• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

香川博人香川博人  - ,,,  09:00 AM

人とロボットのコミュニケーションはどこまで進むのか? 高橋智隆とゲームクリエイター斎藤由多加が語るロボットの近未来

人とロボットのコミュニケーションはどこまで進むのか? 高橋智隆とゲームクリエイター斎藤由多加が語るロボットの近未来

150929_robot_06_TOP.jpg

「次世代のスマホは小さな人型ロボットになる」と予見するロボットクリエイターの高橋智隆さんと、10年以上前に音声認識のAIを育成シミュレーションゲーム『シーマン』に搭載し世界を驚かせたゲームクリエイター斎藤由多加さんによる対談。

前回は、スマホ機能を搭載した人型ロボットのデザインについて話を聞きましたが、今回のテーマは「人とロボットのコミュニケーション」。人のカタチをした小さなロボットスマホを持ち歩きながら、人とロボットはどんな会話をするのでしょうか? 愛着や信頼関係は生まれるのでしょうか?


「言われたいことを返して欲しい」と期待するのが、人間の心理


150929_robot_06_1.jpg▲音声認識の可能性について話が盛り上がる高橋智隆さん(左)、斎藤由多加さん(右)


高橋氏:斎藤さんは、世界中の誰もが音声認識を活用したコミュニケーションの可能性に気が付いていなかった時代にゲーム『シーマン』をつくりましたが、対話型のAIが語られているいま、ようやく『シーマン』のすごさを理解できたのではないでしょうか。

斎藤氏:あの当時、僕たちも音声認識がこれからどうなるなんてことは気が付いていませんでした。ゲーム制作者は常にコンシューマーの方を向いて面白がらせることが仕事なので、とにかく自分たちがおもいっきり面白がって、足りない技術は手で補ってつくっていました。

たとえば、「あなたの星座は?」とシーマンが聞いた後の会話を推測して、牡羊座、天秤座などの答えに対するリアクションをあらかじめ用意しておきますが、「ぎょうざ」「ギンザ」と答える人もいるだろうから、そうしたAIではできない部分をあらかじめ人間の頭で補って入れておいたわけです。すると、「それに反応するシーマンって頭がいいなぁ」と思われたり、ゲームごときに自分が言った答えを先読みされていることを面白がってくれました。こんな答えがきたらこうリアクションするということを人海戦術で行ったことが、シーマンに人間らしさを埋め込めた理由だと思っています。

高橋氏:多くの音声対話が、不自然で不愉快なものになりがちです。自然な会話を生み出すにはコツがあるように思いますが、斎藤さんが意識しているポイントはありますか?

斎藤氏:不愉快に感じさせず、どこまで言わせるかが大きな命題です。シーマンはディスらないけど辛口なことはバンバン言います。でも、確かにそうだなぁと思えることなので嫌な気持ちにはならないんです。

たとえば、職業を聞いて「受験生」と答えた場合は「受験生なのにゲームばかりやっていていいのか。早く電源を切れ」とシーマンは言いますが、受験生は家族からも同じことを言われているので、自分のために言ってくれていると思うわけです。

自分を映す鏡みたいなもので、言われたいことを別の角度から返すので「ありがたい」と思うんです。ただ、言われたくないことを話されると人間は怒ります。どこまでのことを人間は言われたくないのか、それはまだわかりませんね。

高橋氏:なるほど。ロボットは正確で間違えない印象を持つ人が多いと思いますが、常に正しい返答をしてロジカルに会話を組み立てる必要はないはず。人間同士の会話は、曖昧で柔軟に行われているわけですからね。

斎藤氏:Androidは、メールアプリの中を別のアプリが覗きに行けるのでいいですよね。高橋さんが考える人型ロボットスマホが着信やメールの中身を見て「彼女からの不在着信が多いけど、ケンカでもしたの?」「最近、彼女からメールがきていないね」みたいなことを言わせられますからね。

高橋氏:早くそこまで進化させていきたいですね。

斎藤氏:ぼくがやってさしあげましょうか?


