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堀込泰三堀込泰三  - ,,,,  08:00 PM

マルチタスクは時間のムダ:「The Economist」副編集長トム・スタンデージの仕事術

マルチタスクは時間のムダ:「The Economist」副編集長トム・スタンデージの仕事術

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敏腕クリエイターやビジネスマンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回は、イギリスの週刊新聞『The Economist』の副編集長を務めるトム・スタンデージ(Tom Standage)氏にインタビューしました。

『The Economist』は、世界をリードする国際紙。緻密に書かれたニュースや解説が人気です。その副編集長を務めながら、デジタル戦略のトップも担っているのが、今回紹介するスタンデージ氏です。

スタンデージ氏は、多数の歴史書の著者でもあります。代表作『Writing on the Wall』では、古代ローマのパピルスや宗教改革時の手動印刷など、歴史上の情報交換はすべて、現代のSNSとあまり変わらないとする主張を展開しています。過去には「Economist.com」の編集長も務め、時間が許せばバンドで演奏もするというスタンデージ氏。いったいどのように仕事をこなしているのでしょうか。気になる仕事術を聞きました。


氏名:トム・スタンデージ(Tom Standage)
場所:イギリス ロンドン
現在の職業:『The Economist』副編集長兼デジタル戦略長
現在のコンピューター:MacBook Air 11インチを2011年から使っています。古いですが、アプリやタブをたくさん開いても私には十分な速さです。新型MacBookにも興味があります。これは、ちまたでは2011年のMacBookと同等と言われていますが、私にしてみれば、それはアップグレードを意味します。職場では、市販のDell PC1台にモニターを2台付けて使っています。
現在のモバイル端末:iPhone 6 Plus
仕事スタイル:徹底的に


── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

成熟したテクノロジーとは、普段は目に見えず、故障したときに気がつくものです。私にとって、そのいい例がクラウドストレージです。私は初期のころから「Dropbox」に依存していて、すべてのデバイスで使えるようにしています。かつては、複数のコンピューターを持っていると、そのすべてに必要なものを入れておかなければならないと言われていましたが、今ではその必要がありません。メールをいちいち共有せず、USBスティックも持ち歩かなくていいのは、とてもスマートですね。バックアップも不要ですし。

もう1つ、なくては生きていけないツールが「Slack」です。昨夏、『Espresso』(EconomistのiOSおよびAndroidアプリ)チームに導入しましたが、4時間もしないうちに全員がとりこになりました。こんなに早く受け入れられるものは初めてです。その結果、メンバーの未読メールが劇的に減りました。Espressoは、ロンドン、ワシントンDC、シンガポールなど世界各地のメンバーで構成されるグローバルチーム。Slackを使えば、みんながやっていることがわかる。これは本当にすばらしいことです。

オフラインの世界では、モレスキンのノートが大好きです。サイズがちょうどよくて。モレスキンサイズのiPhoneがないかとずっと思っていましたが、iPhone 6 Plusがまさにそれでした。


── 仕事場はどんな感じですか?

職場には、「スリップオフィス」と呼ばれる部屋があります。これは、「大きな食器棚」をEconomist流に丁寧に言ったものです。Economistにはニュースルームがなくて、その代わり全員にオフィスが与えられていて、全体がアカデミックな雰囲気になっています。私はデスクをきちんと整理しておくのが好きです。特に、今はかなり整理されています。なぜなら、週末にオフィスのネットワーク改修があって、フロアをめくるためにすべての物をしまわなければならなかったから。いろいろなものを捨てました。私は、紙を減らしたり廃棄したりすることが得意ですが、本だけは捨てられません。ですから、棚には本がいっぱい積みあがっています。デスクには電話もありますが、ほとんど使ってません。


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このオフィスの何が良いって、緑豊かなセント・ジェームズ・パークを見渡せること。前にどこかで読んだのですが、理想的なオフィスとは、景色が広くて、緑が見えるところだそうです。その両方があるのは、ラッキーだと思います。自宅にはヴィクトリア調の書斎があって、本がたくさん並んでいます。くつろげるソファとアンティークな回転式の本棚を置いていて、デスクに座ったり、ノートパソコンを持ってソファに移動したり、を繰り返すのが好きです。これも運動と言えるでしょうか?


── お気に入りの時間節約術は何ですか?

経験上、メールの量を減らすには、できるだけ多くのことをSlackに移すのがベストだと思っています。受信箱に30通もメールがたまると、いても立ってもいられなくなるので、1日中とにかくメールをやっつけています。Gmailの定型文の回答が大好きです。とはいえ、メインはマルチタスクをしないこと。タスクの切り替えは、莫大な時間のムダ。シングルタスクに集中できなければ、フローに入ることはできません。ライターやプログラマーなど、職種を問わず、真の仕事をこなせるのはフローに入っているとき。ですから、ベストなライフハックとは、必要に応じていつでもフローに入れる環境を整えることだと思います。


── 愛用中のToDoリストマネージャーは何ですか?

私は、ほとんどの側面でデジタル人間ですが、ことToDoリストに関しては、ペンと紙をつらぬいています。アプリやGoogle docsを試しましたが、あまりうまくいきませんでした。項目の消去やチェックを付ける作業を、紙でやるのが好きなんだと思います。


── 携帯電話とPC以外で「これは必須」のガジェットはありますか?

Nespressoマシンです。朝はこれで活動を開始します。「Kindle Paperwhite」も好きですね。


── 日常のことで「これはほかの人よりうまい」ということは何ですか?

ピザ作りです。ピザは薄いクリスピー派です。スライスを持ったときに曲がらないほどにクリスピーで、食べるときには半分に折れるほどに薄くなければダメ。これを実現するために、10kgの鉄板を使っています。


── 入社当時から新聞はドラスティックな変化を遂げてきたと思います。ここ数年で、日々の仕事に起こった最大の変化は何ですか?

