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堀込泰三堀込泰三  - ,,,,,  10:00 PM

3Mのデザイントップに聞く「大企業のデザイナーとして生きるには」

3Mのデザイントップに聞く「大企業のデザイナーとして生きるには」

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99u:デザイン系のブログや記事で取り上げられるのは、決まって小規模のクリエイティブ・エージェンシーや、できたてのスタートアップで働くデザイナーばかり。

そのように、消費者近いウェブアプリやクラウドファンディングで資金調達した製造プロジェクトが注目を集めるのは当然のことかもしれません。でも、クリエイティブプロセスを議論するときに、まるっきり取り残されることが多いセクターがあるのをご存知ですか?

クリエイティビティの大胆不敵な行為の一部は、大企業における巨大なグローバルチームによる努力の結晶です。何重にも重なる官僚主義や社内政治、そして国境を越えてクリエイティブなアイデアを押し通す作業は、それ自体がスキルと言ってもいいでしょう。この記事では、起きている間ずっとそんなことを考えているという、エリック・クイント氏を紹介します。

クイント氏は、目立たない会社で働く目立たない男。オランダ出身の彼は、「3M」の最高デザイン責任者を務めています。3Mは、ミネソタを本拠地とする、社員9万人の会社。ポストイットやスコッチテープを発明した会社として有名ですが、この肥大化したコングロマリットのフィールドは、医療、電子、航空宇宙などへと拡大を続けています。そんな中、クイント氏のミッションは、ただのプロセスではなく、3MのDNAにデザインを盛り込むこと。

そんなクイント氏に、大企業でのキャリアパスの描き方、そして、デザインが3Mをどう変えていくのかを聞きました。


── 3Mのように大きな会社が、どうやって単一の「デザインプロセス」を維持しているのですか?

私は、商品をデザインしているのではありません。会社が商品をデザインできるようにするのが私の仕事です。そのために、まずは基本を整備する必要がありました。社内の全プロセスに盛り込めるようなデザインプロセスを、デザインしていったのです。

最高デザイン責任者の役割は、デザインという機能をデザインすること。企業レベルでデザインを実行するには、CTOやCMOと同じように考える必要があります。そして、各国のビジネスグループを見据え、それぞれを支えている構造を考慮します。人事やマーケティングと同様のアプローチですね。


── 言うは易く行うは難しです。実際はどのようにそれを実行しましたか?

手始めに、全社員が理解できるようなデザイン用語の説明を作りました。そうすることで、社内の他の部署に、私たちの存在の大切さを知らしめたのです。人事部には、デザイン部の全役職、全説明、全役割を教えました。そうすることで、デザイナー自身が自分のキャリアの全体像を知ることができるし、その他の部署には、開発やマーケティングにおける私たちの役割を知ってもらえるようにと。

次にやったのが、教育でした。社内の上下関係を問わず、ずっとデザインを教育し続けています。デザインに対する社員の理解が浅いのは、デザインを軽視しているからなのか? それとも、デザインの何たるかを理解していないからなのか? 私は、社外だけでなく、社内でも講演をしています。私たちの役割を伝え、お互いにつながるために。


── デザインを社内に伝えるときに気をつけていることは? 旧来のやり方を変えようとしない人にはどう伝えていますか?

見せるだけで、語らないことです。抵抗の規模によって、使うべきメカニズムは異なります。いずれにしても、デザインは困難な役割を担っていること、それがこの仕事の性質であることを認識する必要があります。

たとえば、優れたデザインの影響力を示すために、まったく新しいコーポレートブランド・アイデンティティを作りました。これは、大きな影響力を持つ巨大なイニシアティブで、あらゆることに関係します。いわば、可能性を全社に示すものです。

ブランド・アイデンティティによってチャンスを可視化したことで、私たちの主張を通すことができました。ブランド評価を行い、デザインを通して企業としての一貫性を伝えるチャンスがたくさんあることを実証しました。

それを目に見える形にしたかったので、社内の全リーダー向けに本を作りました。その成果は明らかでした。本を配ってからは、会話が「なぜやるか」から「どうやってやるか」に変わったのです。


── そのような行動を認めてもらうとき、どのように忍耐を保っていますか?

デザイナーは、お客様のニーズを素晴らしい商品に落とし込むための共感力を持っています。デザイン部門のリーダーが、他部署とつながることにその共感力を少しでも使えれば、デザインは大きく成功に近づくでしょう。

そのプロセスは、謙虚な気持ちを持ちつつも、力強く進めなければなりません。組織の文化と、各人の経験を大切にする必要があります。ですから、このプロジェクトは、幹部メンバーとの対立ではなく、協力のもとに行われました。共犯者になることで、痛みと栄光を分かち合ったのです。

社内からの抵抗もありました。誰もが、コンフォートゾーンから飛び出す必要があったのです。ブランド格付会社「Interbrand」によると、新しいアイデンティティにより、当社のブランド価値は昨年1年間で10億ドル上がったそうです。誰もが、その成功を享受しました。


── デザイナーから幹部になった経緯は?

