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和田美樹和田美樹  - ,,,,,,  06:00 PM

ウソではありません。テック業界にはもっと女性が必要なのです

ウソではありません。テック業界にはもっと女性が必要なのです

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今夜私は、娘のガールスカウト団で、テクノロジー業界でのキャリアについての話をすることになっています。女性たちがテック業界ですばらしい功績を残していること、そしてあなたたちもこの分野に就きたいと思ったら何でもできると話す予定です。でも、私は彼女たちにウソをつくことになります。

「やろうと思ったら何でもできる」というのは半分ウソになるのです。というのは、女性やマイノリティがこの分野で真に成功するのを阻む、バリアとまでは言わないまでも、現実的な障害があるからです。テック業界は、ダイバーシティ問題を抱えており、それは少女たちだけの問題ではなく、女性全般の問題なのです。


たしかに問題がある


4年生の少女たちにはまだ、女性がシェフや宇宙飛行士、医師、プロのアスリートなど、夢見る職業に就けない理由などわからないでしょう。でも実は、女の子は、このくらいの年齢になった頃から、STEM(Science=科学、Technology=技術、Engineering=工学、Math=数学の頭文字)に対する興味が薄れてきて、学年が進むにつれて、それが顕著になっていくのです。興味が続き、大学でコンピュータサイエンスなどのSTEM分野を専攻することにした女子学生でさえ、32%が、在学中に専攻をSTEM以外の分野に変えているのです。男子の場合、こうしたケースは26%です。大学卒業後にテック業界に就労すると、女性は、大挙して業界を去っていきます。テック企業の技術職についた女性の56%が、10年以内に離職しているのです。これは、男性の離職率の倍以上です(そして、すべて女性が出産のために辞めているわけではありません)。

ここではっきりさせておきますが、ダイバーシティ(多様性)の問題というのは、職場全般に存在します。テック業界だけではないし、女性だけがマイノリティというわけでもありません。人が、人種、性的指向、宗教その他どんな理由であれ"その他"と見なされて差別(あからさまであれ、それとなくであれ)を受ける問題を指します。ダイバーシティ問題は、ほぼすべての企業と業界(メディアも含む)に存在するのです。しかし、私が特にテック業界にスポットライトを当てているのは、事例としてとても大きく顕著であり、ここライフハッカーで働く私たちに強く関わる業界でもあるからです。私は、この問題を自ら目の当たりにしてきましたし、こうしたバリアを今まさに乗り越えようとしている女性たちの話も聞きました。

この問題は、こんなに数字が大きいにも関わらず、いまだに多くの人が、問題などないと考えています。そしていまだに、性差別や人種差別が存在するか否かというレベルで熱い議論が交わされているのです。もっとひどいのは、差別を受けているマイノリティを擁護する人が嫌がらせを受けたり、偏見もち呼ばわりされたりすることです。以下、テック業界におけるジェンダーの不均衡が、なぜ私たちすべての問題なのか、ということをまとめてみました。

