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川上洋平

 - ,,,,,,,,  08:30 AM

制作、営業、PR...。自分と立場の違う人の気持ちがわかる本:マンガナイト代表 山内康裕さんおすすめの1冊

制作、営業、PR...。自分と立場の違う人の気持ちがわかる本:マンガナイト代表 山内康裕さんおすすめの1冊

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みなさん、誰かにおすすめしたい本を教えてください、と言ったらどんな本を思い浮かべますか?

それは例えば、友達に勧められて面白かった本だったり、仕事の中でとても影響を受けた本だったり、もしかしたら、この1冊に出会わなければ、今の自分はなかったと思える本かもしれません。人によってその本のジャンル、種類はさまざまだと思いますが、誰かに勧めたいと思うような本には、選んだ方の体験や経験が必ず関係しています。

本の話だけでなく、その本をどのように読んできたのか話を聞くと、本のことだけでなく、オススメする方自身のことも深く知ることができます。

Sewing books & People」では、興味深い仕事をしている方をゲストに招き、おすすめの本を1冊お持ちいただいて、本について質問をしながら話を聞いていきます。

今回話を聞くのは、「立川まんがぱーく」「東京ワンピースタワー」「日本財団 これも学習マンガだ!」など、さまざまなマンガに関連したプロジェクトに係られている山内康裕さんです。山内さんは、もちろんマンガ家ではありませんし、マンガを描いたり、制作に関わるお仕事でもないのに、マンガに関わり、それを生業とされている、というかなり変わった方です。そんな山内さんは、どのような本を持ってきてくれるのでしょうか?


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立川まんがぱーく内「マンガナイトの本棚」


山内康裕(やまうち・やすひろ)
マンガナイト/レインボーバード合同会社代表。1979年生。法政大学イノベーションマネジメント研究科修了。2009年、マンガを介したコミュニケーションを生み出すユニット「マンガナイト」を結成し代表を務める。また、2010年にはマンガ関連の企画会社「レインボーバード合同会社」を設立し、マンガに関連した施設・展示・販促・商品等のコンテンツプロデュース・キュレーション・プランニング業務等を提供している。主な実績は「立川まんがぱーく」「東京ワンピースタワー」「日本財団 これも学習マンガだ!」「池袋シネマチ祭2014」等。


自分のやっていたことをうまく説明していてくれているようで、いろいろと腑に落ちたところがあった


―― 今日持ってきていただいた1冊を教えていただけますか?



山内:いろいろ迷ったんですが、自分の仕事にも若干関係した本にしました。『コンテンツの秘密―ぼくがジブリで考えたこと』という本です。この本との出会いはマンガと直接関係はないんですが、僕が仕事をしているマンガ業界の界隈で、編集者やコンテンツ作る人がつぶやいたり話題になったりしていたんです。本が発売されたのが2015年の4月なんですが、ちょうど僕が『ONE PIECE ワンピース』の大型テーマパーク「東京ワンピースタワー」の仕事をしていた頃で、そのオープンした直後くらいのタイミングで手にとったんです。

ちょうどその頃自分がやっていたことをうまく説明していてくれているようで、いろいろと腑に落ちたところがあったんです。本当にいいタイミングで読めたなと思います。3、4年前に読んでいたら、あまり響かなかったかもしれませんね。


面白かったのは「情報量」ということについて


―― この本が腑に落ちたポイントを教えてくれますか?

山内:そうですね、まずこの本をざっくり説明すると、ドワンゴの会長の川上量生さんが2年間ほど、ジブリのプロデューサー見習いをしたことの集大成として書いているんですね。

プロデューサーの見習いと言っても、ジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さんのカバン持ちに近いかな。本の中にも書いてあるんですが、ドワンゴには週1日だけ出社、残りは鈴木さんのカバン持ちをするという(笑)

ドワンゴは、ニコニコ動画などコンテンツのプラットフォームを提供するような会社ですが、その会長として「コンテンツを生み出すことはどういうことか」ということを体験したくて、カバン持ち的な形で見習いとして2年ほど在籍したようなんです。

僕にとって面白かったのは、「情報量」ということについてです。「情報量」が多いアニメの方が大人の鑑賞に耐える、何度見ても発見がある、と書いてあるんです。アニメにおける「情報量」とは何かというと「線の多さ」らしいんです。例えば、「風の谷のナウシカ」とかですかね。

では、実際に情報量の多さで考えると、「アニメ」より「実写」になるんですが、一概に「実写」の方が多くの情報を伝えられるとは言えない。そこから、川上さんは「客観的な情報量」と「主観的な情報量」ということを言っているんです。余計なことの情報をなるべく少なくして、脳に届けるべき情報をクローズアップして書き込むことで、「客観的な情報量」は「実写」の方が多くとも、「主観的な情報量」において「アニメ」の方が多くなることができる、とあるんです。ここが面白いポイントでした。

例えば、ピカソの絵をイメージするとわかりやすいんですが、「実写」では見えない裏側のアングルの視点も「アニメ」なら付け加えることができる。

―― 「実写」の場合は、作り手が意図していない「客観的な情報」が多いけれども、アニメの場合はすべてが作り手が意図している「主観的な情報」で作れるということですね。

山内:そうです、脳に届きやすい情報量をいかに増やすかが大事だということが書かれているんです。


わかりやすくする、とはどういうことなのか


―― 先ほど、山内さんの仕事を説明してくれたようだった、と話されてましたが、それはどんなところだったんですか?

