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堀込泰三堀込泰三  - ,,,  08:00 PM

料理が恐かったのに、いつの間にかキッチンが心地よくなった男の話

料理が恐かったのに、いつの間にかキッチンが心地よくなった男の話

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突然ですが、料理にはそんなに詳しくありません。いえ、ポットローストやステーキ、パスタぐらいだったら作れますが、そんな簡単なものは料理にカウントしませんよね。とは言え、多くの人が料理が難しいと敬遠していますが、実際はそんなに難しくないようです。私だって、偶然で料理への抵抗がなくなったんですから。

私は大人になるプロセスで、一度たりとも料理を「学んだ」ことはありませんでした。ときどき調理をすることはあっても、料理という技に興味を持ったことがなかったのです。基本的な化学すら苦手だったので、たくさんの粉、液体、肉などをごちゃ混ぜにしておいしくなるように願うなんてことは、錬金術にしか思えませんでした。でも数年前、真剣に料理を学ぼうと思い立ちました。その過程で学んだことと失敗したことを、以下に紹介しましょう。


既知のことから少しずつ広げていく


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料理を学ぼうと決めた時点で、私が作れるものは3つだけでした。スパゲッティ、グリルドチーズサンドイッチ、そしてちょっと焦げたグリルドチーズサンドイッチです。スパゲッティも、ソースは既製品だったので、ただお湯を沸かして麺をゆで、ソースを温めるだけの代物でした。

そこからスタートしたので、チキン・ティッカ・マサラをすぐに作れるようになろうなんて思いませんでした(そもそもそれが何かもわかりませんが)。そこまで行かなくとも、パスタをもう1種類ぐらい作れたらという思いで始めました。

知っているレシピから始めて、そこから幅を広げていくのが賢いやり方だったかもしれません。でも私はそうせずに、バカなことをしました。レストランで食べたエキゾチックな食べ物を、何のヒントもなしに作ることにしたのです。その食べ物とは、ナンでした。インド料理店で食べたその薄いパンが、思いのほかおいしくて。大した料理経験もないくせに、ナンのレシピをランダムにググりました。そして、まずはパンから始めるのがよさそうだと思ったのです。

バカなことをしました。

言うまでもなく、惨劇でした。イーストはうまく溶けず、小麦粉が足りなかったために生地はベチョベチョ。「レシピ通り」という言葉はシンプルに聞こえますが、段階ごとの写真がなかったため、指示を勘違いして進めてしまい、1回目のパン作りは完全に失敗に終わりました。流した涙のせいで生地がさらに水っぽくなっただけでなく、しょっぱくなったとかならないとか。

でも、私は失敗から学ぶ男です。パン作りの失敗で得られた教訓は、「既知のことから始めよう」でした。そこで、もっとシンプルに、知っているスパゲッティのレシピを改良してみることにしたのです。スパイスを変え、ソースを変え(相変わらず温めるだけのソースでしたが、一歩ずつ進むのです)、麺の種類を変えました。

これで、ただ闇雲にレシピに従うよりも深く、「料理」とは何かが見えた気がしました。最初から感謝祭のごちそうを作る必要はありません。温めるだけのソースを使おうと、おいしい料理を作る方法をほんの少しでも学べたらそれでOKなのです。それまでにかなりのハードワークをこなしていたおかげで、私はいつの間にか、味付けを楽しめるようになっていました。

レシピを1つも知らないような人は、ラーメンのようなシンプルなものから始めるといいでしょう。


キッチンを少しずつ整える


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初めて独り暮らしをしたとき、友人からもらった、心温まるギフトの中に、料理の必需品が含まれていました。計量カップ、鍋、フライパン、お皿などです。当然、当時はスパイス、オイル、焼き菓子用の材料などがそろっているはずもありません。そもそも、それだけのツールを置けるほどのキッチンがなかったのです(今もないけど)。

最初はこれが驚きでした。見るレシピ見るレシピ、どれもいろいろな装備やスパイスがそろっている前提で書かれているのです。たとえば、スパイシーチキンブレストのレシピに必要な、パプリカ、ガーリックパウダー、オニオンパウダー、乾燥タイム、カイエンペッパーの粉末などは持っていませんでした。これらをそろえようとしたら、一食分のお金では足りません。お金が裕福にある人でもなければ、たくさんのグッズやスパイスなどを一度にそろえるのは不可能に近いのです。

