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印南敦史印南敦史  - ,,,,  06:30 AM

ネット時代に求められる力は「論理力」

ネット時代に求められる力は「論理力」

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「現代は『新しい資本の時代』だ」と主張するのは、『これからのお金持ちの教科書』(加谷珪一著、CCCメディアハウス)の著者。つまり、誰もがすぐインターネットに接続できる環境が整った結果、仕事に必要なあらゆるリソースをネット上で手に入れることができるようになり、その結果として、すべてのプロセスをネット上で完結できる可能性が見えてきたということ。

そうした方向性は、集団行動を基本としていた日本のビジネス環境に大きな変化をもたらすだろうともいいます。そしてもうひとつ目を向けておきたいのは、こうした変化が「お金を稼ぐ」という概念にも影響するという考え方です。

これまでの時代には、お金持ちになれる人といえば、起業家か投資家と相場は決まっていた。(中略)だが新しい資本の時代には、事業者と消費者の区別は曖昧になる。インターネットを使って不特定多数の人が仕事を請け負えるようになるため、これまで「消費者」だった人が、いとも簡単に「提供者」(起業家)に変身することができる。(「はじめに」より)

端的にいえば、事業の立ち上げに際し、これまでのように多額の資金を必要としないのが「新しい資本の時代」の特徴。場所や時間の制約も少なくなり、すべての人に副業として起業できるチャンスが巡ってくるというわけです。その点に注目した本書では、「10年後の未来」を前提として、どうすればお金持ちになれるのかが解説されています。

「新しい資本の時代に求められるもの」についてまとめた第6章「新しい資本の時代を生き抜くために」から、いくつかを引き出してみたいと思います。


新しい時代に取り残される、意外な人


ネットインフラが社会の隅々まで浸透すると、ビジネスのあり方が変わり、富の形成方法にまで影響が及ぶもの。そんななか、もっとも早く顕在化するのは、ビジネスにおける個人の役割だと著者はいいます。スマートフォンの普及をきっかけとしたITインフラの急速な進化が、従来の企業においては当たり前のものだった「集団行動」の妥当性を一気に低下させつつあるということ。

現代においては、場所に関係なくいつでも簡単にデバイスへアクセスでき、しかも複数のデバイスでの同期や情報共有が可能になっています。その結果、全員が同じ時間に同じオフィスに集まり、情報や意見をすり合わせながら仕事を進めていくというスタイルが非効率的なものになってきている。つまり技術の進歩が、仕事のパーソナル化を後押ししているわけです。

だとすれば、そんな時代の仕事に求められる能力は、なんといっても論理性だと著者は断じています。顔を突き合わせて仕事を進めていく時代であれば、説明や報告が曖昧でもなんとかなったもの。しかしメールやメッセージングツールを使って文章で報告したり、指示を受けたりすることが一般的になると、「なんとなく」という曖昧さは許されず、仕事の内容について的確に説明し、論理的なやりとりができる能力が求められるということです。

しかし顔を合わせる回数が減ってくると、相手に対する配慮はいままで以上に求められるのだそうです。たとえば上司から「あの件はどうなったの?」と聞かれたとき、「メールで送ってありますけど」などと返す人がいます。著者によればこういう人こそ、新しい資本の時代に生き残ることが難しいというのです。

なぜならこのようなシチュエーションにおいて重要なのは、上司がメールを読まない可能性を考慮できる能力だから。そして迷惑にならないかたちで、再度、確認する作業を怠らない姿勢が必要不可欠となってくるわけです。デジタル時代であるほど、相手に対するきめ細やかな配慮が必要となるということで、どこか興味深い話でもあります。(210ページより)


社外リソースの担い手になる


会社の仕事がよりパーソナルになってくると、必然的にネット上で外部のリソースを活用するケースが増えてくることになります。そして外部リソースの活用が当然のものとなれば、その担い手になる人材が大量に必要になってくるはずです。だとすれば、外部リソースとなる人材にとって重要なのは、他にはない特徴さえ打ち出せるか否かであるはずです。

そこで特徴さえ示すことができれば、たとえ個人であっても、こうしたリソースの提供者として大きな稼ぎを得ることが可能になるわけです。だからこそ、フリーランスの働き方はこれから大きく変わっていくはずだと著者。

