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庄司真美

 - ,,,,,,,,,,  09:00 PM

やり手プロデューサー&編集者で著述家の石黒謙吾さんに学ぶ!「分類上手」は「仕事上手」の法則

やり手プロデューサー&編集者で著述家の石黒謙吾さんに学ぶ!「分類上手」は「仕事上手」の法則

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効率的に仕事を進めることは、ビジネスマンにとって重要なスキルです。では、どうすれば効率よく仕事が進められるのでしょうか?そのアンサーを盛り込んだ本が、『分類脳で地アタマが良くなる!頭の中にタンスの引き出しを作りましょう』(KADOKAWA)です。

今回、ご紹介する著者の石黒謙吾さんは、一世を風靡した伝説の雑誌『ホットドッグ・プレス※』などの編集を経て、30歳で独立。映画化されたノンフィクション『盲導犬クイールの一生』といったシリアス系から『ダジャレ ヌーヴォー』など幅広いジャンルの著書を手がけています。また、依頼仕事ではなく、一から本を企画する出版プロデューサーとして、人気コラムニスト犬山紙子の処女作『負け美女 ルックスが仇になる』、『ナガオカケンメイの考え』、『ジワジワ来る○○』、『凄い!ジオラマ』などの話題作200冊を手がける敏腕編集者でもあります。※スマホ・マガジンとして2014年に復刊。

現在、100前後の案件を同時進行でこなすマルチタスカーの石黒さんに、「分類する力」を鍛えることで得られる、仕事上のメリットについて伺いました。



日常生活もあらゆる分類のうえで成り立っている


── 『ホットドッグ・プレス』では、世間によくいる典型的な女の子をタイプ別で分類する企画が人気でしたが、分類力というのはその編集作業で培われた面もありますか?

石黒:確かに当時、そういう記事のアイデアをひたすら考えていましたね。でも、本に書いたような分類力について明確に意識し始めたのはもっと後のことで、98年に出した著書『チャート式 試験に出ないニッポンのしくみ』を出した頃ですね。この本は、さまざまなチャート図解を用いて森羅万象を図で分析しつつ「構造オチ」の笑いに落とし込んだ、役に立たないサブカルテイストの実用書なのですが、これを出したときから意識し始めました。

書いている時点では、あらゆるモノや事象を分ける作業っておもしろいな、という程度の感覚でした。だから僕はそれまでに、無意識に分ける作業をしていたのでしょう。その後、この本を出したことで、サブカルテイストの分類やチャート式の記事執筆の依頼や取材を受ける機会が増えて、それをやっているうちに、分類することは脳にとって非常に有効なんだな、ということに気づき始めたんです。


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── その分類のベースの考え方とはどんなものですか?

石黒:おもしろくて斬新なチャートを生み出すためには、そもそも分類しなくてもいいものを、あえて図解する必要があります。たとえば、「花火」だったら、大きく15種類に分けられるな、と、まずは全体を把握する。つまり、最初に「俯瞰」してから、次に個々を分析し、一般的なイメージでの「分類」となるわけです。

ほかにもたとえば、「仕草」について図式化するなら、まずは「俯瞰」で人の仕草について観察し、そのうえで「感情」で分けるなど、あらゆるバリエーションを考えて分類し、さらに抽出し、最後に定着させて、最終的にアウトプットしていく思考の構造なのです。


── 実は気づかないだけで、仕事での取捨選択は、誰もが日々やっていて、日常生活もまたその繰り返しであるということが本に書かれていますよね。

石黒:「宣伝会議」で「編集ライター講座」をレギュラーでやっているのですが、これは、受講生が提案する企画の課題を次々とディレクションしていく内容なんです。ここで受講者からよく受ける質問は、「なかなか決定できず、スピードが上がらないのはなぜか?」ということ。それは、迷うからなんです。では、なぜ迷うかといえば、最初に全体を俯瞰し、中身を整理整頓したうえでの択一作業ができていないから。漠然と把握しようとするから、意志決定がスピーディーにいかないわけです。実は、人は日々ナチュラルに、「分類」「意思決定」「択一作業」をしているんです。その代表が「会話」で、誰でも話すときに、無意識にかならず選択を繰り返していて、それを意識上に上げていないだけなんですよ。


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── タモリさんの例を挙げつつ、日常でも、会った人に「髪切りました?」と言えることは分類上手だと本に書いてありました。まず、人の変化に気づく観察眼が必要ということでしょうか?

