• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

大切にしたい、「住まい」との向き合い方

大切にしたい、「住まい」との向き合い方

160212book_to_read.JPG


なぜ一流の人は自分の部屋にこだわるのか?』(八納 啓創著、KADOKAWA)の著者は、一級建築士として多くの人の家やオフィスの設計、改築などに関わってきたという人物。また自身が開催する「家づくりのセミナー」を通じて、たくさんの人と出会う機会があるのだそうです。

そうしてさまざまなケースに接するうちに、自分の願いを叶えている人たちと、人生がうまくいかない人たちには、決定的な違いがあることに気づいたのだといいます。

仕事ができる人や幸せに成功している人たち、とくに一流であればあるほど、まず住まい(部屋)やオフィスなどの周辺環境を整えることに徹底的にこだわっている。そして、自らがつくった環境に成功を後押しされている。(「はじめに」より)

逆に「なにをやっても行き詰まっている」と感じる人は、その事実を知らないため「環境のワナ」にはまってしまっているということ。そして、こうもいいます。住まいは単に「寝て起きて食事をするところ」ではなく、人を成功させる力があり、逆になにをやってもうまくいかない状態にさせてしまうこともある。つまり、人生にとってとてつもなく大きな要素だということ。

だとすれば、継続的に高いパフォーマンスを発揮できる状態をつくれば、状況を好転させることができるということになります。つまり、そのような視点から住まいについて考えたのが本書であるということ。そこで第3章「一流になればなるほど大切にしている『住まいの基本』」から、人生のパフォーマンスを高めてくれる住まいについての考え方を、いくつか引き出してみることにしましょう。


住まいを決めることは事業プランを決めることと同じ


ビジネスで成功していたり、どんどん成果を上げている人たちには、住まいに関するひとつの法則があるのだそうです。それは、一度は実家を出て自立し、ひとり、もしくは結婚して自分の家族と暮らしていること。二世帯住宅の場合では、それぞれの世帯が自立している状態だといいます。

理由は明快。実家から離れている人は、お金のやりくりなどを含め、生きていくために必要なすべてのことを自分でやっているため、「自分のやるべきことは自分でする」という思考が習慣として身についているもの。そのため、人に頼ることなく自分で決断できるというわけです。

まして家を建てるとなると、ひとつのビジネスを立ち上げるのと同じくらいのお金やエネルギーが必要になります。しかし大きな決断を下せる人は、仕事や人生においても物事を先延ばしにせず、きちんと決めることが可能。そして実際に、選択と行動を繰り返しながらどんどん前に進んでいくというのです。

逆に「ずっと実家暮らし」でめざましい成功を遂げている人を、少なくとも著者は見たことがないといいます。事業に失敗したり、仕事を失ったりして実家に戻る人もいますし、親の介護などで実家暮らしをせざるを得ないというケースもあるはず。しかし、どんな事情があるにせよ、「実家に住むのは2年まで」など、自分で期限を設けた方がいいといいます。

なぜなら、最初は一時的なつもりでも、実家に戻ってしまうと、もう一度なにかにチャレンジする気持ちになれなくなってしまうものだから。そして気づいたら、あっという間に5年も6年も経っていたというようなことも珍しくないというのです。

だからこそ実家暮らしをしている人は、思い当たる部分があれば本気で期限を設けてみるべきだと著者は主張しています。それが「実家で暮らす」という、「環境のワナ」にはまらないための手段だから。(64ページより)


住まいは究極の自己投資である


一流の人ほど、家を「なりたい自分になるための場所」と定義して、自分のための「先行投資」と考えているもの。「先行投資」とは、現時点で価値が計れなかったとしても、これからの展開によってプラスの効果が期待できるものに投資するということ。「まわりの物件より5000円安かった」「駅から5分でこの家賃ならリーズナブル」など直接的な価値で住まいを決めるのではなく、「そこに住むことでやりたいことを実現しよう」という意識で家を選ぶということです。

著者自身も20代のころに、「先行投資」として広島に20坪の土地を購入したことがあるそうです。東京などの首都圏では、20坪の土地に家を建てるということはさほど珍しくありません。しかし地方では、「30坪以上の広さがないと、家は建てられない」という考え方が一般的。つまり、「利便性のよい街中にある20坪程度の土地を有効活用する」という感覚があまりないのだといいます。

そうした常識を覆すために、あえて20坪の土地を購入して1階をアトリエに、2階と3階を住宅として建築したというのです。その結果、「20坪でも十分に機能的で、広さを感じられる家が建てられる」と多くの人に実感してもらえたのだとか。また自宅をモデルハウスに見立て、家づくりを希望する人に解放することで、「安心して依頼できる」という声ももらえることに。

もともと相場の値段よりも高い土地だったそうですが、比較的目につきやすい場所にあり、関心を持ってもらえるため、「先行投資」としての価値が十分にあったというわけです。もちろん建築家という職業だからこそ実現できたことかもしれませんが、「場所に投資する」という意味では、住まいだけの話ではないとも著者はいいます。

