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松浦拓平

 - ,,,,  07:00 PM

メディアのプロは、自分の伝えるメッセージに妥協を許さない ~映画で業界研究!

メディアのプロは、自分の伝えるメッセージに妥協を許さない ~映画で業界研究!

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さまざまな場面で業界研究が必要となってくるビジネスマンへ向けて、観るだけでその業界の概略がわかる映画を紹介するこの連載。前回はファッション業界がわかる映画について紹介しましたが、今回のテーマは「メディア業界」です。

今回紹介する3本の作品では、ニュースを扱う記者と書籍の印刷屋という2つの観点からメディア業界について描かれています。報道現場の空気感やニュースが流通していく過程などを知ることができ、実際に使用されている業界用語など明日から使える知識も身に着けることができますよ。


メディア業界がよく分かる映画3選
1.『ニュースの天才』
2.『クライマーズ・ハイ』
3.『世界一美しい本を作る男』


1.人の"本性"を描くことが記者の仕事


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『ニュースの天才』


あらすじ:政治雑誌『The New Republic』誌の最年少記者スティーブン・グラスは、スクープを続々執筆して注目を浴びていた。しかし、のちに彼の記事がすべて捏造だったことが判明する。このねつ造事件についてピューリッツアー賞作家バズ・ビッシンジャーが書いた記事を原案にした作品。
監督:ビリー・レイ
主演:ヘイデン・クリステンセン
配給:ギャガ・ヒューマックス
上映時間:94分


政治的論評を得意としている『The New Republic』は、大統領や議員のような国家の執政者が目を通すような雑誌。そうしたセンシティブな情報を扱う現場では、どういった取り組みが行われているのか? そして、雑誌に記事を載せるとはどういうことなのか? 真実を伝えることの重要性を感じさせられる映画です。また、報道の世界においてどのようにニュースが生まれていくのかもよく分かります。

記者スティーブンは記事を面白くするカリスマ性を持っていました。スクープに加えて、人間のおかしな行動や欠点を細かく描写することで笑いを誘ったり、感動を呼ぶことができる天才でした。また、周囲との人間関係の構築も上手で、相手の容姿の変化に気付いてそれを褒めたり、同僚の記事のレビューを行う際も、否定から入るのではなく相手の良い点をまずは褒め、ここを直せばより良くなるといった建設的なアドバイスをします。

周囲から信頼を勝ち取り、まさに皆から理想のビジネスパートナーだと慕われる存在だったスティーブン。しかし、それが彼の記事の信憑性を、周囲が疑いにくい環境をつくりあげていたのでした。

複数の人間で厳重に記事の正確性や信憑性をチェックをするという体制が整っていました。しかし情報源が記者のノートにしか記されていない場合は、それを裏付けとしてしまうという抜け道も同時に存在していました。その点を利用して、スティーブンはまったくありもしない虚構を報道していたのです。

しかしある時、記事を読んだ他社からのクレームをきっかけに疑惑の種が生まれ、1つ1つ事実の確認を行った結果、記事のねつ造が判明します。次々と明るみになる嘘に対しさらに嘘を重ね、ボロボロとカリスマとしてのメッキが剥がれていく様が生々しく描かれます。嘘をつくことによってどういう結末を迎えてしまうのかという、教訓にもなるストーリーです。

2.新聞記者としての魂と現場にこだわるプライド


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『クライマーズ・ハイ』


あらすじ:1985年8月12日、乗客乗員524名を乗せた日本航空123便が、群馬県多野郡上野村の御巣鷹山に墜落した。群馬の有力地方新聞である北関東新聞社の記者・悠木は、事件の担当デスクに任命される。混乱する状況や社内の人間関係の軋轢に押しつぶされそうになりながらも、未曾有の大惨事の真実を伝えるために奔走する。
を映し出す。
監督:原田眞人
主演:堤真一
配給:Sony Pictures
上映時間:145分


主人公の悠木はいつも周囲の人間から頼りにされている男。友人と衝立岩に登るため会社を退社しようとしたその瞬間、臨時ニュースを伝えるアナウンスが社内全体に鳴り響きます。過去最大規模のジャンボ機墜落事故のアナウンスに、社内全体が騒然としていました。

社長の指示により、悠木は事件の全権デスクに任命されます。早急に墜落したとされる山に取材に行こうと焦る記者たちを押さえ、悠木は1人冷静に、正確な事故現場を特定できるまでは待機するように指示を出します。山にやみくもに登ることの危険性を自身の経験から知っていた悠木は、この取材が記者たちの命に関わることであり、慎重に判断を下さなければならないと考えていました。

泥だらけになりながらも墜落現場の山を登り、現地へ辿り着いた記者たち。目の前には悲惨な光景が広がっていました。ローカルな新聞社のため、当時は無線も携帯もない状況の中、なんとか深夜1時の締め切りに間に合わせなければならない。電話を借りるために山を駆け下りて、近くの民家を1軒1軒あたり、会社に電話をかけて現場雑感の原稿30字を読み上げるシーンには、言葉では伝えきれないほどの衝撃を受けました。現場の状況を一早く記事にして読者に伝えることに命がけで取り組む姿勢に、仕事に対してのこれでもかという意地とプライドを見ました。

