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香川博人香川博人  - ,,,,,  09:00 AM

次世代スマホは人型ロボットに!? 対談:高橋智隆×ゲームクリエイター斎藤由多加

次世代スマホは人型ロボットに!? 対談:高橋智隆×ゲームクリエイター斎藤由多加

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「四角いスマホの次世代型は、人のカタチをしたロボットスマホ」と予見するロボットクリエイターの高橋智隆さん。突拍子もない話に聞こえますが、1人1台、人型のロボットスマホを持ち歩く日常にはどんな世界が広がるのでしょうか。

そこで、高橋さんと、人工知能が広く知られる10年以上前に音声認識のAIを搭載した育成シミュレーションゲーム『シーマン』を開発したゲームクリエイターの斎藤由多加さんに対談してもらい、人型ロボットスマホに求められる機能やデザインを紐解いてみました。語られた話はロボット関連に留まらず、モノやサービスを創造し、つくり出す本質やヒントにあふれていました。


人型ロボットスマホを、時代のプロトタイプとして進化させるには


150928_robot_05_01.jpg▲ロボットクリエイターの高橋智隆さん(左)、ゲームクリエイターの斎藤由多加さん(右)による初めての対談


── まず、高橋さんが考える人型のロボットスマホについて教えてください。

高橋氏:これまでずっと人型ロボットをつくってきましたが、やはり人型は作業には向いていない。人のカタチをしている意味は、「コミュニケーションにしかなさそうだ」と考えるようになりました。一方で、スマホの販売が鈍化し、「その次のデバイスは何か」というのが世の関心事となりました。スマホの誤算は音声認識技術が進化を遂げたものの、日常的に使われていないことではないかと。一方、私たちはペットの金魚にすら話しかけてしまう。つまり命を感じ、擬人化できる存在になら声をかけるんです。そこで、ロボットスマホをつくってしまおうと思ったわけです。

斎藤氏:その際のポイントはどれだけのインパクトが与えられるか。日本人はロボットに関しては、大概の話では驚かなくなっていますからね。

しかし一方では、「消費者の心の引き出し」にないモノではなく、うっすらと引き出しにあるモノにすべきだと思います。世の中に製品を出したとしても、新しすぎると消費者のなかにその引き出しがないので、どう受け入れればよいのかがわらかない。たとえば、携帯電話は、周波数ではなく電話番号につながるトランシーバーだったのに、あえて携帯する電話としたことで受け入れられ、いまではコンピュータが詰まった端末なのに、まだ携帯電話、スマートフォンと電話の引き出しの中に入っている。でもこれがとても大事なことです。

高橋氏:その通りで、大事なことは電話として売ることだと私は考えています。既存のアプリやSNSはもちろん、会話もできるユニークな電話として携帯ショップに並べば、目にする機会が増え、生活の中に浸透させることができるのではないかと。

斎藤氏:携帯電話が飛躍的にバージョンアップしたモノと捉えることができるか。消費者の心の中には、「電話」「ロボット」の引き出しが別々にあるので、どうやって馴染ませていくかですね。

高橋氏:電話やメールなど、既存のスマホ機能がありながら、コミュニケーションロボットとして会話ができ、手足があるので立って歩いたりすることもできる。新しいサービスとして感じてもらうことが大切ですね。

斎藤氏:いま、大手住宅メーカーと一緒にHEMSのちょっと先にあるものを探す仕事をしています。たとえば、対話型のAIを活用して、「窓を開けて」と言ったら窓が開くのではなく、ユーザーの嗜好や体調を踏まえて「いま窓を開けると暑いですよ」と返してくる。指示したことを単純に実行するだけでなく、多面的に人間の環境をサポートしたいので、ときとして、命令とは反対のことも言うことで、家や家族の情報のハブ役をやる仕組みです。

同じように、人型ロボットのスマホではなく、家の電話の子機にして、家庭内をサポートしてくれる小さな執事みたいなところから浸透させていくのもひとつの方向性なのかなと思いますが、高橋さんはどうなんでしょうか?