石黒:人とか変化とかに限らず、たとえばコップを見たときに、あまりカッコ良くないな、と思うとします。ではなぜそう思うのかということまでは、あまり突き詰めて考えませんよね。僕の場合は、直線的なフォルムが好きなので、このコップのような丸みを帯びたかたちが好きじゃないからカッコ良くないんだな、と即座に理由を言えます。

この例は好みの話ですが、「これとこれはなぜ違うのか?」と考えていけば、そこにかならず何かしらの尺度が存在します。この基準や線引きを意識していくことが、つまりは分類そのものなんです。そういう分類脳は、誰でも身近なところ、たとえば、電車の中の人やモノ、広告などを見て違いを意識することで鍛えられますよ。日常生活や街中は、考える対象の宝庫ですから。


必要なモノを分類することでビジネスの効率化ができる


── ビジネスでは効率の良さ、高い生産性というものが重要視されますが、自分にとって必要なモノ、そうじゃないモノをきちんと分類しないと効率化は図れないですよね?

石黒:著者の仕事もそうですが、編集者の仕事は、情報の取捨選択、分類がとても重要です。なので、常に自分の目先にある案件、中期的な案件、将来的な案件すべてに対して、分けたり、捨てたり、拾ったり、ということを考えていて、それはもう僕の思考のクセとして定着しています。現代は膨大な情報が溢れているからこそ、分類や切り捨ても大切だと思います。

たとえば、僕は子どもの頃、先生に勧められて新聞を毎日見るようにしていたんですけど、結局、長年に渡って見出ししか見てきませんでした。情報収集については、「縦に浅くても仕方ないので、横に広く」が僕の思考の好みです。FacebookやTwitterといったSNSで流れる情報に対しても、その思考で接していて、とりあえずザッピングだけして、本当に興味があるもの、仕事で扱うテーマに関する情報のみ深堀りするようにしています。


── ほかにも、仕事上で効率化を図っている作業があれば教えてください。

石黒:本にも書いていますが、メールボックスの振り分けをしています。日々やりとりする膨大な量のメールを1個ずつフォルダ分けしています。進行中の案件が100件ぐらいあって、案件が立ち上がったらフォルダを作り、そこにすべて入れていく。あえてメールの検索機能を使わずに、こうしてフォルダ分けすることで、内容をしっかり覚えられるんです。さすがに100件となるとフォルダを探すのも大変だろうと思われるかもしれませんが、これがちゃんと覚えているもので、すぐわかります。


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タスクの優先順位は仕事の効率化に不可欠


── 重い案件から手をつけず、簡単にできることからやるようアシスタントに指示したと本に書かれていましたが、これは、数あるタスクの中からの優先順位の分類ですよね。簡単にできることから手をつける理由は何ですか?

石黒:山ほどやることがあると、何から手をつけていいかわからなくなるし、落ち着かないですよね。僕が『ホットドッグ・プレス』の編集をしていた頃、誰にも負けないぐらい忙しかった自負がありまして。やることがいっぱいあるときこそ、やるべきことの数を少しでも減らすことから始めないと、立ち行かなくなるという結論に達したんです。