山内:例えば、イベントや映像やアトラクション、展示、それ以外のさまざまな企画を考えるときにも、いろんな情報をたくさん詰め込むのはあまり良くないんです。楽しい要素や面白い要素はたくさんあるんですが、それらを全部詰め込むと、混ざってしまって一つひとつがわからなくなってしまう。僕が仕事でやってきていたのは、最初は全部詰め込むんですが、そこから段々と要素を削いでいって最終的に一言でいうとどういうことか、ということを研ぎ澄ましていく、ということだと思っているんです。

僕が「マンガナイト」でやってきたことというのはとても実験的で、説明しにくくてわかりにくい。人もなかなか集まらない。けれど、それはそれでいいんです、そこでは情報量が多くて、散らばっている状態なんです。実際やってみるととても盛り上がるし、やっていて楽しい。けれど、これを多くの人に伝えなきゃいけない、というときにはそのままでは伝わらないんです。削ぎ落として、ある程度わかりやすくしなければいけない。そのわかりやすくする、というのが「客観的な情報」の量を減らして「主観的な情報」量を残す、という作業なのではないかと思うんです。

例えば、「これも学習マンガだ!」という学びにつながるマンガを100点選んで発表するプロジェクトがあって、そのタイトルを決める際には、かなりたくさんの候補の中から、一番わかりやすいものを探していきました。

この企画は、一見学習マンガでないマンガを「学習マンガ」ととらえることで、新しい世界を発見できるマンガや学びにつなげるというものでした。そこでは、「これも」の「も」をつけることで、旧来の学習マンガのイメージを持っている人であっても、「これも」と言われると「たしかにそうかもな」と思ってもらう、ことがとても重要でした。ただの一文字ですが、この「も」を見つけるために、かなりの言葉を削って絞り込んでいきました。


覚醒と睡眠を繰り返しながら、1月に1度くらい本を読みに行ってます


―― では、少し話は変わりますが、この本はどんな場所で読みましたか?

山内:この本も、ということになってしまうんですが、最近ハマっているのが、後楽園の温泉施設「スパ・ラクーア」に半日いてゆっくりと読むことで、この本もそこで読みました。事務所から徒歩ですぐというのもあるんですが、PCもないし、落ち着けるのでとてもいいですね。ほかの人も雑誌読んでいる人は多いですね。横になりながら読めるお休み処があって、そこの湿度がちょうどいいんですよね。覚醒と睡眠を繰り返しながら、1月に1度くらい本を読みに行ってます。


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認識が違う人たちは、基本的に話が合わないんですよね


―― 最後にこの本はどんな人に勧めたいかを教えてください。

山内:僕と同じように、クリエイティブな人と仕事で関わることのある人だったり、逆にクリエイターの方であれば、個人で仕事をしていてクライアントと歩み寄る必要があったりする人ですかね。

いい作品を生む、ということと、その作品をどう届けるか、どうマネタイズしていくか、というのは随分違うんです。「いい作品だからみんな知ってくれて、だから売れる」という構図は、今はそうそううまくいかないんです。なので、作品を生む(制作)、届ける(PR)、マネタイズする(販売する)、という3つを上手くバランスとりながら進めていくということを、役回りとして求められている人に読んでもらいたいですね。

1つの作品に対して、「コンテンツ」という人もいれば「作品」という人もいますし、「商品」と呼ぶ人、「資料」と呼ぶ人もいるんです。つまり、作品をどう扱うかによって、人の認識はまったく違うんです。それらすべての人が納得するように進めていく必要があるんですが、認識が違う人たちは基本的に話が合わないんですよね。例えば、クリエイターの方が自分の「作品」をコンテンツと呼ばれると、少しイラッとしたりすると思うんですが、この本は自分と立場の違う人の気持ちがわかる本だと思うので、その気持ちを少し軽減できるかと思います。著者のように、コンテンツのプラットフォームを作る会社のトップを経験しながら、一流のクリエイターを抱えるジブリの会社の見習いの経験もあるという、異なる視点を持つ人はなかなかいないので、他の人にはかけない内容だと思います。

個人的には、異業種からマンガ・アニメ業界に入ってきたい人には、まずは読んでもらいたいですね。


【著者プロフィール】

川上洋平(かわかみ・ようへい)
ブックピックオーケストラ代表。ギャラリーやシェアオフィス、カフェでの本の選書をはじめ、「文庫本葉書」、「文庫本画廊」といったオリジナル商品の販売、図書館や文学館、美術館でのワークショップから本の企画まで、選書だけに留まらず、本を使ったさまざまな形式を用いて、人が本と出会う体験を企画・デザインしている。

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