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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

ビジネスの現場に生かせる哲学者の言葉

ビジネスの現場に生かせる哲学者の言葉

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この本は、生活のあらゆる場面で役立つ哲学的な考え方を伝授します。偉大な哲学者たちから不朽の教えを学び、そこから日々の生活に役立つスキルを身につけましょう。のんびりと心を落ち着かせ、時には恥じらい、そして時にはチョコレートの箱を丸ごと食べてしまうような大胆さも身につけましょう!(「はじめに」より)

上記のメッセージからも判断できるとおり、『恋に嘘、仕事にルブタンは必要か? 心が楽になる57の賢人の言葉』(レベッカ・ラインハルト著、小嶋有里訳、CCCメディアハウス)は、恋愛から仕事までの57項目について、プラトン、カント、ソクラテスらの先人たちの言葉を引き出して解説したユニークな内容。

ターゲットは女性ですが、男性読者にとっても、"女性という得体の知れない未知の生き物"を案内してくれる、理想のナビゲーションになるはずだと著者は記しています。謎に満ちた女性の欲求、主張、憧れを、気づかれずに観察できるようになるということ。そして、以下の記述も気になるところです。

もうひとつだけ秘密をこっそり教えると、哲学は決して消化不良を起こさせるようなものではありません。時に楽しく、そして時にちょっぴり魅惑的なものでもあります。(「はじめに」より)

さて、どんな内容なのか。Chapter 04「仕事」から、いくつかを引き出してみましょう。


冷静さ(ヘラクレイトス)


月曜日 部署が解体されることを上司から告げられ、自分がクビになることが判明。その時は必死に冷静さを保ちつつも、職探しに奔走する羽目になることを考えるとゾッとしてしまう。

火曜日 高校時代の古い友人から電話がきて、彼の会社の管理職ポストをオファーされる。さっそく再就職を祝ってシャンパンを冷やさないと。

水曜日 郵便受けを見にいこうと階段を降りていくときに足を踏み外し、左足の親指を骨折。あまりの痛みに泣きながら、運命の意地悪さを恨みつつ病院へ。

木曜日 見舞いに来るといってきたトラブルメーカーのいとこから、やはりキャンセルの知らせ。「助かった!」という思いに包まれ、安静にすべきところ、うれしさからくる興奮が収まらず。

金曜日 女王のように過ごせた個室から、二人部屋に移動することに。病院の会計カウンターでごねるも空しく、しかし相部屋となった患者は有名女優だったことが判明。

このようにいろいろなことが起きて興奮気味の人のために、著者はヘラクレイトスの言葉を引き合いに出しています。

「万物は流転する」

毎日毎日、予想もつかないことが起こりますが、じたばたせずに常に冷静に。今週はあと何が起こるのか、ゆっくり待ち構えようではありませんか。(104ページより)

「暗い哲学者」と呼ばれたヘラクレイトス(前520頃~前460頃)。著者はパラドックスを抱えたわずかな断片のみという謎めいた人物である彼によれば、世界は絶え間なく変化し、対立しあうものの緊張に満ちているのだとか。そこでは、昼と夜、温と寒、生と死というように、正反対の存在が絶えずお互いに転換し続けているのだそうです。彼の思想はヘーゲルの弁証法の出発点となり、フリードリヒ・ニーチェやマルティン・ハイデガーにもヒントを与えました。(102ページより)


短気(レフ・トルストイ)


15時3分 約束の時間より30分も早く到着。そんなときにロビーで待つことは、短時間であっても長く感じるもの。あくびを噛み殺し、時計の秒針に目をやること数分。

15時7分 頭が冴えてきて、ふつふつとこみ上げてきたイライラで頭が沸騰。

15時13分 いくら待っても待ち人は来ず、爆発寸前まで血が上った頭のままバッグに手を突っ込み、携帯電話を取り出してみると、メール1件の着信あり...と思ったら、待ち合わせ相手ではなく、義理の母から。

叫び出したくても我慢して、携帯電話の電源をオフに、そして理性のスイッチをオンに。さりげなく足を組んでリラックスしていると、約束の時間がすごい速さで近づいてきていることに気づくはず。ここで引用されているのは、レフ・トルストイの言葉です。

「待つことのできる者にはよい結果が訪れる」(107ページより)

レフ・トルストイ(1828~1910)は、世界文学の巨匠のひとり。作品はロシア・リアリズムに数えられ、長編小説『アンア・カレーニナ』は人間のあり方の分析として最良のもの。ジャン・ジャック・ルソーの「自然と社会」というテーマに影響を受け、哲学的な著作をいくつか残しています。(105ページより)


臆病(ジャン・ジャック・ルソー)


夢を見ているときは喜びにあふれ、悩みなんてないもの。しかし、ちょっとうれしいことがあると、それが間もなくとてつもない悩みになってしまうのが現実。リラックスした時間を過ごしていると、風邪をひくときのおなじみの症状。温かいスープが飲みたくなって固形ブイヨンを探していると、義母が突然訪問してきました。

しかも上司から電話があり、「仕事上のトラブルが起こっているらしい香港に行って来い」とのこと。クリスマス4日前のタイミングで百戦錬磨の中国人ビジネスマンとしっかり契約を結んでこなければならないと考えると、自分が小さく、とてつもなくか弱く思えてしまうもの。そうやって、なんとか立ち向かおうとする人たちにぴったりなのは、ジャン・ジャック・ルソーの言葉。

「臆病は美徳の妨げになるからこそ、悪徳なのだ」(112ページより)

ジャン・ジャック・ルソーは、ジュネーヴ生まれの啓蒙哲学者。先鋭的な社会批判を行い、新しい国家と新しい道徳を説き、有名な『社会契約論』での「自由、平等、友愛」という原則はフランス革命のある種の手ほどきとなることになりました。(111ページより)


復讐(マルクス・アウレリウス・アントニヌス)


上司は表面だけ見てみれば、まったく非の打ちどころのない人物。あっけらかんとして見た目もよく、つまらないギャグもいわないし、ローションの香りも控えめ。部下の能力を認めてくれるし、動物好きで、いつも持ち歩いているのは愛犬の写真。とても魅力的で非の打ちどころがないのですが、優柔不断な性格のため毎日残業を強いられることだけが唯一の問題。

そのため、上司がひとつの決断を下すのに数時間かけている間は、こぶしを固く握り締めて復讐を誓うことに。でもそんなときは、まず自分の脈に指を当て、どれだけ血圧が上がっているかを測ってみるべきだと著者はいいます。低俗な本能に従うべきではないということで、ここではマルクス・アウレリウス・アントニオスのアドバイスが登場します。

「(目には目を)の復讐を放棄することこそ、最高の復讐だ」(115ページより)

上司には冷静にお返しをするのがいちばん。クールに辞表を提出することこそ、最高の復讐だと著者はいいます。

マルクス・アウレリウス・アントニオス(121~180)は、ローマ帝国の哲人皇帝。最後の、そしてもっとも有名なストア派哲学者の代表です。哲学界のベストセラーである『自省録』は、自分自身との内なる対話として、一種のメディテーションとして書かれたもの。仕事でも家庭でもストレスにさらされ、心の拠り所をなくした人におすすめだそうです。(114ページより)




著者は、この本を楽しむためにはなにも必要ないと記しています。どこから読んでも、一気読みしても、1日1ページでも好きなように読めるということ。それが先人の思想に興味を持つきっかけになるのですから、読んでみれば得した気分になれるかもしれません。


(印南敦史)

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