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小野里衣|ボタニカル・生け花アーティスト

小野里衣|ボタニカル・生け花アーティスト

 - ,,,,,,,  12:00 PM

写真共有アプリ「EyeEm」が1300万人のフォトグラファーに支持される理由

写真共有アプリ「EyeEm」が1300万人のフォトグラファーに支持される理由

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はじめまして。本年1月からベルリンに在住しているフリーランス生け花アーティストの小野里衣と申します。私自身日本に生まれ育ち、東京でいくつかの米国系企業、日本のスタートアップに勤務し、自身の願望であった海外で仕事をする、生け花を海外で伝えるという目標を叶えるべくベルリンにやってきました。

プロフィール

小野 里衣(おの・りえ)ボタニカル・生け花アーティスト
2004年よりApple Japan, Getty Images Japan等の外資系企業でセールスを経験。2014年より日本のスタートアップCrevo株式会社のサービス立ち上げに参加。同年9月より、フリーランスのクリエイティブマネージャー兼ビジネスコンサルタントとして独立。国内外のクライアントを持ちつつ2015年1月にベルリン移住。現在8年続けている生け花の経験を生かし、ベルリンで師範として生け花ワークショップや活け込みを行う等、アーティストとしても活動中。

ベルリンは、ドイツの首都とは思えないほど物価や人件費が安く、さまざまな人種が暮らしていること、また、ヨーロッパのハブとして利用しやすという理由で、今や数多くのスタートアップが生まれ「ヨーロッパのシリコンバレー」とも呼ばれています。アーティストたちが住んでいる街でもあり、サイズがコンパクトで、簡単に人と仲良くなれる街でもあります。新しいアイデアをすぐに試すことができるような、クリエイティブな雰囲気もあり、東京にはないユニークなスタートアップやイベントが出現しやすいのでしょう。

私自身も生け花アーティストとして、スタートアップマインドを持ちつつ活動していく中でさまざまな人から協力を得つつ、そこで起きた化学反応から、新しいアイデアを思いつき試すことができています。

今回、そんなベルリンで出会ったユニークなスタートアップを紹介したいと思います。

ベルリン発のスタートアップ第一弾として紹介したいのが、世界的に名の知れた写真共有アプリ『EyeEm(アイエム)』を運営するEyeEm Mobile社です。

EyeEmは、世界中のメディアから「ドイツ版instagram」と紹介をされているように、instagramと同様にその場でスマホで撮影した写真を加工、簡単にアップロードができ、お気に入りのフォトグラファーをフォローしたりチェックインができたりする写真共有アプリです。日本でも最近ユーザーが増えつつあるのでご存知の方も多いかもしれません。

しかし、EyeEmはそれだけでなく、ユーザーがより多くのインスピレーションやアイデアを得て、写真を上手に撮り、共有できる機能が多く盛り込まれています。


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ユーザー画面。「ご近所さん」というカテゴリーからは、近くで撮影された写真を見ることもできる。


2014年3月には、世界最大手のストックフォト企業Getty Imagesとパートナー提携を結びました。自社でもEyeEm Marketという写真のライセンスを販売するマーケットを始めることで、ユーザーが自分の撮った写真をマネタイズできるアプリへと成長をとげており、現在は全世界で1300万人のユーザーが使用しています


写真の共有アプリからマーケットプレイスへ


instagramとは一線を画す存在になった原動力や哲学、創業からの軌跡について、クリエイティブディレクターであり、共同設立者の一人である定兼玄(さだかね・げん)氏に、ベルリン本社でお話をお伺いしました。

EyeEmは元々友人同士であり、クリエイティブエージェンシーで働いていた等のアーティスティックなバックグラウンドを持っている4人の創業者、フローリアン・マイスナー、ロレンツ・アショフ、ラムツイ・リック及び定兼玄により2011年に創業されました。


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左:CEOフローリアン・マイスナー氏、右:定兼 玄氏。定兼氏はカンヌで何度も受賞経験のある凄腕クリエイティブディレクター。フローリアン氏のポーズはメルケル首相が重要な時にとるポーズだそう(笑)2人とも世界規模の会社のファウンダーと思えないほど気さくな人たちでした。


── 創業のきっかけはなんですか?