  • テック業界は、爆発的に成長している分野で、人材の供給が追いつかない状態です(「ソフトウェアが世界を飲み込んでいる」という言葉が有名)。これには、去年20万9000件の求人が埋まらなかったサイバーセキュリティ分野も含まれています。ハッカーがいかにパワーアップしているかということを考えると、これはとても恐ろしい現実ですよね。有能な人材はいったいどこで見つかるのでしょうか? はい、答えは女性です。でも、現在、情報セキュリティ要員に占める女性の割合はわずか10パーセント。それは、この業界があまり女性に優しくないからなのです(それについては少しあとで説明します)。全人口の約半分を占める女性が、その人材不足を埋め、女性特有の考え方や声をもって貢献できるはずなのに、もったいない話です。
  • 私たちのすべてが、毎日テクノロジーに依存しています(ちなみに、テクノロジーを取り入れるのは女性のほうが早いです)。あらゆる人に影響を与えるとても重要な分野なのですから、そこでは、あらゆる人を代表する多様な人に働いてほしいものです。その人たちなら、大きなスケールで女性を阻害するような過ちに気づいたり防いだりできると思うのです。その過ちとは、たとえば『Barbie:I Can Be a Computer Engineer(バービー:私だってコンピュータ技術者になれる) 』という残念な「科学的」解説がなされている本だとか、アップルの健康管理アプリで生理のことが忘れられているといった事実です。ダイバーシティの拡大は、イノベーションの拡大につながります。より多くの女性が話し合いの場に参加すれば、チームの叡智がレベルアップするでしょう。会社の利益にも貢献するはずです。McKinsey & Company が行った調査では、ジェンダー・バランスがとれている企業のほうが、平均的な企業と比較して、財政状態が少なくとも15%は優位で、人種的に多様な企業は、そうでない企業より35%優位であることが示されています。
  • テック業界はお金回りの良い業界です。テクノロジー関連の仕事は、最近、もっとも増えている仕事、もっとも給与が高い仕事、そしてもっとも需要の高い仕事リストのトップに、常時ランクインしています。その道をキャリアとして志すことを、あとで断念するにしても、スタート地点では、女性――というか、誰にでも、平等に雇用の機会が与えられるべきです。しかし、ジェンダーの不均衡が以前よりも認識され、テック企業が取り組みを約束しているにもかかわらず、機会は平等ではありません。大手のテック企業では、女性の占める割合は約30%ですが、詳しく見ると、さらにショッキングな数字で、技術的な職務(ものをつくる)に就いている人となると、女性はわずか16%になり、指導的職務(何をどうつくるか決める人)では女性はわずか23%です。また、テック企業のトップ100社の最高責任者に占める女性の割合は、わずか6%にとどまります。同等に質の高い教育を受けていても、テック業界では、入社時に初級職務から始める人の割合は、男性では39%なのに対し、女性は55%です。そしてシリコンバレーの男性は、同じ教育訓練を受けた女性よりも52~61%ほど多い給与を受け取っています。

テックは、現在得ることができる、最大とは言わずとも、最大級の機会です。それなのに、人口の半分を占める女性が、その分野では、極端に少なく、不公平に扱われているのです。


なぜテック業界に女性が少なすぎるのか?


こうしたテーマの記事や、投稿へのコメントを見ていると「何も問題ではない。若い女性を"無理に"テック業界に入れようとするのはやめよう」という趣旨のもの(でも、もっと乱暴な表現)がとても多いのです。 女性がSTEMに興味をもっていないだけだ。女性がそれを得意としていないだけだ。生物学的に、女性は数学などの「難しい」学科をこなすようにできていないのだ――と言うのです。要するに、テック業界に女性が少なすぎるのは、私たちの住む社会が、その職に最適な人間がその職を手にできる、能力主義社会である結果だ、というわけです! テック業界に女性が少なすぎるのであれば、それは、女性がその仕事をさばくことができない、あるいは興味をもたないのが原因だ(高収入で、どこででも働けて、学士も関係ない仕事に就きたいのはどんな人? それは女性以外の人!)と言いたいようです。

こうした主張がどこから来ているかは、ご想像のとおりです。白人の男性優位の分野で、「ダイバーシティは問題ではない」などという白人男性による発言は、率直に言って、愚かさのしるしです。あのときもそうでした。ダイバーシティとジェンダーの受容性を議論するパネルディスカッションの壇上で、Googleの元重役のエリック・シュミットが、同じくGoogleの元テック担当重役だった女性ミーガン・スミスの発言を、何度にもわたって遮ったという出来事です。こうしたことを、紙による切り傷を無数に負わされ死ぬような感じ――と説明するのは、テック起業家で、カナダのTechGirls社長の、サーディア・ムザファー氏です。

