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itouitou  - ,,  06:00 PM

良い習慣を強化するフィードバックループの作り方

良い習慣を強化するフィードバックループの作り方

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「行動のフィードバックループ」は、日常生活の裏側でひっそりと機能し続け、良きにつけ悪しきにつけ、私たちが形作る習慣に大きな影響を与えています。見えないフィードバックループに生活を乗っ取られないように、自分でループを設計し、良い習慣を構築しましょう。

フィードバックループは人体の働きを制御するものでもあります。最初に、生理的なフィードバックループの働きを示す、ある特異な事例を紹介します。

ロバード・ワドロー氏は1918年2月22日に、体重3.8キロ、身長51センチの体で生まれました。新生児としてはごく普通のサイズです。しかし、そのあとに起こったことはとても普通とは言えないものでした。

6カ月の間に、ワドロー氏の身長は2倍に、体重は4倍になりました。1歳で身長は90センチ以上、体重は近所の5歳児と変わらないほどありました。5歳になるころには、身長が1メートル67センチに達していました。幼稚園の入園式では高校生用の服を着ていたほどです。ワドロー氏は脳下垂体の過形成が引き起こす、成長ホルモンの過剰分泌に悩まされていたのです。人体には成長ホルモンを調整するフィードバックループがあるのですが、彼のフィードバックループは壊れていたのです。

成長ホルモンの分泌を調整する代わりに、ワドロー氏の脳下垂体はこの化学物質をひたすら分泌し続けました。成長するに従い、成長ホルモンの分泌量はますます増えていきました。まるで、ブレーキのない車で坂を下っているようなものでした。体の成長は加速するばかりです。

12歳のころには、ワドロー氏の身長は2メートル18センチを超え、体重は130キロ近くになっていました。18歳で身長が2メートル54センチに達したとき、彼はサーカス団と一緒に全米ツアーに出かけました。

しかし、悲しいことに、そして予期せぬことに、体のほかの部分が成長についてこられなくなりました。神経系が大きくなりすぎてしまったため、脚の感覚がなくなり始めました。免疫系も機能しなくなっていきました。ワドロー氏が22歳でこの世を去るころには、その身長は人類史上最高の2メートル72センチに達しており、それでもまだ成長の兆しを見せていました。


フィードバックループの隠されたパワー


ワドロー氏の事例と、あなたの生活の中にあるフィードバックループにはどんなつながりがあるのでしょうか? 実は、生理的なフィードバックループと行動のフィードバックループにそれほど変わりはありません。人の体は、広範囲にわたるフィードバックループによって統括されています。この制御系が、細胞の水分量から、血中に放出されるホルモンの量まで、あらゆるものの繊細なバランスを維持しているのです。

フィードバックループは見えないところで働きながら、心や体にさまざまな形で影響を与えています。それぞれのプロセスが目的通りに働けば、人体は正しく機能し、バランスを保つことができます。ところが、ここに異常が起こると、そのバランスがとれなくなります。極端なケースでは、ワドロー氏の成長のように、まったくコントロールが効かなくなるのです。

ここに重要なポイントがあります。

フィードバックループは人間の生理機能の中心であるだけではなく、人間の行動をつかさどる中心でもあります。上で述べた生理的フィードバックループと同じように、「心理的な」フィードバックループが私たちの日常生活の裏側でひそかに機能しています。このループが、車を運転するスピードから、薬を飲む頻度、SNSをチェックする頻度まで、あらゆる行動に影響を与えています。実際、フィードバックループは、人間の行動を決める見えない力だと言っていいでしょう。

以下、この記事では、こうした制御系の隠れたパワーをコントロールし、良い習慣を伸ばし、悪い習慣を壊すためにフィードバックループを活用する方法を紹介します。


2種類のフィードバックループ


フィードバックループは、人々に、自らの行動に関する情報をリアルタイムで提供する。すなわち、彼らに行動を変えるチャンスを与え、より良い行動へと向かわせる。

――Thomas Goetz

フィードバックループは次の2種類に分けられます。

  • バランス型フィードバックループ:悪い習慣を抑えるために使える。
  • 強化型フィードバックループ:良い習慣を伸ばすために使える。
  • 一般的に、バランス型フィードバックループは、バランスを維持したり、物事をある一定レベルに保つために使われたりします。一方、強化型フィードバックループは、物事を持続的に増加させたり、減少させたりするために使われます。それでは、それぞれのフィードバックループを詳しく分析し、習慣の改善にどう活用できるかを見ていきましょう。


    1. バランス型フィードバックループ

    バランス型フィードバックループは行動を軌道修正し、システムを望ましいレベルに安定させる働きをします。このシステムは、悪い習慣を抑えたり、良い習慣を伸ばしたりするのにとても効果的です。

