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松尾仁  - ,,,,  05:00 PM

3週間先まで予約がとれないベトナムの人気ピザ屋。日本人オーナーが牛を飼い始めた理由

3週間先まで予約がとれないベトナムの人気ピザ屋。日本人オーナーが牛を飼い始めた理由

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ライフハッカー[日本版]の編集部員であり、神宮前とシンガポールを拠点とするギャラリーショップ「EDIT LIFE」のプロデューサーである松尾仁が聞き手となって、アジアで起業した経営者にインタビューする連載「アジア×ビジネス」。今回は、連日予約で満席の大人気ピザレストラン「Pizza 4P's」を、ベトナム・ホーチミンとハノイで展開する益子陽介さんにお話を伺いました。


益子陽介(ますこ・ようすけ)
1978年生まれ、東京都出身。大学卒業後、商社を経てサイバーエージェントに入社。広告代理店部門でベストプレーヤー賞を受賞。2008年、同社の駐在員としてベトナム・ハノイに赴任。2011年にホーチミンでピザレストラン・Pizza 4P's(ピザフォーピース)を立ち上げる。現在はホーチミンとハノイで店舗を展開するほか、食材宅配サービス「Box 4P's」も展開中。


起業家を目指してサイバーエージェントに入社。ベトナム支社へ。


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「Pizza 4P's」代表・益子陽介さん


松尾仁(以下、松尾):サイバーエージェント勤務時代、広告代理店部門でベストプレーヤー賞を受賞されたこともある益子さんが、ベトナムで起業されることになった経緯からお聞かせください。

益子陽介さん(以下、益子):背景からお話しすると、元々、海外志向が強かったので大学卒業後は商社に入社したんです。2年弱働いたあと、起業したいという気持ちもあったので、そのノウハウを学ぶためにサイバーエージェントに転職しました。広告を担当していたのですが、社内でベトナム支社をつくるという話が出て、行かせてくださいと立候補したんです。それで2008年にハノイに赴任しました。

松尾:起業の舞台としてベトナムを選ばれたのは、この赴任がきっかけですか?

益子:そうです。ただ、ベトナムで挑戦すると決める前にはアジアに限らず他の国も実際に訪問して検討しました。アジアなら、シンガポールやタイにはすでに競争があるし、かといってラオスやミャンマーでは市場規模が小さくて成長に限度がある。少ない資本金で始める僕にとって、ベトナムは適切なサイズだったんです。


「強み」と「将来やりたいこと」、「市場」が重なる分野がピザだった。


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毎晩満席だというホーチミンの1号店


松尾:では、なぜビジネスとしてピザに目をつけられたんですか?

益子:起業するときのポイントとして、「自分の強み」と「将来やりたいこと」、「市場」の3つが重なる部分を探したんです。それが僕にとってはピザでした。東京に住んでいた頃、趣味で自宅の庭にピザ窯を作って、友人たちを招いてピザパーティーをしていたんです。その中の1人がこの経験をきっかけにピザ職人に転職して、代々木上原の人気イタリアン「エンボカ」で働いていたんですが、その彼が、僕の起業時に手伝ってくれると言ってくれて。そこが「強み」ですね。

「将来やりたいこと」は、社会的意義があること。ゆくゆくは循環型のエコリゾートをやりたいという思いがあるので、ホスピタリティ産業の第一段階として飲食、レストランを開こうと考えました。「市場」は、中間層が増えて外食にお金を使うようになっているベトナムの状況から生まれました。80年代の日本でピザのチェーン店が急速に拡大したような状況が、今ベトナムでも起こっているんです。それなら本格的なナポリピザを、チェーン店のピザを食べている人たちに提供すれば喜ばれるんじゃないかと思って。


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メニューにはナポリピザの定番・マルゲリータや日本人好みの照り焼きチキンピザなどが。
1枚1000円前後で提供している。


松尾:ホーチミンにある1号店は、どのような規模で始めたんですか?

益子:30席規模のレストランを資金約500万円で作りました。オープンは2011年の5月ですが、2012年11月、2013年12月と2回拡張していて、席数も30席から70席、110席と増えています。

松尾:現地での人気ぶりが伺えるお話ですね。適切な規模で始めて、成長とともに拡張を繰り返す。結果が出ているからこそ、拡張を続けることができているんですよね?

益子:ありがたいことにそうです。先月ハノイに2号店を開店して、11月にはホーチミンに3号店をオープンさせる予定です。


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2回目の拡張工事の様子。席数は110席に拡大。


ボトルネックの根本解決というビジネスの基本を守った。


松尾:1号店をオープンさせてから4年強。これまで、フェーズごとに課題と施策があったのではないかと思います。まず、1号店をオープンするまでの課題はどんなことでしたか?

