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ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,,,,  09:00 PM

『Ingress』を作った川島優志さんの「世界の変え方」。太陽系だって脱出できるさ、みんなで一緒に歩けばね。

『Ingress』を作った川島優志さんの「世界の変え方」。太陽系だって脱出できるさ、みんなで一緒に歩けばね。

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拡張現実を利用した位置ゲームアプリ『Ingress』のイベントが日本各地で活発に行われています。今年6月には被災地を含む東北全域で大規模な連動イベントが開催され、12月の公式イベントの開催地として那覇が選ばれました。ユーザーコミュニティ主導のものから、官公庁主導のもの、公式のイベントまで、Ingressプレイヤーは積極的に参加し、活発に交流を行っている様子が伝わってきています。現実世界の上にゲーム世界が展開され、「現実世界の見え方」が変わるところにおもしろさを感じる人、プレイヤー同士のコミュニケーションを重視する人、純粋にゲームとして楽しむ人...。いずれにせよ、Ingressが実際に"人を動かしている"ことに変わりはありません。

今回は、β版開発からIngressに関わり続けている、Niantic Inc.の川島優志さんに「Ingressは人の動き方をどう変えているのか」について、ライフハッカー[日本版]編集長で、旧知の仲である米田智彦がうかがいました。Ingressは世界中の人を変えるだけでなく、川島さん自身にも大きな影響を及ぼしたようです。


自分の街を再発見するたびに、自分がリモデルされていく


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川島優志(かわしま・まさし)さん
1976年横浜生まれ。2000年に渡米、ロサンゼルスで起業、デザインプロダクション勤務を経て、2007年にGoogleにウェブマスターとして入社。UIデザインやウェブサイト構築を手がけ、2008年アメリカ人以外では世界で初めてGoogleホリデーロゴ(Doodle)をデザイン。2013年Google社内スタートアップのNiantic Labsに UX/Visual Artistとして移籍。2015年、Googleから独立。Niantic Inc. 設立に伴い、Director of operations, Asia (アジア統括本部長)に就任。現在に至る。米国在住。


米田:Ingressは今度3周年になるかと思いますが、ユーザー数などは現状どのようになっていますか?

川島:世界全体でのダウンロード数は1300万で、日本のユーザー数は世界で1位か2位という具合ですね。

米田:日本でそれだけ流行っているのは、日本人の特性と何か結びつきが強かったんでしょうか?

川島:まず1つは、日本は歴史がすごく深いじゃないですか、おもしろいものがたくさんありますよね。Ingressの特徴は身の周りの、今までは全然見てなかったようなもの、普通に通勤・通学していたら全然目に入らないようなものが発見できてしまうところにあります。たとえば、お地蔵さんだとか、こんなところにお寺があっただとか。

歴史あるポータルが都会にたくさんあって、非常に環境が良かったということですよね。地方に行くと、一番近いポータルが3キロ先だったりして、最初の一歩でくじけてしまう場合もあったりするんですけど。

あとは、非常に治安がよく、日本の場合は夜でも歩けるというのも大きな理由の1つかなと。Ingressは世界200カ国以上でプレイされていますが、国によっては夜に出歩けないとか、女性が1人で歩くのはちょっと危ないという場所であったりするわけじゃないですか。

ユーザー同士が活発にコミュニケーションとっているのも、日本ならではの現象ですね。ものづくりの精神のようなものが感じられます。世界中でIngressに絡んだグッズが作られているんですが、日本のオリジナルグッズのクオリティが桁違いなんです。数も多いし、すごくユニーク。Ingress用語で「Ingressかるた」を作った人なんかもいますし、とにかく凝ってるんですよ。そうした創作文化を通して、ユーザー同士がIngressをプレイしていないときも楽しんでいます。そういう文化も日本でこれだけ人気が出ている理由の1つかな、と。

米田:Ingressのフィロソフィーは、「人を外に出して、運動させて、歩かせて、結びつける」といったものだと思うんですが、ゲームなのに現実世界に飛び出すといった影響をもたらすだけでなく、そこから新しい物をつくったりするところまで波及しつつあるということでしょうか。