男性優位の分野の代わりに、ほかのことを志すよう勧められたり、こちらの分野のほうが認めてもらいやすいと言われたりするのです。人からもろに「やってはいけない」と言われることだけが「意欲の抑制」だと言っていたら、私たちはいつまでたっても死角をなくすことができません。女性への偏見のほとんどが、とても婉曲的で人目につかぬよう行われるので、一見では気づきにくいものなのです。

私は、テクノロジー業界に携わる男性の大半が、女性を業界から追い出そうとしてるとか、入れないようにしているなどとは思いません。ダイバーシティの問題などないと言う人たちは、単に問題が見えていないだけだと思うのです。外の立場に立ったことのない彼らには、一見たいしたことのない性差別が、女性を阻害する環境を作っていることが認識できないのでしょう。また、採用する側の人は、自分と同じ外見や関心をもつ候補者を選ぶ傾向があります。特権は、もっている本人たちは気づきにくいもので、テック企業が導入していると主張する能力主義は、結局虚像なのです。

物事を理解するには、自分で体験するか、体験した人の話を聞いて感情移入するしか方法はありません。

現在私は、テック業界の周辺に身を置いていますが、ジャーナリストとしてテック・カンファレンスに出向くと、男性の同僚たちに押しのけられます(実際、文字通りにそうされることもあるのです! ちょっと、私ここに立ってるんですけど)。また私が、デバイスの特徴について企業の担当社員に聞くと、相手は(あたかも「バッテリー寿命なんてものを知ってるんだ? たいしたお人形さんだ」と私をあざ笑うような)慇懃無礼な表情を浮かべます。本当に、実際「お人形さん」と呼ばれたことも、数えきれないほどあるのです。また、私が企画した記事を、途中で男性の同僚に代わられたこともあります。それは彼らが男だからでしょうか? 男のほうが経験が豊かだからでしょうか? それとも私がなんらかの理由で仕事のできない人間と思われているのでしょうか? そんなことはわかりません。以前の紙の切り傷が癒えぬところに、こうしてまた1つ傷が増えるのです。

また、性差別が、もっとあからさまに行われる場合もあります。以前私がITディレクターだったとき、社外の人にサーバーへのSSHアクセスや、ファイアウォールのアップグレードについて話したりすると、よく、驚いた様子をされたり、内心こちらを下に見て、優越感をちらつかせたりするような態度を取られることが、たまにありました(ある男性の出入り業者に「ああ、あなたにおわかりならどなたでも大丈夫ですね」と言われたことがあります。彼は私が雇った業者なのに)。そしてこういう経験をしているのは私だけではありません。ギズモードの編集長であるアナリー・ニューウィッツ氏も体験談を話してくれました。

私も、テック界で性差別が原因の無知や愚かさに散々直面してきました。特に、テック・ジャーナリストとしてのキャリアを歩み始めたばかりの頃はひどかった。テック・カンファレンスでたくさんの男性に、誰の彼女なのかを聞かれました。彼氏にくっついて来た女だろうと思われてのことです。逆にオンラインだと、テクノロジーやサイエンスについて書いているというだけで、今でも男だと思われることが多い。記事の名前で女とわかるはずなのに、コメント欄で「彼」と呼ばれることが多いのです。ただ、そうは言うものの、テクノロジー・サイエンス界にも、私を励ましてくれた男性メンターたちはいます。

ライフハッカーの創設編集者だったジーナ・トラパーニも、同じ経験をしています。

会議でよく発言を遮られたり、メモを取ったりする「秘書的」役割を期待されたり、技術職ではない人間が会議にいると勘違いされたりしました。また「本当のプログラマーではない」と言われたこともあれば、私の男性の同僚がコーディング試験で「女に負けた」とからかわれたこともあります。「女子」はプログラミングが得意ではいけないと言わんばかりの言動です。

