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大嶋拓人大嶋拓人  - ,,,,,,,  08:00 PM

全ウェブの24%を支える「WordPress」の生みの親、マット・マレンウェッグ氏来日インタビュー

全ウェブの24%を支える「WordPress」の生みの親、マット・マレンウェッグ氏来日インタビュー

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個人のブログから大手メディア企業にも採用されているブログプラットフォーム「WordPress(ワードプレス)」。コンテンツマネジメントシステム(CMS)として世界的にも圧倒的な知名度があるのでご存知の方も多いでしょう。運営会社のAutomattic社は全社員がリモート勤務の会社として知られ、先日ライフハッカーでも唯一の日本在住スタッフを取材しました

今回ライフハッカーでは、コファウンダーのマット・マレンウェッグ氏の来日に合わせてインタビューをする機会を得ました。マレンウェッグ氏は、2008年にビジネスウィークが選定した「インターネットで最も影響力のある25人」に選ばれ、24歳という最年少の若さでスティーブ・ジョブス、スティーブ・バルマー、ジェフ・ベゾスといった大物に肩を並べた人物です。WordPressが世界的な影響力を持つことになった理由や、コファウンダーとしての考え方について詳しく伺いました。記事の終盤には、マレンウェッグ氏が個人的に実践している仕事術(集中力を持続させるためのコツ)を4つ紹介してくれたので、合わせて読んでみてください。


大手メディア企業がWordPressを使う理由


── 先発サービスではないのに(Bloggerなどがもっと以前にリリースされていたのに)、WordPressの現在のCMSマーケットシェアが58.7%と突出している理由はなぜだと思いますか?

マレンウェッグ氏:いくつかあると思います。まず1つは、これまで長い間このサービスにコミットしてきたから、ということでしょう。何年もかけてソフトウェアを改善して、何千人という人が開発に協力して作り上げたので製品としての完成度が高いのです。

もう1つ言えることは、WordPressはオープンソースで世界中のコミュニティーに根ざしたプラットフォームなので、素早く動けて変化に柔軟という点です。現在のWordPressは5年前のWordPressと比れば、見る影もないほど変化しました。これまで私たちが取り組んできた製品は、プロジェクト名こそWordPressという名前で統一されていますが、中身はまったく別になっているわけです。5年後には、今のWordPressとは思えないくらいの変化を遂げていることでしょう。


── マーケティングに力を入れていたわけではない?

マレンウェッグ氏:WordPressの広告なんて見たことないですよね?笑 Wired.comやThe New Yorkerといったメディアを運営している会社は、作ろうと思えばどんなサイトでもお金をかけて作れると思います。それなのに、彼らがWordPressを選ぶ理由は、WordPressの信頼性や品質が高いからだと思っています。

とは言っても、ウェブでWordPressを使っていないサイトを見つけると、サイト運営者に「WordPressを使ってみたら?」とメールを送ることはありますけどね。


── CEOのあなたから直接メールを送るんですか?

マレンウェッグ氏:そうですよ。「何だコイツは?」という感じで、軽くあしらわれることもありますけどね(笑)。「WordPressのコファウンダーから突然メールが来た」というタイトルのブログ記事を見つけたこともあります。


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WordPressのサイトとロゴ


── Automattic社員が共通して持っている目標やビジョンはありますか?

マレンウェッグ氏:WordPressの大きな目標は、情報発信の市場を創り出すことです。WordPressでは、直感的で使いやすく、言葉やスキルに関係なく世界中の誰でも使えるようにすることでこれを実現しようとしています。

現時点で、全世界のウェブ上でWordPressを使っているサイトのシェアは24%あります。これは本当に嬉しいことです。ただ、あと76%分の道のりがありますけどね。


リモート勤務でも、リアルに会うことは大切


── WordPress.comを運営しているAutomattic社ではほとんどすべての社員がリモート勤務をしていると聞きました。リモート勤務を成功させるコツは何かありますか?

