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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

コンフリクト(摩擦)を恐れるな。交渉学とは何か?

コンフリクト(摩擦)を恐れるな。交渉学とは何か?

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タイトルだけ見ると学生向けのようにも思えますが、『16歳からの交渉力』(田村次朗著、実務教育出版)は16歳の高校生のみならず、ビジネスパーソンにとっても価値ある内容。ハーバード大学で教えられているという「交渉学」を、わかりやすく解説した書籍です。

著者によれば「交渉」とは、なんらかの利害関係のある人々の間で行われる対話や議論のこと。それはわかりますが、しかし「交渉学」とはどのようなものなのでしょうか? その点を明らかにすべく、第3章「『交渉学』とは何だろうか」から要点を引き出してみましょう。


「交渉学」とはなにか


本書のキーマンである「T教授」(いうまでもなく、モチーフは著者)はハーバード大学において、交渉学の創始者であるロジャー・フィッシャー教授の交渉学の授業を受けたことがあるのだそうです。そしてその結果、「法律は知識こそ重要」だと思い込んでいた自分とはまったく異なる考え方に、大きな衝撃を受けたのだとか。

それは、「弁護士や法律家の重要な役割のひとつは、『交渉』を通じて問題を解決すること」だというもの。だからこそ、その成果によって弁護士や法律家の価値も高まるというわけです。

ちなみにこのフィッシャー教授は、『Getting to Yes』という有名な本を書いている人物でもあります。原題を聞いただけではピンとこないかもしれませんが、『ハーバード式交渉術』という邦題には見おぼえがあるのではないでしょうか。

原題の『Getting to Yes』が意味するのは、「Yes」に到達するための方法、あるいは「どうやったらYesに達するか」。「Yesに持っていくための方法をお互いに考えよう」ということで、「win-win交渉」ということばの原型だそうです。

さて、著者はここで、17世紀のフランス貴族、フランソワ・ド・ラ・ロシュフコーによる「われわれは、自分と同じ意見の人以外は、ほとんど誰のことも良識ある人とは思わない」という有名な格言を引き合いに出しています。自分の意見に同意してくれる人はいい人だと思うけれど、反対するような人は否定しがちだということ。

たとえば「これ、いいでしょ?」といわれたとき、「いや、いいと思わない」と即座に反対されたらカチンとくることがあります。ところがそういう人は、自分の意見だけがいいと思っている。すなわち「自分の論理」しか考えていないということ。

そもそも誰かと話をするときは、「相手は自分の意見とは違うかもしれない」と考えるべき。そこから「交渉」がはじまるのだと著者は主張しています。交渉においては、相手の視点でものごとを見て、相手の立場になって異なる意見を調整することが重要だということ。

交渉は「対話」です。対話とは、お互いの議論を通じて双方が新しい価値観と解決策を導き出すプロセスです。(75ページより)

交渉学でもっとも基本的で重要なキーワードは、「価値理解」、あるいは「相互理解」。自分だけが正しいと思うのではなく、相手の論理を認め、自分の論理との接点を考えていくことで交渉するというコンセプトです。しかし著者は、価値理解をしたからといって、それが譲歩を意味するわけではないとも主張します。フィッシャー教授の『新ハーバード流交渉術----感情をポジティブに活用する』(講談社)にもあるように、「価値理解をしたうえで、相手の提案に同意することもできるし、反対することもできる」ということ。これが、交渉学の基本中の基本だそうです。(70ページより)


「論理的思考」と「二分法の罠」


ならば気になるのは、相手の論理を認め、自分の論理との接点を考えていくような交渉をするためにはどうすべきなのかということ。といっても難しくはなく、相手が理解できるよう論理的に考え、客観的な結論を導き出せばいいのだと著者は解説しています。すなわち「論理的思考」を使うということ。

たとえば、

1.刑法199条(ルール)で殺人は死刑、または無期、もしくは5年以上の懲役に処すと規定されている。

2.Aは凶悪な殺人を犯した。

3.Aは死刑。

というように考えてみる。このようにルール(1.)を事実(2.)に当てはめて結論(3.)を導き出す、というプロセスをとる方法を「演繹法(えんえきほう)」というそうです。

また、複数の事実やデータを関連づけて、そこから共通項を導き、それを抽象化してルール(一般論)を導き出すという方法が「帰納法」。たとえば「猫の赤ちゃんはかわいい」「犬の赤ちゃんはかわいい」「ライオンの赤ちゃんはかわいい」というような事実から、「動物の赤ちゃんはかわいい」という結論を導くことがそれにあたるもの。