そのためには、簡単なことから手をつけるべきだと気づきました。たとえば、10個やるべきことがあったとしたら、そのうちの半分くらいは簡単にできることだから、まずやってしおうと。たとえば、電話1本入れることもそのひとつです。そのうえで、次に簡単で、すぐにできそうなことに手をつけるんです。たとえば、当時の僕でいえば、ライター諸氏から上がってきた原稿をチェックし、赤字を入れるとか。それを片づけてから最後に、特集タイトルを決めるなど熟考が必要な作業に移るわけです。


── 重要なことを再優先にやる人もいますよね。

石黒:メールの返事がなかなか来ない人は、大事な事から手をつけるタイプじゃないかと思います。もちろん、大事なことからしたい気持ちは分かります。でも、突き抜けたアーティストでもない一般的なビジネスマンであれば、まずは、ふだんのやりとりで誠実だと思われることが重要事項だと思います。

返事が遅い人ほど、大事なことから手をつけて、細々したタスクがたまりがちなんです。気づいたときには、たまったタスクにがんじがらめになって、精神的にも物理的にも返信放棄の状態に陥っているのではないでしょうか。しばらくしてから「お返事が遅くなりました」って連絡が来たりしますが、たとえば、ひと言確認レスなら1分もかからずできるんだから、その時々で対応しておけばやることがたまっていかないのでは? と、思いますね。すごく簡単なことだから、絶対に誰でも今すぐできるはずなんですよ。


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── それは日常でもよくあることですよね。メール以外で、日々仕事を効率よく運ぶ手段はありますか?

石黒:実は僕、いかなる打合せも取材も、メモを取るときはノートではなくA4の白い紙を使います。さらに裏側は使いません。表だけに書けば、床に並べて全体を俯瞰で見れますし、案件ごとにファイルにまとめて入れるのですが、その際も出せばすぐに目的の紙が探せます。また、コピーするときに一気に取れるので、すべてが効率的です。同じことをやるならば、1秒でも時間を短縮して、その分、ぼーっとしたり、ツイッターを見てバカなことを探す私的な時間を作りたいと思うんです。

昔、雑誌のインタビュー原稿を書いていたとき、最初はノートを使っていました。でも、ページをめくりながら書いていると、部分的なことしか見えて来なくて効率が悪いということにすぐに気づいたんです。以来、書くのは紙の表だけにしました。そして、原稿を書く前に、まずは取材メモを全部並べてしまうんですよ。そのうえで、別の紙に要点を箇条書きでリストアップします。そして、取材メモから原稿に反映させた分はどんどんバツ印をつけて消していきます。消したところが増えてきたら、その部分だけ切って捨ててしまいます。すると、だんだん書いてないことが少ない面積で残っていくというわけです。このやり方についてあらためて思うと、やはり全体を俯瞰するためにやっていたということですね。


仕事の効率化は、自分の自由な時間を確保することにつながる


── 最初に全体を見ることで大事な要点が見えて、仕事の効率化にもつながるんですね。

石黒:今、僕は、草野球がある週1日しか休まないのですが、結局、自由な時間を確保するための効率化であり、スピードアップだと言えますね。紙の表しか使わないのもそうですが、たとえば、打ち合わせをする時に、資料を渡されたりしますよね。そのときも、別のメモ帳に書くと後からメモ帳と資料の両方を見なければならないので、かならず直に資料に書き込むようにします。そうした効率化も、詰まるところは時間を確保するためなんです。


── それはご自身の中で、大事なものや切り分けるべきものが分類できているからできることですよね。

石黒:人によっては、朝4時起きで活動し、さらに土日に仕事するのも厭わない人もいます。僕の場合、週末は大好きな野球を楽しみたいし、そういう人とは考え方が決定的に違います。良い悪いではなく、自分にフィットしたものを見つけていくようにしています。人のやり方を一度は試してみて、合わなければ違うやり方を見つけるという取捨選択も、分類思考からくるものですね。
 

── 著者と編集者という2つの顔を使い分けることについては、ご自身でどのように分類し、アウトプットしていますか?

