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ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,  10:00 PM

情報を瞬間移動させる量子テレポーテーション、100kmの新記録を樹立

情報を瞬間移動させる量子テレポーテーション、100kmの新記録を樹立

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Popular Science:テレポーテーション(瞬間移動)と聞くと、SFの世界が思い浮かびますね。でも、それを実現できた人は誰ひとりいません。形のある物体をぱっと消して、別の場所へ移動させるといった芸当ができるのは、ハリー・ポッターか『スター・トレック』のカーク船長くらいでしょう。でも、移動させるものが情報であれば、話は別です。


およそ100キロメートルの量子テレポーテーションに成功


ある科学者グループが今年9月、量子テレポーテーション(量子空間転移)の距離で世界記録を達成しました。長さが62マイル(およそ100キロメートル)を超える光ファイバーの両端に光の粒子(光子)置き、一方からもう一方の光の粒子へと、メッセージを瞬間的に移動させることに成功したのです。つまり、量子の情報が、1つの光子からもう1つの光子へと、その間に横たわる距離を実際に移動することなく伝わったわけです(この実験で光ファイバーが使われたのは、2つの光子を遠く引き離したままにするためでした)。

アメリカ国立標準技術研究所(NIST)で研究を行なっているNTT物性科学基礎研究所の武居弘樹氏が開発したこの技術は、ハッカーから情報を保護する取り組みを大きく前進させるかもしれません。この技術が実用化されれば、量子中継と呼ばれる中継方式の基盤ができ、その中継器をつなぐことで、長距離間でデータの安全な瞬時送受信を実現できるのです。

コロラド州ボールダーにあるNISTの電子工学エンジニアMartin Stevens氏は、「こうした技術の応用として初めて実用化されるものの1つが、安全性の高い一種の通信リンクです」と述べています。Stevens氏は、光学関連の学術誌『Optica』10月号で今回の実験結果を発表した、武居氏率いるチームの一員でもあります。

この度の成果は驚くべきもののように思えますが、遠く離れた粒子間のテレポーテーションは前例があります。88マイル(およそ143キロメートル)という、現時点の最長記録を持っているウィーンの研究チームは2012年、カナリア諸島の2つの島の間に夜間、レーザー光線を照射させ、テレポーテーションを成功させています


実用化はまだ先のこと


屋外で光線を照射させる方法は、衛星と量子通信を行なう際には役に立ちます。しかし、日常的に地上で行なおうにも、実用的だとはとても言えません。間に遮るものがあってはならないからです。Stevens氏は次のように述べています。

建物のような光を遮断する物があれば問題です。都市のような環境では、地下に埋設した光ファイバーを使う方が、はるかに好都合です。

光ファイバー内に存在する光子間に長距離リンクを構築するのは難しいとされてきました。ファイバーの中を移動する間に光が吸収されてしまうからです。けれども、スイスの研究グループが2014年、15マイル(およそ25キロメートル)のテレポーテーションに成功して、それが挑戦すべき目標となりました。

その記録を破るべく、武居氏の研究チームはまず、「薄気味悪い」つながりを持つ光子のペアを作りました(距離に関係なく互いに影響し合う量子もつれをアインシュタインが「薄気味悪い遠隔作用」と呼んだのは有名な話です)。ペアになった2つの光子は「量子もつれ」の状態にありました。量子もつれとは、片方の光子に何らかの変化が起きれば、互いにどれほど遠く離れていようと、もう片方にも瞬時に影響が及ぶ関係を意味します。2つの光子のうちの1つは、62マイル(およそ100キロメートル)もの長さのらせん状光ファイバーの先端に送り込まれましたが、その薄気味悪い関係は保たれたままでした。

次に、一定の間隔でパルスを発するレーザーから取り出した光子を3つめの要素としてそこに加えました。その光子は、単一バイナリデータでコード化されていました。現代のコンピューターは情報を1や0のビットで扱っていますが、それと似た感じで、光子はレーザーのリズムとまったく同じか、1兆分の1秒の遅れがあったかのいずれかのパルスにエンコードされていたのです。

コード化されたその光子は、量子もつれの状態にある光子の1つと重ね合わせられました(光ファイバーの先端に送り込まれなかった方の光子です)。すると、この2つの光子が混ざり合う過程で、データが時おり伝達されました。4回に1回の割合で、コード化された光子と重ね合わせられた光子は、相反する状態になりました。つまり、一方はレーザーのリズムと同じ状態に、他方は遅れた状態になったのです。そして、互いが異なる状態になると、光ファイバーの先端の、量子もつれの関係にある遠くの光子も瞬時に、その片割れと同じ状態、つまり、コード化された光子と逆の状態に変化しました。

量子もつれの関係にある光子間の状態転送は瞬時に起きました。とはいえ、遠方の光子の状態を知るには、光速でさらに別のメッセージを送らなければなりません。そのため、テレポーテーションによって情報を送るスピードが制限されてしまいます。

原理を証明する実験においては、実用化の前に取り組むべき数々の技術的な問題に突き当たります。1つ例を挙げましょう。量子テレポーテーションのこの方法は、検知器を絶対零度(物質が到達可能な最低温度。-273.15度)よりもわずか1度高い温度に保たなければうまくいきません。これは、冥王星の表面よりも低い温度です。かなり高価な大型冷凍庫が必要になりますね。

トロント大学の量子物理学者Aephraim Steinberg氏は、次のように述べています。

テレポーテーションは、量子力学用語の中でもっとも心惹かれる言葉の1つです。けれども、今すぐに実用化できる段階にはまだ達していません。

しかしながら、Steinberg氏をはじめとするほかの研究者たちは、この実験ならびに世界各地で実施されている同様の取り組みを見守っており、新たな通信技術が生まれることを心待ちにしています。もしかしたら、量子インターネットがいずれ誕生するかもしれませんね。


How Physicists Quantum Teleported Information Over 62 Miles | Popular Science

Devin Powell(訳:遠藤康子/ガリレオ)
Photo by Shutterstock.

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