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ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,,,,,,,  07:00 PM

10周年を迎えた東京ガールズコレクション。総合演出・田村孝司さんとその歴史を振り返る

10周年を迎えた東京ガールズコレクション。総合演出・田村孝司さんとその歴史を振り返る

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2005年8月の初開催から10周年を迎えた東京ガールズコレクション(TGC)。今年2月に開催された第20回「TOKYO GIRLS COLLECTION by girlswalker.com '15 S/S」では、過去最多となる約3万3700人の来場者数を記録し、日本のガールズ文化を象徴するファッションイベントとしてますます存在感を強めています。

本来メディアや高所得者層、もしくはBtoB(企業)向けのものだったファッションショーを、リアル・クローズ(大衆向けの既成服)を紹介する興行として成立させ、多くの熱狂的ファンを生み出したという点でTGCは画期的でした。

今回ライフハッカー[日本版]では、第1回からTGCの総合演出を務めてきた演出家、有限会社ドラムカン代表の田村孝司さんに、TGCのこれまでの10年とこれから、そして田村さん自身のヒストリーついてじっくりとお話を伺いました。これまでほとんどメディア露出がなかった田村さんへの、貴重なロングインタビューとなっています。


田村孝司(たむら・こうじ)
2002年ファッションイベント企画制作会社「有限会社ドラムカン」設立。ファッションショー及びパーティー、イベントや舞台などの企画演出を手がける。またブランドコンサルティング、音楽レーベル、アート展、空間プロデュースなどさまざまなビジネスを展開。近年、東京ガールズコレクション総合演出家としてガールズブームを仕掛ける等、日本を代表する演出家の1人である。今後国内のみならず「ファッション」をフィーチャーしたパーティーイベント等をヨーロッパやASEAN 、中東で展開予定。


画期的だった「普通の人が普通に買える服」を紹介するファッションショー


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米田:東京ガールズコレクション(以下TGC)が、今年ついに10周年を迎えましたね。

田村:次の10年ということで、またこれから新しく始まります。10年と言っても、その前の仕掛けから含めると15年は経っているんです。

もともとは(NTTドコモの)iモードの中でメディアファクトリーがやっていたファッションサイト「f-mode」のイベントが原点です。4年間で、年2回、合計8回ほど開催した後、そのイベントとスタッフたちを引き継いだのが、TGCの最初のオーナー会社です。

その会社はiモードのサイトを20~30個運営していて、その時にすでに30~40万人くらい会員がいたんじゃないかな。業界でもかなりメジャーだったんですが、当時の僕はまだそれがなんなのか、よく理解できていませんでしたね。

米田:その2000年頃にはすでに、若年層にとって携帯で買い物するという文化は当たり前になりつつありましたよね。

田村:いや、僕たちは「服は普通ショップで買うでしょ」と思っていたし、当時は携帯の画面もすごく小さくて「こんなところでどうやって服を選ぶの?」と思ってましたよ。実際、その時はTシャツとかパンツくらいしか売ってなくて、ブランド側もそこに出店するのはちょっと怪しいぞ、みたいな雰囲気はまだあったと思いますね。

その中に「girlswalker.com」というECサイトがあったんですが、それを立体化するイベントとしてはじまったのがTGCだったんです。

米田:リアルクローズを中心にした「普通の人が普通に買える服を紹介するファッションショー」というのは当時なかったと思いますし、まさか10年も続くとは思われてなかったんじゃないでしょうか?

田村:ブレイクするまで2年くらいかかりましたけどね。もともとファッションショーというものはB to Bだから、一般人は入れないし、お金を払って見るものではありませんでした。

米田:それをB to Cのリアルクローズのイベントにしたというのは画期的でしたね。

田村:それまでもファッション誌主催のショーとかはありましたが、読者招待のイベントでしたからね。その雑誌に広告を出しているスポンサーだけで成り立っていたショーだから、あんまりお金もかけられないし、派手さもなかったんです。

米田:世界を見渡しても、TGCのようなイベントは珍しいんじゃないですか?

