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堀込泰三堀込泰三  - ,,,,  10:00 PM

日常と非日常の間をさまよう:男子3人夏物語2015 ~ムスコと旅する夏休み~ ver.3

日常と非日常の間をさまよう:男子3人夏物語2015 ~ムスコと旅する夏休み~ ver.3

8歳と4歳の息子さんを連れて28日間の旅に出ているフリーランス翻訳者の堀込泰三さん。このところあまり気分が乗らず、メンバー内でのいざこざが増えているそうです。でも、それもすべて織り込み済みなのだとか。なぜ、そこまでして旅に出るのでしょうか。第2話に引き続き、旅の様子をご覧ください。


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8月3日(夏物語13日目)、与論(よろん)島・百合が浜。

「またこの時期がやってきたか......」

目の前に広がる美しい海を見ながら、心の中でひとつ、ため息をついた。

与論には昨日到着した。奄美群島の一部ではあるが、沖縄に近いだけあって、砂の色が違う。鹿児島から島をひとつひとつ南下してきた僕らは、その白さに感動した。海の水も、驚くほど透明だ。一気にテンションが上がった僕らは、日が暮れるまではしゃいだ。

そして今日。全員一致で、昨日と同じ百合が浜(干潮時だけ沖に現れる砂浜)にやってきた。

景色は同じだ。白い砂、透明な海。天気もいい。ちょっと泳げば魚もたくさんいるはずだ。

それなのに、なぜか気持ちが上がらない。こんなに美しい海にいながら、何もする気がしないのだ。どうやら子どもたちも同じ気持ちのようで、いつもはすぐに「見て見てー、魚!」と泳ぎ回るのに、今日はここまで渡してもらった船から離れようとしない。

結局その浜には3時間いたが、三者三様、ぼーっとして過ごした。ビーチ後は恒例の釣りにも行ったが、なぜか気持ちが乗らず、すぐにあきらめて宿に戻った。


旅の中だるみ


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伊江島に沈む夕日。沖縄本島・本部(もとぶ)にて


長旅をしていると、必ずこういう時期が訪れる。経験上、中だるみが訪れるのは、出発してから2週間前後が多い。"非日常"の連続だった旅が、その時期を境に"日常"になってしまうのだ。

残念ながら私は、それを解消する方法を知らない。再び旅の喜びが戻るまで、ただ日々が過ぎるのを待つだけだ。

溜まった洗濯物を片づけたり、海をぼーっと眺めたり。普段飲まないお酒を飲みに行くのもいい(もちろん子どもはジュースで)。

子どもたちは、テレビを見たり、宿題をしたり、ケンカをしたり......

そう、同じメンバーでずっと旅をしているので、いざこざが増えるのもこの時期だ。ぶつかりながらも、旅は続く。

中だるみの解消には、たいてい3日~5日ぐらいが必要だ。旅先で何もしないなんてもったいない気もするが、実はこれが長旅に出る目的でもある


日常と非日常の間


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よく晴れた連泊の日は洗濯からスタート。真っ青な空に洗濯物が映える。


2日目の与論では、ぼーっと海を見ながら、あれこれ思考を巡らせていた。東京での生活のこと、仕事のこと、これからのこと。

その時、8歳の長男がこう言った。

「クラスのみんなにこの海を見せてあげたいなー。○○先生も一緒に」

ほぼ同時に、4歳の次男もこう言った。

「ママはいつ来るの?」

それまでの3人の話題は、次はどの島に行くか、どのビーチで泳ぐか、どこで釣るかなど、目の前の海をどう遊びつくすかがメインだった。ところがここに来て、3人の意識が同時に、東京での日常生活に向かったのだ。

それから少しずつ、旅の非日常と東京での日常がミックスしていく。このプロセスは、決して無駄ではないと私は思う。むしろ、とても重要だ。なぜなら、中だるみを乗り越えたとき、旅の喜びとともに訪れるのは、日常生活への希望だから。おかげで毎年、新しい気持ちで日常生活を再スタートできている。

今年もそれが得られるなら、長旅に出た甲斐があったというものだ。


旅の途中経過


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海水浴客でにぎわう水納ビーチ。この日は約700人が訪れた。


今日は8月10日。妻、友人家族と合流して、慶良間諸島の渡嘉敷島(とかしきじま)にいる。旅も21日目に入り、中だるみはすっかり解消した。兄弟仲も、以前にも増して深まっている。