川島:そうですね。外に出るという意味では、昔の米田さんみたいに、「いろんなところに行ってみよう」みたいなことなんですけど。

米田:僕が2011年にやった生活実験イベント「NOMAD TOKYO」も、位置(地理)情報を使った、ある種の実験ゲームみたいなものでしたね。

川島:いろいろなところに行くと、それだけで創造性が生まれるじゃないですか。メディアアーティストの高城剛さんは「アイデアは移動距離に比例する」というようなことをおっしゃっていましたが、それが本当かどうかは別として、Ingressの世界では外に出て歩くことで、いろんなものを発見したり、至近距離で出会ったりすることで、脳が刺激される、そういう効果があるのかなと思うんですよ。実際、科学者とかもね、うろうろ歩きながら考えたりしますしね。最近のシリコンバレーでも、歩きながらミーティングみたいなのが流行っています。歩くということ自体がなにかすごく良い効果をもたらすのかもしれませんね。

ナイアンティック創業者のジョン・ハンケがインスピレーションを得るために京都に行って、枯山水を見たり、物思いにふけったりしたんだそうです。そうすると、「なにかここにあるような雰囲気を感じた」らしいんですよ。きっとそれらは彼にとってエキゾチックで、なにか考えさせるものだったんでしょうね。実際にインスピレーションの元にもなっているのかもしれません。そんな風に「メッセージが込められている」ように感じてしまうものがPortal(Ingress内でプレイヤーが取り合うランドマーク)にふさわしいと我々は思っています。人間の探究心や知的好奇心を刺激してくれるものがあるんですよね。

Ingressをしながら東京を歩いていると、橋の由来だとか、なんでここにお地蔵さんがあるんだろう? なんて立ち止まって考えてしまったりします。そういうのがすごくいいことにつながっていくんじゃないでしょうか。

米田:僕の「NOMAD TOKYO」でも、自分が住んでいる東京という都市をリファイン(再発見)するような喜びがありました。それにIngressは近いかなと。

川島:自分の中でのリモデルみたいな。Ingressをやっている人はみんな多かれ少なかれ自分の中で世界が再構築されているような体験をしているんでしょう。自分の世界が、住んでいたところが、同じ場所なのに見え方が変わってしまう。


みんなで一緒に歩けば、太陽系だって脱出できちゃうかもしれない


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今年6月に開催されたイベント「Persepolis in Tohoku」の様子。


米田:各地でイベントがいっぱいあって、川島さんも参加されていると思うんですが、ここまで盛況になるのは予想されていましたか?

川島:もちろん、予想してなかったことがいろいろ起こっていますよ。最初にイベントをやったときも、「ゲームを普段プレイしている人が外に出てくれるのか?」ということが、まず大きな疑問でした。でも、イベントで参加者に聞いてみたら、「人と出会うような機会がすごく欲しかった」という答えが返ってきて、多くの人が喜んでくれたんです。

イベントを続けていくうちに、日本では多いときで5、600人ほど、そういう形でどんどん人が集まるようになっていきました。しかし、最初はそれこそ30人とか、それくらいのレベルだったんですよ。

被災地の石巻でやったときには、百数十人が来てくれました。石巻ってすごく遠いですよね。仙台駅からさらに1時間かかります。今年、仙台でもう一度やったときには、4000人、石巻にも800人くらい来てくれて。

一緒に歩いて目的を達成するという目的がIngressの基礎になっています。人とつながること、つまり人と一緒に何かをやるという楽しみです。Googleから独立しても、一般的なゲームディペロッパーになるのではなくて、人を外に出して、人と出会って、一緒に何かを探求して、新しい発見があって、旅をしていく、といったことを実現できるプラットフォームの仕組みを作っていきたいという思いがあります。

米田:アプリ上やネット上だけで終わるのではなく、ひとりひとりのライフスタイル、つまり行動を変えていく。行動が変わると、その人の人生が変わる、人の人生を変えると世界が変わるということかなと僕は思っているんですが、そういった点については、Ingressを最初に開発したハンケさんと、どういう理想郷を描いていたんですか?

