• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,,,,,,,  08:00 PM

独占取材!素敵すぎるベルリンのサウンドクラウド本社オフィスに行ってみた。

独占取材!素敵すぎるベルリンのサウンドクラウド本社オフィスに行ってみた。

1510soundcloud1.jpg


こんにちは、先月より、ベルリン発のスタートアップを紹介する記事を連載させていただいている、ベルリン在住フリーランス生け花アーティスト兼ビジネスコンサルタントの小野里衣です。第二弾となる今回は、ライフハッカー[日本版]編集長の米田さんと共に、ベルリンスタートアップブームの火付け役とも言えるSoundCloud(サウンドクラウド)へ訪問し、オフィスデザインや社員の労働環境について取材してきました。

サウンドクラウドとは
2007年にスウェーデン人の現CEOであるアレクサンダー・リュングによりベルリンにて創業される。音楽共有プラットフォームの草分け的存在。創業初期より、アップロード可能な曲の多さや楽曲の共有しやすさ、柔軟性から、ミュージシャンやDJなどの間で話題になり一躍有名に。今では数々の著名アーティストもまずはサウンドクラウドで楽曲発表をしてから販売を開始しているなど、そのユニークな存在感が従来の概念を覆す音楽共有プラットフォームと評価されている。既に合計1億2000万ドル(約147億円)を超える投資を受け、昨年末、更なる1億5000万ドル(約180億円)の投資を協議中であり、実現すればその企業価値は12億ドル(約1463億円)になると言われている。ユニークリスナー数は1億7500万人以上、毎分12時間分のオーディオファイルがクリエイターたちによってアップロードされている。

社員のための"家"のようなオフィスという考え方


現在、彼らのオフィスは、グーグルがサポートしておりTwitterやUberなども入っているベルリンのスタートアップ震源地、Factory Berlin(ファクトリーベルリン)の中に入っています。非常に大きなコンクリートのビルのうち、2〜4階までの3フロアすべてをサウンドクラウドのオフィスが占めています。


1510soundcloud2.jpg

ファクトリーベルリンの外観。手前に見える緑の芝生は、ベルリンウォールメモリアルパーク。かつてベルリンの壁があった場所です。ベルリンには至るところに歴史を感じる記念碑があります。


到着して少し取材をしたあと、30分ほどかけて全フロアを周るオフィスツアーに参加しました。今回オフィスを案内してくれたのは、本社ベルリンオフィス所属のグローバルオフィスマネージャーであるEmily Lannon(エミリー・ラノン)さんです。


1510soundcloud3.jpg

左:エミリー・ラノンさん、右:筆者・小野。
取材で訪れた部屋の名前はKreuzberg(クロイツベルク)。クラブやバーが多くあるベルリンのホットスポットの地名です。部屋のあるフロアはベルリン。それぞれのフロアに彼らのオフィスのある街の名前、ミーティングルームにはその街の人気エリアや音楽にゆかりのある地域の名前がつけられています。早速遊び心を発見しました。


サウンドクラウド参加以前、エミリーはデザインコンサルティング企業のIDEO(アイディオ)に所属していたそう。IDEOはアップルの初代マウスデザインに関わったことで有名な企業であり、日本支部であるIDEO TOKYOとライフハッカー[日本版]は共催でワークショップも行っています。サウンドクラウド本社のオフィスデザインにおいて、IDEOでの経験を生かし、オペレーションを担当したそうです。


── オフィスのデザインコンセプトについて一言で言い表せる言葉はありますか?

エミリー:一言で言うなら、 まるで"家にいるような環境"を作るように、と心がけています。サウンドクラウドは現在、ベルリン、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドンと4つのオフィスがあり、30カ国以上の国籍の計300名が働いています。彼らの60%はその街の出身ではありません。そのため、自分の家族も友人もいない街へ移住し、新しい生活を始めていくにあたって、毎日出社するオフィスは、コミュニティやつながりを感じられる場所にする必要があると感じました。

また、そういった世界中から集まる才能のある社員が、お互いに良い影響を与え高め合うためにも、各々のワークスペースの周りに必ずリラックスして集まれる場所(外)と集中して作業が出来る場所(内)を作る必要があると考えました。そのため、各フロアやスペースごとに、必ずスペシャルルームと呼んでいる部屋や一角を設けています。