高橋氏:もちろん、ホームネットワークのハブにもなりますが、ユーザーの個人情報を取り出して活用するので、パーソナルな携帯電話にすることに価値があると思っています。一足飛びには難しいかもしれませんが、ポケットに入るサイズにして1人1台持ち歩き、時間と経験を共有することで次第に信頼関係が生まれてくる。そんな世界が構築できればと考えています。

斎藤氏:重要になってくる点は、人型ロボットスマホに人格を持たせるか、IBMのワトソンのように知識検索を優先させその分、人格を諦めるかですね。それによって手足がある必然性が大きく変わるかもしれません。ロボットへの人格投影が進めば、ロボットに対して愛着が生まれ、動きも含めて持ち歩きたくなるかもしれませんからね。


視覚的なストレスを少なくし、くつろいだ姿勢が会話を生み出す


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斎藤由多加(YUTAKA SAITO)/ゲームクリエイター
1962年生まれ。早稲田大学工学部卒業後に(株)リクルート入社。1994年にオープンブックを創業。ビル経営シミュレーションゲーム『タワー』を制作し世界中でヒット。1999年、『シーマン ~禁断のペット~』を発売。文化庁メディア芸術祭優秀賞、米国GDC「年間キャラクター賞」をはじめ国内外で受賞多数。その後も数々のゲームを手掛け、2014年3D地球儀の情報プラットフォーム「アースブック」をリリース。最近は大手住宅メーカーの「喋る家」開発など先端技術の分野もプロデュースしている。近著では、堀江貴文氏との共著『指名される技術六本木ホステスから盗んだ稼ぐための仕事術』があり、ほかにも『社長業のオキテ』『「ハンバーガーを待つ3分間」の値段』などがある。オープンブック(株)代表取締役。

── 人格の話が出ましたが、人格を表現するものに容姿・表情・会話などがあります。高橋さんは人型ロボットスマホの単なるカタチだけではない、機能的なデザインについてどのようにお考えですか?

高橋氏:カタチは人型ですが、一定のルールのなかで機能と併せて人格を持つべきだと思っています。実はそのことについて、人面魚を育てるという異色のゲーム『シーマン』を開発した斎藤さんのお考えを聞きたかったんです。

『シーマン』は敵を倒すでもなく、それまでの目的型ゲームにとらわれない企画の斬新さと気持ち悪いけど憎めないキャラクターが受け入れられたのだと思いますが、魚であったことがポイントだと思っています。水族館の魚は気まぐれで、自由で、魚と人のどちらが見られているのかわからなくなります。でも、魚だから仕方がないと思えてしまう。


150928_robot_05_04.jpg▲人の顔をしたキモかわいい容姿とふてぶてしい態度に、人間は親しみを感じて話しかけるようになる。育成シミュレーションゲーム『シーマン』には緻密な計算がなされていました。(c) 1998-2012 VIVARIUM Inc.


斎藤氏:魚は「姿勢」が自由です。いろいろなポーズに瞬時に移れるから重力の影響を受けずに立体浮遊しているので、空を飛ぶ鳥と同じように動きに自由度があります。それが、すごく自然だった。しかし、2足歩行する鳥のシーマンをつくったときは苦労しました。3Dの基本姿勢を直立不動にすると不自然なんです。人間もまっすぐ立った姿勢を長時間続けることはありません。重心を片足にかけたり、片肘ついたり、寝転んだり、人間がごく自然で長時間継続できる姿勢にすることで、見ている者は安心して話しかけやすいんです。つまり、視覚的なストレスが少ない時だけ会話が生まれやすいわけです。

高橋氏:これまでの人型ロボットは、関節が真っ直ぐだったので美しい立ち姿にはこだわってきましたが、もっとくつろいだ方がいいわけですね。ただ、関節の数に限りがあるので、どこまで表現できるか...


