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印南敦史印南敦史  - ,,,  06:30 AM

コンビニ弁当は食事でもなんでもない。加工食品の害悪とは?

コンビニ弁当は食事でもなんでもない。加工食品の害悪とは?

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40歳からは食べてはいけない 病気になる食べもの』(南 清貴著、KADOKAWA)というタイトルを見て、20代もしくは30代前半の方は「まだまだ先の話だから、自分には関係ない」と感じられたかもしれません。しかし現実的には、20代であろうとも食べものに対する警戒心は持っておくべきです。また私たち日本人には、他の民族とは異なる事情もあります。

70年という短い年月で、これほど劇的に食事の内容を変化させてきた民族は、人類史上、日本人の他にない。(中略)その結果がどのようなことになるのか、まだ誰にもわかっていない。ただ、私たちの身体にはもう、少しずつその結果が出始めているようにも思える。(「はじめに」より)

だとすればなおさら、食べものについて正しい知識を得ておくことは重要。加工食品などについて触れた第3章「安心できない加工食品と添加物」から、いくつかを抜き出してみましょう。


ジャンクフードを食べるということ


18世紀の半ばから19世紀初頭にかけてフランスで活躍し、食通としても知られた法律家・政治家のジャン・アンテルム・ブルア=サヴァランの名言が、ここでは紹介されています。

「あなたが何を食べているか言ってごらん。そうしたらあなたがどんな人か当ててみせよう」(56ページより)

このことばに表れているように、人間は食べているものによって、どんな人間になっていくのかが決められてしまうもの。しかしその一方、現代人はそこに対する意識が低すぎると著者は主張しています。食べているものによって、人間の質やレベルは圧倒的に違ってきてしまう。健康のレベルも、気持ちや気分など精神的な部分も大きく変わる。そのことにもっと意識的になるべきだとも。

自分はまだ若いから大丈夫、と食べもののことなど気にしない人も多いかもしれない。しかし、全体を見渡すと、子どもの生活習慣病にかかる率は増加しているし、学力も落ちている。就職難なのに離職率も上がっている。(中略)精神的にも肉体的にも耐えられない若者が増えているのだ。(57ページより)

そしてこれは、ファストフードやファミリーレストランで提供される「食事のようなもの」、コンビニで売られている「食品のようなもの」を無自覚に摂り続ける現代の食の影響が大きいのではないかと考えているそうです。

著者のことばを借りるなら、ファストフードやファミリーレストラン、コンビニで売られているものは100%工業製品化された加工食品。「ジャンクな物質のみで構成された食べものもどき」といった代物だとさえいいます。意識すべきは、そこに私たちが生命を維持するために必要な栄養素はほとんど含まれていないと考えなくてはいけないということ。だからこそ、無自覚にこれらを食べ続けるのではなく、どこかで流れを変えなくてはならないというわけです。(56ページより)


コンビニ弁当の恐ろしい話


しばしば話題に上ることではありますが、著者も本書で、コンビニ弁当の危険性を説いています。なお、ここでいうコンビニ弁当とは、ファストフードやファミリーレストランで提供される食品、インスタント食品やレトルト食品、冷凍食品、惣菜、スナック菓子など、工業製品化された加工食品を象徴するもののことだそうです。

私たちは本来、食べるものによってエネルギーを得て、からだの細かい不具合を修復し、成長させ、整えてきました。ある意味では、食事を薬にしていきてきたわけです。ところがコンビニ弁当は、たとえ高額なものであっても薬にならないどころか、かえって私たちのからだにダメージを与えている。食べれば食べるほどからだの調子を損ない、もともと持っていたはずの自己修復能力すら働かなくさせる。つまり、老化を早め、病気に近づける原因だとすら著者はいいます。

コンビニ弁当で食事を済ませながら、フィットネスに通ったり、アンチエイジングに取り組んだりしても、まったく意味がない。もはや、コンビニ弁当は食事でもなんでもないということに気付いてほしい。(72ページより)

著者のこの主張は、「忘れてしまいがちだけれど大切なこと」を思い出させてくれるのではないでしょうか?(71ページより)


安いというリスク


コンビニ弁当など工業製品化された加工食品は、素材そのものが劣悪であるうえ、大量に化学物質を使わないと成立しません。だから当然ながら、そういうものを食べれば私たちの体内に化学物質が入ってくることになります。入ってきた化学物質は分解して排泄するか、そのまま蓄積されるか、いずれにしても私たちのからだにメリットを与えてはくれないでしょう。

そして著者はここで、これら化学物質が、生産者側、販売者側の利便性のために使われているということに焦点を当てています。つまり、化学薬品や化学物質を使うと商品を安く提供できる。それは消費者の出費を減らすので、短期的にはメリットかもしれない。しかし中長期的な視点で見ればむしろデメリットであり、リスクだということ。だからこそ著者は、「安い」ということは私たちにとってまったくメリットではないということに気づかなければならないと訴えています。

生活習慣病がよく話題になりますが、その病気にいちばんインパクトを与えているのは、いうまでもなく食習慣。そこに気づいて食習慣を変え、自分のからだを健康に保てるようになったなら、払わなければならなかった医療費を払う必要もなくなる。当座の安さをとって未来の高額医療費を負担するのがいいのか、当座の高さをとって医療費負担をなくすのがいいのか、きちんと問題に向き合って考えるべきだと著者は記しています。(73ページより)


うまいと思わせるテクニック


工業製品的な加工食品のテクニックは、塩と砂糖と油の配分によって「うまい」と錯覚させること。味をつくっていく過程でそうした操作を行うのは、商品開発の基本だとさえ著者はいいます。そしていったん気に入れば、消費者は繰り返しその商品を買うようになり、同類の商品にも自然と手を伸ばしてくれるようになる。グローバルな食品企業はその技術を専門的に研究しており、その成果を製品づくりに生かしているもの。それは経済行為でもあるので否定はできないものの、別の側面から見れば消費者をだますテクニックでもあると著者は指摘しています。

フードプロデューサーである著者は、自身が主催する料理教室などにおいて、出汁に少しずつ塩を加えていく実験をすることがあるのだそうです。その目的は、「うまみの下限境界線」を知ってもらうこと。すると最初のうちは感じないものの、あるところまでくると塩味を感じるようになるのだといいます。そこがうまみの下限境界線で、そこからがうまみの領域なのだということ。

そしてさらに塩を加えていくと、「これ以上加えるとしょっぱくて飲めない」というところに到達することになります。そこが、うまみの上限境界線。なお、うまみの上限境界線を超える塩味をつけた出汁に砂糖を加えていくと、不思議なことに塩味を感じなくなるのだそうです。そしてどんどん砂糖を加えていくと、ある種のうまみのようなものを感じるようになり、さらにそこに塩を加えると、またうまみが増すように感じられるのだとか。

人の味覚はこのカラクリにだまされており、それどころか、依存するようにもなってしまうと著者は危機感を訴えます。ファストフードなどではその傾向が顕著で、食べる人はファストフード症候群であるかのように食べ続けてしまう。スナック菓子にしてもまったく同じだといいます。

私たちの舌は繊細にできているが、だまされやすくもある。(78ページより)


そこで私たち消費者には、しっかりとした選択眼が求められるということです。(76ページより)




著者の文体は非常に力強くストレートで、どちらかといえば硬派の部類に属するでしょう。だから、そこがとっつきにくいという方もいらっしゃるかもしれません。しかし表現がどうであれ、その内容にはきっと納得できるはず。食品添加物に囲まれた時代を生きている私たちだからこそ、ぜひ目を通しておきたい一冊だといえます。


(印南敦史)

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