプローチの1つとして、習慣的な利用で効果が得られると考えるのが自然でしょう。

温泉を楽しむ理由は人それぞれで、必ずしも健康やストレス軽減だけではありません。日本では、お風呂や温泉は毎日の行事であり、特に温泉や銭湯は社交の場になることもあります。知らない人どうしで裸を見ることは通常(かつ不可避)であり、むしろ公共の場として、家族や友人、コミュニティの集う場所として機能しているのです。

しかし、多くの人にとって、温泉に定期的に通うのは現実的ではないでしょう。でも、時にはリラックスとストレス軽減のために、バスタブにお湯を張って1人の時間を楽しむのもいいのではないでしょうか。心と体がリフレッシュすることは間違いありません。

私が日本で温泉に行ったときは、それが目的でした。当時は上記の効能もほとんど知りませんでしたし、湿疹がよくなるかもしれないなんて考えてもいませんでした。ただリラックスしたかったのと、写真でよく見る「雪の中で温泉に入るサル」と同じ体験をしてみたかっただけだったのです。

読者の皆さんも、日本に行く機会があったら、一度は温泉に入ってみることをお勧めします。


Stephanie Lee(原文/訳:堀込泰三)
Illustration by Sam Woolley, photo by Em7and Maridav/Shutterstock and Shutterstock.

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