川島:ジョンと話していて思ったのは、「人は外に出れば変わるんだ」っていうのが、シンプルで分かりやすい方法だなということですね。ジョンは今もそれを目指して作っていますよ。

外に出ていろんな人と交流したり、出会ったり、今まで見てこなかったもの、街の中に隠されたものを見たりすることで、実際に行動が変わっています。Ingressのために一駅前で降りて帰るようになった、なんていう人はたくさんいますね。

ギランバレー症候群という、すぐに体が動かなくなる病気の人に最近会いました。Ingressを始めるまで、杖がなければ歩けなくて、筋肉も衰えて、出歩けないような状態だったのが、友達に勧められてIngressを始めたら、最初は200歩くらいしか歩けなかったのが、2万歩歩けるようになっていたんだそうです。

Ingressには、毎日1回ハックするのをずっと続けているともらえるメダルがあるんですが、それを自分のモチベーションにしているという海外のエージェント(Ingressプレイヤー)なんかもいました。「つらいときでもハックをするためにとにかく外に出るんだ」って、自分のモチベーションにしているそうです。

結果として、Ingressを通して、世界中の人が歩いた距離の合計が1億5千万キロに達しました。太陽までの距離を超えちゃったんです(笑)。

次の目標は、また新しい仕組みを作り、歩いて太陽系脱出ですね。


川島さんのキャリアとIngress


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米田:では、少し話を変えて、川島さんのキャリアの話をうかがいたいです。僕と出会った2010年頃はGoogleのアジア太平洋のエリアマネージャーで、ウェブのビジュアルデザインやUXデザインをやられていましたよね。そこから、Ingressに関わることになったモチベーションはどんなところにあったんでしょうか?

川島:ちょうど自分としても新しいこともやりたいなと思っていたタイミングで、先にナイアンティックに移っていたデニス・ホワン(Googleのホリデーロゴをずっと描いていたデザイナー)から誘われて、ちょっとやってみようかな、またデニスと一緒に働いてみようかなという感じになりました。そのときにジョン・ハンケと話をして、彼の人柄や「人が外に出ればいいんだ」という例の発想に出会いました。

なるほどな、と思いましたよ。前から自分もいろいろ変えたいなと思っていたんですが、真正面からいくとなかなか難しいことばかりじゃないですか。日本も今、さまざまな問題を抱えていると思うんですけど、真正面からあたってなかなかうまくいかないって、たくさんあるわけです。さきほど米田さんは、人の行動が変わることで世界が変わるんだとおっしゃっていましたけど、システムを変えるとか、そういう漠然とした方向でぶつかっていってもなかなか変わりません

米田:なかなか変わらないですね。それこそ何十年もかけて政治家になるとかしない限り、個人に出来ることは限られています。90年代にネットが広まったときに、僕は「世界の窓が開いて、どんどん人が交流していって、移動していって、人間の世界がどんどん広がっていく」と思ったんですよ。でも、20年経ったら、"こもるためのツール"にさえなってしまっていると感じるようなことが増えました。でも、Ingressが感動的だったのは、そこをひっくり返してくれたところだったんですね。で、それに関わっているのが川島さんだと聞いて、あ、やっぱりそうかと思ってなんとなく腑に落ちたというか、川島さんならやるだろうなと。

川島:面白いのは、ジョン・ハンケはGoogleの副社長になって、地図製品全般を担当していました。スクリーンの前に座っているだけで、世界中が見える、そういうものを作ってきたんです。そんな人が最終的にたどり着いたのが、「自分の足で冒険するアドベンチャーソフトだっていうのがすごく面白いなって。

「Ingressはゲームじゃない」と言う人がたくさんいて、じゃあなんなのかというと、「ライフスタイルだ」と言うんですね。それが共感をもって受け入れられています。歩いて、発見して、人とつながることで、Ingressでメーターが上がるだけじゃなくて、自分の、人間としての、人生のメーターのようなものもちょっと上がっているのかもしれませんね。

米田:ところで、ナイアンティック社は今どういう状態になっているんですか?

川島:元々はGoogleの社内ベンチャーで、Google MapなどのGoogleのインフラを最大限に生かして、ちゃんと実績がでるまで、インキュベーションをちゃんとしてくれたおかげで、きちんと独立できました。今、社員は40人強くらいでしょうか。

米田:何カ国ぐらいに分かれているんですか?