1510soundcloud4.jpg

暖炉のあるスペースでくつろぐエミリーと社員が連れて来ているペットの大型犬。ベルリンの冬はマイナスになることも当たり前、日照時間も短いため、冬のくつろぎの空間だそう。


たとえば、"グリーンルーム" にはプランツをたくさん置いていますが、そのプランツは外からの視線を遮りその一角を死角のようにする働きも同時にしています。その他、"ピンポンルーム"、"マザーズルーム"など、すべてその名前通りの使い方をしても良いですが、単純に、ちょっと電話をかけにいきたいというときや、リラックスしつつも1人きりで集中的に作業がしたいというときに使われたりもしています。すべてのスペシャルルームは、用途を特定せず、誰でもフレキシブルに使用できるようになっています。


1510soundcloud5.jpg

写真左上から時計回り:グリーンルーム、ライブラリー、マザーズルーム Photo by Christian Werner. 写真左下:ピンポンルーム


大小さまざまな大きさのミーティングスペースもユニークです。従来のデザインは徹底的に排除したとのことで、従来の大きなテーブルが真ん中にありイスが並べてある設計では、少人数でのミーティングの際に、相手との距離感が離れ過ぎてしまい会話に集中しづらくなります。そのため、サウンドクラウドのすべてのミーティングスペースは、少人数でも大人数でもフレキシブルに、そしてリラックスして会話に集中できるようなデザインになっていました。


1510soundcloud6.jpg

左奥がミーティングスペース。適度な距離感でイスが真ん中に配置されており、少人数でも心地良さそう。また、人数が増えたときには、その周りを取り囲めるようなデザインになっています。Photo by Christian Werner.


オフィス内の"音"を徹底的にデザイン


── どれくらいの時間をかけて建設されたのですか? また誰が実際のデザインに携わったのでしょう?

エミリー:デザインコンセプト考案の段階から、ベルリンのKINZO というデザインファームに所属しているTimo NergerとKelly Robinsonの2名をリードデザイナー、プロジェクト・マネージャーとして招きプロジェクトが始まりました。デザインのコア部分やコンセプトを決定していくために必要な、社員の労働環境についてのヒアリングや調査、分析にかけた膨大な時間まで含めると、数十名が関わり完成まで約2年半かかっています。

この建物は非常に大きく、かつてはブリュワリー(ビール工場)であったため、大部分にコンクリートが使用されています。そのまま使用するとエコーがかかってしまいます。それを解決するのが当初の課題となりました。それに、私たちはそもそも"サウンドを提供する創造的なプラットフォーム"でありたいと思っています。そのため、いかにエコーを取り除く材料を美しく機能的にデザインの中に取り入れるか、ということに注力しました。吸音材を壁に張り巡らせれば簡単に解決できるかもしれませんが、それでは景観を損ないますし、膨大なコストがかかります。

そのため、KINZOは約1年もの時間を音の研究に費やし、デザインを行いました。たとえばレセプションにあるベンチ上下の境目には溝が作られていますが、これは音を吸収するためです。


1510soundcloud7.jpg

左:エミリー、右:ライフハッカー[日本版]編集長の米田さん。上下のベンチの狭間にある溝が、吸音の役割をしています。


レセプションは多くの人が訪れ、社員の誰かと一番始めに会う場所であり、必ず会話をする場所です。ときには、そのまま簡単なプレゼンテーションが繰り広げられることもあります。限られたスペースの中で、各々の会話を遮らないような配慮を、景観を損ねることなく張り巡らせることに特に注力したとエミリーは言います。そして、そういった配慮はオフィス内の至るところに張り巡らされていました。


1510soundcloud8.jpg

ランプシェードが吸音の役割を担っています。Photo by Christian Werner.


1510soundcloud9.jpg

左側の水道の隣の凹みはベンチになっており、そこに座って話しても通路側に声が聞こえません! ちょっと電話をしたい時に、仕事中の同僚を邪魔しないようにという配慮だそう。これには驚きました。Photo by Christian Werner.


