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印南敦史  - ,,,,,,  09:00 AM

伝えたいのは「いま最悪でも、未来もずっと最悪ではない」ということ。「若者就職支援協会」理事長・黒沢一樹さんインタビュー

伝えたいのは「いま最悪でも、未来もずっと最悪ではない」ということ。「若者就職支援協会」理事長・黒沢一樹さんインタビュー

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以前、『最悪から学ぶ 世渡りの強化書──ネガポジ先生 仕事と人間関係が楽になる授業』(黒沢一樹著、日本経済新聞出版社)という書籍をご紹介したことがあります。著者の黒沢一樹さんは、「虐待、貧乏、父親が4人、中卒、自殺未遂、転職50回」と、書き出すだけでも息が切れそうな経験の持ち主。

しかし、ありがちな"不幸自慢"に陥ることなく、こちらが戸惑うほどの明るいキャラ。黒沢さんは、主宰するNPO法人「若者就職支援協会」を通じて仕事のない若者たちと、人材が欲しい企業とのマッチングを行っています。ちなみに、その基盤になっているのが「ネガポジ・メソッド」。今がつらくて最悪なら、「絶対にこれだけは嫌だ!」というものだけを設定し、そこから逆説的に考えれば、幸せだと思えることの選択肢が広がるという考え方。それは、ご自身の人生訓でもあるそうです。

黒沢さんは、どんな半生を歩んできたのか? その結果、今若い世代になにを伝えようとしているのか? お話を伺いました。


知らないうちに生命保険をかけられそうになった


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―― 大変な生い立ちだったそうですね。そもそも、生まれたときの状況からして...。


黒沢さん:実の父親を知らない状態で僕が生まれたのは、母親が17歳のときでした。死産ギリギリの未熟児で、「たぶん20歳までしか生きられないだろう。生きられるとしても、なにかしら障害が残るだろう」と言われていたそうです。しかし、34年間まだ生きてると(笑)。


―― 「生きられない」状況を越えられたのは、なんだったのだと思いますか?


黒沢さん:本当に運がいいんだと思います。虐待も乗り越えられたし、病気で「2週間後に死ぬ」と言われても1週間後に退院できたり、マンションの4階から飛び降りても奇跡的にたんこぶができた程度で済んだりとか、「死なない」っていうのはあるんですよ。


―― 尊敬する先輩にお世話になったものの、すごい結末につながったことがあるそうですね。


黒沢さん:はい。地元に尊敬する7、8歳年上の先輩がいて、すごくお世話になっていたんです。で、闇の世界に入りかけている頃、「足を洗え」って板前の道をつくってもらえて。当時15、6でしたけど、自分に自信がなかったのでうれしかったですね。で、服装から言葉遣いまでをきっちり教えてもらって、板前としてがんばっていこうと決心したんです。

ところが板前をやっているときに右半身マヒになり、続けていけなくなったんです。それで「どうしよう?」って悩んでいたときにまた、「インドネシアでビジネスを一緒にやろう」って声をかけてくれて。

ちょうどスハルト政権が終わる政変の時期で、「おもしろいことが起こるかも」という感覚だったんです。それで、インドネシアの女性に日本での仕事を紹介するような仕事...といっても合法的な範囲ですよ。17歳でしたけど、日本の歌を教えるのが僕の仕事でした。毎日歌を歌って遊んでるような生活で、「これでお金もらっていいのか」と(笑)。当時インドネシアの物価は日本の20分の1くらいだったので、月給2000円くらいもらえれば不自由なく食えるというなか、僕は15万くらいもらってましたから。ところがあるとき、たまたま先輩が誰かと壁の向こうで「あいつの生命保険申し込んだか?」って、僕のことを話してるのをたまたま聞いちゃったんですよ。いくら信頼してる人でも、知らない間に(生命保険を)かけられてるって恐ろしいですよね。それで、「母親が大変なんで日本に帰らせてください」って無理やり言い訳して日本に帰ってきたんです。


タウンページを見て「あ」から順に電話


―― 信頼していたからこそ、裏切られたと知ったときはショックだったでしょうね。


黒沢さん:僕は小さい頃から、「人は信頼できない」と思ってたんです。たとえば、児童養護施設の方も児童相談所の方も警察も、誰も小さい僕の話を聞いてくれなかったし、なにかあれば家に帰そうとする。学校の先生も無視をする。そういうことが実際にあったんです。そんなふうにして育ってきたなか、その先輩は唯一信じられる兄貴的存在でした。

ですからショックでした。「やっぱり人は信用できないのかな」って。「小さい頃から虐待される。板前をやりたいと思っても病気にかかってできない。いいなと思った人には裏切られる。生きていてもしょうがないな」と17、8歳のときに思って、衝動的にマンションの4階から落ちたんです。下はコンクリートですから死ぬレベルですし、頭から落ちたんですよ。でも奇跡的に助かって。なかなか死ねないんですよね。

