• GIZMODO
  • FUZE
  • DIGIDAY
  • gene
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • roomie
  • machi-ya
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • machi-ya
  • roomie

開發祐介  - ,,,,,,,,,,,,  07:00 PM

心理カウンセリングで脚本家のポテンシャルを引き出す。スクリプトドクター・三宅隆太さんインタビュー

心理カウンセリングで脚本家のポテンシャルを引き出す。スクリプトドクター・三宅隆太さんインタビュー

script_doctor.jpg


6月に『スクリプトドクターの脚本術・初級編』を上梓した、脚本家・映画監督、そして"スクリプトドクター"の三宅隆太さん。スクリプトドクターとはなにか、本著ではこのように説明されています。


体調不良を抱えた脚本の問題点を「外部の視点から」客観的に分析し、状況を打開するためのアドバイスやサポートをしたり、ときには直接治療を施す(リライトをする)のがスクリプトドクターの主な仕事です。


映画やテレビドラマなどの脚本は、脚本家が最初に書き上げた"初稿"のまま撮影されることはほぼなく、プロデューサーと脚本家の間で何度も打ち合わせをし、リライトを繰り返して完成されるものです。しかし、その中でさまざまな事情が絡み合い、制作が難航し、脚本が「体調不良」に陥ってしまうことがあります。そんな時に、「脚本のお医者さん」として制作現場に参加するのがスクリプトドクターです。

ハリウッドではポピュラーな存在であるスクリプトドクターですが、日本には数名しかいないと言われています。エンドロールにクレジットすら出ないので普段私たちの目に触れることのない職業ですが、本著で紹介されている「心理カウンセリング」の要素を用いた三宅さん独自のスクリプトドクターの手法には、脚本家のみならず誰もが生きていく上で参考になるようなヒントがたくさんありました。そこで今回、三宅さんに本著について、そしてスクリプトドクターというお仕事についてお話をお聞きしました。


三宅隆太(みやけ・りゅうた)
脚本家、映画監督、スクリプトドクター、心理カウンセラー。若松プロダクション助監督を経て、フリーの撮影・照明スタッフとなり、映画・テレビドラマ等の現場に多数参加。ミュージックビデオのディレクターを経由して脚本家・監督に。また、スクリプトドクター(脚本家のお医者さん)としてハリウッド作品を含む国内外の映画企画に多く参加する傍ら、東京藝術大学大学院をはじめ各種大学やシナリオ学校等で教鞭を執っている。主な作品に、『劇場霊』(11月21日より全国公開)『クロユリ団地』『七つまでは神のうち』『呪怨 白い老女』など。


自分の人生は自分でクリエイトしていい


script_doctor4.jpg


―― 本著は脚本家向けに書かれた本ではあるかと思いますが、それ以外の人にとっても凄く役に立つ本ですよね。どういった思いから、この本を書かれたのですか?

三宅:そもそもは、僕が時折出演しているTBSのラジオ番組「タマフル(ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル)」で、スクリプトドクターについて紹介した回があったんです。それを聴いた新書館の編集者の吉野さんが、僕や僕の考え方に興味を持ってくれて、出版のオファーをくれたことがきっかけでした。

長年、大学やシナリオ学校等で脚本指導をしてきたので、「こういう風にすると、こういうお話ができますよ」というテンプレートを伝えることはもちろん可能です。でも、僕も吉野さんもいわゆる「ハウツー本」にはしたくなかった。

テンプレートにはめてゆくやり方は、自分で「考えたり」「気づいたり」する機会を奪う危険性があるからです。大切なのはカタチではなく、キモチです。誰かのやり方を真似していても、真のオリジナリティは育ちません。この本で伝えたかったのは、読み手ひとりひとりが「自分の個性」を認め、「自分らしく考える習慣」をきちんと身につけられるようになることです。それにはまず、「自分自身の感情の動き」をしっかりと認識することが大切。

ひとは何かに挑戦する際、「失敗したらどうしよう」「怒られたらどうしよう」というような自己凝視(自分ばかりを見つめる行為)に陥りがちです。そういう思考をいかに克服するか、落ち着いた心を持ち、自分らしいものの見方や、自分らしいクリエイティブな発想力を育むにはどうすればよいか。そういった精神力の強化は、実は脚本技術の向上と大きく関係があるんですよ、ということを伝えたかったわけです。

―― そもそも大学やシナリオ学校で教育に関わるようなったのは、どういうきっかけあったんですか?