ロボットが会話を完璧に理解するのはムリ。だけど、わかったふりをすることはできる


150929_robot_06_2.jpg


斎藤由多加(YUTAKA SAITO)/ゲームクリエイター
1962年生まれ。早稲田大学工学部卒業後に(株)リクルート入社。1994年にオープンブックを創業。ビル経営シミュレーションゲーム『タワー』を制作し世界中でヒット。1999年、『シーマン ~禁断のペット~』を発売。文化庁メディア芸術祭優秀賞、米国GDC「年間キャラクター賞」をはじめ国内外で受賞多数。その後も数々のゲームを手掛け、2014年3D地球儀の情報プラットフォーム「アースブック」をリリース。最近は大手住宅メーカーの「喋る家」開発など先端技術の分野もプロデュースしている。近著では、堀江貴文氏との共著『指名される技術六本木ホステスから盗んだ稼ぐための仕事術』があり、ほかにも『社長業のオキテ』『「ハンバーガーを待つ3分間」の値段』などがある。オープンブック(株)代表取締役。

── 人とロボットが織りなす会話がどこまでできるのか、その現状と進化について教えてください。

高橋氏:現状では、AppleのSiriなどは認識率や返答のバリエーションも豊富ながら、会話が弾むようなことには至っていませんね。

斎藤氏:技術は進化を続けると思いますが、ロボットの立ち位置にもあると思います。人格を持つロボットなのか、生活をサポートするデジタルアシスタントなのかでその目的も価値も変わってきますからね。

── では、人とロボットの理想的な会話のやりとりは?

斎藤氏:どこまで人間の心の中身の状態を吸い上げるか、センシングできるかだと思っています。たとえば、本人が自己申告しなくても、何かで落ち込んでいることをSNSのコメントやメールの内容などから察知して、「頑張って生きよう」ではなく、「昨日のあの件だけど、何とかした方がいいと思うんだよね」と、その日ではなくて翌日、3日後に言われる、その記憶を持ってくれる。

高橋氏:ペットと一緒に過ごしていると、会話がなくても人間は勝手に解釈して、心が通い合っているように感じる。ロボットも同じで、音声認識技術が進化して会話がある程度成り立ったとしても、完璧に人間を理解することは難しいので、理解したフリをすることが大事だと思います。人間同士でも本当にお互いを理解し合っているかといえば、それはわかりませんからね。

斎藤氏:理解したフリは、ゲームの世界では許されませんが、ロボットだったら未完成でもバージョンアップしていけばいいですからね。


人間に寄り添うロボットが、元気を与え、信頼できるパートナーに


150929_robot_06_3.jpg


高橋智隆(TAKAHASHI TOMOTAKA)/ロボットクリエイター
1975年生まれ。2003年京都大学工学部卒業と同時に「ロボ・ガレージ」を創業し京大学内入居ベンチャー第1号となる。代表作に「週刊ロビ」「ロピッド」「FT」など。2013年、世界で初めてコミュニケーションロボット「キロボ」を宇宙に送り込むことに成功。ロボカップ世界大会5年連続優勝。米TIME誌「2004年の発明」、ポピュラーサイエンス誌「未来を変える33人」に選定。「エボルタ」によるグランドキャニオン登頂、ルマン24時間走行等に成功しギネス世界記録認定。(株)ロボ・ガレージ代表取締役、東京大学先端研特任准教授、大阪電気通信大学客員教授、ヒューマンアカデミーロボット教室顧問。

── では、理解したフリをしながらも、自然な会話ができるようになると、人とロボットはどのような関係になっていくのでしょうか?

斎藤氏:ゲーム『シーマン』を購入した主婦から感謝のハガキをもらいました。そこには、「職業はなに?」と聞かれたので「主婦」と答えたら、シーマンは「俺はもう帰る。おまえも主婦の仕事を頑張れよ。苦労が多いと思うけど...」と言ってくれました。主人に主婦業は仕事と感じてもらうことができなかったけど、シーマンに主婦の仕事を頑張れと初めて言われ涙が出ました〜と書かれていました。

ゲームなので結局は思い込みだと本人もわかっているんです。でも、自分もそういう立場になったら、やはり言われたいなと思うんですよ。ロボットは人間ではないけど、一言で元気づけられる存在ではあるんです。

高橋氏:人間と会話を積み重ねるとロボットは相手の人格を完璧ではないけど、より理解していきます。人型ロボットスマホとして常に一緒に行動して会話を深めることで、主従関係ではなく、パートナーとしての関係性が高まります。そして、愛着や信頼感が深まっていくのではないかと考えています。




斎藤さんは、「人格を持つことは、相手の人格を推論することだ」と説明してくれました。ロボットが人格を持つことで、人間の心を先読みしてリアクションしてくれる。言われたいこと、言われたくないことの境界線もありますが、人型ロボットスマホと対話型AIの進化が、私たちの生活や社会にどのような変化を与えてくれるか。これからも注目していきたいと思います。


(文/香川博人、写真/開發祐介)

MORE FROM LIFEHACKER

powered by
    
    
    
  

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.