多くの人は「投資」というと、余分なお金が必要だと考えるもの。しかし、いまあるなかで工夫をすれば、これまで得られなかったものが手に入る可能性があるというのです。たとえばランチに1500円使えるとしたら、「1000円のランチを食べて残りの500円でコーヒーを飲む」のではなく、「ランチはお弁当を持参して、一流ホテルのラウンジで1500円のコーヒーを飲んでみよう」と考える。

もちろんそうすることによって直接的ななにかを得られるわけではありませんが、空間の雰囲気や時間の流れ方、BGM、そこにいる人たちの表情など、街中の喧騒のなかでは出会えないものと出会えることができるという考え方。そういう意味でも空間に先行投資することは、人生を好転させるための代々の自己投資であると著者は主張しています。(66ページより)


「機能性」より「美しさ」を最優先する


調査によると先進国においては、「住まいに求める優先順位」の5位以内に、どこの国でも「周辺環境の美しさ」が入るのだそうです。ところが日本だけは、項目すら出てこないのだとか。しかし「周辺環境の美しさ」は、人間の能力に大きな影響を与えるのだと著者はいいます。

事実アメリカでは、コンクリートの殺風景な建物しか見えない部屋に住むグループよりも、木々や草花を目にすることができる環境に住むグループのほうが、基本的な集中力から困難への対処法まで高い評価を得たという結果があるそうです。また、美しい街並みや緑の多い地域で暮らす人たちは、精神的な幸福度が高いという、別の調査もあるとか。

そして、ハイパフォーマンスを発揮している一流の人ほど、このことに気づき、家を選ぶときに必ず「環境の美しさ」を考慮するもの。たとえば、近くに大きな公園がある。川がそばにあり、河川敷を散歩することができる。近くに美術館や博物館がある。あるいは、歴史的建造物があるなどといった視点を持って住まいを選ぶと、環境が幸せをバックアップしてくれるというのです。(85ページより)


住まいを「家族」と考え、なによりも大事にする


「この家がなかったら、いまの自分はない」といい切る成功者に、著者はたくさん出会ってきたそうです。そして夢を叶えている人たちは例外なく、自分の家が大好きなのだといいます。そしてそれは、成功している人の、家だけではない人生全般に対する考え方が関係していると著者は考えているそうです。

そもそも人間は長い歴史のなかで、危険を察知し、確実に生き延びる方法を考えてきたもの。だからこそ常に悪い状況を想定し、ネガティブに考えるクセがついているわけです。ところが人生がうまくいっている人は、ネガティブな感情や考えを受け止め、「リスクはリスク」として踏まえたうえで、「そこからどうすべきか」を考えられるように、自分をうまく調整することができるというのです。

だから幸せに成功している人は、家に関しても同じ態度で接しているもの。いまの状況を理解し、「そこでどうしたら、この家はよりよくなるか」を考えて実践する。自分にとってよい働きかけをするように家を仕向けるからこそ。家が好きになるということです。そしてその結果、人生のよいサイクルに入ることができるから、ますます家を大切にすることになるということ。

家が好きになれば、家を大切にします。そして家を大事にするということは、自分にとってプラスになるように、家を整えることにつながっていくもの。そして、どんどん住環境からの恩恵を受け、人生がよい方向に変わっていくという考え方です。(87ページより)


お金を生み出す住まいを選ぶ


住宅を購入する動機としていちばん多いのが、「同じ金額の家賃を払うくらいだったら住宅ローンのほうがまし」というもの。ところが、こういう理由で住まいを手に入れる人たちは、住宅ローンの金額が、「これまで月々払っていた家賃程度」というだけで満足しがち。そして、購入する家に資産価値があるかどうかをあまり考えないものだと著者は指摘しています。

一方、資産形成に卓越した人ほど、不動産としての資産価値をきちんと見極めてから、住まいを手に入れるもの。買おうとしている不動産が、なにかあったときにどれだけ高く貸せるのか、そしていくらくらいで売れるのかを確認し、できるだけ資産価値が落ちない物件を購入するということです。ちなみに不動産価格の評価方法もいろいろですが、いちばん簡単に判断するには、次の方法がいいそうです。

仮に、毎月支払う住宅ローンの金額が10万円だとします。頭金の金額や住宅ローンの年数は人それぞれですが、単純に月々いくら支払う予定なのかを考えることが大切。そして、買おうとしている物件と、築年数や広さ、駅からの距離などが似た条件のものが、いくらで賃貸に出されているかをチェックするわけです。もし同じような物件の家賃が8万円だったとしたら、購入しようとしている家は、なにかあったときに貸し出したとしても住宅ローンをカバーすることは不可能。よって、10万円のローンを払う価値がないものだということになるわけです。

逆に、似た条件の物件が10万円以上で貸し出されているエリアだとしたら、購入しようとしている家は資産価値が高いということになります。大まかな方法ではありますが、まずはこうしてチェックしてみて、資産価値が低いと感じたものには手を出さないほうがよいと著者は記しています。(92ページより)




本書が強調しているのは、端的にいえば「住まいと向き合う姿勢」。やや情緒的なきらいもあるとはいえ、本質的な考え方には納得できる部分が少なくないはず。これからの住まいについて真剣に考えている人には、役に立つ内容かもしれません。


(印南敦史)

MORE FROM LIFEHACKER

powered by

Kotaku

© mediagene Inc.