なお演繹法と帰納法には、それぞれメリットとデメリットがあるそうです。演繹法は筋道立てて考えるという点では有効だけれども、そもそもルールそのものが妥当かどうかという問題があるもの。一方の帰納法は、相手にわかりやすい説明ができるというメリットはあるものの、事実(データ)が少ないと適切なルールを導くことができないという問題があるということ。

そしてこれらを踏まえたうえで、著者は「二分法の罠」ということばを持ち出しています。これは、本来であれば多数の選択肢があるのに、「Aか、Bか?」と相手に二者択一を迫り、自分の都合のいい結論を得るという方法。複雑になりがちな交渉の場において、「白か、黒か」「善か、悪か」「真か、偽か」というようにものごとを分類し、相手に他の選択肢がないと思わせる。そして結果的に、自分に有利な結論を得ることができるということです。

だから難しい交渉をしているときに相手が二者択一を迫ってきたら、注意すべきだと著者はいいます。それは二分法の罠にかけようとしているということなので、即答してしまったら相手の思う壺だというわけです。そこで、もし「Yesか、Noか」と聞かれたときには、それ以外の答えもありうると考えるように訓練することが大切だといいます。(76ページより)


「三方よし」と「賢明な合意」


ここで注目すべきは、「交渉を左右するのは話術ではなく、信頼」だということ。交渉上手とは、相手の信頼を勝ち取るために最大限の努力をすることだというわけです。

対立的に見える交渉において、どちらかが勝ち、どちらかが負けるようなケースが「ゼロ・サム的解決」。一方、交渉当事者双方がwin-winの関係になるようなケースが「プラス・サム解決」。そして重要なのは、この創造的な問題解決を可能にする「三方よし」という考え方だと著者は記しています。

ご存知のように、三方よしとは「売り手よし、買い手よし、世間よし」という近江商人の考え方ですが、著者によればフィッシャー教授も、三方よしと同じようなことをいっていたのだそうです。交渉においては「信頼」が大切で、それを「賢明な合意」(Wise Agreement)ということばで表現しているのだとか。

賢明な合意とは、「当事者双方の正当な要望を可能な限り満足させ、対立する利害を公平に調整し、時間が経っても効力を失わず、また社会全体の利益を考慮に入れた解決」のこと。当事者双方と社会全体の利益を考慮した解決なので、三方よしとまったく同じだということです。(82ページより)


コンフリクト・マネジメント


お互いが立場をぶつけ合い、相手を非難し、最終的には裁判に発展するような状況を、交渉学では「コンフリクト」(摩擦)と呼ぶとか。たとえば武力衝突に発展する国際紛争がもっとも極端な例。しかし当然ながら、対立が激化していくとなんの解決にもなりません。そこで重要な意味を持つのが、「交渉」によってコンフリクトを解決していくこと。交渉で、効果的・効率的にコンフリクトを解決に導くことを「コンフリクト・マネジメント」というそうです。

コンフリクト・マネジメントでもっとも重要なのは、解決を急がないこと。日本人はとかく「コンフリクト=対立」と捉え、和を乱すような人間に対して冷たい対応をしがち。また意見の対立や反論があると、個人攻撃と捉える傾向もあるといいます。そこで、不快な状態から一刻も早く脱却しようとして、相手に話を合わせようとしたり、譲歩したりしてしまうもの。しかし、決して解決を急ぐべきではないといいます。また、コンフリクトに慣れ、コンフリクトが発生しても焦らないですむようにしておくことも重要。

加えて、相手に期待しないことも大切だといいます。なぜなら期待することが、コンフリクトをエスカレートさせる一因になるから。たとえば「交渉相手は誠実に交渉すべきだ」とか「不合理な要求をすべきではない」など、相手に対して期待することはよくあること。しかし期待が裏切られると、ますます不愉快になってコンフリクトの解決から遠ざかってしまうこともありうるわけです。(85ページより)




実際には、16歳になった3人の幼馴染と、T教授などの登場人物を軸としたストーリーに沿って解説が進んでいきます。文字も大きくイラストも豊富なので、リラックスして楽しみながら読み進めることができるはずです。


(印南敦史)

  • ,,,,,,,, - By 香川博人LIKE

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