そして、ここに紹介するもう1つの事例は、名前は明かしたくないと言う女性エンジニアの話です。

工学の世界では、女性に対する偏見が絶対的に存在します。そうしたことに遭遇するのは毎日ではないし、すべての人がそうだというわけでもありません。でも、確実に遭遇するのです。よくあるのは、会議で発言すると遮られることです。私が主張すると、常に疑問視され、正当性を説明するよう求められる。そうなることが、男性の同僚よりも圧倒的に多いのです。このキャリアに就いてからずっと、だいたい10人中、私が唯一の女性という状況が続いています。上司からは、秘書的な作業(会議の計画、コピー取り、メモを入力する、パーティー企画など)を任されることが多いです。仮に私が、グループで1番の新人ならばまだ話はわかるのですが、そうではありません。しか、しこの不満を人事部に訴えるのは躊躇してしまいます。というのは、私が唯一の女性なので、名前を出さないわけにいかないからです。

私はエンジニアとして5年以上勤めており、優秀な仕事をしていることを示す実績もあります。ですから、このように扱われることは不当だと思うのです。常に戦っていなければならない状況に、挫折感を抱き、うんざりしています。いっそキャリアを変えようかと思うこともしばしばです。ですから、どれほどの女性がSTEMを辞めているかという記事を読んでも、私は驚きません。でも、だからこそ、せめて私だけはSTEMに居座り、次世代の女性のために状況を改善する義務があるのではないか、とも思うのですが、それはもっと大変でしょう。私の白人男性の同僚たちには、そんな責任感はありません。

要するに、テック業界の女性の問題は、カルチャーおよび構造的問題だということです。女性に「数学は難しい」ということではありません。女の子は、(直接的であれ間接的であれ)テックに向いていないと言われるうちに、興味を失ってしまうのです。このように、意欲をそがれる事態は、小学校で始まろうが、大学であろうが、その後であろうが、とても明白に存在します。ITディレクターのジェニファー・トロスト氏もこんな話をしてくれました。

私が初めてコンピュータサイエンスの授業を受けたときは、クラスに30人くらいの学生がいて、そのうち、女性はわずか4人でした。先生は男性です。授業が始まって3週間目に入ると、女性で残っていたのは私だけでした。男子生徒や、明らかに性差別主義者である教授からの失礼な発言が、彼女たちにはこたえたのだと思います。でも私は授業を受け続け、初めての大きな試験を迎えました。出題内容は、バイナリコードが主でした。教授がテスト用紙を配りました。私が誰よりも早く解答を終えて提出すると、彼はこう言ったのです。「どうした? 答えられなかったか?」と。私はその課程を修了し、学期が終わるとすぐに学部長に手紙を書きました。

ですから、やはり私も、大学入学後に、ITの道を進み続ける意欲を抑制されたことに間違いありません。

下ネタなど、あまりにも露骨な言動は職場で明らかにNGですが、水面下では、brogrammer(従来のギークとは異なる、軽薄なタイプの男性プログラマー)のカルチャーや、目立ちにくい反面、根深い性差別問題、そして、いつまでもなくならない馬鹿げたステレオタイプが存在します。(「あなたのお母さんや彼女でも理解できるテクノロジー」というつまらない表現はいいかげんやめにしませんか?)


マネジメントの問題


ここ数年は、より多くの女性やマイノリティにテック系キャリアを奨励するすばらしい取り組みが、TechWomen、Girl Develop It、Black Girls Code、Women Techmakersといった企業によって行われています。ただし、より多くの女性をテック業界に呼び込めば済むという問題ではありません。女性がずっといられて、指導的職務に就けるようにしなければなりません。過去30年にわたって、軍隊、警察、航空と、男性ばかりの分野で仕事をしてきたある女性が、そもそもマネジメントにおけるジェンダーの不均衡が、問題の大きな部分を占めているのだと説明してくれました。