田村:昔から、ブランドが顧客向けにショーをやることはあったんですよ。A顧客と呼ばれる年間数百万とか数千万買うようなお客さんの前で、4、5人くらいのモデルでショーをやって、その場で服を売るというようなものです。だけどリアルクローズというような、マス相手のものは確かにそれまでありませんでした。


「お金を払ってまで見たい」と思わせるショーにするために


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米田:田村さんはもともとヨーロッパでイベントやショーの演出をやられていて、いわゆる「ハイブランド」のファッションに関わっていたそうですが、若年層向けのリアルクローズのイベントをやるにあたって、どういうところに気を付けてプランニングしましたか?

田村:ショーはずっとやってきましたから、成功するパターンというのは明確に見えているんです。ただ、「お金を払ってまで見たい」と思わせるにはどうすればいいのか? まず、そこは非常に考えたところでした。普通のショーに出るようなモデルを起用しても、モデル好きな人じゃないと見に来ません。ですから、少しエンタメ要素を強くするために、なるべく顔が売れている子たちを使うんだけど、その子たちはショーのモデルとしては身長が低かったりする。そうするとそれはもうファッションショーとしてじゃなく、エンターテインメントショーにしないと成立しなくなるんですよ。

一般の子たちが見に来るエンターテインメントショーで言うと、『Mc Sister』という小中学生向けのファッション誌があって、その雑誌のモデルたちが出演するショーというのがありました。観客がキャーキャーワーワーみたいな、TGCの原型はもともとあったわけです。でもここまで大々的にやるものはそれまでありませんでした。そこまでお金を出せる人もいなかったですし。しかし、TGCはコマーシャルとしてスポンサーから協賛をもらうというシステムをつくったのが画期的でした。

米田:僕も3月に国立代々木競技場第一体育館で開催された第20回「TOKYO GIRLS COLLECTION by girlswalker.com '15 S/S」に行かせていただいて、田村さんたちのいるオペレーションスペースでショーを俯瞰して拝見しましたが、モデルの出演するステージの合間に、スポンサー企業のコマーシャルが結構な時間流れるのが改めて新鮮でした。エンターテインメントだけじゃなくて、広告モデルとしてしっかりしていると。

田村:スポンサーのためのステージの時間帯があるんですよ。よく考えたらお客さんがお金を払って企業のCMを見ているっていうのはおかしな話ですけどね(笑)。

米田:だから面白いなと思ったんです。こんなショーは他にはないと。TGCは興行の総時間が5、6時間もあってすごく長いですよね。よくお客さんが見続けられるなと感心します。普通、コンサートで6時間は見られないですよ。

田村:それだけ熱狂的なファンがいるわけです。

一番前で見ているコアなファンは100人か200人だけど、ショーの間にトイレに行くと見逃すから、オムツして見に来てる子もいるみたいですよ。クツを脱いで下に新聞紙を敷いて見ている子たちもいます。

TGCが面白いのは、10年経って、アイドルのコンサート会場みたいにモデルの名前入りのメッセージボードを持ってくるお客さんがいることです。普通のファッションショーでそんなことはありませんから。モデルたちも歩いているだけなんだけど、使命感としてというか、50メートルのキャットウォークをどう歩いて自分を表現するかということに全力を注いでいるんです。

米田:そのモデルさんたちのパフォーマンスについて田村さんがなにか意見することはありますか?