でも、すべてを一度に買う必要はありません。最初のころは、プレミックスのスパイスで十分です。あらかじめいろいろなスパイスがブレンドされていて、決まった味にすることができます。味付けのイージーモードだと思えばいいでしょう。柔軟性はないものの、シンプルなチキンブレストぐらいだったら簡単にできてしまいます。しかも、いろいろ買わなくていいので、お財布にも優しい。いろいろそろってきたら、自分でプレミックススパイスを作ることもできますが、最初はとにかく既製品を買うといいでしょう。

私はその後、予算を圧迫せずにキッチンを充実させるための長期戦略を取ることにしました。作ってみたいレシピを見つけたら、必要なスパイスをリストアップします。それを何度か繰り返すうちに、使われる頻度の高いものが見えてきます。あとは簡単。買い物に行くたびに、リストから1つずつ買えばいいのです。先立つものがあるなら、20種類の基本的なスパイスがあらかじめ入っているスパイスラックもオススメです。でも、気をつけたほうがいいのは、スパイスの賞味期限。決まった数種類しか使わないでいると、使わないものがあっという間に古くなってしまいます。

それに、必要なものを1つずつ買い足していったほうが、それぞれの特徴を知ることができます。これはスパイスだけでなく、ツール、焼き菓子用の食材、家電など、すべてに共通すること。既存の知識をもとに新しい知識を付け足していくことを目標としている場合、そのほうが、それぞれのツールなりスパイスなりを買うときの目的がはっきりします。だから私は、ちょっと高くなってしまっても、1つずつ買いそろえていく方法をお勧めします。


慣れてきたら、慣れないことを


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料理に慣れてくると、スパゲッティにはニンニクを入れれば間違いがないことに気がつくでしょう。でも、最初のころの私は、それすらおっかなびっくりやっていたものです。それでも、いくつかのレシピでの実験に慣れてきたら、作ったことのないものを作りたくなりました。ステーキとか。うーん、おいしいステーキ。作れるものなら作ってみたい。

でも、ステーキ作りを失敗する方法は数えきれないほどあります。切り方の間違い、叩きすぎ、叩かなすぎ、マリネードの間違い、味付けの間違い、焼き方の間違いなどなど。私はその原因を、「アメリカ人は老若男女問わずステーキに対する自分の意見を持っている」からだと思っています。幸い私は「正しい」ステーキの焼き方を知らなかったので、料理に着手することができました。

ステーキを学ぶことの利点は、レシピがいかに主観的なものであるかを実感できる点にあると思います。なぜなら、ステーキには「最適な」焼き時間というものは存在しませんし、準備方法もこれと言った決まりがありません。長く焼けばウェルダンに、短く焼けばレアになります。ステーキの評価を決めるのは主観的なことなので、ただ時計とにらめっこするだけでなく、クリエイティブな方法が必要です。このプロセスには、トライアル・アンド・エラーが欠かせません。特に、エラーが重要です。料理がうまくなるまでは何度も失敗をするでしょう。でも、そこから学ぶ意思があれば、失敗を恐れることはありません。自分が作ったまずいご飯を食べるのは気がめいりますが、それで世界が終わるわけではないのですから。

私が最初のころ作ったステーキだって、お世辞にもおいしいものではありませんでした。まず、マリネードを省略しました。それが何かを理解していなかったからです(今では、かならずしも必要ではないと思うようになりました)。既製品のシーズニングを買いましたが、それはかなりいい味でした。私が買っていた肉は、安いけど固い部位でした(それから3年間、彼女にもっとおいしい部位を教えてもらうまで買い続けましたが)。このようにたくさんの失敗を繰り返しましたが、どれもそこそこの味でした。この経験で、レシピというものはそうそう失敗するものではないことを学び、自信につながりました。たとえ初期のステーキが、客観的にはひどいものだったとしても。

それまで「正しいやり方」に慣れていた私にとって、このプロセスはすべてが不安でした。コンピューターを自作しても、接続したか・していないかの二択です。ちょうどいいタイミングまでじっと見つめるなんてことはありえません。でも、ステーキを焼く全行程(いえ、料理全般に言えることですが)は、この種の考えと真っ向から対立します。マリネをするかしないか、多様なスパイスからどれを選ぶか、焦げ目を付けるか付けないかなど、料理法をいろいろ試すいい機会になりました。すべてを「正しく」やろうとするよりも、実験をしてそれぞれの役割を知ることのほうが重要なのです。


