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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

人工知能とともに生きるために、考えておくべき人間の役割とは?

人工知能とともに生きるために、考えておくべき人間の役割とは?

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コンピューターがいまのペースで進化していけば、30年後には人類の知能を超え、これまで人間にしかできないと考えられていた仕事が、ロボットなどの機械に取って代わられるだろうといわれています。よく耳にする、「2045年問題」。では将来的に、人間の働き方はどう変わっていくのでしょうか?

『人工知能に負けない脳 人間らしく働き続ける5つのスキル』(茂木健一郎著、日本実業出版社)の著者は、私たち人間に求められるスキルを次のように位置づけています。

・コミュニケーション
・身体性
・発想・アイデア
・直感・センス
・イノベーション
(「はじめに――人工知能時代に求められる「人間らしい働き方」より」

これらのスキルを磨いていくことこそ、人工知能時代を生き抜く大きな武器になるという考え方。書類作成、計算力、記憶力、データ検索&解析、オペレーション業務全般など、人工知能の方が優れている仕事は人工知能に任せ、私たちは人工知能に負けない働き方を目指せばいいということです。

では、そのために私たちはどのような意識を持っておけばよいのでしょうか? 第2章「これからの時代に求められる人間の役割とは何か?」から、いくつかのヒントを探してみましょう。


人工知能の仕組みと脳の仕組みはまったく違う


人工知能の発展により、私たちの周囲で大きな変化が生まれはじめていることを認めたうえで、著者は「人工知能の仕組みと脳はまったくの無関係である」とも主張しています。例に挙げているのは、飛行機と鳥の違い。空気の流体力学の応用で空を飛んでいるという共通点こそあれ、両者はまったく違う仕組みで飛んでいるということです。その違いは、次のとおり。

<飛行機>
・羽根は動かず、エンジンで助走しないと揚力が発生しない
・高速度で長時間飛行できる
・着陸に失敗することがある
・急降下したら墜落してしまう

<鳥>
・羽を自由に動かすことで、助走をしないで飛び立つことができる
・速度と体力に限界があるので長時間飛行できない
・着陸に失敗することはない
・急降下してもちゃんと減速して餌を捕獲することができる
(以上47ページより)

人工知能と人間の脳の関係性についても、(解明されていないことはあるにせよ)現段階では、人工知能の仕組みは脳とまったく関係性がないといえるのだそうです。そしてこれは、「人工知能が人間の脳を超えるのか?」という問題につながるといいます。脳科学者の立場からいえば、間違いなく超える。しかし、そのような議論は無意味であるということ。

なぜならそれは、「人類史上最高速のスプリンターであるウサイン・ボルトとリニアモーターカーが競争したら、どちらが勝つのか?」という議論と同じだから。人工知能においても、「記憶力や計算能力といった知性が人間を追い越すのか?」といった議論はナンセンスであり、追い越すことはもはや明白。それを認めたうえで、人間にしかできないことを考えるべきだというわけです。(46ページより)


人工知能時代をチャンスと捉えられない3つの阻害要因


人工知能がもたらすチャンスを活かすうえで、邪魔になってしまう阻害要因のひとつが、権威主義に固執してしまうことだといいます。特に日本人の場合、権威主義が邪魔をしてビジネスチャンスをつぶしてしまうことはよくあるもの。しかし当然のことながら人工知能の世界では、権威は無関係。

たとえば、大手メディアが報じたから正しい、あるいは有名大学の教授が言っていることだから間違いない。「ハーバード大学」と聞けば、ブランド意識に苛まれてしまう...。私たち人間はこう考えがちですが、人工知能は違います。誤った認知バイアスを排除して、物事の客観的な事実や本質を見抜く、これが人工知能なのです。(57ページより)

つまり、工業製品にとっての「JIS」、おもちゃの「ST(玩具安全基準)」などのような権威性を、人工知能が無意味化する世の中になっていくということ。そんななか、「お墨付き」がなければ不安になってしまう人や、権威主義に固執する人は人工知能時代になじまないというわけです。

次の阻害要因は、過去の成功体験に囚われていること。人工知能の特徴を突き詰めると、「destructive innovation(破壊的イノベーション)」というキーワードに行き着くといいます。過去の成功体験や経験則を捨てない限り、人工知能がもたらす恩恵に対して懐疑的になってしまうということ。