田村:基本的には任せていますが、最低限歩きだけはできないとダメですから、ウォーキングレッスンはしっかりやらせます。雑誌モデルの子たち歩けませんから。

当日、朝からみんなでリハーサルして本番を迎えるわけですが、モデルが飽きちゃうと大変だから、ふみちゃんという方をレッスンに仕込んで、朝っぱらから「みんな行くわよー」って、盛り上げてもらうんだよね(笑)。「うるせーな、みんな疲れてるのに」とか言いながら。

それも演出で、裏の楽屋の空気も盛り上げながら、みんなで手探りでつくっています。


「ショーを見て服を買う」という空気は今はもうない


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米田:ショーの中では、映画やドラマなどのタイアップの映像や演出も多いですね。

田村:タイアップで芸能人に出演してもらうことは多いです。こちらとしては集客につながりますし、スポンサーにとってはドラマや映画の宣伝になるので、ノーギャラでもお互いメリットのある形にできるんです。本物の芸能人見るために来ているというお客さんも多くて、10年経って客層が変わってきましたね。

米田:音楽業界に似ていますね。CDや音源は売れなくなったけど、ライブにファンがお金を投下して、会場はすごく盛り上がる、というように、「本物に会えるなら現場に行きたい」という気持ちはやはりみんな持っているんでしょうね。

田村:それは永遠になくならないと思いますし、フェスブーム来ているのも、みんながデジタルじゃなくリアルでつながりたいという気持ちを持っているからじゃないかな。僕はこの世からライブもお祭りもなくなることはないと思う。自分が興味なくても、キャーとかワーとか歓声を聞くと、なぜかちょっと上がるでしょ?

米田:確かにテンションが上がってワクワクします。ところで、この10年間でターニングポイントはありましたか?

田村:携帯とともに始まり、Eコマースの衰退があって...。要は、TGCを最初に立ち上げた会社はなくなったんですね。TGCはリアルクローズを紹介するショーだけど、今は「それを見て服を買いましょう」という空気にはなってないと思う。最初は確かにそうだったけど、その後イベントとして認知されるようになって全国区になっていった。オーナーは今4代目だけど、オーナーチェンジを経てもショーが残っているというのはすごい。

米田:あのパッケージがありますからね。

田村:俺はそれを裏で支えているオジサン的な存在です(笑)。


娘がいなかったらTGCをやってなかったかもしれない


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米田:田村さんのバックボーンの話を聞かせていただけますか?

田村:もともとはサルインターナショナルという会社でショーの演出とかをやっていたんです。高校時代にその会社の存在をテレビ番組「11PM」で知って、「これはやるしかない!」と思ったのが高校2年生のとき。そこから狙いを定めて今の形にシフトチェンジしていきました。

米田:海外のショーに関わるようになったきっかけはなんですか?

田村:在籍していた会社がパリコレに関わっていたから、アシスタントとしてついて行ったのが最初ですね。アシスタントとして一生懸命やっているうちに、上の人たちがいなくなるごとにポストが上がっていきました。それが第一ステップ。でも世界的な建築家とか一流の人たちと10年くらい仕事する中で、ショーの演出って薄っぺらいなと思うようになってしまって。それで語学と舞台芸術を勉強するために、留学をすることにしました。

米田:どちらに留学されたんですか?

田村:パリです。ところが、向こうに家を借りて、さあこれから頑張るぞ! という時に、今の奥さんの妊娠がわかって。結婚して、家族を食べさせなきゃいけないということで、29歳の時に今の会社、ドラムカンを立ち上げました。その後、娘のためにガールズ向けで何か仕掛けたいなと思って、TGCの演出をやるという流れなんです。ですから、娘がいなかったらTGCやってなかったかもしれない(笑)。娘は今、中1だから、娘とともにTGCが育ってきたという感じですね。

米田:娘さんもTGCとか、ファッションイベントはお好きなんですね。

田村:いえいえ。父親の仕事を見てるから、自分ではやりたくないとは言ってます。我々の世界ではあまりないことだけど、僕は演出卓のスペースに家族を呼んで、なるべく親父の仕事の現場を見せるように育ててきたんですね。

米田:ファッションが好きな女の子にとっては最高にぜいたくな環境じゃないですか。TGCの舞台裏に潜入できるなんて!


後編に続きます。

(聞き手/米田智彦、文・写真/開發祐介)


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(C)TOKYO GIRLS COLLECTION by girlswalker.com 2015 SPRING/SUMMER
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