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yamasakiyamasaki  - ,,,  07:00 PM

投資において「いい人」ほどうまくいかない理由 ~マネーハック心理学

投資において「いい人」ほどうまくいかない理由 ~マネーハック心理学

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投資において「いい人」と「いやな人」(という区分が適当かは悩ましいところですが)がいたとき、どちらが運用成績が高くなるかというのは、難しいテーマです。

なんとなく「おひとよし」な人より「相手のいうことを疑ってかかるタイプ」のほうが、投資の失敗は少ないような気がします。

おひとよしな人はカモにされて金融商品詐欺にあうリスクもありますが、それ以前に投資心理的に考えてみても、投資において「いい人」はうまくいかない理由があるのです。

投資の非合理的行動を心理学的アプローチから解き明かす、行動ファイナンスという学問があります。その成果をわかりやすくマネーハックに活かしてみる「マネーハック心理学」では今回、「いい人」と投資の関係について考えてみます。


投資において志は大事だが、志でリターンは上がらない


根本的なことを確認しておきますが、「志の高潔さ」が投資のパフォーマンスに影響することはまったくありません。

これは志の高い人ほどなぜか忘れてしまう落とし穴で、「投資を通じて社会をよくしたい」と考えるあまり、よい会社に投資をする自分のパフォーマンスが劣後するはずがないとついつい考えてしまうというトラップに陥りがちです。

「環境負荷の低い工場を建てたA社を応援したいので株を買おう」と考えるのは結構なことです。しかし、その生産物が市場の平均価格より割高であるなど市場のニーズを外してしまえば、業績はむしろ下がるかもしれません。そもそもA社の評価はすでに高まっていて、株価が割高なタイミングで買ってしまえば、その後成長しても株価は伸びないかもしれません。

志で運用成績が上がるのなら、投資は苦労しません。心が清らかな人の投資が成功するのなら、証券会社の人間はみないい人ばかりで兜町はクリーンな街になるでしょうが、そんなことはまったくありません。魑魅魍魎の住むダークな街、というほどではありませんが、普通のビジネス街です。

こういう志の高さはオーバーコンフィデンス(自信過剰)と結びついてしまうのでしょう。行動ファイナンスの研究では、自信過剰が投資にマイナスの影響を及ぼすことが指摘されています。自分の判断に対する過信、ないし選択した投資先への過信はパフォーマンスにつながらない、という単純な事実を失念してしまい、結果として運用成績がダウンする可能性を抱えてしまうのです。

なにも志がない投資は確かに味気ないかもしれません。ただし、志が運用の本来の目的である「増やす」を相殺するようでは困ります。


泥臭い1万円も高潔な1万円も株式市場では条件は同じ


別の言い回しをしてみます。汗水流して働いた尊いお金の一部を投資に回すことを決断し、社会をよくしたいと思って投資企業を選んだとしても、その1万円に「いいことプレミアム」はありません。

1万円札がシワクチャであっても刷り立てでピンとした新札であっても同じ1万円の価値を持つように、投資資金として見た場合、どんな1万円も1万円分の購入しかできません。

そもそも、株式市場の外で個人がなにを考えているかなんて、株式市場の中ではまったくどうでもいいことです。クリーンな1万円だから企業が株主として特別扱いをしてくれたり、配当を多く与えるなんてことはありません。

むしろ、自分のお金に思い入れを持って余計な判断材料を増やすことは、投資における判断を偏らせてしまいます(バイアス)。自分の現状が投資判断に大きな影響を与えてしまう、現状維持バイアスが広く知られていますが、「いい人バイアス」があなたの投資を歪めてしまわないよう意識をするべきだと思います。


企業の社会性が問われる時代だが、そこで商売をする者もいることを考えておく


といいつつ、実は「世の中のために投資をしよう」という投資方針が求められるご時世になっています。

「スチュワードシップコード」、あるいは「責任投資原則」というキーワードが最近新聞にも載るようになりました。国の年金運用を担当するGPIFが署名をしたなど話題にのぼることが増えているテーマです。これは、機関投資家や運用機関は単なる金儲けだけではなく、投資を通じて企業と積極的に対話して適切な企業経営となるよう監督したり、議決権を行使するなどしながら企業価値向上を共に考えていくべきだというアプローチです。

数百億円から数十兆円に及ぶ資産運用を行う機関投資家には、社会的責任があるのは確かにそのとおりですが、個人のわずかな資産運用にまでそうした理想を介入させすぎて、自分の運用成績をダウンさせてしまうのであれば要注意です。

というのも、こうしたアプローチを採用した個人向け商品の多くは手数料が割高になる、つまり金融機関の取り分が高まるということも否定できないからです。

ただ単に「日経平均株価の上下動と同じ割合で値動きするインデックス型投資信託」であれば、運用の仕組みはシンプルですから、金融機関も手数料を多く取れません。しかし「企業の取り組みを常に監督し、毎月100社と面談する投資信託」があったとすれば必ず高コストになります。

「いい人」の志や企業を応援する気持ちが、金融機関の「売上」に転嫁されているだけになってしまってはバカらしいです。しかし、これは現実に起こっていることでもあります。

とある投資信託は社会責任投資をうたっており、販売時に購入費用の3%、運用時は年率1.9%の手数料を引きますが、過去1年の運用成績は4%でした。これをみて、定期預金と比べれば高利回りだと思うのはお人好しです。ただ単にTOPIX(東証株価指数)に連動する投資信託を買っていれば、8%も増えていたります。手数料は購入費用にはかからず、運用時の費用が年0.4%という商品が実際にあります。誰の利益が差し引かれ、誰の利益となっているでしょうか。

私は、投資はベーシックにやって、社会貢献は寄付とボランティアでやるほうが個人としてはベターな選択肢だと思います。「いい人」が運用成績でもいい成績になるほど世の中は単純ではありません。「世の中にとっていい会社を応援しよう」と言われるとつい頷いてしまう「いい人」は要注意です。

「いい人」と「いい投資」は、分けてみてはどうでしょうか。


(山崎俊輔)
Photo by PIXTA.

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