益子:当初の課題はピザに欠かせないチーズをどこから調達すればいいのかということでした。おいしいチーズとは何だろう?と単純に考えると、フレッシュでおいしい牛乳から作られたもの。でも、ベトナムにはビジネスでモッツァレラチーズを作っているメーカーも職人もいなかったんです。入手するにはイタリアから輸入するしか方法がなかったんですが、輸入するとモッツァレラチーズ1個120gで400〜500円ほどかかります。ピザ1枚つくるのに1個のチーズの2/3〜4/5くらい使うので、チーズの原価だけで考えて原価率を33%にしたとしても1枚1200〜1500円で提供しなくては利益が出ない。アメリカやニュージーランドから冷凍チーズを輸入する手段もありましたが、それだと自分たちが求めているクオリティに届きません。じゃあ、作るしかないねってことで、手作りすることを決めました。

ただ、チーズを作ったこともなければ、そもそも牛乳がベトナムのどこにあるのかもわからなかったので、初めはバイクで牧場を探すところから始めました。立ち上げメンバーにはピザ職人以外にもう1人、日本人のメンバーがいるんですが、彼も元々は全くの素人。農業大学出身というだけでチーズなんて作ったことがなったんです。だから一緒に牧場がありそうなところにバイクで行って新鮮な牛乳を買って、夜中にYouTubeでモッツァレラチーズの作り方のハウツー動画を観ながら試作をする。そんな試行錯誤を繰り返して、納得のいくチーズができるまでに半年かかりました。


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ダラットに構えた自社牧場。周辺の牧場とも連携をとりながら、品質管理にこだわっている


松尾:今はチーズのために、牛も育てているそうですね。

益子:はい、チーズの品質改善のために去年の10月から育て始めました。最初はホーチミンの郊外にある牧場から牛乳を買っていたんですけど、気候が涼しい場所のほうが乳脂肪率が上がるのでおいしい牛乳ができるんです。それで2年前にベトナムの軽井沢と言われるダラットにある牧場と契約したんですけど、こちらがお願いしたものより品質の低いものをこっそりあげてきたりして(笑)。まずは自分たちの目の届く範囲で育ててみて、プログラム化してから周辺の牧場に作ってもらった方がいいんじゃないかということで始めました。

でも、自社で飼育しているのは現在15頭。うちの店では毎日1トンの牛乳からチーズを作っているんですけど、1頭あたり20リットルの牛乳しかとれないので、本当は合計50頭から絞らなくてはいけない。現在は自社の牧場でまかなえるレベルではないんです。ただ、契約農家から仕入れている牛乳も含め、根本的な乳質の改善のために自社の牧場で餌の実験を始めています。


ピザ屋運営を通してチーズ製造もビジネスとなった。


松尾:ボトルネックになるポイントを根本から解決するという、ビジネスの基本を押さえたということですね。そして、おいしいチーズを作るために牛を育てるところから始めたことに、並々ならぬピザへのこだわりを感じます。

益子:先ほどお話ししたようにビジネスでフレッシュチーズを作っている人がベトナムにはいなかったので、他の牧場にも協力してもらいながら現地の5星ホテルをはじめ、レストランなどベトナムにある200軒くらいの施設にチーズを卸しています。チーズをパッケージ化して、ファミリーマートやイオンでの小売も始めました。


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地元のスーパーで販売されているPizza 4P'sのフレッシュチーズ


松尾:益子さんのことをベトナム人気ピザ店のオーナーだと思っていたんですが、チーズ自体もビジネスの主要コンテンツなんですね。

益子:そうですね。レストラン提供の延長で個人向けの生鮮食品の宅配サービスをやって欲しいという声もあったので、「BOX 4P's」というオンラインの宅配ビジネスも始めました。今は事業の内容も規模も、需要に合わせて拡大している状況ですね。チーズにしてもフレッシュなモッツァレラチーズができたから、要望に合わせて熟成系のカマンベールを作ったり、今はゴルゴンゾーラチーズに挑戦しているところです。

松尾:今でも益子さんご本人がチーズの研究をされているんですか?

益子:いや、先程も登場した立ち上げメンバーの彼が研究を続けています。最初は完全な素人でYouTubeから始まったチーズづくりでしたが、とても研究熱心で北海道にも研修に行き、今では立派なチーズ職人です。外国人は彼1人しかいないような、ベトナムの片田舎の小さな街に住んで、ベトナム人スタッフと一緒に地道に品質向上を進めてくれています。

また、実はいい出会いもあって、2年半ほど前からフランスのチーズの国家資格を持った日本人のチーズ職人も働いてくれているんです。彼はそれまで北海道でもチーズを作っていたんですが、前職を辞めたときに、ウェブで「アジア、チーズ」と検索したら「Pizza 4P's」がヒットしたみたいなんです(笑)。彼が入ってきてくれたから、カマンベールやゴンゴラゾーラなど新しい分野の製造開発が順調に進みました。


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オンラインで注文できるBOX 4P'sのHP。チーズはもちろん、野菜や肉も販売している。


事業拡大のため、パートナーとして選んだのはベトナム人投資家。


松尾:では、オープン後に見えてきた課題を聞かせてください。店舗の拡張や新店舗開店にあたって資金面の調達はどうしましたか?