マレンウェッグ氏:個人レベルの話になってきますが、日常の中にルーティンを作ることが大切だと思います。リモートで働いていても、朝にシャワーを浴びて、ニュースを読んで、といった通常のルーティンをキープすることです。健康に気を使うことも大切です。リモートで働いているなら、これは実行しやすいはずです。時間の自由が利くので、空いている時間にジムへ行くこともできるからです。

オンラインツールの例で言えば、P2というWordPressのテーマを使っています。これは、メールの代わりになるようなツールで、ここでプロジェクトの進捗をシェアしたり、新しいデザインを共有したりしています。チャットツールは「Slack」を使っています。ビデオチャットには「Zoom」やGoogle Hangoutsを使っています。

同じチームにいれば年に2〜3回は会う程度。1年に1回は全社員が集まる機会を設けています。それぞれのチームは5〜10人程度で、世界中に散らばっています。この単位はとても小さいですよね。社員は400人近くいますが、動きはスタートアップのように俊敏なんです。


── 情報はウェブ上で伝えられるけど、回数は少なくてもリアルに顔を合わせるのは大切だということですか?

マレンウェッグ氏:そうですね。この答えは今後も同じだとは言い切れませんが、たまにリアルで顔を合わせる機会があることはとても重要だと思います。でも毎日リアルで会うことは重要だとは思っていません。世の中のほとんどの企業は毎日出社することを求めていますが、顔を合わせる最適な回数は「毎日」と「年に1回」のどこか中間にあると思います。この答えは、チームによっても違うのかもしれません。どちらにしても、私たちの会社でもまだ答えは出ていないですね。

ただ、近未来的な話をすれば、デジタルコミュニケーションの品質はどんどん上がっています。どんどんリアルに近づいているので、いつか「オンラインで話すのもリアルで話すのも変わらない」という時代がやってくることも想定できます。そうなれば、「年に1回全社員が世界中から集まる」ということすら必要なくなるかもしれません。


151020matt2.jpg都内のレストランにて業界人と会うマレンウェッグ氏。(左)Foursquare 共同創業者 Naveen Selvadurai(ナヴィーン・セルバドライ)氏と、(右)ベンチャーブログ Gigaom 創業者の Om Malik (オム・マリック) 氏。


── 仮想現実(VR)のテクノロジーも最近注目されていますね。

マレンウェッグ氏:現実的になってくれば、真っ先に導入しますよ。開発に携わっている友人からいろいろ話は聞いていますので。


社員に求めることは、仕事のアウトプットだけ


── 大抵の人にとってはリモート勤務なんて聞き慣れないわけで、「リモート勤務で本当に会社は成り立つの?」とか、「いくらでも仕事サボれるじゃん」なんて思う人も多いと思います。例えば、リモート勤務なら出社時間も退社時間もないし、昼食の時間もありません。もっと言えば平日も休日もないわけで社員がいつ働いているかもわからないですよね。

マレンウェッグ氏:これはどんな仕事でも同じだと思いますが、仕事の良し悪しはアウトプット(成果)で決まります。しっかり仕事をしていればその努力がアウトプットに現れるし、仕事をしていなければそれがアウトプットに現れます。

つまり、出社が何時で何時まで働いたとか、平日や休日がいつかといったことは、あまり重要ではありません。社員それぞれが、自分が最も効率良く働ける時間に働いてくれればいいんです。そのために会社ができることは、社員がいつどこで働くかという自由を与えることです。


── 経営者なのに社員がいつ働いているか全然知らないんですよね?

マレンウェッグ氏:知らないし、知りたいとも思わないよ(笑)。社員に求めることは、アウトプットを出すこと、それだけです。


「頭の良さ」や「才能」よりも、自発的に行動できる能力が大事


── リモートワークに向いている人はどんな人だと思いますか?

マレンウェッグ氏:自発的に行動できる人だと思います。本当に仕事をしているのか、Facebookをやっているだけなのか、確認してくれる人は誰もいないので、最小限の管理でプロジェクトを進められる人が向いています。この自発的に仕事を進める能力は「頭の良さ」や「才能」といった要素より重要だと思っています

同じように、人に伝わるようにわかりやすく伝える能力も鍵になる要素です。ネット上のチャットなどで書いて何かを伝えたり、アイデアを説明したりすることが多いので、「わかりやすく書く能力」が重要です。


── 社員が世界中に散らばっているのは偶然ですか? それとも会社が意図した結果ですか?