三宅:最初は自分が卒業した大学からゲストで授業をやってほしいというオファーがあり、1度やってみたら思いのほか評判が良かったんです。その時は「どういう風にプロになったのか」という話をしただけだったんですが。ちょうどそのタイミングで大学が新しい学科をつくるということで、「生徒がそんなに勇気づけられるなら」と思い、もっと連続性のある全15回ほどのシナリオの授業を持つことになりました。ありがたいことにそれから10数年続いてます。

―― 本書では、自分の思考や感情にストッパーをかけてしまい、殻にこもったようなストーリーしか書けなくなっている脚本家志望者を、「窓辺系」作家と呼んでいます。そして冒頭には、「この本は窓辺系作家たちを支援する脚本指南書である」とも書かれています。なぜそのような「窓辺系」作家が生まれてしまうのだと思いますか?

三宅:長年、教育現場に携わって痛感しているのは、「失敗すること」を恐れたり、「失敗すると取り返しがつかない」と考えている生徒が、以前よりも確実に増えているということです。

メディアや周囲の大人たちの影響なのか、人生は一度でも失敗してドロップアウトすると、セカンドチャンスがなくなるものだと「思い込まされている」ようなんですね。実際彼らは、脚本の課題を書かせようとしても、簡単にあてはめられるような物語の型やテンプレートをすぐに欲しがります。「どうして?」と尋ねると、「失敗したくないから」と言う。誰か別のひとのやり方にのっとった行動をすることで、傷つくことが解消されると思っているらしいんです。「でも、それって楽しいの? あなたの人生でしょ? 誰のせいにもできないし、自分で決めていいんだよ」と。そう言うと、「そんなこと考えたこともなかった」という反応をする生徒が多いのでビックリします。

そもそも「自分の人生は自分でクリエイトしていいんだ」ということが、意外とインプットされてないのかもしれませんね。


150920script_doctor5.jpg

三宅さんが監督・脚本を務めた『呪怨 白い老女』


うまくいかないときは、"足す"のではなく"引く"


―― スクリプトドクターとして人がつくった作品を直したり、より良くしていくための一番のポイントはなんですか?

三宅:まず「直す」とか「良くする」とは考えないことです。そういう言葉の裏には、「自分ならこうする」という主観的な視点や、「本来ならこうすべきだ」というような思い込みや決めつけが潜んでいるからです。そういうものの見方をしていると、「個別の事例にとって一番大切なこと」を見失う危険性があります。僕の考えるスクリプトドクター業務は、自分の考えを押しつけるのではなく、まずは今現在苦しんでいる対象脚本家の心と真摯に向き合うことからスタートします。大抵の場合、リライトがうまくいかない最大の問題は、テクニック云々ではなく対象脚本家が自分の一番良いところを作品の中で発揮できていないことが原因だからです。ですから、なぜうまくいってないのか、なぜ発揮できなくなっているのか、ということを見つめ直し、カウンセリングメソッドを活用して対象脚本家のポテンシャルを引き出すようにしています。その点で、いわゆるストーリーアナリスト(シナリオの問題点を分析、指摘する仕事)とはアプローチが異なります。