週ごとのサイクルから日ごとのサイクルに変わったことですね。The Economistで働き始めた1998年当時は、すべてが週ごとのサイクルでした。木曜日が発行日だったので、月火水が非常に忙しく、金曜日が週の始まりという感じでした。振り返ってみると、あの頃は毎週「出版のカタルシス」を経験していたんだなと。今は毎日ウェブで記事を公開していますし、Espressoも日刊ですし、ポッドキャストも動画もある。それも悪くはないんですが、1週間の働き方はまったく違うものになりました。日々の変化がないと言うか。私はそんなふうに1日ごとのサイクルで動いていますが、そうでない人もいます。ですから、日ごとのサイクルと週ごとのサイクルをできるだけ効率的に統合することが、現在の課題になっています。


── SNSには昔から先行例があったというTedXトークを見ました(下記動画)。そこで聞きたいのですが、私たちは今、ユーザーがどうすることもできないプラットフォーム(TwitterやFacebookなど)に、どの程度依存していると思いますか? つまり、Twitterが倒産したり、Facebookがアルゴリズムを変えたりする可能性があるわけですが、その場合でも別の「コーヒーショップ」が自然発生するのでしょうか?


今日のSNS環境の魅力は、誰もが情報共有できるプラットフォームを持っているにもかかわらず、本当に大きなものは少しだけだということです。つまり、支配と所有の集中度が高い。ローマ人がパピルスの紙を交換していたときも、コーヒーハウス間でパンフレットをやり取りしていたときも、これだけの集中化はされていませんでした。でも、現在の状況がずっと続くかどうかは疑問です。1990年代には、「Compuserve」と「AOL」がインターネットアクセスにおいて無敵かのように思われていました。しかし、そうではなかった。壁に囲まれた彼らの庭園は、オープンなウェブに道を明け渡すことになったのです。メールもウェブパブリッシングも、広く普及したオープンな標準に従って運営されています。誰もが自由に設定して、自分のサーバーをつなぐことだってできる。だから、SNSの世界だけがそうならないのは特殊だと思います。今のところオープンなソーシャルプラットフォームはそれほど普及していませんが、これからの注目に値すると思っています。



── 仕事中、どんな音楽を聴いていますか?

執筆中や編集中は、歌詞のある音楽は聴けません。執筆中によく聴くのは、Keith Jarrett Trioですね。


── 現在、何を読んでいますか?

今は、ひいきのSF作家Alastair Reynolds著の『Poseidon's Wake』を読んでいます。彼は、トランスヒューマニズムや拡張現実が得意な作家です。ノンフィクションでは、Ian Morris著の『Why the West Rules (For Now)』を読んでいるところです。私は、SFとメガヒストリーを使って未来を予想します。一方で、SFによる想像の未来を頭に描きつつ、他方では歴史的なアナロジーを考慮するのです。私の本では、基本的にそれをしています。そして、未来を見つめるための第3の場所は、偶然にも現在にあります。William Gibson氏は言いました。未来はすでにここにあって、ただ平等に分配されていないだけなのだと。つまり、今は本流でない新しいテクノロジーが、未来には当たり前になっているかもしれないのです。たとえば、自動運転車など。それを見つけるのが私の仕事です。未来がどうなるかを見出すことに生涯をかけていると言っても、過言ではありません。


── 読書と言えば、紙の本と電子書籍、どっちが好きですか?

どちらも好きですが、旅先ではコンパクトな電子書籍のほうが好きですね。暗いところでも、妻を邪魔することなく読めますし。


── あなたは外向的ですか、内向的ですか?

両方です。世間話は苦手ですが、大衆に向けて話すのは楽しいです。


── どのように充電していますか?

浜辺に行って、ビーチを歩くこと。子どもたちとテレビゲームをすること。妻とワインを飲むこと。ドラムをたたくこと。私のバンドは、Spotifyで聴けます。


── 睡眠習慣はどのような感じですか?

ずっと夜型です。朝の目覚めは、コーヒー頼みです。


── あなたが受けたものと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

イーロン・マスクかニール・スティーヴンスンです。


── これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

私はかなり昔からライフハッキングとのつながりがあって、非常に初期の効果的なアイデアを習得しています。ライフハックという言葉を提唱したダニー・オブライエンとは1990年代からの知り合いで、当時私たちは、インターネットの出現を目の当たりにしていました。その後、2006年にコリイ・ドクトロウに聞いたところによると、ダニーとマーリン・マンは、生産性向上のライフハッキングに関する本を書かないかと言われていたにもかかわらず、結局、実現しなかったそうです。

そこでコリイに、ライフハッキングに関する記事をThe Economistで書いてくれないかと頼みました。そして、ベストハックをいくつか書いた囲み記事を出したのです。私のお気に入りは、下り坂駐車(次にやることをメモして仕事を終える)、「垂直な1日」を宣言する(メールや携帯を切って大事なプロジェクトに1日中取り組む日を作る)、「ダッシュ」を使って先延ばしを防ぐ(キッチンタイマーを使って5分だけでも取り組んでみることでタスクが身近に感じられる)の3つ。今も、この3つはずっと使っています。

9歳の息子は、Youtubeでライフハックの動画を見るのが大好きですが、ドリトスの袋の開け方とか、私の見る限りムダなものばかり。かつてのライフハックとは仕事を楽にこなすためのものでしたが、今では本当の仕事を先延ばししておきながらも、そこに戻ったときには生産的になると確信させるようなものばかりで、ある意味では、矛盾をはらんでいるような感じがします。だから古いライフハックがベストだと思っています。


Andy Orin(原文/訳:堀込泰三)

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