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堀込泰三堀込泰三  - ,,,,,,  10:00 PM

社員を幸福にする3つ還元:イギリスの印刷会社Webmartが実践する「マルキスト資本主義」

社員を幸福にする3つ還元:イギリスの印刷会社Webmartが実践する「マルキスト資本主義」

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99u:今から20年以上前、Simon Biltcliffe氏は、苦心してWebmartという会社を立ち上げました。プリントマネジメント会社である同社は、厳しい業界において、小さいながらも成功を収めています。

イギリスのビスターにあるオフィスで、Biltcliffe氏は従業員に優しい会社を築き上げました。「旧態依然としたビジネスは、社員、顧客、パートナーを利用することに執着しすぎたため、すでに崩壊している」というのが彼の主張です。そのため、自分の会社を、従業員の幸福度を高めるように作ったそうです。たとえば、彼は毎年、事業収益の大半を社員に還元しています。昨年だけでも、Webmart社は社員1人あたり平均43.7%のボーナスを与えているのです。

Biltcliffe氏は、このアプローチをビジネスの「マルキスト資本主義」と呼んでいます。事業収益は、最前線の人々の手に直接わたります。彼に言わせれば、「周囲の世界を幸福に保つことで、誰もがいい仕事をするようになる」という考えは、世界で最もわかりやすいアイデアなのです。

どんなビジネスも、人の寄せ集めです。その寄せ集めが優れているほど、ビジネスもよくなるのです。

あらゆる企業が、最高の寄せ集めを作り出すことに取り組んでいます。

決済代行会社のグラビティ・ペイメンツ社は、最低給与を7万ドルに引き上げました。SNSツールの「Buffer」は、給与、株式、銀行残高などに関して過剰なまでの透明性を追及しています。オンライン教育サービスの「Treehouse」は、完全に上下関係のない組織で、週休3日を実践しています。

最近では、Amazonが「意図的ダーウィン主義」ではないかという批判を浴びています。ダーウィンの進化論のように、会社に適応したものは残り、できなかった者は去るということです。同社のやり方は、「最高の仕事をするための後押しとなる」と言う人がいる一方で、無慈悲で過酷な雰囲気が破壊的だという意見もあります。

いったい、どちらのアプローチが正しいのでしょうか?

Webmart社のアプローチは、従来のやり方とは一線を画しています。そこで、同社CEOであるBiltcliffe氏に、多くの従業員が離職しない最高の労働環境を作るための取り組みについてうかがいました。


マルキスト資本主義の3本柱


Webmart社は、以下に示す3つの柱に沿って、意思決定および社内ポリシーを整理しています。


1. 知的還元

「知性の充足なくして、最大限の幸福と貢献は得られない」というのが、Biltcliffe氏の基本理念です。そのため、採用段階において、志望者が生まれ持った性格を知るための心理テストが行われます。社交的なのか? 1人で仕事をするのを好むのか? それらの結果をもとに、採用するポジションに向いているかを判断しているのです。

内向的な人をカスタマーサービスに配属するのはやめたほうがいいでしょう。人が持って生まれた性格は、何をやっても変えることができませんから。

ポジションに合う人を選んだのち、新入社員は社内のピアレビュー(相互評価)システムに入ります。そこは、各社員が自分の知識を持ち寄る場。つまり、他人に知識を共有できる能力が問われます。

Webmart社のリーダーは、このレビューを通して各社員のもつ知識を見極め、ピアメンターを割り当てます。そうすることで、専門分野においてお互いに教え合う関係が構築されるのです。共感力の高い社員は、自分の専門についてほかの社員に教える一方で、クライアントマネジメントについては誰かに教わるという具合です。

査定のために同じような評価を利用している会社はありますが、Webmart社の場合、ピアレビューの結果が報酬に反映されることはありません。うまくいくと、社員同士が弱みを補完し合う関係が築けるのだそうです。