150928_robot_05_05.JPG▲「3Dモデルのモーションデザインをする際に、直立不動の"基本姿勢"よりは、重心をどこかに委ねた状態の方が話しやすい」と、対談中にいきなり床に寝転ぶ斎藤さん。どこかシーマンに似ている姿勢には緊張感がなく、確かに話しかけやすい


斎藤氏:大丈夫です。人間がいいように解釈します。たとえば、『シーマン』の開発テクニックとしてよく使いましたが、職業を聞いて、シーマンが知らない職業の場合は「すげぇー」と答えるようにしました。聞いたユーザー側の解釈にまかせるわけです。ここに動きが加わったとしても、人間は勝手に解釈してくれます。

高橋氏:なるほど。ペットに対しても人は都合のよい思い込みをしますからね。


つくり出せるのは自分のコピー。経験していないことを描くことはできない


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高橋智隆(TAKAHASHI TOMOTAKA)/ロボットクリエイター
1975年生まれ。2003年京都大学工学部卒業と同時に「ロボ・ガレージ」を創業し京大学内入居ベンチャー第1号となる。代表作に「週刊ロビ」「ロピッド」「FT」など。2013年、世界で初めてコミュニケーションロボット「キロボ」を宇宙に送り込むことに成功。ロボカップ世界大会5年連続優勝。米TIME誌「2004年の発明」、ポピュラーサイエンス誌「未来を変える33人」に選定。「エボルタ」によるグランドキャニオン登頂、ルマン24時間走行等に成功しギネス世界記録認定。(株)ロボ・ガレージ代表取締役、東京大学先端研特任准教授、大阪電気通信大学客員教授、ヒューマンアカデミーロボット教室顧問。

── 人型ロボットスマホは、まだ世の中に存在していないので時期尚早だとは思いますが、人と社会のなかでどのような存在として魅力を放っていくのでしょうか?

高橋氏:目指しているキャラクター像は、藤子・F・不二雄原作の『キテレツ大百科』に登場するコロ助です。一生懸命やっても幼稚園児並みの知能なので失敗するけどカワイイ。技術が進歩してロボットが本当に賢くなっていけば、身の丈に合った機能を組み込んでいきますが、現状ではイノセントであるべきだと思っています。

斎藤氏:これは持論でもあるんですが、ロボットの人格や知識には開発者の性格や個性が反映されるべきで、反映されなかったら意味がありません。たとえば、面白いロボットをつくりたいと思ったら、面白い科学者からしかつくれない。開発者自身が自分で面白いことを思いつけないのに、なんでその分身のロボットが面白いといえるのかってことです。だから、経験したことのないことは描けないということです。

また、キャラクターはどんなリアクションをするかで変わってきます。たとえば、ロボットが職業を質問したとして、答えが「学校の先生」だったとします。リアクションの言葉が「立派な職業ですね」と「学校の先生の仕事はたいへんなの?」とでは、まったく印象が違います。そうしたものの集合体がキャラクターとなり、どの程度の知識レベルで、どういう性格なのか設定いくわけです。

しかし最終的には、それらの価値観に正解はないので、手がけた人に近い存在になる。つまり、高橋さん自身の分身が人型ロボットスマホになると思いますよ。

高橋氏:これまでも1人で機構、デザイン、プログラムをつくってきましたが、多種多様な分野の人たちと協同しながらも、自分の感性で進めていくしか方法がありませんからね。




まだ見ぬ人型ロボットスマホを熱く語る2人。工学系の知識がない筆者には難解な部分もありましたが、「新しいモノやサービスを市場に浸透させる方法」「会話を生み出す視覚的姿勢」「モノづくりには経験がものを言うこと」など、ビジネスやプライベートで心に留めておくべきキーワードがいくつも飛び出しました。高橋智隆さん×斎藤由多加さんの対談。次回は、人と人型ロボットスマホの関係性を探ってみたいと思います。


(文/香川博人、写真/開發祐介)

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