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印南敦史印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

みんなに好かれたがる「みんな病」は卒業して、自分らしくいよう

みんなに好かれたがる「みんな病」は卒業して、自分らしくいよう

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人生に幸せ連鎖が起こる! ネガポジ 変換ノート』(武田双雲著、SBクリエイティブ)の著者は、さまざまなメディアで活躍する書道家、そして仏教や脳科学を取り入れた自己啓発書のベストセラー作家としても有名な人物。その新刊である本書では、多くの人に共通する29の悩みをピックアップ。「ネガティブをポジティブに変換する」という観点に基づき、より快適に生きるためのメソッドを公開しています。

ポジティブは自分で決められる。(中略)どんなに不幸で不満に見えることも、見る角度を変えれば、かならず見える景色が変わります。(「はじめに」より)

これが基本的な考え方であり、しかも決して「新しい自分」になる必要はないのだといいます。コツさえつかめば、具体的にいえば「言葉を変換する」だけで、すでに持っているものがベストに変わる。それが「ネガポジ変換」の考え方だということ。

きょうは、コミュニケーションに関する考え方を取り上げた第三章「他人に感情をゆだねない」にスポットを当ててみましょう。


イライラは脳内会議で解消


思いもよらない瞬間に、イラッとさせられることは誰にでもあるもの。しかしそんなとき、感情的に怒鳴ってみてもいいことはありません。しかし、だからといってぐっとこらえるのも、それはそれでよくないのだとか。なぜならその場では怒りを抑えつけることができたとしても、あとで副作用があるから。

それに、イライラしたのにそれを我慢し、無理に笑顔をつくるということは、自分に嘘をつくことでもあると著者はいいます。だとすれば当然のことながら、心に深い闇をつくってしまうことになるでしょう。でも、「キレたらダメ」で「我慢してもダメ」なら、どうすればいいのでしょうか?

こうした場合の著者の対策は、脳内での「実況中継」なのだそうです。たとえば、なにか理不尽な目にあってイラッとしたなら、「おっと、いま、イラッときたなあ」と心のなかで思うだけにしておくということ。そしてその場合のコツは、もうひとりの自分と脳内で会話してしまうことだとか。

自分A「あの店員さん、あそこまで冷たい態度する必要ないじゃん。頭にくるなあ」
自分B「そうそう、俺もそう思った」
自分A「だよね。もうちょっと笑顔でいってくれるだけで違うのになあ」
自分B「まあ、イヤなことでもあったんじゃない。大目に見てあげようよ」

このように「脳内会議」をすれば、「共感の作用」が生まれるということ。腹が立つことがあっても、友だちに話を聞いてもらうだけで、なんとなく心が落ち着くもの。「わかる、わかる!」と同調してもらえたりするだけで、不思議と気持ちが静まってくるわけです。人は誰かに共感してもらえると、「怒り」の感情を受け入れることができるのだそうです。

だから、それをひとり二役でこなすという発想。イラッとしている自分を、もうひとりの自分に受け入れてもらうわけです。もちろんポジティブでいることは大事だけれど、ネガティブな感情が起こったときに、それを否定せずに受け入れることもまた大切。そこで「実況中継」によってイラッとする感情を受け入れてしまおうということです。(104ページより)


嫉妬には2種類ある


「あいつだけ、ずるい!」など、他の人に対して「いいなあ」「うらやましいな」と感じることは誰にでもあるでしょう。しかし、これが行きすぎると、「嫉妬」というネガティブな感情になってしまうものです。そして嫉妬とは多くの場合、身近な人に対して抱く感情。その証拠に、歴史上の偉人などに嫉妬するようなことは考えにくいはず。では、それはなぜなのでしょうか? 著者によれば、嫉妬の生まれるメカニズムが「イス取りゲーム」と同じだから。

「イス取りゲーム」では、イスの数が限られています。イスに座れた人は勝ち残れるけれど、そのぶん、座れない人も出てくることになります。いってみれば、「幸せ」になれる人の数が限られているということ。

「イス取りゲーム」思想だと、他人が幸せなときは、自分がイスに座るチャンスが脅かされた状況になります。幸せから排除されるという恐怖心が、自己防衛本能を呼び起こし、「このままではまずい。引きずりおろさなきゃ」という感情につながる、というわけです。(115ページより)