定兼氏:一番大きなきっかけは、初代iPhoneが発売され、一般の人でも簡単にスマホで高解像度写真が撮れるようになったことです。4人とも写真が大好きだったため、2010年のアプリ開発前は、スマホで撮ったクオリティの高い写真をポートフォリオサイトにアップしているフォトグラファーたちをメールで招待し、ベルリンで展覧会を行ったりしていました。一回目は場所も借りずに路上でゲリラ展覧会をしました。

おそらく私たちがスマホで撮影した写真の展覧会を行った世界初の会社だと思います。展覧会に写真が掲示されたフォトグラファーたちにはとても喜んでもらえた。そこで、よりたくさんの人たちに写真を撮ることを楽しんでもらえるようにするにはどうしたら良いかと考えたところ、ごくシンプルにスマホ上で写真共有ができるアプリを作ろうというアイデアが浮かびました。

当時はスマホで撮った写真を簡単に加工できるというようなアプリもそんなになく、フォトショップも一部限られた人しか使えないという状況でした。そのためアプリリリース当時は、まずは写真を加工できるような機能をつけたり、位置をタグ付けできるようにしたり、コメントやいいね機能をつけるようにしたりと、今では全て当たり前のような機能ばかりなのですが、まず写真を撮りシェアをするということをユーザーが楽しんでもらえるような機能を考えてアプリに盛り込みました。                                                    

その頃、写真共有として主流だった方法は、いわゆるFlickerなどのPC上で見るウェブサイトで共有する方法で、それには一度PCに写真を保存してからでないとアップロードできないし、カメラで写真を撮り慣れている人でないと少しハードルが高い。もっと簡単にスマホ上で同じことができればより多くの人が写真を撮り共有しやすいと考えたそうです。


── すでに3千万人のユーザーがいるということですが、2012年にinstagramがユーザーの投稿写真を広告素材として使用できるという規約改定行った(後日instagramは謝罪と撤回)のがきっかけで、反発した多数のユーザーがEyeEmに流れたというのは本当ですか?

定兼氏:本当だと思います。だから私たちは、2014年Getty Imagesに写真を提供し始めた時も、自分たちのマーケットプレイスを始めた時も、必ずユーザーから同意を得たものしか販売していません。もちろんそこで得た販売収益は、ユーザーにも50%シェアされます。私たちは、アプリを使ってくれる人々をユーザーと呼びますが、全てのユーザーは私たちにとって単なるアプリのユーザーではなく、"フォトグラファー"だと思っています。

著作権は全てフォトグラファーに帰属しますし、フォトグラファーの意思は必ず尊重されるべきだと思っています。また、私たちは、ユーザーが写真を投稿した際に、元々の写真の大きさをアップロード時に小さくしたり、形を変えてしまうようなこともしません。そうすればサーバー管理上は楽かもしれませんが、クオリティを落としたくないので変えるつもりもありません。例えば、パノラマ写真を撮って共有したい人がいたら、EyeEmにはそのままアップロードができるので、ユーザー側にも喜ばれますし、私たちもより多様な写真を集められます。


オンラインサービスの限界、75都市のコミュニティ形成へ


創業当初からずっとEyeEmが目指しているのは、全ての人がフォトグラファーとして、写真を撮ることを楽しんでくれるということだそうです。そのためにフォトグラファーの信頼を裏切るようなことは決してしないように、彼らをケアしてサポートするプラットフォームであるように常に心がけている、と定兼氏は言います。

定兼氏:例えば、アプリのよりうまい使い方など、ユーザーは日頃からなんとなく疑問を抱えています。これはアプリやウェブメインでサービス展開している他の全ての会社に言えることかもしれませんが、ユーザーが潜在的に持つ疑問をオンラインだけで解決するには限界があります。そのため私たちは、全世界合計75都市で、各地域で人気の高いフォトグラファーにアンバサダーになってもらい、コミュニティを作って定期的にミートアップを行っています。

同じような写真を撮っていてもマーケットで売れているユーザーとそうでないユーザーがいる。マーケットでは買う側が検索して写真を探すので、写真に対してキーワードがうまくつけられている人とそうでない人とで売れ行きの違いが出てきたりします。

私たちはそこをチームの力で解決するように努力していますが、現状やはりキーワードをきちんとつけている写真の方が売れます。そういったことが、ミートアップに来れば情報共有できるのです。最低いくつくらい、どんなキーワードをつければいいよ、とか。他にも、どんなカメラ最近買ったけどこれいいよ、このレンズはどうだといった情報共有や、ずっとアプリ上でフォローしていたフォトグラファーにその場で会えたりなど。ミートアップでは撮影をみんなで一緒にしています。


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シドニーのコミュニティのみなさん。EyeEm blogより。 Photo by Norman Ma


また、EyeEmはすでに23カ国語の言語にローカライズされていますが、それも全て各都市にいるアンバサダーがローカルの言語に無償で翻訳をしてくれているそう。費用面のメリットだけでなく、ヘビーユーザーがローカライズをするため、より最適な言語を選んでくれるという効果もあるそうです。


── アンバサダーはその全てをボランティアで引き受けてくれているのですか?