ハリウッドメソッドをある程度身につけられれば、脚本の中の「悪いところ」を見つけるのは簡単です。でも、そのことと「どうしたらリライト作業が好転するのか」を考えるのは別次元の問題だと僕は考えています。特に日本の映像業界は、良くも悪くもお察し文化が根底にあり、ハリウッドのようなある種の冷徹なシステム化は徹底されていません。よく「スクリプトドクターって、人がつくった作品を変えちゃう人なんでしょ?」と誤解されるんですけど、それだとただ単に別の脚本家として雇われただけになってしまう。書いた本人の心に向き合わずして、スクリプトドクター業務は成り立たない。少なくとも僕はそう考えてこの仕事をしています。

―― 足すのではなく、引き出すということですね。

三宅:そうですね。べつに脚本に限ったことではないと思いますが、良いアイデアがひらめかないときって「何かが足りない」とか「何かを足さなきゃ」と考えがちなんです。しかし、そこには「ひらめく」ということ自体への根本的な誤解がある。

「アイデアがひらめく」というのは、天から宝物が降ってくるように「足される」のではなく、心の中にかかった「かすみ」を払うことで、ほんとうに大切だったり、必要だったりするものに気づいたり、見えるようになることです。そのためのサポートをするのがスクリプトドクターの仕事です。脚本家が思い悩んだ末に、自ら生み出してしまった「かすみ」を、客観的な視点をもって払う。つまり「足すんじゃなくて引く」ということです。


コミュニケーションのコツは、うまくとろうしないこと


―― ご著書のなかで、プロデューサーや脚本家など当事者同士のコミュニケーション不足が脚本づくりをうまくいかなくさせる理由だと書かれてますが、うまくコミュ二ケーションをとるコツというのはありますか?

三宅:うまくとるコツを探ろうとしないことです(笑)。「うまいことやろう」と考えているとき、ひとは相手の心を見ようとせず、「自分が相手にどう見られているか」「相手に自分をどう見せたいか」に関心が向いています。つまり、利己的な視点に立っている。これだとコミュニケーションは改善されません。「自分」に着目するのではなく「相手が今何を悩んでるのか」「望んでいるか」という点にこそ目を向ける。共感的な姿勢で相手の姿や心をよく見つめ、相手の言葉をよく聴いていくということが大事なのだと思います。

それには、相手にとっての喜びこそが自分の喜びだと思えるように、利他的な視点に立つことが大切です。

―― スクリプトドクターは作品に自分の名前がクレジットされないので、純粋に人の力になりたいという気持ちがなければできない仕事だと思いますし、学校で教鞭を執るのも「生徒の力になりたい」という気持ちからやられているのだと感じます。三宅さんがそこまで利他的になれるのはなぜですか?

三宅:単純に自己評価が低いからです(笑)。僕は自分が「存在するだけで他人様に迷惑をかける生ゴミ以下の最低の人間」だと常に感じています。これは子供のころ、ある人物から植え付けられた価値観で、僕にとっては一種のトラウマのようなものです。しかし、いまだに払拭できずにいます。だとしたら、その思考とは付き合っていかなければならない。そこでいつも感じるのは、もしも他人様のお役に立てないのであれば、僕という人間は、呼吸することもご飯を食べることも、生きていることすらも許されないんじゃないか、という疑問なんです。でも実際は、呼吸もしたいし、ご飯も食べたいし、生きてもいたい、と(笑)。

となると、他人様にとって必要な人材にならなきゃいけない。では、必要な人材になるにはどうしたらいいんだろうか? この思考の流れをいつも意識的に持ちながら仕事をしているので、どんなに過酷なプロジェクトに参加しても、その中の誰か1人は必ず心から愛し、その人のためになんとか役に立とうと思って取り組むことができています。それが「どうして利他的になれるのか?」というご質問の答えかもしれませんね。ようするに、自分のことなんてどうでもいい。ごく自然にそう思える、というか、思わざるを得ないような出自なんですよ(笑)。ちなみに、プロジェクトごとの愛する対象は、プロデューサーや監督の時もあれば、キャストの時もあるし、とくに誰も愛せそうになければ脚本上のキャラクターの時もあります(笑)。

―― 一番のモチベーションは「誰かの力になりたい」というところにあるんですか?