とはいっても、嫉妬の感情を消すことも楽ではありません。なぜなら嫉妬は、人間の根源的な感情だから。ただしぐずぐずと嫉妬していると内向きになり、積極性をなくしてしまうもの。「どうせ、私なんて」とネガティブ・スパイラルに陥ってしまう危険があるということです。

そんなときにネガポジ変換するためのコツは、嫉妬を起点にして、新たな道を開くことだと著者は主張しています。それが、「オンリーワンの道」。

嫉妬はイス取りゲーム。立場が近い相手にこそ、嫉妬を抱くわけです。だとしたら、争うイスを変えようとすればいいという考え方。たとえば同じ部署のAさんへの評価が自分よりも高く、チヤホヤされているとしたら、そこでねたむのではなく、「Aさんと同じ土俵で勝負するのはやめよう。自分のよさを探そう」とネガポジ変換すればいいということ。同じイスを争わなければ、余計な嫉妬心を抱くこともなくなるはず。しかも、自分の新しい活躍の場を見つける手助けにもなるわけです。(114ページより)


「NO!」がいえないメカニズム


人からなにかを頼まれたとき、気乗りしなかったとしても「『NO』は人を傷つけるから」という理由で断れないという方は少なくないでしょう。それは著者も同じなようで、断ることに関しては、ずいぶん長い間悩んできたのだといいます。でも、あるときからうじうじと悩むことをやめたのだとか。引きずらずに、きっちり断れるようになってきたということ。それは、「NO!」がいえない感情のメカニズムに気がついたから。

「断ると悪いな」と思って無理してYESと答えてしまうと、結果的には周囲にいやな思いをさせてしまう可能性もあるものです。つまり「いやいやのYES」は、双方にとってよくないということ。それに気づいたから、著者は「NOは堂々と伝えた方がお互いのためになる」という結論にたどり着いたということ。なんでも仕事を受けてしまったら、本当にやるべきYESのときに、動けなくなることもあるわけです。

「NO」は、最高のYESを出すための大切な決断だと著者。だから「嫌われたくない」「もう仕事がこなくなるのでは」と不安になる必要もないということ。ちゃんと考えて自分が導いた「NO」であるならば、それは未来の「YES」のための助走。そう考えて、きっぱり変換してあげることが大切だといいます。(126ページより)


みんな病から脱出する


「こんなことをいって、嫌われたらどうしよう」

そう考えて自分の気持ちを飲み込み、ストレスも一緒に溜め込んでしまう人から、著者はよく「どうしたらいいでしょう?」と相談を受けることがあるそうです。しかし、どんな人であろうと、「全員に嫌われる」ことはないのだから安心していいと著者は答えるのだといいます。

人の好みは千差万別。たとえばある映画について批判する人がいたなら、「これは傑作」だとほめる人もいる。同じように、人に対する「好き嫌い」も、すぐにネガポジが入れ替わるもの。いつも無口でムスッとしている人も、「ミステリアス」と評価される可能性があります。一方、素直で従順な人のことを「個性がない」とけなす人もいます。つまり見方を変えれば、「全員に好かれる」ことはありえないのです。

だから、「みんなに好きになってほしい!」と嘆くのはちょっと違う。そして著者はこれを、「みんな病」と呼んでいるのだそうです。そしてそれは、著者自身が陥っていた症状でもあるというのです。

書道家として駆け出しのころ、自分の評価が気になってネットで検索したところ、自分のことを嫌う言葉が次々と出てきたのだとか。著者はそのころ「みんなに好かれたい!」と願う「みんな病」を患っていたので、自分らしさを失っていたのだそうです。

しかし、そこで「自分がよいと思える書でいいんだ」ということに気づいたのだとか。むしろ、「みんなに嫌われないように」と考えすぎて、自分らしくない言動に押し込められる方がイヤだなと気づいたということ。「自分らしくいる」というのは、太陽がただ輝いているのと同じだと著者はいいます。好きもあれば、嫌いもある。ただ、自分らしく輝いていればいいということです。(130ページより)




平易な言葉でユーモラスに書かれているだけに、読みやすさは抜群。肩の力を抜いて読みながら、多くの気づきを得ることができそうな一冊だといえます。


(印南敦史)

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