そのあとは知り合いのバーを手伝っていたんですけど、そこのお客さんから「店を出さないか」と言われて、18、9のときに自分の店をやったんです。でもお金をふんだくられそうになったので、店を潰して東京に19歳で出てきたんです。全部捨てる感覚でした。しかも本当にバカなのか、バッグひとつ持って最初に来たところが歌舞伎町だったという(笑)。「ここに来ればなんとかなるんじゃないか」と思って。結局は大学生の友人宅に居候して、マンションの販売とか「○○金融」のようなこともやり、そのあと借金を返すためにホストを始めたんです。返済後は飲食業のコンサルの会社に入るんですが、稼げるとはいえブラック企業で身体壊しちゃって。でも、その後結婚したこともあり、定時に帰れる仕事がしたいなと思ったんです。


―― しかも、その後は簿記の勉強を始めたそうですね。


黒沢さん:「将来、起業家になるにはどうしたらいいか」と考えたんです。すると「事務職、経理」というイメージが浮かんで(笑)。でも資格や実務経験がないとダメだとわかったので、「3日で簿記3級! 5日で簿記2級をマスターする!」みたいな学校の3万円のコースを利用したんです。無謀ですよね。1日10時間くらい勉強するところで、5月からスタートして6月の試験で2級まで受かりました。それまで勉強なんかしたことなかったので、知る喜びが楽しかったです。二次方程式から教えてもらったんですけど。僕、貪欲なところがちょっとあるので、それがよかったのかもしれません。自分に自信もついたし。


―― それでようやく"堅い仕事"をするようになったわけですか。


黒沢さん:簿記の勉強をして経理の仕事に就きたかったんですけど、やっぱり中卒じゃ無理なんですよ。でも、税理士事務所の募集は腐るほどあったんですよね。だから「あ、これだ!」と思って、「お金はいらないので働かせてください」とアプローチしたわけです。当時はネットがなかったので、タウンページを見て「あ」から順に電話していきました。そうしたら「つ」まで来て、「とりあえずおいで」っていわれて。話したら「おもしろいね」ってことで正社員登用されたんです。そこには3年くらいいました。


世の中に出回っていないことなら勝てる


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―― そこからどうNPO設立につながるんですか?


黒沢さん:独立したかったんですが、お金がなかったので「お金をかけずになにかできないか」と考えていたとき、NPO法人設立という方法があることを知ったんです。そこで、3日か4日後には設立の準備をしていました。NPO法案(平成10年施行)ができたばかりの頃で、まだNPOをやっている人は少なかったので「今やれば勝てるかもしれない」という勝算もあったんですよ。

もちろん、たくさんの人から反対されました。でも僕、その頃にはもう、失敗することへの抵抗がなくなってたんですよ。潰れても死なないことがわかってたし。反対される人が多ければ多いほど、「それは世の中にまだ出回っていないってことだ」とわかったから、「じゃあ勝てる」と思ったんです。


―― そうしてNPO法人 「若者就職支援協会」がスタートしたわけですが、「求職者と会社を結びつけるマッチングの仕事」とは具体的にどんなことをするのですか?


黒沢さん:内容としては情報提供と相談に近く、就職の斡旋は一切しません。まず、「やりたいことがないんです」という人に対し、「やりたくないことはあるでしょ。つらいこととか、できないこととか。そういう、絶対に嫌なものを列挙して」って話して、そこから方向性をつけていく。これが「ネガポジカウンセリング」です。

やりたいことがある人には、「やりたいことをどう目的にして計画を立てていくか」をお手伝いする。ハローワークの使い方だったり、企業を探すときの検索ワードの入れ方だったり、なかなか知ることのできない情報を提供しています。


―― お金はとるんですか?


黒沢さん:基本的にお金をもらうことが目的ではないので、去年くらいまで全部無料でやっていました。ただ、無料でやる弊害も出てきたんですね。みんな甘えてなかなか就職しなかったり、僕と会うことだけが目的になっちゃったり。「これはダメだな」と思ったので、いまは3回目以降は一時間2000円~3000円程度のお金をもらったり、あるいは「ボランティアしてもらえれば対応します」というふうにしています。


「かんちがい スイッチ」を入れていく


―― ところでネガポジメソッドは、なにがきっかけで確立できたんですか?


黒沢さん:まだ確立できているとは思っていないんですが、いちばんのきっかけは学校の出張授業に行きはじめたことです。人に伝えるためには、曖昧なことばでは伝わらない。だから言語化し、数値化して伝えるということを体系的にやらなければならないと。


―― 普通、つらい体験をするとどんどん暗くなってしまうものじゃないですか。なぜその明るさをキープできているんですか?