女性の航空管制官に対しては、明らかに目立った偏見が、同僚にもパイロットにも見られました。パイロットは、女性管制官の指示を疑ってかかったり、言い負かして自分のやり方に従わせることができそうだと思うと、無線で反論してきたりしました。無線交信をモニターしていた男性管制官が、そうしたパイロットの言動を聞いてびっくりすることもたびたびでした。女性管制官は、男性が体験することのない、多くのとんでもない行為に耐えていました。

一緒に働いていた男性の大半はまともで受容的で、応援してくれたり励ましてくれたりする人もたくさんいました。でも、中には、女性に差別的で、私たちの仕事を時に地獄にする、ろくでなしの割合も少なくなかったのです。もっとひどいのは、俗にマネジメントと呼ばれる人たちが、そうした問題への対処を怠った場合です。マネージャーが、解決しないどころか、自分自身が積極的に問題に加担している事例があまりにも多かったのです。

私の考察はこうです。上層部が女性にいてほしいと思っているなら、職場環境にあつれきやストレスが生まれないようにし、女性を支える環境を作ろうとするはずです。でも彼ら自身が差別を許したり助長したり、悪い手本を見せている場合は、従業員による不適切で非友好的な行為が野放しにされるでしょう。すべてはトップの態度によるのです。(中略)私は、女性の誰もがテック分野で秀でた仕事ができるとは言いません。でも、本来ならば卓越したであろう女性が、支えや励まし、受容的環境の欠落によって、道を閉ざされているのです。女性をサポートする環境づくりは、世の中のリーダー次第なのです。

レイチェル・トーマス氏が「Medium」で述べているように、テック業界のカルチャーを変えるとするなら、皆が変わらなければなりません。この問題を解決するには、女の子や女性たちにコードの書き方を教えるだけでは不十分なのです。


テックのキャリアをあきらめるのは出産のためだけではない


なぜ、テックのようなパワフルな分野にもっと女性がいないのか、上層部にもっと女性がいないのかという理由について、上記以外の説はすべて論破されています。いくつかの傑作を紹介しましょう。


「女性は男性ほど野心をもっていない」

コンサルティング会社のMcKinsey & Company の調査で、トップマネジメントに就きたいと言う女性は、男性と同じ割合でいることがわかっています。そして、社内で昇進したいと強く思っている女性は、男性より多いこともわかっています。調査の対象となった、797人の女性のうち、81%が、プライベート生活の一部を犠牲にしてでもトップマネジメントに上り詰めたいと回答しており、70%が、自ら昇進を求めたことがあると回答しているのです。


「女性は仕事より家庭の義務を優先する」

女性の重役や役員が少ない理由として、女性は家族の面倒を見ることを「自ら選択」しているのではないかという推測があります。しかし『フォーチュン』誌が、テック業界を去った716人の女性にインタビューしたところ、484人(68%)が、出産を決断の一因として挙げていますが、専業主婦の母親になりたかったためと答えた女性はわずか42人でした。

多くの女性がキャリアをあきらめた原因は出産だけではないと言っています。それよりも、フレキシブルな就業形態ではないとか、サポートしてもらえる職場環境ではない、子どもを預けるほどの給与をもらっていない、という理由が多いのです。元モーショングラフィックデザイナーのレベッカはこんなふうに言っています。「母親になること自体は、単に状況を深刻化させる増幅要因にすぎません。出産により、それまでずっと我慢してきた問題に、もう我慢するわけにいかなくなる、ということです」


「女性は男性と比べテック業界に関心がない」

コンピュータサイエンスは、2002年以降女性の学士取得者数が減っている唯一のSTEM分野だというのは事実です。しかし、コンピュータサイエンスを、もっと女性に優しい、排他的でない学科にしようと努力した大学は、コンピュータサイエンスの女性の専攻率を大幅に増やしています。ハーベイマッド大学ではコンピュータサイエンス専攻学生の40%が女性で、カーネギーメロン大学でも、新規にコンピュータサイエンスを専攻する学生の40%が女性。またカリフォルニア大学バークレー校では、コンピュータサイエンス概論の女性受講者が男性の数を上回りました。