石黒:ここ数年は、全体の7割がプロデュース&編集サイドで、残り3割が著者サイドです。僕は、編集者としては「人に依頼された仕事をしない」がモットーなんです。自分が見つけたり、考えたりした企画しかやりたくないからなんです。出版社に企画を通すために、企画書と見出し案などをたくさんの版元に次々に提出していきますが、10社目ぐらいで決まるなんていうことが普通です。

なにしろ、前例がないような売れ行きが読めないニッチな企画ばかりやりたくなるので(笑)。これはもう「業」ですね。でも、そんな本を、プロデュースしたり、編集したりする仕事が一番おもしろいですね。この仕事の醍醐味って、まだ誰も知らない人やネタを世の中に出していけることだと思うんです。たとえば、近年の僕の仕事でわかりやすい例ならば、4年前まではまったく無名だった犬山紙子さんとか。ブログを見て本を出しませんか?と、声をかけてプロデュースし始め、9社目でようやく企画が通り、本が出たらブレイクしたという流れだったので、嬉しかったですね。

編集作業の方も、細かい事まで全部自分でやらないとおもしろくないんです。当然、やることは山積みになりますが。それでも、仕事の効率化を図りつつ、これまで200冊以上やり切ってきました。


── 多ジャンルの本を同時進行するのは、かなり脳内の分類や整理が必要だと思いますが、いかがですか?

石黒:プロデュース・編集の仕事では、あえて集中しないようにしています。もちろん、原稿読みなど、業務内容によっては集中が必要です。でも、基本は1日のうちに、いろんな案件に対してそれぞれ短時間ずつ集中し、かいつまんで切り上げて、さくさくと多くの案件を動かしていくスタイルです。

書籍を書く仕事の場合、それとは真逆で、集中しなければならないので、さすがに2種類一緒にはしません。急ぎの編集作業や諸連絡で1日を丸々書く仕事にあてられないことがほとんどなので、たとえば、10~12時まで編集仕事をして、昼食をはさんで22時まで書く仕事、というふうに切り替えます。

発売日が決定し、時間が迫っているなかで原稿を書くのは、強制的に集中せざるを得ないので仕事がはかどりますね。作業時間を逆算して自分を追い込むのが好きなんです。ダジャレ関連の本を制作したとき、書かなければならないテキストが1000個あったのですが、残された時間はたった1週間。早朝から1時間に12個、つまり5分に1個書かないと終わらない計算で、ノルマ分を書けないと翌日に繰り越され、さらに地獄になるのでそれはもう必死でした。自分を追い込んで、1週間で1000個のテキストを書きました。終わった日の夜は、仕事で初めて泣きましたね(笑)。

でも、そういう時は原稿のノリもいい。何事も、スピードとクオリティは比例する部分が多いと感じます。野球でいえば、イチローのように、ボールを遠投できる人は投げる球が速い。僕はともかくとして、それと同じように、早く書ける人は文章も上手な人が多い。もちろん投げやりでなければですが。スピードがない人ってビジネスでもそんなに伸びしろがないような気がするんですよね。


── 文章を書くことも、適切な言葉選びの連続で、分類力が働く作業ですよね。本には、分類脳を鍛えると、頭の回転が早くなるということが書かれていますが、どんな仕事でも、技能はもちろん、いかによりよく気が回せるか?ということが重要ですよね。

石黒:確かにおっしゃっる通りですね。脳を横から見た断面をいろんな領域に分割したと仮定します。主たる作業を行うメインの領域とは別に、いかに先のことを見越したり、周りを気遣ったりするサブ的領域を確保していくか。時間配分で考えれば、仕事の期日の中で自分がやるべき事柄や時間の「領域分け」ができるか。

こうしたことも分類です。そのうえで、日々、自分の判断や発想を俯瞰し、分類したうえで、もっと違う分け方はないかな?と、考えていけば、さらに新たな発想に行き着く。それは、あらゆる事業や仕事にとって重要なアイデアとなるのです。


(文/庄司真美)

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