    たとえば、「現在の速度を表示する標識」は典型的な事例の1つです。

    あなたはドライブをしていて、少し速度を出しすぎているとします。前方に「あなたの速度は」と書かれた標識があり、その下にあなたが現在出している速度がデジタルで表示されています。あなたの予想には反するかもしれませんが、この標識は、ドライバーの行動を変えさせるために信頼性が高く効果的な方法です。「あなたの速度は」の標識を見ると、ドライバーは平均で、速度を10%低下させることがわかっています。また、そのときだけでなく、標識通過後も、車は適切な速度を維持します。これがバランス型フィードバックループの一例です。現在の行動(現在の速度)からのアウトプットが、新しい行動(速度を落とす)へのインプットとなります。

    もう1つの事例はサーモスタットです。

    たとえば、サーモスタットを20℃に設定したとします。部屋の温度が設定値を下回ると、ヒーターが作動して部屋を暖めます。室温が設定値より上昇すると、今度はクーラーが作動して部屋の温度を下げます。サーモスタットがバランス型フィードバックループとして働き、室温を一定の温度に保っているのです。

    それでは、悪い習慣を制御し、良い習慣を育てるためには、バランス型フィードバックループをどう適用すれば良いでしょうか? 以下にいくつかの事例を紹介します。

    • スクリーンの前で過ごす時間を減らすには? 電源タイマーを買ってきて、ベッドに入る1時間ほど前に電源が切れるように設定します。このフィードバックループは、電源をオフにすることで、あなたが夜遅くまでコンピューターやテレビの前で過ごすのを防いでくれます。
    • 姿勢を良くするには? まっすぐに立って両肩の間にテープを張ります。背中が丸くなるとシャツがテープに引っ張られます。このシンプルなバランス型フィードバックループは、あなたに窮屈な思いをさせることで、まっすぐな姿勢を思い出させてくれます。
    • セールスの業績を伸ばすには? ペーパークリップ戦略(電話を1件かけるたびに、クリップを1つビンから取り出し別のビンに入れる)は、自分が毎日どれだけセールス電話をかけているかを計測する、シンプルなフィードバックループを作ります(繰り返しの作業なら何にでも使えます)。

    バランス型フィードバックループは悪い習慣を弱めるのにとても効果的です。なぜなら、上記の例を見たらわかるように、問題となる行動を2つの方面から攻撃するからです。1つは、あなたが間違った行いをしていることを気づかせる(速度を表示したり、電源をオフにする)ことで、非生産的な行動、あるいは不健康な行動を止めるよう促します。もう1つは、あなたが良い行動をやめそうになっているときに、サインを出して(肩が丸くなるとテープが引っ張られる、ビンの中にまだクリップが残っている)、良い行動を続けるよう促します。


    2. 自己強化型フィードバックループ

    自己強化型フィードバックループは、特定のシステムやプロセスの作用を増幅します。これらは、自らの挙動を増幅、強化することで、良い習慣を作り、パフォーマンスの最大化を助けてくれます。

    私自身の生活の中に良い事例があります。私はホンダのアコードに乗っていますが、この車のスピードメーターの周りにはライトがぐるっとついており、運転の仕方によって、色が変わります。アグレッシブに急加速すると、ライトは白く光ります。ゆっくり加速すると、ライトは緑色になります。燃費の良い運転をすれば、ライトは明るい緑になります。つまり、スピードメーターのライトが緑に光っていれば、燃費のいい運転ができて、ガソリンを節約できていることがわかるわけです。

    車を買った当初はこのライトのことはあまり気にしていませんでした。ところが、今では私にとってドライブとは、ライトを緑色に維持するゲームと同義になってしまいました。つまり、ライトが自己強化型フィードバックループの働きをして、良い行動を促進しているわけです。おかげで私は、ガソリンを節約し、お金を節約し、スピードを出さない安全運転もできています。

    複利も自己強化型フィードバックループの1つです。最初に1ドルを持っていて、毎年10%の利息がつくとします。1年後、あなたが持っているお金は1.10ドルです。次の年は、1.10ドルに10%がついて、1.21ドルになります。このサイクルを続けていくと、複利はぐんぐんと大きくなります。もちろん、自己強化型フィードバックループは有害な行動も拡大します。真実でないうわさが、人から人へと拡散してしまうことがありますが、このように、ゴシップは自己強化型のフィードバックループなのです。