つまり、女性は、関心がないからとか、母親になるために、テック系の仕事を避けているわけではなく、孤立したり、ここはお前のいるところではないと、直接的あるいは間接的に言われたりして、業界を離れているのです。


どうすればよいのか

テック業界で働く女性たちの話を聞いて、私が興味深いと感じたことの1つに、ある共通点がありました。それは、ほぼすべての人が、テック業界を志すことに対し、周囲の励ましを受けたと言うのです。それは少女時代と言う人が大部分でしたが、中には、キャリアの初期と言う人もいました。このジーナ・トラパーニの体験談は、私のお気に入りです。

私は、人生の中でいろいろな人からテックを目指したらいいと言われました。父は、私が9歳のときに最初のコンピュータを買ってくれました。兄は、ティーンエイジャーの私が、彼のWindows 3.1が入ったコンピュータの使い方を聞くと、私を自分のイスに座らせ、チュートリアルを開いて、私が完了するのを見届けてくれました。大学では、私が学内アルバイトを探していると、キャリアセンターが、コンピュータ研究所を紹介してくれました。そこのヘルプデスクにいた、スタッフマネージャーの1人が、ずばぬけて聡明で、能力のある女性で、皆から尊敬されていました。1年生のときに、その人の背中を見ながら働き、彼女の下で働いた経験から、私は、彼女が卒業したら、その仕事に自分が就こうと決意(そして実現)しました。大学卒業後の最初の仕事では、上司から、職場で使う社内アプリのコードが送られてきて、解読、習得した上で、バグを修正するソフトを更新するよう言われました。彼は、私にできるかと聞くこともなく、いつまでにできるかだけを聞いてきました。

こうしたポジティブ体験をしていなければ、ジーナは別のキャリアパスを選んでいたかもしれません。そうしたら、もしかして現在、ライフハッカーも、ThinkUp、Makerbase、Todo.txtも、存在していなかった可能性があります。

親御さんや教育者へ:わかりきった提言ですが、私たちは、子どもたちを早いうちからテクノロジーやコンピュータに触れさせ、奨励し、もしこうした分野に関心があるようなら、それを後押しし続ける必要があるのです。女の子は特に、男の子よりも励ましが必要のように思います。それは、女の子のほうが成績を気にする傾向にあるという要因のほか、私たち大人がSTEMの価値を女の子にはあまり教えていないからです。APPCityLifeの創業者でCEOのリサ・アベイェータはこう書いています。

問題は、女の子がコードを書けると思っていない、ということではありません。未知のハードルや自分の弱点を克服してまでコードを書きたいとは思わないことなのです。考えてみてください。映画や、テレビや、ニュースを見ると、これではやる気がしなくて当然というような要因でいっぱいです。エンターテインメント業界が、「テック」系のキャラクターを、少女が自分を投影しやすい人物として描くことはめったにありません。そうしたキャラクターはたいてい、ちょい悪タイプで男っぽいイメージか、ぎこちない社会不適合者をイメージしたものの、どちらかです。どちらのステレオタイプも、女の子を感化するものではありません。あれでは、ひたすらコーディングをするキャリアを楽しむ自分を夢見るようにはならないでしょう。また、テック系の記事を少しでも読む方はご存じでしょうが、悪事を働いた重役のことや、賃金の男女格差、テック業界では女性だとなかなか事業資金が得られないといった記事ばかりが目立ちます。私たちの社会には、女の子に対し、テック業界を積極的に売り込まない気風があるのです。