川島:今、アメリカにはサンフランシスコに本社があり、シリコンバレーに支社があり、シアトルにも支社があって、ヨーロッパにも支社があります。あとはインドにも事務所があったり、日本にも進出しています。

今は日本と、ほかのところを広げるということになっています。直近では、11月14日に台湾で公式イベントを開催しました。約4000人が参加し、日本からも1000人以上のエージェントが参加しました。以前の日本での公式イベントに、中国や台湾からたくさんプレイヤーが来てくれて、日本のプレイヤーも楽しんで、親近感を持っていたんだと思います。台湾でやるということで、自分の家の中だけでやるものだったゲームが、自分の街に広がって、それから今度は他国まで広がってしまったことになりますね。

だんだん自分の世界が広がっていくのをIngressで実感できるというのが、とても大事なことなのかなと思いました。最初から「じゃあ、行けよ」って言われても外国までは行けないですし。うまく自分の世界を広げていって、「あそこにも行ってみよう」となって、さらにお互いの理解を深めつつ、広がっていけたらすばらしいなと思っています。

12月12日には沖縄でも公式イベントを開催しますが、沖縄を選んだ理由の1つが、「中国や台湾に近いから」なんですね。他の国のプレイヤーが来やすいですから。

今回のイベントでは、協力して他の国とリンクをつなぐとより得点が入るといった仕組みを作ってあって、国際的な連携が勝敗の鍵の1つになるようにしてあります。そうすることで、「同じ目標に向かっていくと、みんなで一緒に歩けるんだな」といった、大きな意味でのライフハックができたら面白いな、と。

米田:アジアで盛んな地域はありますか?

川島:スリランカなどではとても盛んにプレイされていますね。もちろん、インドでもかなりプレイされています。

ヨーロッパとアジアが共同作戦を張ろうとすると、中東やインドは鍵になるんですよね。


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ゲームの状況を把握できる「Ingress Intel Map」のスクリーンショット。青と緑の円はPortalと呼ばれ、現実に存在するランドマークと対応している。プレイヤーは街を歩きながら、これらにアクセス(Hack)し、1つずつ自軍の色に染め上げていく。ライフハッカー[日本版]編集部付近は、緑と青が比較的拮抗している。


米田:ヨーロッパはいかがですか?

川島:ヨーロッパにも熱烈なプレイヤーがたくさんいますよ。Ingressでは緑チーム(エンライテッド)と青チーム(レジスタンス)に分かれて陣取り合戦をするんですが、アメリカでは緑が強いんです。日本も緑が強いんですけど、ヨーロッパでは青がものすごく強いです。

米田:どうしてなんでしょうか?

川島:よく言われているのは、フランスはレジスタンスががんばったという歴史があります。フランス人はレジスタンスという名前の響きに惹かれているのではないか、といった話ですね。都市伝説みたいなものがいろいろありますが、真相はわかりません。ただ、こうした地域差は確かにありますし、見ていておもしろいですね。

米田:国際作戦のときは、みんなで乗り合わせてLCCで移動したりするんでしょうか。

川島:「航空会社のパイロットにエージェントがいて本当に良かった」なんて話を聞きますね。何らかの方法で、手を取り合って、アイテムをほかの国の人に渡す必要があります。先日も中野区のエージェントが、日本全国を緑に染めようと考えて、その拠点になったのはインドネシアや、スマトラ島、中国、ロシア、台湾。日本をすべて自軍の陣地にするために、スマトラに行った人もいたし、ロシアに飛んだ人もいるわけですよ。

米田:そのためだけに?

川島:そう、それを実現するためだけに。でも、そのときは台湾に台風が来てしまって、作戦を断念せざるをえなかったんです。仕方なく、アイテムだけ渡して、「このアイテムを使ってやってくれ」と言って、帰ってきたそうです。後日、現地の人の協力もあったのか、目的は実現されたみたいですね。

米田:プレイヤーの行動を追うことでドキュメンタリー映画ができそうですね。

川島: 自分たちが計画しても敵がいるので、妨害されてしまいます。一筋縄ではいきません。リアルな困難をいくつも乗り越えいく必要があります。ときには人間関係も問題になってくるでしょう。レポートも見ていておもしろいですね。そういうのを通してみんな、自分が変わっていくような体験をしているんだなと感じます。

僕は8年間Googleにいて、Googleのホリデーロゴを描いた経験もすばらしいものでした。ホリデーロゴって、ある意味でもっとも多くの人に見られているキャンパスの1つですから。でも、Ingressに対するユーザーの愛みたいなものは、それを遥かに上回る深いものでした。ナイアンティックに加わってから、こういう世界があると知って、自分でも、感動しているところがありますね。