2. 感情的還元

これは、ほかの社員、クライアント、協力者に対して善を尽くせという意味です。このプロセスは、いいパートナーや友人について説明するのと似ています。つまり、社員は、他者のニーズや好みに注意を払い、それ以上のものを提供することが求められます。親友にプレゼントをするのと同じで、与える側も与えられる側も、気持ちが高まるのです。この哲学は、同僚や顧客に対しても適用されます。

たとえば、Webmart社はオフィスに来た人を手厚くもてなします。あなたが初めてオフィスを訪れるとなれば、あなたの同僚に電話をして、コーヒーが好きなのか紅茶が好きなのか、といった情報を入手します。あなたのお気に入りの1杯が見つからなければ、複数の社員を派遣して、その1杯を見つけに行くことも厭いません。

到着すると、Webmart社の社員があなたの写真を撮ります。帰るときには、気づいた点などを問うアンケートを送ります。こうして得られた情報は、すべて社内のCRMに記録され、次回の訪問時に利用されます。フィードバックは真剣に受け止められます。たとえばある顧客がやってきて冗談交じりに同社の黄色い壁がまぶしすぎると言えば、次回訪問時にはサングラスが用意されているのです。

重要なのは、これを自動的なものとしてプロセスの一環に組み込むことです。

細やかな配慮が、ビジネスにつながります。このような扱いを受けた人は、Webmartを忘れることはないでしょう。印刷業界のように、ベンダーが混在しており、顧客が前回その会社を選んだ理由を忘れてしまうような場合は、特に重要です。

ほかにも、Biltcliffe氏は自分の子どもの誕生日に、配送業者にプレゼントを渡しています。こうすることのメリットは、業者との良好な関係を築くだけではありません。

渋滞にはまって1つしか荷物を届けられないときに、選んでもらえるのは誰か? 誰も、Kodakの二の舞を踏みたくはないでしょう。誰もが気にかけてくれるような環境を、自ら作るのです。


3. 金銭的還元

「マルキスト資本主義」において、お金と報酬は、重要な部分を占めています。給与は透明であると同時に、社員は業績および業界の給与に応じた報酬を受けます。

透明性追求の一環として、すべての給与は社内で閲覧可能であり、業績評価トップ10の社員はいつも公開されています(ただし、業績評価の内容を見られるのは直属の上司のみ)。

地球上で重力の次に強い力は、透明性です。見られていることがわかっていれば、堂々とできないことをしようとは思う人はいないはずです。

しかし、多くのクリエイターにとって驚きなのが、報酬の「マルキスト」的な側面です。収益をかぎりなく還元しているのです。

第1に、Webmart社は、政府に「可能な限り多額の税金を納める」ことを宣言しています。

第2に、Webmart社は、経費(40万ポンドで固定)の支払い後、収益の50%を従業員に再分配しています(残りはBiltcliffe氏に還元されます)。収益が100万ポンドを超えた場合、超えた分の100%が従業員に再分配されます。昨年は、63万8000ポンド(約1億2000万円)が、43人の従業員に再分配されました。このような再分配の目的は、共通の目標に向かって従業員を前進させることにあります。ボーナス額の進捗状況は全従業員が見られる状態になっており、次のボーナスまでのカウントダウンは公に見える場所に掲示されています。




衰退中の業界でWebmart社が成長を続けているのは、これら3つの還元の組み合わせによるものだとBiltcliffe氏は主張しています。多くの場合、会社が大きくなって成功を収めると、従業員は独立して事業を起こしたがります。しかし、富を気前よく再分配することで、コストはかかるものの、従業員が長くとどまる理由になります。

ただし、利益の再分配を受けられるのは、Webmartに2年以上勤続した従業員だけ。それは、簡単なことではありません。

そこまで続けられるのは、おおむね3人に1人。でも、それを過ぎると、驚くほど長い間残ってくれます。平均、8年半ぐらいですね。

これは、ロンドン近郊の印刷ビジネスにしては、悪くない数字です。


The Marxist Capitalist Way To do Business | 99u

Sean Blanda(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.

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