私たちが、女の子の強みや興味を生かしてあげる必要があります。それには、彼女たちが関心を抱く社会問題などの解決策を生み出すテック・プロジェクトに参加を促したりするのがよいでしょう。そう話すのは、アベイェータ氏です。テクノロジーは、いろんな女の子たちも使っているツールでありスキルセットだということを示してあげましょう。テック業界で働く女性が社会に変化をもたらしていることを示してあげるのです。Adafruitのリモール・フライドや、Microsoftのリサーチャーのダナ・ボイド、Dropboxのエンジニアのティナ・ウェン、 Sugruの発明者でCEOのジェーン・ニー・ガルクイーンティグ、グラフィックデザイナーのスーザン・ケア、Yahooのリサーチ担当副社長のヨエレ・マアレクなどがいます。

子ども向けの参考資料としては、次のようなものが挙げられます:GoogleのMade with Code、Code.org (マインクラフト、スター・ウォーズ、アナ雪のチュートリアル)、DIY.org、Activity Hero (子ども向けサイエンスやテクノロジーの教室)、CS Unplugged、ライフハッカーの記事「子どもにコーディングを教える

テック業界の女性たちへ:あきらめずに、がんばり続けてください。元RedditのCEOで「インターネットでもっとも嫌われている人物」の 異名を取るエレン・パオ氏から、2つのアドバイスがあります。1つは「面の皮を厚くすること。でも、時とともに自然と厚くなります」。そして「黙っていないこと」だそうです。

男性優位の職場気風の中で戦っている女性に、取りあえず私から言いたいのは、あきらめないでということです。あなたは1人ではありません。あなたを支持し、あなたに成功してほしいと願っている女性そして男性は数えきれないほどいるのです。あなたのせいにしようとする人にもたくさん出会うでしょう。自分の非や自分たちのシステムの非をどうしても認められない人たちがいるのです。でもそれは彼らの問題であり、あなたの問題ではありません。

企業へ:すべてのデバイスを女性好みにすることが解決策ではありません。ダイバーシティに関する講座も役には立ちますが、それだけでは不十分です。前出のアナリーはこう言います。

問題を認識しているだけでは不十分です。唯一の解決策は、より多くの女性を雇うことです。有色人種の人も雇ってください。それが困難だと言うなら、そもそもあなたは人を雇うような立場に就くべき人間ではありません。そして、彼女たちを昇進させてください。給与も扱いも平等にしてください。また、彼女たちの仕事を支持し、出資もしてください。

それ以外の人たちへ:性差別主義や差別的な固定概念を助長するような企業があったら、非難しましょう。女性の言葉に耳を傾け、私たちの体験や、私たちが直面している課題の話を信じてください。自分の内心に潜む偏見(誰にでもあります!)を省みて、周囲の人をかばってください。テック業界に携わる人は、ハッカースクールのルールに従いましょう。また、ジーナが現在取り組んでいる、IMDb(世界最大の映画データベース)のアプリ版のようなプロジェクト「Makerbase」へ行って、あなたがすごいと思う女性を加えてください。そこで、あなたがその人の仕事に感心する理由や、その人の、公に認められるべき業績を書き込んでください。そして、テック業界の女性を「女の子」と呼ぶことを皆でやめるようにしましょう。

私たちは進歩しています。差別について声を上げる人は、数年前よりも増えていますし、職場でのダイバーシティを支持する人も増えました。ちなみに、Microsoftの女性役員も増えています。これは大きな前進です。

しかしこれでよしとは言えません。たとえば、Microsoftを相手取った差別をめぐる集団訴訟には、多くの女性が加わりました。ですから今夜私は、9歳児を前にこんなことを話そうと思います。数学や、科学、テクノロジーは「男子の科目」ではないこと。もしそうした科目が難しく感じても、それは苦手ということにはならないこと。STEM分野での、もっとも重要な役割のいくつかは女性が果たしており、今もそれを続けていること。しかし、こうも話すつもりです。ここに女子が入ってくるべきではないと考える人たちがいるけれども、それはまったく不公平で、私たちはそれが間違っていることを見せてあげればいいのだと。


Melanie Pinola(原文/訳:和田美樹)
Photo by Shutterstock.

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