ここで、これまでの旅を振り返ってみたい。


船中1泊
徳之島(とくのしま)2泊
奄美大島 名瀬(なぜ)2泊
加計呂麻島(かけろまじま)1泊
請島(うけじま)2泊
沖永良部島(おきのえらぶじま)2泊
与論島(よろんじま)3泊
沖縄本島 本部(もとぶ)2泊
水納島(みんなじま)1泊
沖縄本島 那覇(なは)3泊
渡嘉敷島(とかしきじま)8/10現在滞在中



沖縄県に入ってから、あまりにの人の多さに驚く毎日だ。たとえば水納島のビーチには、ひしめくようにパラソルが立っていた。あとで聞いたのだが、ピーク期には800人もの海水浴客が日帰りで訪れるらしい。なるほど、沖縄本島に戻る最終の船が出たあとは、ほぼ貸し切り状態できれいな海を楽しむことができた。もともと人口数十人の小さな島だ。泊まりで来てこそ、そのよさを味わえるのだと思う。

この旅2つ目の台風もやってきた。おかげで渡加敷に行く船が出ず、那覇での滞在を1日延ばすことになったが、偶然見つけた古民家一棟貸しの宿が素晴らしかった。第2話にも書いたように、台風だって悪いことばかりではない


新しい出会いと再会


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台風で船が欠航になり、急遽見つけた那覇の宿。古民家一棟貸しで、風情のある建物だ。


与論島では、この連載を読んだパパさんから連絡をいただき、一緒にお酒を飲ませてもらった。親子3人旅ではどうしても大人との会話に飢えるので、本当にありがたい機会だ。

同じく記事を見た鹿児島のラジオ局から連絡をいただき、番組に電話出演もさせてもらった。次男は恥ずかしがって出なかったが、長男は電話越しに出演した。ナビゲーターの質問にハキハキと答える長男を見ながら、知らない人との電話にこんな風に答えるのかと、新しい一面を見ることができた(生放送なので、内心何を言うのかとドキドキである)。

ちょうど中だるみに当たった本部(もとぶ)では、泳ぎも釣りもせず、三線ライブ居酒屋に2日連続で足を運んだ。長男は店主に三線を教えてもらい、ステージにも立たせてもらった。彼にとって、一生の思い出になるだろう。

本部から那覇に向かう乗り合いタクシーでは、70歳の運ちゃんと大学生2人組と男子3人という不思議な組み合わせで、渋滞の道中を2時間近く人生について語り合った。

このように、偶然出会った人と予想もしなかった時間を過ごすことこそ、旅の醍醐味だ。


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いかだ釣りに初挑戦。沖縄本島・渡久地港にて


再会もあった。那覇では、沖縄に住むパパ友2人のご家族とお酒を飲んだ。2人と会うのは2、3回目だが、沖縄ならではの「いちゃりばちょーでー」(一度会えば兄弟)の精神でもてなしてもらい、楽しい夜を過ごした。

ここ渡嘉敷島には、アメリカに住む友人家族と一緒に来ている。日本への一時帰国ついでに、わざわざ沖縄に立ち寄って会いに来てくれたのだ。

8月7日から妻も合流している。18日ぶりのママとの再会に、子どもたちは「めんそーれ沖縄」という腕輪を作って出迎えた。妻が帰るまでの1週間は、男女4人旅(途中は2家族8人)が続く。


旅の行方


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あの坂を上ると何が見えるのだろう。好奇心の赴くまま自転車を走らせる。与論島にて


長旅もいよいよ終わりが近づいている。今後の旅程はほぼ決まっていて、前半のように風まかせの旅はできないが、旅の終盤を思いっきり楽しんで、新鮮な気持ちで東京での生活を再スタートさせたい。


著者:堀込泰三

1977年生まれ。東大大学院を経て大手自動車メーカーでエンジン開発に携わる。2007年長男誕生時に2年間の育休を取得。その後、子どもと過ごす大切な時間を増やすため「子育て主夫」に転身。家族でアメリカ生活を送った後、現在は日本で翻訳やライターをしながら2児を育てている。著書に『子育て主夫青春物語:「東大卒」より家族が大事』(言視舎)

Twitterアカウント:@tahotahotaho


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