その頃社内に残っていた悠木は、殺伐とした社内の人間関係に、真っ直ぐにぶつかっていました。自分の過去の実績以上のスクープを出そうとする部下を妬んで、事故の様子を伝える原稿を締め切りに間に合わないように妨害する上司や、共同通信の記事を現地からの原稿のように濁して掲載するという指示するに対しても憤怒し、「締め切りギリギリまで山中を駈けずりまわり、必死になって伝えようとする記者たちをなぜ信じて待てないのか?」と訴えます。

生存者を確認したという臨時ニュースから、明日の一面を「奇跡の生存者」へ差し替えるよう慌ただしく動き出す社内。唐突に入ってくる友人の事故の連絡、反対する周囲の説得など、さまざまな壁が悠木の前に立ちはだかっていきます。そんな状況の中でも読者が何を求めているのかを考え、錯綜する情報の中から誤報のないよう確実に事実を伝えようとする記者たちの行動からは、「事実の裏付け」「仲間との信頼関係」「仕事に向ける姿勢」といったジャーナリズムの真髄を学び取ることができるでしょう。


3.アナログの本を特別な存在にする男


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『世界一美しい本を作る男』


あらすじ:「世界一美しい本を作る」と言われているドイツの小さな出版社、シュタイデル社の秘密に迫ったドキュメンタリー。創設者のゲルハルト・シュタイデルが、クライアントに直接会うために世界を飛び回る姿に密着。世界の一流アーティストたちと綿密な打ち合わせを繰り返し、収録作品や使用する紙、インクの選定までこだわる徹底ぶりが「本」を「アート」に昇華していく様を、しっかりと捉えています。
監督:ゲレオン・ベツェルヨルグ・アドルフ
配給:テレビマンユニオン
上映時間:88分


シュタイデル社は単なる出版社ではなく作品をつくるための研究所です。利益重視で会社を大きくすることよりも、より良質で趣のある本を作ることと芸術家との長期的な付き合いを重要視しています。

上質な本をつくる上で、シュタイデルは本に個性が感じられるかどうかを重視します。紙の種類も本に合わせて一から考えて、インキの色選びや製本にもこだわります。作品は芸術家のアイディアの分身であり、それを反映することがプロとしての仕事。見た目、ページをめくる音、本の重み、紙の感触、ページの重なり合う感じ、インキの匂い、そのすべてから、デジタル化が進んでもなお世界の中で彼のつくる本を特別な存在にしている理由がわかります。

クライアントが望む本をつくるため、どんな本を作りたいのかを徹底的にヒアリングします。序文は必要か? 何部刷るのか? 紙の質についても技術的なアドバイスを行います。ドイツやニューヨーク、パリなど世界中を周って直接クライアントと打ち合わせを行い、ヒアリングをかけながら納得のいく作品を作り上げるという、仕事に対する真摯な姿勢が本人が語らずとも伝わってきました。

とある写真家のクライアントから、iPhoneで撮影した世界各国の写真集の作成依頼を受けたときのことです。タイトル名は「iDUBAI」。iPhoneの光る液晶から見える写真の感覚を大切にして、「我々は世界を消費している」ということをテーマにしたいという要望。

写真の中ですべてを語ることは難しいですが、メッセージ性の強い写真から順に並べるよう提案し、技術的な面では、「iPhoneの画像は優しいサンプル画像に見える。実際の写真集に関しては、もっと思い切って色を抜いてみてはどうか? やるなら徹底的にやろう」と提案します。

白い光具合にも気を配り、本の表紙のデザインにもこだわり、商業性の強い悪趣味さを訴えるために、背表紙一面をバーコードにするように工夫しました。ここで学べることは、納得できる出版物をつくるために積極的な提案やヒアリングができるよう、「お客さんとの関係性を最も大切にしている」ということ。




今回紹介した3本から共通して学べることは、メディア業界のプロフェッショナルは「常に読み手に情報がどう伝わるのかを考え、決して妥協せずに伝えたいメッセージ伝える」ということです。

どれもレンタルショップで手軽に借りられる作品なので、週末に楽しみながら新しい業界を研究してみてはいかがでしょうか。


松浦拓平(マツウラ・タクヘイ)
150830money_twenties6.jpg1987年生まれ。中央大学経済学部卒。在学中に有名放送作家の下でバラエティ番組の企画に携わった後、新卒で松竹株式会社に入社。映画のマーケティングの部署・映画のマーチャンダイジング業務を経て現在は独立し、映画宣伝の企画やカフェのコンサルティング業務など数多くのプロジェクトに携わっている。著書に『実践クラウドソーシング』(インプレスR&D)、監修著書に『めんどくさがりでもうまくいく時間術』(クロスメディア・パブリッシング)がある。


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クライマーズ・ハイ
発売中 ¥4,743(税抜)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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