リーダーになれば、自分のグッドアイデアを広く展開できます。最初の5年間は、優れたアイデアを得るためにはプロダクトデザイナーでいなければならないと思っていました。しかし、そのアイデアを実際の商品として作ってもらうには、影響力が必要です。

リーダーの役割を担うようになった最初の年、十分に価値あるアイデアを出せるならチームにデザイナーを雇ってもいいと上司に言われました。最初は1人でしたが、やがて5人のデザイナーを雇うように。リーダーになると、影響力のレベルが変わります。しかし、私のキャリアにおいては、そのあたりのビジネス感覚が欠けていました。そこで、「Phillips」在籍中にはそれを追及していました。そうやって、ビジネスの文脈でデザインをとらえる方法を学んだのです。

最近のデザイナーは、このことを間違ってとらえているような気がします。話題にすべきは、インスピレーションとビジョンです。私は、過去の経験から、相手の言葉を話すことでビジネスとデザインがつながることを学びました。ビジネスの重要性を示したいのに、商品の半径や色のことを話し始めたらうまく行きません。それよりも、どのように競合と差別化してユニークな位置を狙えるかを示すことで、共感が得られるのです。


── 同じような道を進みたいデザイナーへのアドバイスを。

できるだけ探求をすることです。組織によって、得られるチャンスは違います。Phillipsや3Mで働き始める前は、小・中・大の様々な規模の組織で働いてきました。研究所に勤めていたこともあります。私は、その瞬間の自分にとってベストな場所を見つけるために、さまざまな組織を探求してきたのです。

デザインは、他部署と協働してはじめて、最高の力を発揮します。そのためには、相手の言葉を理解することが必要。相手と同じことをしろと言っているのではありません。私は、「T型」人間を目指しています。つまり、1つか2つの特定分野に関する深い専門知識を持ちながら、他の分野の人とも話せる言語を持つ人間です。それを自分に課すことで、他部署の機能を理解して、橋渡しになることができるのです。


── デザイナーを雇うときも「T型」を意識していますか?

昨今の教育には間違いがあります。学生が、ひとつの能力に集中しすぎているのです。それを習得しても、リーダーや社内のインフルエンサーになるには、まだまだ追求すべきことがいっぱい。自分なりのスイートスポットを見つけるには、あらゆるシチュエーションに身を置いてみる必要があるのです。そこには、たくさんの失望が伴います。だから私は、若いデザイナーにはいっぱいやっていっぱい失敗しろと言っています。失敗をすると、もっと頑張ろうと思うか、その分野は自分に向いていないと結論付けるかのどちらかでしょう。

若いデザイナーを雇うときは、才能、過去の作品、性格を見ています。3つ全てをクリアしたら合格。経験者の場合、リーダーシップ能力と多様な経験を重視します。3Mは拡大を始めたばかりなので、チャンスがいっぱいです。若いデザイナーが、UX、商品、パッケージなどなど、あらゆる分野のデザインを探求するための余地があるのです。


── 現在建設中のワークスペースについて教えてください。デザイナーに最適な空間を作るために、何を心掛けていますか?

言うなれば、デザイン村のマーケットスクエアです。そこにプロジェクトの主要オーナーやその他のグループがふらりと集まって、自発的なディスカッションをします。チーム間の相互影響を重視し、自発性を尊重することで、優れたアイデアが生まれるのです。

それと、「居間」の感覚ですね。みんなが安心してくつろげる空間は、クリエイティビティを解放します。柔軟性も大切です。デザインしたはいいけど、完成するころにはすでに時代遅れという空間がたくさんあります。ここはそうならないように、組織構造に合わせてデザインするのではなく、デザインの機能に合わせてデザインしています。

実演も兼ねるため、照明や素材は、当社製品や当社が使用しているものを使うことにもこだわりました。たとえば、ガラスパネル内に模様を作るための屈折フィルム。多くの人は1枚しか使いませんが、複数枚を層にして使うことで、よりクリエイティブな使い方ができる。このようにして、自社製品の実演ができるのです。


── どのような会社のデザインプロセスを尊敬していますか? 大企業でもそれをうまくやれると思いますか?

ニッチ業界でやっている小さな会社が好きです。彼らの多くは、私たちには時間がなくて取り組めなかった新領域を追及しています。大企業に関して言えば、かつて勤めていたPhillipsには、90年もの間、デザイン機能を社内に持っているという歴史があります。

デザインを大切にしている会社、すなわち、新構想の立ち上げ段階からデザインが議題に上がるような会社が好きです。デザインを1つの能力として認め、戦略的パートナーとして尊重されているような会社です。私が3Mにいる理由は、そうなれる大きなポテンシャルを持っている会社だからです。


The Subtle Art of Being a Designer at a Massive Company | 99u

Sean Blanda(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.

  • ,,,, - By ライフハッカー編集部LIKE

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