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印南敦史印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

ホンダのイノベーションを実現した「ワイガヤ」とは?

ホンダのイノベーションを実現した「ワイガヤ」とは?

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ホンダ流のワイガヤのすすめ 大ヒットはいつも偶然のひとことから生まれる』(本間日義著、朝日新聞出版)は、ホンダがもっとも大切にしてきたコミュニケーション手段だという「ワイガヤ」の本質について解説された書籍。著者は、開発統括責任者として同社に大きく貢献してきた人物です。

しかし、そもそも「ワイガヤ」とはなんなのでしょうか?

著者によればワイガヤとは、ホンダで昔からよく行われてきた方法論。当然のことながら語源は「ワイワイガヤガヤ」で、つまり「集団的な議論を重ね、ものごとの本質に深くアプローチし、結果として高い価値やイノベーションを生み出すために効果的なミーティング手法」だということです。単なるブレインストーミングとは異なり、会議やミーティングよりももう少し大きな概念であり、一種のコミュニケーションの場といったほうが近いのだとか。

ワイガヤがもたらす力は、はかりしれません。話し合いを活性化させて、新しい価値や解決策を生み出すだけにとどまらず、参加したメンバーの意思が通じ合うようになり、会議や打ち合わせ以外の時間でも良好なコミュニケーションがとれるようになります。(「はじめに」より)

「話がかみ合わず、ムダに長い」「なにも新しい価値が生み出せない」など、会議について悩んでいるビジネスパーソンは少なくないはず。しかしワイガヤは、そんな人にとっての確実な突破口となりうると著者はいいます。実際に試してみれば、自分の能力をはるかに超えた成果を生み出せることを実感できるはずだとも。第2章「ワイガヤが新しい価値を生む理由」から、その要点を引き出してみましょう。


ワイガヤでもっとも大切なこと――自分の考え


ワイガヤでもっとも重要なことはなにかと聞かれたら、著者は迷わず「『自分の考え』を大切にすること」と答えるそうです。いまの時代においては、お客様アンケートや売上データをもとに、新しい商品やサービスを計画することも少なくないでしょう。しかし、それは参考資料にはなったとしても、そこから新しい価値を持った商品やサービスの全体像が見つかることはほぼないもの。そしてアイデアの「種」はたいていの場合、それを提供する側のここの社員が持つ「自分の考え」に眠っているといいます。

「こんな商品を欲しがっているんじゃないか」「僕だったらこんなものが欲しい!」など、ワイガヤのミーティングや会議では、新しい価値を生み出すために、個人的な考えや私的な想い、本音を互いに話していくのだそうです。言葉でうまく説明できないような「種」の状態でもよいので、臆せずどんどん話していくことが大切。「評論家のAさんがこんなことをいっていた」といった「他人の考え」を話すにしても、必要なのは「だから、僕はこう思う」「それはこういうことなんじゃないか」といった「自分の考え」を加えていくこと。

するとその結果、「自分の考え」同士が融合したり、他の人の考えに刺激されて新たなアイデアが浮かんできたりするのだそうです。それを繰り返していくことによって、知恵が知恵を呼び、自分ひとりではたどり着けなかった新しい価値へ到達するということ。これを「スパイラルアップ」と呼ぶそうですが、そうして生み出された考えは、「みんなの考え」でありながら、参加者それぞれの「私の考え」が入ってものになるという流れです。

だから結果として全員が、「私の意見によってすばらしいアイデアにたどり着けた」という喜びや高揚感を得られることになる。するとモチベーションも上がり、チームへの帰属意識も高まっていく。気づけばメンバーの想いがひとつになり、当初は実現不可能だと思われていたことをも可能にするパワーが生まれるというわけです。(67ページ)


初代シティを生んだ創造プロセス――スパイラルアップ


「自分の考え」からスパイラルアップが起き、新しい価値観が生まれていくプロセスの参考として、著者はホンダを代表するコンパクトカー「シティ」の例を挙げています。1981年に発売されたシティは、とても画期的な車でした。まず特徴的だったのがそのフォルム。車高が低く、車体が長い車が一般的だった時代に、あえて車高を高く車体を短くするという、常識を覆すフォルムを提示してみせたのです。最初の段階こそ混沌としたものの、やがて全社的なスパイラルアップが実現し、ホンダ全体の月販最高記録を更新する大ヒットを記録しました。

シティが開発されたきっかけは、1978年にトップから「省エネ・省資源時代の決定版をつくりなさい」「若者ユーザーを取り戻したい」というシンプルな指示が降りてきたことだったのだとか。その指示に従って最初に検討されていたモデルは、小型車の「シビック」を単純に小さくしたもの。

しかしスタッフから「そんなもの誰が買うんだ」といった「自分の意見」が噴出し、それが開発部門のトップに届いたことから、改めて開発チームが再編成されることになったのだといいます。こうやって現場の意見がトップからに届くこと自体が珍しい話ですが、それが新たな波を生み出したということ。まさに、ワイガヤのポテンシャルだということなのでしょう。