米田:善意や知的好奇心、探究心といった、人間のポジティブな部分を誘発するものが基本になっていますよね。ありそうでなかったと思いますよ。ここまでリアルに人を動かすサービスは。

川島:ソーシャルの動き方なんかも深いんですよね。Ingressはまだニッチなところがありますが、深度があるところが自分としてはすごく新鮮で、キャリアの中でもやってみてよかったなと思っています。

米田:人の人生が変わっちゃうほどのことが自分のキャリアになっていると。

川島:それがすごくやりがいにつながっていくような感じがします。


人を外に出すゲームを作っていたら、空を飛びたくなってしまった


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米田:今後のことになりますが、川島さんが中長期的にやってみたいことはありますか?

川島:中期的には、今回、任天堂さんとポケモンさんから投資バックアップを受けて、協力してスマートフォン向けゲームアプリ『Pokémon GO』を作るということもあって、日本とアメリカ、シリコンバレー、サンフランシスコのタレントが協力して何かを作るときの良い例にしていきたいなと思っています。

長期的には、僕自身は飛行船を買いたいと思っていて、将来の夢としては飛行船を買ってそこに自分の家をくっつけて世界をまわりたいなと思っていますね。

米田:それは初めて聞きましたね! 飛行機じゃなくて、飛行船生活なんですね(笑)。

川島:住所なしでいろんなところを転々として、どこにいるのかわからないという。グローバルノマドとでも言うんでしょうか。どこに降りてるのかもわからない、みたいなのをやりたいですね。ぜひそのときは米田さんも一緒に。またノマドに戻って。

米田:そのときは、ぜひ僕も乗せてください!

川島:「飛行船で、今はヒマラヤの上空にいます」とか、そういうのをやりたいですよね。

米田:願ったことしか叶わないと僕は思っているんですが、逆に願ったことは叶うということなので、楽しみにしておきます。

川島:Ingressをやっていると、世界中どこの都市にも友だちがいるっていう人に会いますが、実際そうなんですよね。困ったときにIngress内のチャットで、「パスポートを落としました」「タイヤがパンクしました」みたいなことを言うと、必ず数人は助けてくれます。

米田:「NOMAD TOKYO」のとき、Twitterでもそういうふうに誰かが助けてくれることがたくさんありましたね。

川島:飛行船で世界を回るときも、どこにいってもIngressを開いて呼びかければ、泊めてくれたり、着陸させてくれる人がいることでしょう。僕の呼びかけに応えてくれた彼にとってもすばらしい体験になるはずです。




世界規模でIngressプレイヤーの動きを見つめている川島さん。その視点は地上にとどまらず、太陽系規模、宇宙規模と縦横無尽に飛び回っていました。その様子は、見ていてうらやましくなるほどフリーダムでしたが、川島さんの軸足となる考え方は「人を外に出す」という非常にシンプルなもの。

Ingressをプレイすると、ゲームの仮想現実世界が現実世界に重なり合ったような感覚が得られると言いますが、実際に人がつながり、変わっていく場になっていることから、プレイヤーは「リアルな世界」にいると言えると思います。ネットを介すことでリアリティが失われるというわけではなく、身近な世界をどっぷり浸れる世界に変えるツールとして用いることができる場合もあるのです。そもそもネットとは、そうしたツールとして考えられたものだったはずです。

川島さんの「世界の変え方」は、今の時代にぴったり合った「自分の変わり方」でもあるのかもしれません。


Ingress公式イベント「Ingress-Abadon-Okinawa

ほかのIngressプレイヤーとともに参加できる無料イベント。レベルに関わらず、すべてのプレイヤーが参加でき、徒歩や自転車を利用してゲームプレイを行います。最後にはミートアップも開催。

  • 日時:12月12日(土曜日)8:00〜19:00
  • 開催地:沖縄県那覇市新都心公園多目的広場
  • 参加費:無料〜

また、Ingressの世界観をもとに書かれた公式小説『イングレス ザ・ナイアンティック・プロジェクト』(星海社)も発売中です。


(聞き手/米田智彦、文/神山拓生・村岡由紀、撮影/神山拓生)

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