「手抜き」は悪くない


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個人的に、「料理ができる」の基準は、たくさんのスキルを持ち、「ハーブがどうの」とか「焼き色を付ける」とかいう言葉を自然に使えることだと思っています。でも、あなたがどんなにそこを極めても、上には上がいます。そんな人と争う必要はありません。おいしくて、できればヘルシーであれば、スキルやプロセスはどうでもいいのです。

私はついに、スロークッカーを使うようになりました。ライフハッカーをよく読むと、スロークッカーが料理の神様からの贈り物であることがよくわかります。1年半ほど前に入手してから、できるだけたくさんの食事をこれで作るようにしています。

最初に作ったのはポットローストでした。ずっと昔から作ってきたスパゲッティと同じで、ほぼ既製品の材料を使っただけでできました。使ったのは、マッシュルームクリームスープの缶詰、ビーフコンソメの缶詰、オニオンスープミックス1袋ぐらい。スパイスの混ぜ方を学ぶことも、ローストの仕上がりを気にすることも不要です。ただ材料を入れて、少しだけ焼き色を付けたローストを入れて、タイマーをセットするだけ。6時間から8時間後にふたを開けたら、おいしい料理ができています。

まるでズルのように感じるかもしれません。スロークッカーを使っていると、4人分の食事を作ったとしても、手抜きをしているような気分になります。でも、それは問題ではありません。天文学者のカール・セーガンが言うように、ゼロからアップルパイを作るには、宇宙の創作から始めなければならないでしょう。料理を手抜きではなく「やりきった」と感じるには、どのプロセスまで戻る必要がありますか? スパイスを自分で混ぜない限り、料理とは言えないのでしょうか?自分でスープを作らないといけないのでしょうか? そもそも、宇宙の創作ってどうしたらできるのでしょうか?

つまらない禅問答のようですが、私にとっては、それが心理的な障壁になっていたことに気がつきました。何度料理をしても、「本当の」料理法を知らないように感じてしまうのです。自分は料理ができると思い込まない限り、リスクのある新しいものに挑戦しようという気にならないでしょう。このように書くと、私がしょっちゅう実験をしていたように聞こえるかもしれません。でも実際は、新しい実験をしていたのは数カ月後おきでした。なぜって、自分の料理がヘタなせいで、失敗作でお金を無駄にすることが怖かったからです。

先週、圧力鍋を買いました。料理が「できない」人には、明らかに無関係なデバイスです。でも、私はそれを買った。これまで数回しか登板していませんが、今のところ大きな災難は起きていません。それに、味もおいしいです。これってすばらしいことだと思いませんか? 料理教室に参加したり、ネットを1日中眺めたりしなくても、おいしいものができるんです。それまでは、同じレシピをコンロで作っていました。それを圧力鍋で作ったところ、驚くほど簡単で、何の間違いもないものができあがりました。




まだ、自分のことを「料理に詳しい」なんて言えません。なぜならまだそう思えないからです。それに、私は人にアドバイスできるほどの人間でもないでしょう。ここに書いたことは、どれ1つとして「正しい」料理法ではないかもしれません。キッチンでの作業は難なくこなせるようになりましたが、まだわからないことはたくさんあります。

でも、そこがポイントです。料理が怖い人も、気にすることはありません。どんなに最悪の事態が起きても、まずい食事ができるだけですから。あるいは、涙で生地をベチョベチョにして、それをネタにネット記事を書くぐらいでしょう。いずれにしても、料理は誰にとってもメリットがある、極めてとっつきやすいスキルです。ライフハッカーでも、過去にたくさんの初心者向け料理記事を掲載しています。

私が料理を学ぶ道のりは、きっとあなたの道のりとは違います。私が抱えていた問題は心理的なものがほとんどでしたし、学び方は人それぞれ違います。料理に関するどんなリソースも出発点になりますが、道中ずっとインストラクターに手を握っていてもらう必要はありません。失敗したって、ファストフードを食べるよりはよっぽどマシだと思いましょう。


Eric Ravenscraft(原文/訳:堀込泰三)

Photos by Robert Couse-Baker, Andrea Parrish - Geyer, Natalie Maynor, and Nicole Abalde.

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