三宅:そうですね。でも、誰でも良いわけじゃなくて"ご縁のあるひと"を大切にしたいと思っています。このご縁というのは、何らかの理由で僕を必要な人材だと解釈してくれる方ですね。そのひとのために力になりたいと、常に願っています。たとえば、「タマフル」を聞いて「本を出しませんか?」とオファーをしてくれた出版社は新書館以外にもいくつもありました。でも吉野さんは、当時僕が教員をしていた遠方の大学までいきなり尋ねてきて、どうしても本を出したいと言ってくれたんです。僕に直接話をしに来てくれて、僕自身に興味を持ってくれた。そのご縁は大切にしたいと思いましたし、この本もまずは吉野さんに喜んでほしいと思って書きました。


僕がスクリプトドクターと呼んでいるものの考え方を、なにかに役立ててほしい


―― 三宅さんがスクリプトドクターを始めた当時、ロールモデル的な存在はいなかったと思います。その後状況は変わりましたか?

三宅:今もそのような存在はいません。ただ、日本の映画・テレビ業界に、ここまで深く食い込んでいるスクリプトドクターは僕くらいなものだと思います。それは僕自身が脚本家として300本以上の商業作品を書き、監督作品も数十本以上あるからです。つまり、机上の論理ではなく、実際に日本の業界で生きてきた経験値がある。それが信頼感を生み、結果として依頼が途切れないのだと思います。

―― そんな三宅さんによるスクリプトドクター養成講座が8月から始まっています。これは、日本にもっとスクリプトドクターを増やしていきたいという思いからですか?

三宅:増やしたいというよりも、僕自身がスクリプトドクターとして実践している考え方を、なにかの役に立ててもらえればいいなという思いがあります。これまでも脚本家としての観点で、脚本家になりたいひと向けの授業はやってきましたが、スクリプトドクターとしての観点で僕が取ってきた方法や眼差し、つまり、対象者自身の心と向き合って、問題のある状況を改善させていくという方法は、脚本家を目指すひとたちだけでなく、いろいろな職種のいろいろな立場の人にとっても役に立つのではないかなと思うんです。

たとえば、(担当編集の)吉野さんと話していると、漫画家と編集者の関係性にも近いようですし。スクリプトドクターはもちろん脚本の分析もしますが、人のポテンシャルを引き出したり、人をサポートしたりするのが主な仕事です。そういう意味では、いろいろな立場の人にひとりでも多く受けてほしいと思っています。


(開發 祐介)

*************************************
『呪怨 白い老女』
発売中:4500円(税抜き)
発売元:東映ビデオ
販売元:東映
東映ビデオオンラインショップ

**************************************

  • ,,,, - By

    友清哲

    LIKE

    今度のFIREは「炭になる」直前まで豆を焼いているらしい。コーヒーは「焙煎」でどう変わるのか、詳しく聞いてみた

    Sponsored

    今度のFIREは「炭になる」直前まで豆を焼いているらしい。コーヒーは「焙煎」でどう変わるのか、詳しく聞いてみた

    今度のFIREは「炭になる」直前まで豆を焼いているらしい。コーヒーは「焙煎」でどう変わるのか、詳しく聞いてみた

    商品名を明かさずに100万本を無料配布するという、あまりにも大胆なキャンペーンが話題を集めた新しい「KIRIN FIRE」。 キャンペーン期間中、 中身を知らずに飲んだ人々の感想が、「#ジャッジしてみた」というハッシュタグとともにネット上に拡散していたことを、覚えている人も多いのではないでしょうか。 9月14日より、全国7都市で「100万本シークレットサンプリング」が行われました。 培ってきたブ  11:00 AM

MORE FROM LIFEHACKER

powered by
    
    
    
  

Kotaku

Recommended

© mediagene Inc.