これまでなら、フリーランスの人が仕事を得るためにはまず人脈の広さが必要不可欠でした。たとえ高い能力を持っていたとしても、その能力を見せられる場に到達することが至難の技だったということです。

いうまでもなくそれは、発注者と受注者を適切に機能させる機能がなかったから。ところがクラウドソーシングの発達によって、状況が大きく変わろうとしているのです。今後は多くの業種において、不特定多数の発注者と受注者が自由にマッチングできるようになることが予想されます。だとすれば、勝負どころになってくるのは他との競争優位性です。たとえば低コスト戦略がそうであるように、他者との間に圧倒的な差別化を実現することができれば、多くの仕事を確保できるようになるということです。

人は誰でも、なにかしらの特技や得意分野を持っているもの。そのノウハウを普遍化できる能力があれば、それは魅力的なコンテンツになると著者はいいます。従来なら、ちょっとした能力があったとしても、それを発揮する場はそうそうありませんでした。もし英語が得意でユニークな教育法を思いついたとしても、英会話学校で決まったカリキュラムに沿って教える以外に、それでお金を稼ぐ方法はなかったわけです。

しかし新しい資本の時代には、あらゆるコンテンツやノウハウを流通させる手段は整備されています。そこで、特技や得意分野さえあれば、誰にでもそれらを体系化し、お金に換えるチャンスがあるということです。(215ページより)


人工知能時代にモノをいうのは「論理力」


今後は人工知能のさらなる発達によって、人が持つ知的能力の一部はコンピュータが代行できるようになるでしょう。ただし、いくら人工知能が発達したとしても、ビジネスのノウハウを人工知能に移植するという作業はしばらくなくならないと著者は予測しています。なぜなら、いくら人工知能が自己学習機能を備えているといっても、すべてを学習できるレベルに到達するまでにはかなりの時間がかかるはずだから。

ちなみに人工知能というと近未来的に感じるかもしれませんが、これはいまの社会に当てはめてみれば「マニュアル化」がうまい人ということになるそうです。仕事をうまく進めるためのエッセンスを上手に抽出し、一般化してそれを説明できる能力が求められるということ。ノウハウの一般化は、新しい資本の時代における重要な評価ポイントなのだといいます。

従来型社会においては、たとえば企業の営業部門なら、営業成績がよい人が「仕事ができる人」とみなされていたはずです。しかし著者にいわせれば、そういう人には、自分が持つノウハウを他人に説明できないタイプが多いのだそうです。

そんななか、これからの新しい資本の時代には違う人物像が求められるだろうといいます。それは、たとえ営業成績は2番目だったとしても、そのノウハウをきちんと体系化し、人工知能への移植をサポートできるような人材。そして同じことは、営業マンだけでなく、クリエイターにも、起業家にもいえることだと著者は主張しています。

アメリカのシリコンバレーは、優良なベンチャー企業を効率的に再生産できるという意味において、「エコシステム」と呼ばれています。このような循環的なビジネスインフラが成立するのも、ノウハウの汎用化に成功したからだという考え方です。

これからの起業家は、必ずしもエキセントリックな天才タイプである必要はない。周囲のビジネスリソースをうまく活用し、それをマネジメントできる能力があれば、どんな人でも起業家に転身することができる。(234ページより)

いうまでもなく、これまでの社会において、大企業のビジネスパーソンとフリーランス、起業家にはそれぞれ異なる人物像が求められていました。しかし、新しい資本の時代においてはだいぶ状況が異なるようです。

大企業のビジネスパーソンであろうが、フリーランスであろうが起業家であろうが、求められるべき人物像に大きな違いはなくなってくるだろうということ。近い将来には、3つの世界を自由に渡り歩く、新しいタイプのビジネスパーソンが数多く登場しているかもしれない。著者はそう予測しています。(230ページより)




現状と、その原動力となった情報技術、あるいは資本のメカニズムなど、本書においては「新しい資本の時代」を多角的に捉えています。当然ながら、その裏側から見えてくるのは「新しい働き方」。いまからしっかりと「10年後の未来」を見据えておくためにも、ぜひ読んでおきたい一冊です。


(印南敦史)

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