益子:ホーチミンの1号店の拡張では、資金を新たに調達したり借り入れることなく、これまでに1号店で生まれた利益を再投資している状況です。そのため、資金面の課題はなかったのですが、このままでは成長に限界があるので、今年の4月に投資家とパートナーシップを組んで、会社としては上場に向けて拡大していこうと思っているところです。

松尾:パートナーシップを結んだ投資家は、ベトナムの方ですか? また、投資家が入ると、経営方針の相違がポイントだと思いますが、その辺りはいかがですか?

益子:はい、そうです。僕は日本人なので、ベトナムでビジネスさせていただいているという意識がやっぱりあって、常にリスクを感じているんです。ですから、ベトナム人の投資家に参画いただいたのは大きいですね。その方は元々ITの出身で、将来的にはリゾートをつくりたいという考えも合致しているので、感謝しながら助けてもらっています。


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ハノイにある2号店は、スタイリッシュな印象。現在は3週間先まで予約がとれないほど人気だそう。


最大の課題は、常に人材育成


松尾:いい投資家と出会えたことも、事業拡大のより大きな支えになりそうですね。他にはいかがですか?

益子:経営者として常に抱えていて、未だ乗り越えられていないのが人材の問題です。フェーズごとに課題の質は変わってきていますが、その部分に関しては店舗の責任者である妻からお話しさせてください。


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奥さまの早苗さんも元サイバーエージェントで、広告営業と商品開発に携わっていた。


益子早苗さん:1店舗目オープン当初は、オペレーションをまわすことで精一杯でした。自分たちのサービスやフードのクオリティの目標をどこに定めるのかという基盤を固めるために、店舗を運営しながら見えてきた問題をクリアにしていきました。その頃は私が店長として毎日店に立っていたんですけど、オープンから1年半くらいのタイミングで、自分が現場から離れても店舗がまわるようにしなきゃいけないと考えて、日本から飲食経験の長い方を店長候補として迎え入れました。それからサービスのマニュアルやトレーニング制度、給与制度を作り、ベトナム人スタッフの中でもヒエラルキーを作ってミドルマネジメント層の育成に務めています。

引き続き抱えているのが日本人のトップマネジメント層とベトナム人のミドルマネジメント層の目線の擦り合わせという課題。目指すクオリティの部分はなかなか言語化できないので、まさに今どうするべきかを考えている最中です。


感動を伝えることがビジネスの成功につながる。


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松尾:投資家とのパートナーシップによって規模拡大するにあたって、目が届かなくても運営できるシステムをつくる段階ですね。11月に開店する店舗を含めるとレストランは計3店を運営、チーズの卸業や宅配サービス事業も合わせてさらに拡大されていくと思うのですが、今後の展望を教えていただけますか?

益子:会社としては2020年に株式上場を目指していて、そのための店舗展開を続けていくつもりです。ピザ屋の運営をステップに、その先にはリゾート施設の展開を目指しています。そこでは牛の乳搾りをしてチーズをつくったり、収穫した野菜でピザをつくったり、レストランでの食体験をより深く刻み込んでもらうための体験が提供できればと思っているんですよね。ビジネスでは売上を求めなくてはいけませんが、食を体験する感動も伝えたいので両方を担えるようにがんばっていきたいと思っています。




ベトナムでピザが流行し始めたという時代の波を正しいタイミングでキャッチして、今やベトナム1予約のとれないレストラン経営者となった益子さん。途中から取材に参加してくれた奥さまの早苗さんは、彼のビジネスのポイントは「常に少しだけ先を見ること」と「ベトナムだからという妥協をせず、NYでも東京でも店舗展開を続けられるクオリティを保つこと」、そして「流行のものではなく、50年経っても消えない本質のあるものを目指していること」だと話してくれました。

クオリティを保つためにいい素材を探し、そこで起こるコスト面での課題をクリアするために牧場経営まで行う決意をしたこと。そして、事業の成長に合わせて、次のチャレンジに備えること。益子さんの姿勢からは、ビジネスの基本ロジックを堅実に守ることの大切さが見えた気がしました。


(取材/松尾仁、文/宗円明子)

  • ,,,, - By

    友清哲

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