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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

マイナンバー制度はビジネスチャンスになる?

マイナンバー制度はビジネスチャンスになる?

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2016年1月からマイナンバー制度の運用が始まりますが、これを「一発当てる絶好機」だというのは『士業・コンサルタントのためのマイナンバーで稼ぐ技術』(横須賀輝尚、馬塲亮治著、飛鳥新社)の著者。

ご存知のとおり、マイナンバーとは個人にIDが振られる制度。社会保険や税制度などの手続きを行う際には、個人番号が必要になるわけです。だとすれば、そのための対応に追われることになるのが国内の企業。マイナンバーはすべての企業にとって強制なので、企業は担当者を置いて社内周知を行い、情報管理規定をつくらなければならないのです。

ポイントは、マイナンバー対応の担い手は行政書士、社会保険労務士、税理士などの士業、そしてコンサルタントだという点です。日本の大企業は1万社以上、中小企業は300万社におよぶため、対応できる専門家を探すことは企業にとっての急務。つまり企業の身近にいて、法律や税金、労務管理、経営に携わる士業やコンサルタントにとって、この制度の運用開始はビジネスチャンスになるということ。

本書ではそのための活用術が紹介されているわけですが、必ずしも士業やコンサルタントなどに限らず、資格のない経営・人事コンサルタントや、フットワークの軽い個人事業主、小さな会社の経営者にも利用価値があるそうです。第1章「なぜ、『マイナンバー』はビジネスチャンスなのか」を見てみることにしましょう。


ベテランも新人もこのチャンスの前では横一線


「マイナンバーで稼ごうとはいっても、専門家ではないし、この分野を勉強してきたわけでもない」。こんな理由から、なんとなく積極的になれないという人もいるでしょう。しかしそのことについて、著者は「日本には、これまでマイナンバーの専門家は一人としていなかった」と指摘しています。

マイナンバー自体が新しい制度なのですから、当然といえば当然の話。いまでこそ専門の士業やコンサルタントが出てきているものの、その大半が最近、準備をはじめたばかりにすぎないといいます。つまり全員が、ほぼ同じスタートラインに立っているということ。実務経験の差はあるでしょうが、この新法に関する知識のレベルにはさほどの違いはないのです。

たとえば1989年に開業した税理士は、まわりにベテランがいても、対等以上に仕事が取れたのだそうです。その理由は「消費税」。それまで存在しなかった新税制が導入されるなか、いちはやく消費税に対応できた税理士が、顧客の信頼を獲得して大躍進したわけです。この例が表すとおり、法改正・新法施行に関わるタイミングでは、実力差や経験差がハンデになりにくいということ。(23ページより)


マイナンバーで生まれるビジネスチャンス(顕在ニーズ)


では、士業やコンサルタントにはどんなビジネスチャンスがあるのでしょうか? この場合のビジネスチャンスとは、マイナンバー対応を迫られる企業からのニーズですが、これには「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」があるそうです。前者は、企業がすでに気づいているもの。後者は、企業がまだ気づいておらず、士業やクライアントからいわれて初めて気づくニーズ。まずは顕在ニーズから見ていきましょう。


情報が「価値」になる


マイナンバーは新しい法律ですから、情報が「価値」になります。情報とは、「企業はどのようなマイナンバー対応を求められるのか」などの基本事項から、他社の取り組み状況の確認、あるいは「マイナンバーでなにかビジネスができないか」という応用的なアイデアまでを含む広範なもの。そしてマイナンバーは「義務」なので、企業としては正確な情報をいち早く入手する必要があるということ。つまり企業側の求める確かな情報を迅速に集められれば、それがお金になるわけです。

情報を得るためマイナンバーのセミナーに参加するのは企業の担当者ですが、現実的には、担当者ひとりが理解しただけでは不十分。しかもマイナンバーの取り扱いを間違えば、会社に大きな損害を負わせてしまうことになります。そこで必要になってくるのは、従業員一人ひとりへの周知と教育、つまり研修です。

大企業なら法務部、総務部、人事部などがマイナンバー研修に対応する部署。しかし中小企業には、担当者を置く余裕などないものです。とはいえ法律がそんな事情を考慮してくれるはずもなく、「知らなかったから」と違反すれば罰せられます。そこで生まれてくるのが、「研修代行」というビジネスチャンス。


規定・書式の整備


マイナンバーに対応した規定や書式の整備も、企業から求められているそうです。企業はマイナンバーの取り扱いに関する社内規定をつくる必要があり、なかには就業規則の見なおしなど、社会保険労務士の資格がなければできないことも。また企業は従業員のマイナンバーを預かるだけでなく、「社会保険の被扶養者」となっている従業員の家族のマイナンバーを預かるケースもあるでしょう。その際、情報管理規定や預かり証などがない場合、マイナンバーの提出を渋る人も出てくるはずです。そうした抵抗を避けるためにも、会社に個人情報の取り扱いについての規定や書式があれば、スムーズに手続きを進められるわけです。