たとえばGoogleやFacebookでさえ、将来的に新たなイノベーションが登場したときには、彼らの成功体験が邪魔になる可能性があります。マイクロソフトはOS「Windows」で大成功したけれども、いまは代表的なOS「Android」が無償提供されている時代。そんななか、かつてのような成功を続けるのは困難だということです。だとすれば、こうした破壊的イノベーションが次々と起こる時代にあっては、過去の成功体験から抜け出せないことはリスクを高めてしまうことになるという考え方。

だとすれば、スピード感を持って働くにはどうしたらいいのでしょうか? この問いについて著者は、「時代のスピード感を持って働いている人の近くで学ぶ」ことがもっとも有効な手段であると記しています。そして人工知能が発達し、時代を生きる速度が上がっていくことでストレスを感じる人がでてくるであろうことは、「ラッダイト運動」と共通しているといいます。

ラッダイト運動とは、1810年代にイギリス中・北部の織物工業地帯に起こった機械破壊運動。機械の発明によって手工業の仕事が激減し、多くの人が職を失い、そんな彼らの怒りの矛先が機械に向かっていったというのです。当時の人は命がけで機械を壊したわけですが、私たちは機械を壊すのではなく、「機械がある時代に生まれたらどうすればいいのか」を考えるしかないということ。しかし現実的には人工知能に対しても、ラッダイト運動が出てくるだろうと著者は推測しています。なぜなら、現時点でもテクノロジーの進化に不安を抱えている人がいるから。

いまの私たちの働き方にも、ラッダイト運動が起こった産業革命時代の「単純な長時間労働」にあたる仕事がきっとあるはず。それが人工知能の導入によって、より自由で、人間らしい働き方に変わっていくチャンスなのだということです。だとすれば、そのチャンスを活かすには、時代のスピード感で「波乗り」をしているような人を手本にすることが重要。(57ページより)


知能を磨き上げていくことがステータスシンボルに


一流のビジネスパーソンを観察するなか、「富と名声を手にした成功者の究極の自己啓発として、『身体の向上』が挙げられることに著者は気づいたそうです。ジムへ行けば専属トレーナーがいて、メニューをつくってもらうことができ、それをこなすことによって自分のからだを維持するということが、ひとつのステータスになっているということ。

これと同じように、人間の脳も鍛えていく時代になるというのが、脳科学者としての著者の意見。いわば一流のビジネスパーソンは、知能もしっかりと鍛えておくことがステータスシンボルになっていくだろうということ。しかもそれが社会のなかで、より仕事ができるようになり、地位も向上し、収入も増えていくということに直結していく時代に突入しているということなのだとか。

しかしそうなると、必然的に格差が生まれてしまいます。ところが格差の本質を追求していくと、興味深い結論に至ると著者。それは、経済的な格差社会といわれているようでも、実はネットが登場して以来、自分の脳を鍛えるリソースにアクセスするコストは限りなくゼロに近づいているということ。つまり、お金の格差がもとになって格差を生み出しているのではないということです。

だとすれば、なにが原因なのか? それは、持っている情報やマインドセットの格差だといいます。そう考えれば、収入が多くてお金持ちであろうと、地方にいて経済的に恵まれていなかろうと、誰もが知能のトレーニングができるようになってきた時代が訪れたということになります。つまりこれからの時代は、ITや人工知能を使いこなしている人ほど、ある意味では生きやすいということ。

たとえば旅行に行く際、以前ならチケットをなくさないようにするとか、日程表を忘れないようにするといった面倒さ、制約がありました。が、いまはITを使いこなしていれば、スマホ一台でストレスを感じることなく旅行に行ける。こうしたことが、生活のなかで増えていくというわけです。これを著者は、「脳のディロード化」、つまり、これまで脳にかかっていた負荷をアウトソースし、それ以外の重要なことに脳を活用できることだといいます。昔ならメモをとっておぼえなくてはいけなかったことを、「おぼえなくても済む」という時代に私たちは生きているということ。確かにそう考えれば、そこには人工知能とともに生きる道筋が見えてくるようにも思えます。(74ページより)




以後の章では、人工知能に負けないスキルや発想の磨き方なども紹介されているため、未来へのビジョンを具体的に思い描くことができるはず。必ず訪れる人工知能時代に対応するために、ぜひとも読んでおきたい内容だといえます。


(印南敦史)

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