定兼氏:はい。でも、もちろん彼らにもメリットはあります。EyeEmのブログで彼らを特集したりもしますし、アンバサダーになれるようなフォトグラファーは元々クオリティの高い写真を撮りますので、トップページで彼らの写真を紹介したりすることもあります。ユーザーとウィンウィンの関係性が築けないと、なかなかこういったことを継続していくのは難しいと思います。

やはりオフラインでの新しい出会いが常にあったり、楽しいし好きだから続けられる、というのが強味です。好きなことは続けられるし人にも紹介したくなりますよね。そうやって築いてきた75都市のコミュニティは今EyeEmにとってとても重要です。コミュニティが活性化してくれていることで、より良い写真が集まるし、良い写真がなければ売れない。オンラインからスタートしましたが、気持ちを共有していくには直接会ってコミュニケーションを取ることがとても重要です。簡単ではないことですが、良い写真を集めるにはユーザーのモチベーションが非常に大事です。そのためには楽しんでもらうことがとても重要。そこは創業当時からぶれていません。                     


時代の求めるのはリアルさ、柔軟性


── 定兼さんが考える良い写真とはどんな写真ですか?

定兼氏:僕自身クリエイティブエージェンシーで長く働いていた経験があり、ストックフォトをよく利用していました。でも、無数にあるストックフォト会社の写真を探しても、あるのは従来の広告写真のような作り込まれた自然ではないものばかり。この多様化した時代において求められているのはもっと多様性のある、日常に近いところで撮られた、リアルでオーセンティックな写真だと思います。例えば、僕の写真はよくマーケットで売れますが、中には多少ぼけている箇所があるものだってあるし、え、こんなのが? と驚くような写真が売れることだってあります。                            


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ストックフォトっぽくないけれど売れた定兼氏の一枚


定兼氏:また、コミュニティエンゲージメントの一環として、昨年から"ミッション"と言ってさまざまな企業がスポンサーとなり、EyeEmのプラットフォーム上で写真を募集しています。勝者の作品は各企業が実際にプロモーションで使用でき、勝者には商品や賞金が提供されるというフォトコンペティションです。

例えばAirbnb は、"Home is Where The Heart Is(家とは心の帰る場所)"をテーマにミッションを行い、とてもオーセンティックな写真を集めることができました。ルフトハンザジャパンは"Around the World"をテーマに最も印象的だった旅行先を募集し、リアルな旅行写真を集めました。この時、ルフトハンザジャパンの商品は2名分の東京からベルリンまでの往復航空券だったのですが、実際に勝者がEyeEmのオフィスに遊びに来てくれて、喜んでくれたのはとても印象的でした。企業にとっては、いかにも広告的でない写真を集められることもメリットですが、全世界に1300万人いるEyeEmのプラットフォーム上でプロモーションができることにもなります。


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その他数々のミッションを開催


── 最後に、ベルリンに会社があるメリットについて教えてください。

定兼氏:維持費が安い、ヨーロッパの各都市へのハブとして使いやすい、などももちろんありますが、おもしろいのは、ベルリンのアーティスティックなカルチャーが魅力でわざわざ海外から優秀なエンジニアがインターンに来てくれたりするところです。社員も全て写真好きか、写真に興味のある人しかいません。アートやカルチャーに興味のある人はベルリンは合っているかもしれないですね。

ユーザーだけでなく、投資家にとっても魅力的なEyeEm。先日ピーター・ティール率いるValar Venturesや既存の投資家から1800万ドルの資金調達をし、すでに75名の社員を抱える大規模なスタートアップへと成長しました。

また、2015年9月にもニューヨークで独自のフォトグラフィーアワードである、「EyeEmフォトグラフィーフェスティバル」が開催されます。Spotifyのリードデザイナーなど、著名な審査員が集まり、昨年の応募者はなんと10万人にもなりました。これは著名なフォトアワードの応募人数をも超える規模です。


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EyeEmフォトグラフィーフェスティバル2014の優勝者、DAVID UZOCHUKWU氏の写真。優勝時は若干15歳。


定兼氏によると、創業当時は写真のライセンスを売るという現在の事業形態までは全く想像できていなかったそうです。EyeEmがここまで成長したのは、リアルな課題を乗り越えつつも当初の理念を守り続け、コミュニティにエンゲージし続けてきたからこそなのでしょう。

今後EyeEmがどのような展開を見せてくれるのか注目です。


(文・写真・聞き手/小野里衣)

  • ,,,, - By ライフハッカー編集部LIKE

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