マイナンバーはおもに社会保障・税関係の新たな制度ですから、場合によっては既存の申請書類やシステムでは対応できず、変更する必要性が出てくる場合もあります。書面で申請手続きを行っている場合は対応した書類を関係機関から入手すればすみますが、電子化されている場合は、対応した業務用ソフトや、新しいITシステムの導入、バージョンアップが必要になるということ。これは士業やコンサルタントには直接関係のない問題ですが、ITシステム企業にとっては大きなチャンスになります。(以上27ページより)


マイナンバーで生まれるビジネスチャンス(潜在ニーズ)


マイナンバー対応にはお金がかかるので、企業側に資金需要が生まれ、今後は助成金に関する仕事のニーズが強まることが予測されます。特に影響が大きいのは、社会保険の未加入企業。原則として、法人の社会保険加入は義務であり強制。しかし、それは法律上のことで、社会保険に未加入の中小企業も実際には多く見られます。

ところがマイナンバーの導入がきっかけになって、社会保険の加入は促進される見込みだといいます。これまでは社会保険と税金を統合するような制度はなかったため、労働者個人の社会保険料と年収のデータに矛盾があっても、気づかれることは少なかったのです。法人に勤務していて、社会保険ではなく国民健康保険の加入者だったとしても、たいした問題にはならなかったわけです。

ところがマイナンバー導入後は、個人の社会保険や納税状況のすり合わせが簡単にできるようになり、企業が社会保険未加入かどうかがすぐに発覚してしまう可能性が出てくるということ。そのため、社会保険労務士が取り扱う社会保険の手続き業務は増加するということです。社会保険の支払いが急に増えることは、資金繰りの厳しい中小企業にとって大きな負担。そこで金銭的な負担増加で、経営を圧迫される企業は今後増えていくといいます。そうならないために、中小企業における社会保険加入対策の一環として、資金需要が生まれるのです。そしてその影響で、社会保険労務士はこれまでより助成金の申請を提案しやすくなります。また、行政書士や税理士など融資業務の専門家にとっても、大きなチャンスになるということ。


優良企業の認定需要


2015年から厚生労働省によって「安全衛生優良企業公表制度」(優良企業認定)がスタートしました。有給休暇の消化率など、一定の条件を満たした企業を「優良企業」と認定し、公表するというもの。マイナンバーの導入により社会保険の加入が促進され、企業のホワイト化がより求められるようになっている現在、「ならば思い切って本物のホワイト企業を目指そう」という企業も出てくることが予想されるといいます。そこでマイナンバー導入時にこうした制度も提案することで、さらなるニーズも期待できるそうです。


PマークやISMSの資格需要


「個人情報保護法」ができてから、情報漏洩に厳しい風潮が生まれましたが、その傾向はマイナンバー施行でさらに強まるとか。そこで、「プライバシーマーク」(以下Pマーク)や「ISO27001」(以下ISMS)の資格ニーズが高まることが予想されるといいます。

Pマークは個人情報を適切に取り扱うための審査・認定制度で、審査は一般財団法人日本情報経済社会推進協会に指定された事業者団体が行うもの。取得申請は民間のコンサルティング会社に委託するケースが多く、数10万~100万円ほどの費用がかかるそうです。一方のISMSは、情報セキュリティマネジメントシステム(Information Security Management System)の頭文字をとったもので、基準を満たして審査をクリアすることによって取得が可能。Pマークはおもに個人情報の取り扱いに関する認証で、ISMSは企業における情報セキュリティの信頼性の証明になるもの。

これらの資格の取得は、企業経営にとって優先順位が高いとはいえなかったため、これまでは大きな企業が取得する傾向が強かったのだとか。しかしマイナンバーの導入に際して企業の信頼性を高められるという点で、いま改めて注目されているのだそうです。


従業員の副業を認める制度需要


インターネットを通じて手軽に副業ができる状況になったこともあり、従業員の副業を禁止するという風潮も前時代的なものになりつつあります。そうでなくともマイナンバーの導入によって行政の縦割り管理が解消されると、副業の露呈率はより高まります。そこで、従業員の副業をどのように規則化していくのかという切り口から、労務コンサルティングに入っていくという需要も生じてくる可能性があるといいます。「副業=処罰」といった考え方ではなく、「副業を認めつつも会社に貢献してもらう仕組み」づくりが、今後求められる労務管理のひとつになるということ。(以上31ページより)

マイナンバーの導入によって士業やコンサルタントは、これだけのビジネスチャンスを手に入れられるわけです。法律が変われば、それに対応するための新しいノウハウが求められ、それがビジネスになるということ。だからこそ、いますぐ行動を起こすことが大切だと著者は訴えています。




ビジネスとしての仕組みやアイデアだけでなく、基本についてもしっかり解説されているところが本書の魅力。つまり、マイナンバーについて理解するためにも格好な内容だといえます。


(印南敦史)

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