マレンウェッグ氏:どちらかと言うと偶然に近いです。社員は英語圏が一番多く、3分の2は米国での採用で、残りはグローバルで採用された人たちです。どこで採用されていても、リモート勤務なので移住は自由です。なので、世界中に散らばっているのでしょう。日本人でイギリスに移住して働いている社員もいますよ。

これがAutomattic社で働く長所の1つですね。自分のライフスタイルに合わせて住む場所を選べるからです。家族の都合で移住したり、生活費が安い場所に引っ越したり、お気に入りの街に移り住んだり...。理由は社員によってさまざまです。


WordPressはウェブそのもの


── WordPress以外に現在どんなことを手がけていますか?

マレンウェッグ氏:Automattic社はWordPress以外にもさまざまなプロダクトを作っています。日本で特に人気があるのが『Simplenote』、ファイル共有が簡単にできるCloudupもあります。

WordPressに関連したプロダクトとして、「Jetpack」というWordPressをもっと使いやすくするプラグインや、ECサイト化する「WooCommerce」というプラグインもあります。


── WordPressが人々や世界に与えた影響は何だと思いますか?

マレンウェッグ氏:WordPressは人と人をつなげる役割を果たしたと思います。WordPressがきっかけで一生続くような友情を手に入れた人もいれば、結婚して家族をつくることになった人もいるでしょう。それは、同じ興味や情熱を持つ人々がつながったからこそです。

もっと大きな視点で考えれば、情報発信をオープンにしました。WordPressがマーケットシェアを上げることは、ウェブにとっても良いことだと思っています。オープンなソフトウェアなので「WordPressはウェブそのもの」とも言えます。WordPressはこれまで、このオープン性をもって発展してきました。


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マレンウェッグ氏は米国のテキサス州にベースを持ってはいるものの、1年の大半は世界中を移動しながら仕事をこなす。


── 最後に日本のユーザーに向けて、メッセージをお願いします。

マレンウェッグ氏:私たちにとって、日本はもっとも興味深い国の1つです。ぜひ機会があれば、WordPressのローカルコミュニティに参加してください。10/31から2日間、WordPressのイベント「WordCamp Tokyo」が開催されます。WordPressに興味を持っているなら、プロダクトについて知るいい機会ですし、さまざまな人に会えます。WordPressの日本公式キャラクター「わぷー(Wapuu)」のグッズも手に入りますよ(笑)。

あと、せっかくライフハッカーに登場する機会なので、私自身の仕事術を紹介したいです。中でも、集中力を持続させるコツを3つ紹介しますね。普段の職場で実践してみてください。


1. 朝起きて一番最初に本を読む

朝起きたらTwitterやFacebookを見るという人も多いかもしれませんが、その前に本を読んでください。毎朝1章ずつでいいです。これで、不思議と1日の集中力が長続きするようになります。


2. ポモドーロ・テクニックを実践する

ポモドーロ・テクニックを知っていますか? 25分集中して5分休憩するというスパンを繰り返して生産性を上げる仕事術です。タイマーを使うのがオススメで、私は「Pomodoro One」というタイマーアプリを使っています。私の場合、5分間の休憩で、エクササイズをするようにしています。腕立て伏せ、スクワット、その辺を歩きまわる、とか体を動かすことなら何でもOKです。仕事をしながらエクササイズもできるので一石二鳥です!


3. 仕事中、同じ曲を何度も何度も繰り返し聴き続ける

どんなジャンルの曲でもいいです。ロックでもラップでもジャズでもです。仕事している間、同じ曲を聴き続けてください。同じ曲ですよ。私はこれを1日中やっています。最近聞いているのはA$AP Rockyの「Everyday」です。音楽を聴くと頭が活性化しますが、新しい曲を聴くと気が散ってしまうので、同じ曲を聞き続けるのです。私の場合、これでゾーンに入れます。


4. 瞑想をする

まだやったことがないなら、瞑想がオススメです。私のお気に入りは「Calm」というアプリです。

人生にはノイズがたくさんあって、常に気が散っている人も多いでしょう。電話は鳴るし、通知は来るし、ソーシャルメディアを見ていればみんな楽しそうでいい物を食べているし。そんなとき、瞑想をすれば本当に大切なことに集中できます。


(聞き手/大嶋拓人、協力:高野直子)
Photo by Automattic, Inc. and Evan Lorne / Shutterstock.com

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