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堀込泰三堀込泰三  - ,,,,,  08:00 PM

怠け者が世界を変えるって本当?

怠け者が世界を変えるって本当?

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99u:ノーベル物理学賞受賞者の故リチャード・ファインマン博士は、20世紀が誇る天才科学者の1人です。しかし、コーネル大学の同僚には、ただの怠け者だと思われていたとか。ファインマン博士自身、1981年のインタビューでこのように答えています。


僕は積極的に無責任なんです。みんなに、自分は何もしないからと言ってあります。何かの委員になってくれと頼まれても、「No」と答えることにしています。


評価の高いポストモダンSF作家であるニール・スティーブンスン氏も、怠け者だと言われています。実際、「Why I am a Bad Correspondent」(私が筆無精な理由)と題したエッセイでは、彼は読者との交流に興味がないと記しています。スティーブンスン氏はメールアドレスを公開しておらず、カンファレンスへの招待やSNSでの会話に参加させようとする試みは断っています。強く登場を要請しようものなら、彼はこのように警告するそうです。


私がこの種のオファーを受け入れることはほとんどありません。もしあるとしても、大金を請求して、高級な旅程を求め、さらに準備は一切しません。ただ登場して、即興でしゃべるだけです。


私はこの10年間、クリエイティブ分野におけるエリートパフォーマーのリサーチと執筆を続けてきました。その結果、ファインマン博士やスティーブンスン氏のような例が多いことに気がつきました。つまり、重要なものを生み出すことに卓越している人は、その分野の標準的な人に比べると、あからさまに怠け者に見えるような習慣をもっているのです。

当初は、優秀な人たちの、特異な行動にすぎないと思っていたのですが、このパラドックスについて、もっと深く知りたいと思うようになりました。そうすれば誰でも、無駄なことに時間を取られずに、偉大なる結果を生み出すことに集中できるようになると思ったからです。


「生産的な怠け者」というパラドックスを説明するには、「仕事」の解釈を改める必要があります。多くの意欲的な人たちにとって、仕事とは、自分の専門性に潜在的な恩恵をもたらしてくれる活動を意味します。そして、多くの分野において、この定義を満たすものは無数に存在します。委員会の委員をいくつも兼任する教授しかり、SNSでの存在感を保つことに躍起になっている作家しかり。そのような仕事の解釈が蔓延している大きな理由は、私たちを悩ませている多忙の文化にあります。そこでは、あなたの成功の指標は、疲弊の指標と同義です。でも、このような「仕事」の解釈には欠点があります。それよりも、仕事という活動を、2つの別個な種類の努力に分けるのがよさそうです。



  • 深い仕事:認知的な要求が高く、中断なしに集中する必要があるタスク。スキルの反復には重労働を必要とする。

  • 浅い仕事:ロジスティックなスタイルのタスクで、深い集中を必要としないタスク。スキルの反復に重労働を必要としない。


たとえば、難解な定理を解決するのは深い仕事ですが、部署内のメールのやり取りに加わるのは浅い仕事です。小説の1つの章を書くのは深い仕事ですが、小説についてのツイートをするのは浅い仕事です。浅い活動が決して悪いわけではありませんが、スキルを必要とする労働ではないため、投じた努力のわりには、価値を生み出しません。

では、この視点で、上記の怠け者の例を考え直してみるとどうなるでしょう。ファインマン氏もスティーブンスン氏も、大量の浅い仕事を回避するのがとてもうまいとは言えないでしょうか。そうすることで、深い仕事の優先度を保っているのです。大切なのに見過ごされがちな現実、すなわち「世界で重要なことを生み出すのは、深い仕事である」ことを、忘れないために。

たとえば、ファインマン博士は、学術界の多くの義務に対して怠け者でした。しかし、その時間を画期的なアイデアに集中することに費やした結果、有名になったのです。上記のインタビューからもわかるように、「本当に優れた物理学の研究をするには、まとまった時間が必要だ。それに、集中力も」と考えていました。

スティーブンスン氏が読者との交流をしたがらない理由も同様です。同氏は、エッセイ「Bad Correspondent」にこう記しています。


中断されない時間を、ずっと連続して取れるような生活をしていれば、小説が書けます。時間が細切れになってしまうと、小説家としての生産性は目を見張るほどに落ちてしまいます。その代わりに何が得られるでしょうか。長く愛される小説の代わりに、大量のメールを送ったり、いくつかのカンファレンスでスピーチをしたりするぐらいでしょう。


ファインマン博士もスティーブンスン氏も、浅い仕事よりも深い仕事を優先しています。深い仕事が「長い間愛される」ものを生み出すことを、彼らは知っているのです。浅い仕事は、より重要な深い努力を妨げてしまうため、良い結果よりも悪い結果をもたらしがちです。リツイートされたりすると、作家としてのキャリアに少しだけ役立つかもしれません。でも、習慣的なTwitterによる長期的な影響が、うだつの上がらない小説家と、スティーブンスン氏のようなスター作家との違いとは言えないでしょうか。


ここで得られる教訓は何でしょう。重要なものを生み出したいなら、深い仕事を、あなたの職業生活の中心に据えてください。そのためには、ファインマン博士やスティーブンスン氏のように、怠け者になる必要があるのかもしれません。言い換えると、小さなメリットがどれだけたくさん得られようと、深い仕事ができなくなるようなことには慎重にならなければなりません。もちろん、職業生活において、浅い仕事を一切しないで済む人はほんの一握りです。でも、全体的なマインドセットを変えて、浅い仕事よりも深い仕事を重んじるように気をつけることで、あなたが生み出す価値に大きな差が生まれるでしょう。

まとめると、近寄りがたい存在になり、新しいテックツールは避け、メールの返信は遅くして、ネットの情報には目もくれず、お茶の誘いは断り、毎日1つのアイデアを考え続けることこそ、世界を変える怠け者の行動なのです。


Want to Create Things That Matter? Be Lazy.|99u

Cal Newport(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.

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