黒沢さん:自分が苦しい顔、悲しい顔、怒った顔をしていると、周りにそういった人間しか集まらないんですよ。でも、それではおもしろくない。笑顔がある人、素晴らしい笑顔をする人間には素晴らしい人たちが集まることは結果的に見えていたので、自分はそこに行きたいなと思って。それに、悪いと思っている事象が、本当に悪いかどうかなんてわからないですよね。たとえば僕のような中卒という肩書きには、ある考え方においては悪い要素しかない。でも見方を変えたら、東京では東大卒よりも中卒の方が珍しい。だとすれば、希少価値があるということですよね。

「転職50回」も、見方によっては「仕事が続かない、ダメなヤツだ」というネガティブワード。でも「就職50回ってことは、50回受かってるんだよね? それ。すごいね」という見方もできる。見方や視点を変えると、本当に悪いことなのか、わからないことばっかりだなと。ダメだとされているものでも、積み重ねていけばプラスに転化できたときすごいパワーが出ることを実体験で知ってるんですよ。それを知ってもらって、ネガポジメソッドとして人が使えるようになればうれしい。

伝えたいのは、「いま最悪でも、未来もずっと最悪ではない」ということ。僕の過去もいまは逆にネタになってて、それが飯のタネだったりするんです。「つらい、苦しい」っていうことは自分の未来への宝物に近い。視点を変えてあげれば生きやすくなるというか、武器になるということを伝えたくて。


―― すごく正しいと思うのですが、一方には「そうはいうけどさ」っていう人もいると思います。そういう人に対しては?


黒沢さん:根っこに必ずあるマイナスポイントを洗い出して言語化し、「意外に行けるかも」という思いにつなげる。それを僕は「かんちがい スイッチ」と呼んでいます。つまり僕は学校現場、カウンセリング、相談業務、企業研修などで、「かもしれない」にするためのお手伝いをしているんです。「いける」って思えなくても、「いけるかもしれない」まで思えればいい。なぜなら、そこにネガポジメソッドのポイントがあるから。人って「できない」と思うからやらないだけで、「できるかもしれない」って思ったらやるんですよ。仕事でも同じ。企画書を書くときに「あれ? 通るかもしれない」までいけば、それが先につながる。だから、その「かんちがい スイッチ」を入れていく作業、それが僕の役割ですね。


―― 今後はどういう方向でやっていこうと考えていますか?


黒沢さん:いま30校くらいの都立高校で「キャリア教育」といわれる定時制高校の出張授業をやっているので、それを全国的に広げていきたいと思っています。やりたいことが見つからない子たちのやりたいことを見つけてあげるために、「ネガポジメソッド」というプログラムをつくったわけですからね。あと、僕みたいにふざけた人間がいることを知ってもらうと、「こんなヤツでもいいんだ」って思えるだろうし。「これになりたい」というより、「これだったらなれる」というロールモデルを彼らに提供できる可能性がある。

大人だって、悪いヤツもいれば失敗ばかりしてる人もいる。それを、自己肯定感の低い、生きづらい子たちに伝えたいんです。あと、生活保護に頼ってる子が多いので、彼らが税金を使われる立場から払う立場になっていくように、もしくはプラマイゼロの立場に持っていくことが、これからは必要だと考えています。だから学校現場に直接入って、届ける。そして「学校を辞めたい、就職したい」となったら、今度はNPO法人若者就職支援協会に相談することを勧める。そういう活動を、今後もどんどん展開していくつもりです。


―― 最終的な「これになりたい」という目標は?


黒沢さん:起業家や政治家も選択肢にはありますが、貧困世帯や負の連鎖に入っている人たちを手助けしている僕としては、職業学校をつくることをひとつの目標にしています。40~50代になるころまでに、「食べること」「住むこと」「学ぶこと」を無料もしくは低額で可能にする施設をつくりたいです。そこから先は、海外とか地場産業などの働き手、雇用の担い手としてやっていくようなイメージですね。




仕事のことなどで悩んでいる方に、黒沢さんが提唱する「ネガポジメソッド」はきっと役立つはず。過去を否定せず、それをおもしろがっているからなおさら、彼のことばは力を与えてもくれます。

なお、来たる10月30日(金)には東京・下北沢のDJバー「メンフィス兄弟。」で、『最悪から学ぶ 世渡りの強化書──ネガポジ先生 仕事と人間関係が楽になる授業』の出版記念DJパーティーが開催されます。来場者には本も先着5名様にプレゼントされるそうなので、ぜひ足を運んでみては?


問い合わせ:メンフィス兄弟。
155-0032 東京都世田谷区代沢5-6-14前田ビルB1A
Tel/Fax03-5486-3461


(文/印南敦史、写真/開發祐介)

  • ,,,, - By

    友清哲

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