    フィードバックループを作る方法


    フィードバックループを作るには、以下の3つのステップが必要となります。

    1. 計測
    2. 比較
    3. 調整

    以下、それぞれのステップを詳しく見ていきます。

    • 計測はあらゆるフィードバックループの土台である。ここには、すべてのフィードバックループに共通する、ある重要な特徴があります。1つのサイクルの出力が、次のサイクルの入力になることです。言い換えれば、あらゆるフィードバックループは何らかの値を計測し、その値が次の行動サイクルの出発点となるのです。データが気づきをもたらし、その気づきが行動を変えるファーストステップとなります。
    • 比較がフィードバックループを意味のあるものにする。何かを計測しても、それが自分と関係がなければ意味はありません。先ほどの「あなたの速度は」の標識を覚えていますか? 現在の速度を知ることは、制限速度と比較することで初めて意味をもちます。計測された現在の状況と、本来どうであるべきかを比較することで、次にどうすれば良いかがわかるのです。効果的なフィードバックループは必ず、重要な指標との比較を含んでいます。

    • 調整はフィードバックループを閉じる。調整はできるだけ迅速に行われるべきです。変化が迅速なほど、フィードバックループはタイトなものになります。作家のセス・ゴーディン氏の言葉を借りれば、「長期の行動を変える最良の方法は、短期のフィードバックをもつことだ」ということになります。


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    うまくいくフィードバックループと、うまくいかないフィードバックループの違い


    医師を困らせる、悪い習慣の1つに、患者が処方通りに薬を飲まないことがあります。数年前、Vitalityという企業が、この問題を解決する「GlowCap」と呼ばれる新しい商品を発売しました。

    『WIRED』誌がこの商品を次のように紹介しています。

    患者が薬の処方を受けると、医師や薬剤師はピルボトル(錠剤用のビン)にGlowCapをかぶせて手渡す。GlowCapはデータベースにアクセスして患者の投薬指示を参照する。たとえば、2錠を1日2回、朝8時と夜8時に飲むなどだ。8時になると、GlowCapと夜間用ライトが優しくオレンジ色に点滅する。数分たって、ピルボトルがまだ開けられていなければ、ライトがもう少し強めに点滅する。さらに数分すると、メロディーが流れる。ブザーやアラームのように、うるさくはない。さらに時間が経過すると(時間は自由に設定できる)、最後には患者宛てにテキストメッセージが送られるか、自動音声の電話がかかってくる。これらすべてが、患者に薬を飲ませるためのフィードバックループを形成している。

    フィードバックループがうまく働かないときは、主に3つの原因があります。

    1. 計測が自動ではない
    2. 比較する対象が不適切
    3. フィードバックが遅い

    GlowCapはこの3つをすべてクリアし、優れたフィードバックループを構築しています。まず、患者が薬を飲んだ日時を自動的に把握、記録するので、計測については問題ありません。次に、患者の処方箋を参照しながら作動するので、本人のニーズと直接の関連があると言えます。最後に、患者が軌道を外れると直ちにフィードバックループが作動し、最初はライトで、次に音楽で、最後にはテキストメッセージか電話で警告してくれるので安心です。


    迅速なフィードバックは迅速な変化をみちびく


    ここに、シンプルな事実があります。大半の人は、自分にとって重要な問題に関して、自身の立ち位置を知りません。

    体重を落としたがっている人々は、自分が1日にどれだけのカロリーを摂っているかを知りません。新しい言語を学びたがっている人は、先月、どれだけの時間を学習に費やしたかを知りません。ベストセラー本を書きたいという人は、先週、自分がどれくらい文章を書いたのかを知りません。事業を成功させたがっている人は、昨日、チームがセールスの電話を何件かけたのかを知りません。強くなりたいけれど、先週、ジムでどれくらいのウェイトを持ち上げたのかを知りません。このように、多くの人は計測をしていません。計測がなければフィードバックループは作れません。

    私の主張はこうです。見えないフィードバックループに生活を乗っ取られ、無駄な時間を費やす代わりに、自分の要求と必要性に合わせたフィードバックループの設計に時間を使うべきです。

    吟味されていない生活をおくっていると、悪い習慣と非生産的な行動のスパイラルに、簡単に陥ってしまいます。気づかぬうちに形成されたフィードバックループが、過剰に食べ、過剰に喫煙し、過剰に心配ばかりする生活をもたらします。しかし、ラッキーなことに、その逆もまた真実です。注意深く設計されたフィードバックループは良い習慣を育て、悪い習慣を抑制してくれます。

    フィードバックループは私たちの健康から日々の意思決定まで、あらゆるものに影響を与えます。しかし、たいていの場合、人々は、知らないうちに作られたフィードバックループの犠牲者となっているのです。


    James Clear(原文/訳:伊藤貴之)

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