カフェはオフィスの"ハート"


30分ほどのオフィスツアーと取材を終えたあと、私と米田さんは、ケイタリング会社を招いて週に2回社員に無料でふるまっているというランチに飛び入りで参加させてもらえました。


1510soundcloud10.jpg


カフェはケイタリングの列に並ぶ社員でごった返しています。左からビーガン、肉と並んでおり、私たちは肉のランチの列に並びました。当日の肉メニューは鳥胸肉と青豆のマレーシアンカレー。付け合わせにトマトサラダとグリーンサラダもついています。栄養もばっちり考えられていますが、味も最高でした。


1510soundcloud11.jpg


その日のメニューはカフェの壁面に設置されているスクリーンで確認できます。スクリーンには、リアルタイムでサウンドクラウドについてつぶやいているTwitterのフィードや、サウンドクラウド主催のイベント情報なども表示されます。

カフェの入り口には、ランチについてのアンケートを収集するためのiPadが設置されていました。半年間集計を取り、その次の半年間のメニューに反映されるそうです。社員の健康への心遣いも細かく張り巡らされています。


1510soundcloud12.jpg

写真左:サウンドクラウドに関するリアルタイムのTwitterフィード。「Spotifyよりサウンドクラウドで新しい才能を発見する確率が遥かに高い」。写真右:ランチのアンケート用iPad。これなら簡単に協力できます。


列に並んでいる間にふと右側の壁を見ると、一面にサウンドクラウドの歴史を記録した写真が飾られています。印象的だったのは、2016年の隣に空いているスペース。まだ見ぬ未来へもこの会社の歴史を描いていく、という意思を感じさせるようでした。


1510soundcloud13.jpg


カフェを見渡したときに、このカフェを取り囲んでみなが好きな場所で好きなように食事をしているのが一望でき、まるで巨大な家の中にある大きなダイニングルームのようです。


1510soundcloud14.jpg


── とてもにぎわっていますが、ランチ時はいつもこのようになるのですか?

エミリー:そうですね、無料のランチのせいでしょうか。特にケイタリングがくるときは必ずこうなります(笑)。でも、ここには時間を問わず、いつでもたくさんの人がいます。街中のカフェのようなスペースをオフィス内に持っている会社は多くありませんが、ここにはその雰囲気があります。それこそ街中にあるカフェにでも行ったかのような、リラックスできる雰囲気が、異なる役割を持った他部門の社員同士が情報共有をしたり、単純にコミュニケーションを取ったりしやすくさせるのでしょう。逆に、スターバックスで何時間も仕事をしているフリーランサーのように、この場所で長時間仕事をしている社員もいますが、彼らもリラックスできる雰囲気の方が、仕事がはかどるのかもしれません。

レセプションからそのまま上がってくることが出来るので、外部の人を呼んでパーティーをしたり、イベントをするときにもこの場所を使っており、常に人が集まります。先ほど説明したように、内と外のメリハリのあるオフィス作りを目指しましたが、このカフェはまさにオフィスのちょうど真ん中に位置し、内と外、すべてをつなぐオフィスのハート部分だと言えます。


151106soundcloud19.jpg

イベントオーガナイズの募集がカフェのスクリーンに。


151106soundcloud20.jpg

カフェの一番奥にはDJブースも。さすが音楽スタートアップ!


新しいアーティストが次々と生まれ、世界中のファンから愛される創造性に富んだプラットフォーム、サウンドクラウドがどのような場所で運営されているか、伝わりましたでしょうか。

筆者は、外見だけではなく、社員の心情を気遣う、細部まで行き届いた思いやりがあるからこそ、真に機能的であり、同時にクリエイティブであれる、というデザインの奥深さを学べた気がします。

追記ですが、サウンドクラウドはベルリンへの貢献活動として、地域支援団体のサポート活動や、社員が実際に難民支援のためのボランティア活動も始めたそうです。

今後もサウンドクラウドの新しい挑戦に期待です。


(文・翻訳/小野里衣、聞き手・構成・写真/米田智彦)

MORE FROM LIFEHACKER

powered by
    
    
    
  

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.