専門性も違い、性格や価値観も違うメンバーが集まっていますから、「自分の考え」も一人ひとりまったく違うのですが、話を聞くうちに、少しずつ向いている方向は見えてきました。(中略)そういうワイガヤを繰り返すなかで、どのような大義のある車をつくるのか、課題のブレークスルーポイントが見えてきて、大きなコンセプトや実現技術のアイデアがクリアになっていきました。(77ページより)

つまりそれこそ、「スパイラルアップ」の状態が生まれたということであるわけです。(69ページより)


「建前の私」は捨てよう――個発・個著


ワイガヤでは「私の(自分の)考え」を話していくことによってスパイラルアップを起こすわけですが、この「私の考え」のなかには、「本音の私の考え」と「建前の私の考え」があると著者は指摘しています。

「建前の私の考え」とは、「会社の全体利益を代表しているかのような私の考え」「市場のユーザーの嗜好を理解しているつもりの私の考え」など。こういった場合の「私」は個人の「私」というよりも、「ウチは」「彼らは」という立場であると理解すべき。ところが社会や会社組織にいると、そこがだんだん曖昧になっていくのだといいます。

自信がなかったり、反論されると傷ついたりするだけに、本当の「私の考え」は、できればあまり外に表したくないもの。そこで知らず知らずのうちに、公の自分が「私」や「私の考え」になってしまうということ。たしかにその方が攻撃もされず、平和で居心地のよい状態になるはずです。

しかし、ワイガヤの基本である、大きな価値を形成していく出発点としての「私の考え」は、あくまで純粋な「個」そのもの。そしてその「個」が本質に向かって見つめるべきは、やはり「個」なのだと著者はいいます。自分以外のあらゆる世界中の「個」が対象だということで、それはアートの世界に似ているといいます。ただし、それは決して高尚なことではないのだとか。

「私」が「私の考え」を話すことで、私以外の「私」とビビッと響き合ったら、何だかすごくうれしい! 単にそれだけのことです。しかし、それは、ワイガヤにとってはとても大切なことです。(83ページより)

「建前の私の考え」は多くの場合、最終的なユーザーや顧客の心に本当の意味で届くことはないもの。なぜなら、それはユーザーや顧客を全体の「群れ」で見てしまうことになるから。しかし本音から発する「私の考え」がどんどん増幅されたり融合されたりすると、スパイラルアップや「私の考え」を超えたコンセプトに到達し、再封的には大ブレイクする価値を実現することになるというわけです。

なお、こうした考え方をホンダでは「個発・個著」と呼んでいたのだそうです。個から発したものこそが、多くの個に届くという考え方です。(81ページより)


共有と共感をうながす――コンセプト


シティの事例には、「『自分の考え』を話すということを出発点にして、新しい価値観を生み出すためのいくつかのポイントがあったのだといいます。なかでも特に重要なのは、商品「コンセプト」を導き出すこと。メンバーがばらばらに語った「自分の考え」を集約し、商品やサービスの方向性を簡潔に示すことができるキーワードにまとめるということ(車高が高いシティの場合は、最終的に「トール・ボーイ」というキーワードにまとめあげたのだそうです)。

では、なぜコンセプトを導き出すことが大切なのでしょうか? この問いに対して著者は、「優秀なコンセプトは、多くの人と新しい価値をつくり上げるうえで欠かせない「共有」と「共感」を産むのに極めて有効だから」と説いています。

商品の方向性をわかりやすく示しているコンセプトがあると、自分のチーム以外の人にも「どんなものをつくりたいのか」をすぐに「共有」してもらえることになります。するとその結果、「それならこういうふうにしたらどう?」「こんなこともつけ加えてみたら?」など、相手のアイデアを引き出すことができるというわけです。

また、「いい商品コンセプトだね」と「共感」してもらえれば、相手は快く協力してくれるはず。新しい価値を持つものにはネガティブな側面があるため反対されがちですが、共感を得ることさえできれば、「難しいかもしれないけど、解決できるかどうか考えてみるよ」と力を貸してもらえるわけです。そうやって、新技術のブレークスルーが生まれるということ。

もちろん、優れたコンセプトは、ユーザーの心も動かします。たとえ、新しく発売された車のコンセプトや技術の詳しい内容など聞いていなかったとしても、コンセプトが貫かれた車に対しては、ユーザーは車の姿を少し見ただけで敏感に反応します。理解されるまでの時間など必要ありません。最初から売れ行きがまったく違うのです。(86ページより)

著者はホンダにいたころ、それを強く実感したそうです。「つくり手もユーザーも瞬時にワクワクできる」コンセプトがつくれれば、新しい価値はほぼできたも同然だということ。(84ページより)




本書を読んでみると、「ワイガヤ」こそがホンダのポテンシャルだということが実感できるでしょう。しかし同時にその多くは、ホンダ以外の企業にも応用できることであるはず。だからこそ、多くの人に気づきを与えてくれる内容だといえます。


(印南敦史)

  • ,, - By ライフハッカー編集部LIKE

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